構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Tokyo Central Post Office

天災地変で、すべてが変わり行くものとの感覚が我々日本人にはある。行く川の流れは絶えずしての感覚である。過去を振り返ることなく、すべてがかわる、だから、新しいものが大切だと考える。新しいビルが完成すると、そこに群がり、見物をする。好奇心が強い。

ヨーロッパなどに行くと、ドレスデンの爆撃ではないが、戦火に焼き払われた町の復元が進む。復興はそこでは、新しいビルができることではなく、昔の町並みが寸分たがわず再現されることである。もちろん、その昔でも、馬車道があり、とおりの広さも自動車時代に適応していたから、江戸の長屋とも違うし、住宅もアパートも、外見は古臭くても換骨ダタイノの今風のリフォームをすれば、住み心地も悪くないし、商店街としても機能する。ところが、日本では、一部の建物に昔を偲ぶよすががあったりするものの、町並み全体を保存しようと言う意欲には乏しい。いたるところで、アメリカ風のビルが林立して、古いものを壊すのになんらためらいがないというのが、風潮である。昔は木造建築が主流であったから、火事と喧嘩は江戸の花ではなきが、時代ごとに町並みは焼き払われてきたのかもしれないが、戦前や、あるいはもっと昔の江戸のころの面影など、ほとんど残っていない。

だから、新しい物好きで、新製品が、市場を席巻する。何でも新製品と読んで売れるような話で、絶え間のない改善、競争力の向上にも通じる話となる。長所ではある。

はたまた、一方では、歴史観の喪失が起きる。変わり身の早さはいいが、追いつけテイ兄頭の構造といった具合である。ソノヒ暮らしとなる。価値がたまらないから、減価償却にきゅうきゅうとして、マンションを買ったが、減価償却をしない槌に、ローンを払い終えないうちに、また新しいものを買ったり立てたりしなければならないから、たいした浪費と言えば浪費でその傾向はある。よくあることだが、新しい建物が、実は、その昔の建材がよっぽど立派なもので、新しいう家は、新建材で、何とか症候群とかがあったりの、張りぼてだったりすることもよくある。昔の農家の梁や柱を東京に持ってきてビルのないそうにして飲食店がはやっていたりするが、後継の家は、見栄えはいいが、日本の風土に合わない、ツーバイフォーの換気の悪い、冷暖房に頼るうちになっていたりもする。

東京中央郵便局の再開発があるという。郵政公社が基本設計などの提案の公募を募集したと言う。八月上旬にも業者を選択して、11年度には、地上37階地下4階のビルに立て替えると言う。東京のほか、大阪、名古屋の駅前にも、中央局があるから、高層化を検討すると言う。さてさて、郵政民営化を機にというが、民営化しなくても、再開発はできたわけで、景観の私物化が行われるわけである。隣接する丸ビルの地域は、三菱村と呼ばれる地域でもあるから、そことも連携が取れているのだろう。また、その高層化されたビルには、民営化後のゆうちょ銀行が本店を構えると言う。傑作な話だ。片方の東京駅は、創業時の建物に戻すと言うし、ばらばらである。保存運動はどうなったのだろうか。市場原理主義者は、文化や伝統には関心がないし、すべてカネだとの考えであるから、さっさと古い建物など壊してしまえとの考えであろうから、外壁保存すら関心を持たないのかもしれない。不思議なめぐり合わせであるが、東京中央郵便局が落成したのは、民営化を叫んだ小泉総理の祖父、小泉又二郎が逓信大臣のときである。

郵政民営化は、土地、建物の処理と深くかかわりがあるが、中央郵便局の立替のことなど、国会の議論があった話を聞いたことがない。大きな利権だ。民営化して私物化して、それを開発して巨万の富を挙げる。もう公社でもないから、株主で山分けの論理である。毎年、約300億のテナント収入が見込めるビルが、公社のままでもできるのに、わざわざ民営化してから建てるのは、どこかに私利私欲が入り込んでいるように見える。

夏には、参議院の選挙がある。郵政民営化の問題点を再度、本丸にして、冒頭に書いたような、行く川の流れは絶えずしてばかりでいいのかどうか、考える必要がある。昭和六年に完工した東京中央局の面積一万1800平方メートルの敷地と、わずかに4階建てのビルであるが、歴史を刻んだ建物の運命をどうするか、公的に検討をする必要がある。アメリカのボストンあたりでは、倉庫街を再開発して、世界中から観光客を集めているような地域もある。高層ビルをたてて、ハゲタカの外資の止まり木ばかりをつくるようになったら、元も子もない。宮城に続く目抜き通りを、シルクハットの馬車に乗った外国使節が溶け込むような町並みが会ってもいいのではないか。また、利益を国民に還元する必要もある。開発や不動産の業者が、鵜の目鷹の目で、郵政公社に群がっている話を最近好く聞くが、乱開発の二の舞になってはいけない。夏の選挙で郵政民営化の見直しをすることが必要なことは、中央局の再開発ひとつをとっても、必要なことだと理解できる。もともとお国のものであったから、国民の利益を優先すべきときに、景気のいい話ばかりが先行して、裏の財閥の巨額の利権となってはいけないからである。私物化が選考しているように見えるのは情けない話だからである。夏の参議院選挙を契機に、東京中央局の再開発の話を、国会でも議論してほしい。

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