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China Fantasy

アメリカの政府も経済界も学会も「中国は、経済が成長すれば民主化する」というが、それは幻想にすぎない、と主張する本が出版された。ロサンゼルス・タイムスの外交専門記者として活躍した、ジェームス・マン氏の著書を、渡辺昭夫東京大学名誉教授が翻訳出版した。高木誠一郎青山学院大学教授と畠山圭一学習院女子大学教授が協力している。

中国が、価値観を共有できる国際社会の仲間となっていけるかとの問題提起について、三つのシナリオが考えれるとする。

その一は、「気休めのシナリオ」で、経済の面で自由化の味を覚えた中国は、頬って降りても政治の自由化を望んで開放へ進んでいく心配無用だとの能天気な見方で、現在アメリカでの支配的な見方である。著者は大きな見落としになると主張している。

第二は、「激動シナリオ」で、表面的にすばらしい発展を遂げていても、環境問題や貧富の格差に直面して、そのうち政権が瓦解して大変動が起きるのではないかとのシナリオである。

第三のシナリオが、こと政治に関する限りは、共産党支配が続き、定着していくというシナリオである。

著者は、第一の「気休めのシナリオ」を支持しているのは、米中の経済関係から実利を得ている人々で、人権とか政治的な弾圧には口を閉ざしてしまうことについて、口を閉ざしてしまうようなおかしな空気がアメリカ社会に存在するようになったと著者は言っている。

経済や軍事だけで見ていては、中国はわからないのではないか、文明やイデオロギーの視点で見たほうがいいとの主張ではないか。

アメリカは、関与政策から、段々、宥和政策になってきているのではないか。

「2005年9月に当時の国務副長官だったゼーリックが、対中演説をして、中国が現在のシステムのステークホルダーになれと演説したが、「そんなに自信を持って取り込むといって自信過剰ではないか」との指摘もしている。

巨大化した中国が、民主的な存在になるはずだというのは安易な思い込みではないかという警鐘を鳴らす本である。

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