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A Poet 2

都会の雑踏の音が消え、静かになる時刻だ。遠くに自動車の道路を擦れ合うことが聞こえるが、音がかすかに聞こえるほど静かになったわけだ。詩を朗読したりする時間としてはいい。

丸山薫という詩人がいた。山形県の西山村(当時)の岩根沢に住んでいた。北国という詩集など、いくつかの詩集を出版している。その中からひとつ紹介しよう。

白い自由画

「春」という題で 私は子供たちに自由画を描かせる 子供たちはてんでに絵の具を溶くが 塗る色がなくて 途方に暮れる

ただ 真っ白な山の幾重なりと ただ 真っ白な野の起伏と うっすらした墨色の陰翳の所々に 突き刺したような 疎林の枝先だけだ

私はその一枚の空を 淡いコバルト色に彩ってやる そして 誤って まだ濡れている枝間に ぽとり! と黄色を滲ませる

私はすぐに後悔するが 子供たちは却ってよろこぶのだ 「ああ まんさくの花が咲いた」と 子供たちはよろこぶのだ

戦争で疎開して生活している中での詩だ。木々のてっぺんまで雪にうずもれた山あいの村で、春を待つとはこんなことかと、普通であれば後悔してしまう様な失敗が実は希望につながるとも感じることができる詩だ。絶望に陥らずに、季節は巡り来ることも教えてくれる。

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