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Failed Diplomacy

小泉・竹中時代の外交は、今だから話そう式の回顧録も出版されつつあるが、いわゆる訪朝外交は、日本という国の誇りと尊厳をかなぐり捨てた、完全な失敗であった。小泉前総理は、2004年五月22日に2回目の訪朝をして、5名の帰国者を連れ戻したたが、代わりに食料25万トン、医薬品1000万ドルの供与などを約したことは、すでに知られた通であるが、その際に行われた、ピョンヤン宣言の再確認とは、日本からの経済協力のリストと並んで、北の各開発政策の放棄を確認したというものであった。今となっては、ウソの事実を確認しただけの話であった。その後、北は、自ら、核兵器を持っていることを明らかにしているではないか。拉致問題の全容は明らかにならず、もう一つの重要問題である核問題の解決にもなっていなかった。そうした状況の中で、日長正常化交渉だけが浮き上がったのは、完全に失敗であったが、国内では、劇場政治で諫言をするマスコミもほとんどなかった。さすがに噂された三度目の訪朝はなかったから安堵したが。

拉致問題を二国間の問題にしたのも決定的な間違いであった。テロ支援国家の認定理由に「拉致を加えた、米国などの国際世論のはしごもはずしたことである。国民を本国のどういなく誘拐するという歴然とした国際法違反行為を、単純に二国間の問題にしたのは、失敗であった。無法国家との交渉は、日本の国益を考え、客観情勢からすれば、急ぐことなど毛頭なかったのである。外交という劇場を作り出し、選挙目当てのパーフォーマンスで国の利益と引き換えにした。北は、拉致問題は解決済みで、国交正常化交渉の障害になりえないと主張するのは、当然だった。拉致被害者の一部死亡を事前に知らされて、承知の上で、小泉総理は、ピョンヤン宣言に署名したのも、拉致家族あるいは、日本国民からすれば残酷なことであった。5名の奪還についても、本当は一時帰国のようなもので、もう一度、ピョンヤンに戻すという約束ではなかっただろうか、国民世論がゲキコウして戻しては成らないとの声が国内に満ち満ちたから返せなかっただけの話ではないだろうか。共産国を相手にして、カネの力など何にもならないことは、冷戦以前の時代には常識であったし、軍事的な投射能力もなく、賠償目当てのことなど、マカオの銀行の凍結だけで干上がってしまうことは予想できそうな話であった。世界から外交のできない国だと思われたことは間違いない。

経済・財政政策の失敗だけではない、戦後日本の体質が絡んでいるので、小泉政治ばかりを非難するわけにも行かないが、それにしても、外交に劇場政治を持ち込んで、日本国の誇りを捨て去った責任は、あきれ返るばかりだ。一国の首相が、国交もない犯罪者の国に2度までも出向いて、多数の自国民がなお放置され、拉致されている中で、赴いたことは、文字通り、国民を絶句させる情けない外交であった。

経済政策も、社会政策も、外交も、小泉・竹中政治と、一日も速く訣別することが求められている。

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