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Totten san

ビル・トッテン氏の日本は略奪国家アメリカを棄てよ(ビジネス社、1500円)は、今年の一月に発刊された。アメリカ国籍を棄てたアメリカ人の物語である。69年に来日してからの母国アメリカに対する感情の遍歴を書いている。アメリカを思い、浮かんでくるのは失望ばかりとして、ついに、日本に帰化するに至る。この日本が、立派な日本国籍の新しい国民を受け入れることができて日本人として誇りに思う。本の出だしは、自分の名前が、ブラックリストに載っていたというものである。トッテン氏は、著書で、祖国アメリカの政策を批判していたので、ブラックリストに載り、ハワイに行ったときにそれが発覚したと言う。切れた。日米安保条約の解釈についても、日本が米軍基地を提供する代わりに日本を守ってくれるが、そうだろうか、アメリカ憲法は、他国にあるアメリカの軍事施設が攻撃を受ければアメリカに対する攻撃とみなして自衛行動を許すが、他国の防衛に対する規定はどこにもないという。米軍基地維持のための年間5000億の日本の出費は、米軍兵士一人当たり1400万円と試算している。集団的自衛権が、主従的自衛権になってしまうとして、憲法9条の一部改正を提案している。なぜ総理はアーリントン墓地に連れて行かれるのかと問いながら、アメリカの大統領が靖国神社や千鳥が淵戦没者墓苑を参拝するのがス筋ではないかと言う。トッテン氏は、靖国問題について本質を突いている。あの東京裁判を認めるのであれば、政府の要人は靖国を参拝すべきではないが、東京裁判を認めないのであれば話は別だとして、東京裁判がでたらめであれば、戦犯など認めない、逆に堂々と参拝すべきだと主張する。M&Aについても、日本の企業は、外資に買収されやすくなるのに、アメリカの企業は、守られていることも指摘している。アメリカでは企業に道義的精神などないと言い切っている。ケタハズレノアメリカの格差社会を活写する。サブタイトルを見てみよう。ハリケーンで明らかになったキューバとの違い。アメリカの一部より、あの貧しいキューバより貧しい実態が明らかになったのである。国民皆保険のない国家。もうこれはほとんどの日本人が知っていると思う。第三章は、アメリカの血塗られた歴史と書く。先住民にも黒人にも決して謝罪しないとする。第四章は、日本人よ世界を見よと、ヨーロッパや、アジアのブータンなどを例にして、独立自尊の道を勧める。第五章はそう趣向アメリカの現状を元アメリカ人として憂える。第六章は、輝く日本のためにと題して、農業に力を入れるべき、民主主義を、民取主義と言い換えているのは面白い。民衆から搾取する思想考え方である。日本の江戸時代の安定も評価している。米英の植民地ではないのだから英語を必修化する必要はないというのは、説得力がある。正しい日本語も美しい日本語も見についていない若者が増えている中で、そんな暇はないはずだと指摘している。いずれにしても、心強い日本人が新しく生まれた。トッテンさん、いよいよ日本人として発言をどんどんしてくださいよ。英文で主張することが、下手だから、その点もやっていただけるとありがたい。トッテンさん、がんばれ。

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