構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Disappeared

社外重役制度を導入することがはやっているが、実は、この制度自体が、アメリカ政府の要求を入れて、導入促進が行われているものである。旗振り役は、規制緩和会議の議長をしていたオリックスの経営者宮内義彦氏が会長の日本取締役協会などが推進している。日本の取締役会は、身内を大事にして、外の風が入らない、大局的な見地から社外重役をお願いするなどの掛け声であるが、実際にはアメリカ的な経営手法で、社外からの声で、例えば、買収合併などのときに、存在感を表すことになる。その背後にあるのが、市場原理主義である。

日本郵政公社の人事があり、生田総裁が更迭され、西川郵政会社社長が公社総裁を兼務することになったが、社外重役(後者の場合には理事(非常勤)としているようだが)にも人事異動があった。その名簿から、石倉洋子氏の名前がなくなった。石倉氏は、2006年4月に郵政公社の社外重役に就任している。興味深いことに、今では、日本市場から撤退したボーだフォンの社外重役にも、なんと同日付けで就任している。ヴァージニア大学で経営学の修士をとり、ハーバード大学で博士号をとった方で、例のマッキンゼーのコンサルタントをしており、一橋大学大学院の国際研究科の教授をしていると言う。青山学院大学でも教鞭をとっていたらしい。どういうわけか知らないが、日本学術会議の副会長にも就任しているし、そもそも、第一回目の規制緩和の会議には、専門委員として、参加しているから、宮内氏あたりとの市場原理主義者の関係とはよっぽど深いものがある方であることは容易に想像できる。ダボス会議、スイスの市場原理主義者の集団であるが、その関係もあるらしい。マツダの社外重役を模していたようであるから、外資との関係もボーだフォン同様あるらしいことが推察できる。

あまり知られていないことであるが、(インターネットで検索すれば簡単に分かるが)生田総裁自身が、先述の宮内義彦氏を会長である取締役協会の副会長を務めている。北城IBM会長が、郵政公社の非常勤理事を一年間していたが、その後任にJR東海の葛西氏が数ヶ月務めたが、後に公安委員に就任するとの理由で辞任している。今回、石倉氏の名前が公社の社外重役リストから消えたことは、興味深い。(郵政会社の方には、マッキンゼーの関係者が既に入り込んでいるし、同社は世界各地で民営化を手がけたじっせきがある。)

市場原理主義の特徴は、文化や伝統を非効率として大事にしないが、それ以外にも、仲間内を大事にするとか、色々な特徴がある。社外重役制度は、要すれば、そうした仲間内での人脈の中での情報交換の可能性も高い。郵政公社の社外重役に、慶応大学の池尾教授も名前を連ねており、今回は異動が無かったが、やはり先述の取締役協会の幹部である。経済同友会の仲間同士で、株の持ち合いとか、あるいは、福井総裁のときのように、株の贈呈?なども行われてきたようだ。初亥会などという親睦会があったことも有名であるが。

石倉洋子氏が、日本郵政公社の社外重役の地位を去った理由は、もうすこし、公開説明されてもいいのではないか。

社外重役は、それこそ会社によるが、一ヶ月にわずか一二回会合に出席するだけで、30万円とかの謝礼が支払われるという。講演会で著名人であれば、そのくらいの謝礼がもらえるかもしれないから不思議なことではないが、多くのサラリーマンからすれば、仲間内で社外取締役を、融通しあう不思議さを感じざるを得ない。宗国ホンダ会長も、取締役協会に名前を連ねているし、日本郵政公社の非常勤理事であるが、今回名前は残っている。瀬戸雄三アサヒビール相談役は、取締役協会とは縁がないようだが。日本郵政公社の社外重役のお給料は、一ヶ月いかほどであろうか、関心のあるところである。きっと郵便局の職員が聞けば怒るような額だったかもしれない。

アメリカの押し付けに、成果主義と、執行役員制度があるが、どれもうまく機能していない。成果主義はイエスマンをつくるばかりだし、執行役員制度は縦割りをつくり、日本型の経営の風通しのよさを悪くした。また稿を改めて議論したい。

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