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Disparities

いわゆる格差社会が深刻化している。多面的かつ多様に2極化が起きており、しかもその両極の格差が拡大している。正規雇用は約400万人減少し、その分、400万人の非正規雇用で代替された。つまり、1200万人の労働人口の三分の一を占めるに至った。派遣労働者の違法な雇用、偽装請負といった、労働関係のルールが壊されている側面もある。例えば、キャノンという一流の製造業の会社では100人のうち、30人が請負の労働者である。

そうしたことから、所得の格差が拡大しており、中小企業と大企業との格差、地域間の格差が絡み合い、また、労働分配率が低下し、一方で、企業の経営者分の取り分が増大し、株主尊重の観点から、株主配分が急速に上昇しながらも、賃金による還元はむしろ減少している。生活保護世帯は、100万世帯を突破した。東京都の足立区の例が有名となったが、就学児童が、給食費などを支払えない世帯が急増している。自殺率は年間三万人を超える高水準にあり、しかも、生活苦を原因とする自殺も増えている。犯罪の増加は言うまでもない。

なかんずく、東京と地方の格差の拡大は著しい。いわゆる限界集落が急速に増加しており、日本の伝統と文化は、破壊されつつある。もう、過疎の村では、祭りをすることはできない。高知県では、この10年間に労働人口が2万人から8000人に減っている。仕事が地方では減少しているのだ。日本では、大戦後、旧植民地からの帰還した人々が、全国に散った。高度成長で、地方から、各地の協業地帯への人口の移動があった。そういう意味では、第三の人口移動が起きている。食えない地方から、大都市への人口移動である。

社会保障の給付削減があり、病院が閉鎖され、医師は供給が不足しており、将来に対する漠然とした不安が広がっている。

その責任は、経済のグローバル化と称する経営で、先述のアルバイト雇用指向、株主の優遇と利益配分のいびつな配分がおおぴらに行われるようになった企業にもあるが、それを助長する政策で、特に、小泉・竹中政治はそれを政府の政策としたところである。

連合などの労働組合もその点では、格差拡大の責任をになう必要がある。多くの企業組合は、縦割りで、自分たちの雇用を守ることに救急として、国民全体の視点から労働分配率の是正、非正規労働者の待遇改善に対しては関心が薄かった。

格差拡大は、先進諸国の共通の問題と主張する向きがあるが、実は、そうでもなく、北ヨーロッパの諸国では社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)と呼ばれる福祉指向の政策もとられている。総じて、アメリカと、それに追従する日本の減少である。企業合併などは、資本家にとっては、有利であるが、多くの場合、労働者、会社員は、路頭に放り出される事例が多い。最低賃金にしても、先進諸国で最も低いのが日本となった。中間選挙で民主党が勝利したアメリカでは、早速最低賃金の是正案が立法されている。日本では、青森、岩手、秋田、沖縄では最低賃金時給610円という地域が残されている。ちなみに、イギリスやフランスの時給は、この二倍の水準である。

個人所得は、労働配分率が悪く、給料の上昇がないところから、まったく伸びない。これが個人消費につながらない大きな原因であり、景気拡大は広がらない。

以上は、5月29日に、東京有楽町において外国特派員協会において行われた、高木剛連合会長の講演の要旨である(当ブログのまとめであるが)。

(続く)

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