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Survival

文藝春秋6月号に掲載された、脳梗塞からの生還と題する、平沼赳夫衆議院議員の闘病記は、単なる病人のリハビリの記録ではない。文藝春秋は特段入手の難しい雑誌ではないが、政治に関する発言を少し引用しながら、議論を進める。

病状は、昨年の12月6日夜に現れたという。11人の自民党復党を結わう会の席上で、症状が出て、東京・広尾の日赤病院で、検査を受け、即入院したという。

病名公表をしたのは、1月16日であったが、自分に都合の悪いことについても隠し立てをすることなく、常にオープンにしてきた。脳梗塞という病名もきちんと発表してほしいと、取り巻きの病名隠しを押し切ったという。

無所属で苦労をともにした、古屋圭司、森山裕、武田良太、古川禎久氏には、病院に来てもらった、綿貫民輔先生にも来て頂いたと言う。

復党の誓約書を要求されて、提出を拒否したのが、平沼氏であるが、「党議拘束、党の方針に反した場合は議員の職を辞する」という文言が、政治家としての心情にかかわるから拒否したということだ。そして、議員辞職は、自分でやめる場合と有権者が決めて辞める場合の二つしかないという。一法案が以下に党議拘束がかけられようが、いちいち議員辞職するのでは、議会制民主主義の原則に反するという。もっともなことである。つい先日行われた米国議会の、イラン撤退期限を巡る採決などは、共和党、民主党入り乱れての採決であった。この誓約書は、郵政解散の総選挙のときも書かせたというから、その時点で、自民党の党内民主主義は崩壊していたことになる。

安倍総理は、退院当日の夜、退院の結わいを電話してきたという。「平沼先生、たかが郵政じゃないですか。貴方には将来がある。憲法改正なり、教育基本法改正なり、国家の根幹にかかわる大きな仕事で力を出してほしい」と安倍総理はのべたという。それに、はんばくして、引用が長くなるが、「しかし、私にとって、郵政民営化問題はそんなに小さな問題ではなかった。これまでも繰り返し主張してきたが、アメリカに押し付けられた形で民営化を進めれば、大きく国益を失うことは目に見えていた。こうした動きに歯止めをかけることこそが、本来、政治の役割だと私は考える。安易な妥協はできないという信念があった。一昨年7月に続き、総選挙後の10月の特別国会でも郵政民営化法案に無所属議員で唯一、反対票を投じたわけだ。」

靖国問題では参拝したか、しないかも明らかにしないというあいまい戦略には正直ガッカリしたという。

公務員制度改革についてもポピュリズムの匂いを感じる。

改革は結構なのだが、小泉前総理はあまりに目先のことしか考えなかった。長期的な国家戦略などまったく無かった。三角合併で、米国や中国の外資による企業のM&Aのききにさらされたし、エネルギー外交など、日本は中国に一歩も二歩も立ち遅れた。

郵政民営化に際して、アメリカに唯々諾々と従うことの懸念も現実化しつつある。医療制度までが外圧にさらされている。

すべての鍵を握っているのが参議院選挙だ。亀井静香氏は、29ある一人区で与野党逆転ができると確信を持って闘っている。亀井氏は、もし、参院で与野党が逆転すれば、法案は次々と参院で否決され、一気に政局になる可能性があると睨んでいる。「だから、私の復党なんていずれも参院選後の話だ。

はっきりしているのは、誓約書をもう一度書けといわれても私は絶対に書かない。

劣化する議会制民主主義の状況の中で、平沼赳夫氏が、脳梗塞の病から生還し、また政治活動を再開するとの報である。慶賀。

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