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Secret Pact

秘密には形式的な秘密と実質的な秘密がある。形式的な秘密は、例えば、意味のない紙に秘密と言うはんこを押すようなものである。実質的な秘密は、交渉中であるとか、公表すれば差しさわりがあるようなものである。もうひとつあるという。違法な秘密である。だから存在することすら公表をはばかられる。それが沖縄返還交渉をめぐる密約だったと言う。アメリカの公文書館の探索で、大学の研究者の発掘などがあり、密約があったことがアメリカ側では明らかになってきている。両国の財務省関係者の合意議事録なども公開された中で、秘密の指定を受けていた文書がアメリカ側では解禁されている。問題は、日本側で、そうした密約の存在を否定していることである。当時のアメリカ局長であった、吉野文六氏は、高齢に至り、その存在を認めている。最近の社説では、読売新聞が、密約の存在をそろそろ認めてもいいのではないかと、暗に促すような記事を掲載している。

いわゆる外務省公電漏洩事件で、逮捕された毎日新聞記者であった、西山太一氏が、密約の全貌を求めて、訴訟が提出された。沖縄密約で、総額6億ドル(日韓の国交回復の際の無償供与が3億ドル規模であったから、その額はほぼ2倍である。)が支払われたとの推論で、西山氏が指摘した密約も単に氷山の一角でしかなかった由である。情を通じてと言う言葉がはやりになったほうで、西山記者の公電入手方法には、問題があった。しかし、もっと大きな問題が、その公電漏洩事件で隠されてしまったとする。西山氏の主張は近刊の著書で発表すると言う。西山氏は、情報を当時の社会党に渡したことも認めている。その理由は、日本の新聞ジャーナリズムにも限界があり、また、いかなる記事が載ろうとその存在することすら認めようとしない官僚組織があるので、公共に発表することのほうが大切であると言う状況にあったと主張している。ジャーナリズムの立場からは違則ではなかったのかと指摘もあろう。

ソ連の秘密の公文書館の資料は今、ネットで公開されている。人智の秘密は隠しおおせるものではないし、むしろ期限を切って、人の命が限りがある中で、公表して評価をしておくことのほうが大切であるのかも知れない。そのためには、文書を整理しておくことが必要であるが、幸いにして、日本の外交当局は文書整理がちゃんとしているのかもしれない。

さて、アメリカ国民はこうした違法な協定があったとしてもなんとも思わないのだろうか。日本では地震の後にも略奪は起きないが、台風の後や暴動の時にはいつも略奪があるが、そんなことなのかもしれない。奪われる日本であるから、一方で返還があったのだからある程度の犠牲は仕方がないと言う意見もあるが、本当は自国の領土、同胞の住む土地であるからびた一文はらう必要がない、占領したことの原状回復を認めるべきだとの意見もあろう。

激動の日米関係である。沖縄の基地の位置づけは大きく変化している。第一軍団の司令部がワシントン州から、神奈川の座間に来るなどの変化である。そうした中で、ジャーナリズムが沈滞して、どのようなやり取りが日米間で行われているのか公表されなければ、民主主義は危機に瀕することになる。少なくとも、違法な秘密であれば、国民の判断にゆだねるべく、ジャーナリズムは勇気を持って記事にすべきである。

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