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Scenes of Absolute Poverty

曽野綾子著貧困の光景は、世界の貧しさの実態を知る好著である。しかも、世界中に貧しい人々と人生を共にする日本人がいることを知る本でもある。途上国とは何かを、現実に知るための本である。どうしようもない貧しさとはこんなものだと体感するための本である。古着が配られる。来ていた服を取り上げないと、あげた服は、わずかなお金のために市場で売られてしまうだけだ。シュバイツアー全集が、絶版になっているということもこの本で知った。言葉狩りの問題があって、修正できていないからというのが理由である。しかし、アフリカの実態は、その時代とさしたる変化が無く、むしろ悪化した国々もある。著者はその中でも、飢えに苦しみながらも、わずかなお菓子を、ぼろぼろのパンを分かち合おうとする人間がいることを見る。読後感は、アフリカ旅行を一緒にした気分である。豊かでありながら、貧しさに関心を寄せようともしない日本人の一部の人を哀れむ本でもあるのかもしれない。市場原理主義の混乱は、日本で顕在化しつつあるが、世界の貧困がもっとひどいもので、日本の格差はたいした話ではないと言い、むしろ豊かな社会での精神の貧困を憂えている。しかし、市場原理主義者は日本の公平な社会をぶち壊して、格差社会を作り出し、つまり現在のアフリカの貧困状況を日本に作る出すことを許容する考え方であって、曽野氏は、それを突き放してしまうのは残念だ。背後にある植民地支配の問題も書いてあるのに、現在の新しい植民地主義ー市場原理主義を批判しないのは唯一残念である。格差を助長したいという連中に利用されかねない面もある。

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