構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

« Fair Trade | トップページ | Distribution of Wealth-Tax »

Prejudiced Reform

改革なくして成長なし、と小泉・竹中政治が叫んでいた頃が思い出させる。何の根拠もなかったが、国民は、閉塞する経済情勢が市場原理で打破されるはずだと信じ込み、幻想を抱き、あるいは巧妙な世論操作で、幻想を抱かされ、何もわからずに、改革との絶叫を信じ込んだ。郵政民営化などは、健康な人を急病人に仕立て上げたような話だった。まもなく、混乱が起きてこよう。ロシアでもそうだった。鳴り物入りの民営化は、放出された一部の国営企業を政商や、マフィアが私物化してしまい、なかには、資産を海外に持ち出す経営者までが現れた。経営者といっても、党の幹部であったものが多いのだが。日本の郵政民営かも、ロシアのエリツィン時代の民営化の熱狂に似ている。

徳本栄一郎著の、無法外資は、過去に無知であれば未来にも間違いを犯すとの教訓に従って、温故知新で、この十年にどんなことが、外国資本を巡って起きたかを問い直すために有効な文献である。特に日本のテレビなどは、全く掘り下げた報道を行わなくなった状態の中で、思考を研ぎ澄ますための参考書となりうる。国際ジャーナリストとしての優れた単行本である。

我々は、ハゲタカなどにおびえないで、その手法を冷静に観察し、相手の弱点を突いていかなければならない。ハゲタカ同士を戦わせる方法もある。日本はアジアでタダひとつの独立国であったが、21世紀今も、帝国の植民地に転落する危機に直面している。相手の自壊作用を待つだけではだめだ。無法外資の最終章は、青森県のむつ小川原湖で、発電所を建設しようとした、例のエンロンの日本での背後関係について述べている。オリックスの米国法人が参加して、日本対策を行う会社が設立された当時のエピソードなどが述べられている。エンロン的なやり方をすると、国民の不幸がもたらされることは、アメリカ国民が経験した。対日工作などの一端が書かれているが、その全貌に光が当てられるべきだと書いているが、未だし、である。東芝や、ブリジストンが、弁護士のいい鴨にされて、数百億の規模で、賠償金を取られた顛末なども記述されている。小泉・竹中政治は、ウォールストリートの「宣教師」などと比べれば、小僧であり、単なる軍曹がやらかした芝居であったかもしれないと言う指摘は、核心を突いている。幻想の見直しを開始するための良いガイドブックである。

|

« Fair Trade | トップページ | Distribution of Wealth-Tax »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/209267/14702338

この記事へのトラックバック一覧です: Prejudiced Reform:

« Fair Trade | トップページ | Distribution of Wealth-Tax »