構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Timemachine

チャーリー・チャプリンは、暗い時代は笑いとばすに限ると言っている。モダンタイムスや独裁者の映画は、ヨーロッパに全体主義の暗雲が立ち込める中で、笑いをもたらし、またその独裁者に対しては痛烈な一撃を与えた。ロベルト・ベニーニのライフ・イズ・ビューティフルは、アカデミー賞も受賞した作品であるが、イタリアのチャプリンよろしく、極限状況の中で、人生の価値を見出しながら、強制収容所の事実すらゲームと捉えて笑いとばすことで名作となった。ナントカなるさとかの言葉は実は諦めではなく、希望をもたらす場合もある。ナンクルナイサ〔琉球方言〕の沖縄の友人から、おもしろい映画があるからと勧められた。今、全国の映画館で上映されている、『バブルへGo! タイムマシンはドラム式』である。バブル崩壊後の国の借金は800億円、毎日900億円の金利で膨らんでいく赤字。貧富の差は拡大。日本が差し迫ると言う現下の身につまされる設定の中で、財務省の審議官、下川路功(阿部寛)が、90年代のバブルの崩壊を軟着陸すべく、タイムマシーンを開発した電機会社研究所の研究員真理子〔大学時代の同窓生で、一児を設けている〕〔薬師丸ひろ子〕を、バブル時代の東京に送り込む。娘の真弓(広末涼子)を、見失った母親の追跡に送り出す。タイムスリップした、真弓の前には、建設中の東京ベイブリッジや、にぎやかな六本木の街が、タクシーを奪い合う光景とともに、再現される。17年前の下川路は、女たらしの軽薄な役人であるが、将来の娘とは知らずに、計画に協力する。

荒唐無稽なあらすじであるが、妙に臨場感がある。バブル崩壊が、90年三月の不動産融資の総量規制の通達がバブルを崩壊させた、別の言葉で言えば、信用を急激に収縮させた、

と単純な設定であるが、その背後にうごめく外国資本と、癒着する官僚組織などを描いている。失業率が伸び始める。将来への不安と安心が逆転する。倒産件数が増大する。自殺者数が増加に向かう。不動産融資が激減する。貯蓄をしなくなる。バブルを崩壊させることで、巨万の富を上げ、大蔵省の局長を務めて、総量規制を打ち出し、やめてから投資ファンドの経営者となる、芹沢局長(伊武雅刀)の悪役ぶりも楽しめる。外資企業との赤坂での宴会場面は当時の現実ではなかったかと思わせる。チャプリンや、ベニーニの映画には及ばないかもしれないが、バブル崩壊後の失われた17年を考えさせる娯楽作品である。

85年のプラザ合意後の日米経済関係などを考えながら見ると結構深刻な映画になるのかもしれない。一見の価値はある。お勧めしたい。

 

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