構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Post Office 2

幸せの赤いハンカチが消えた。岡山の北部の菅生という山里の郵便局が発案した赤い〒マークの旗が消えた。郵便局が尾根道を越えて統合され、民営分社化とやらで、旗をたよりに郵便局員が御用聞きをしていたことができなくなった。瀬戸内海放送がドキュメンタリーに仕立てて放送して、深夜番組ながら反響を呼んだ。地方ではサービスダウンが起きており、郵政民営化が、国民のためにはならないことを表現する番組であった。
 

郵便が不便になるとか、貯金と保険の外務員が来なくなるとか問題が指摘されるが、小泉・竹中政権の中枢でシナリオを書いた官僚の今だから話そうの回想によれば、郵便局における金融と非金融の分離が郵政民営化の本質だという。さもありなん。郵貯資金などを海外に流出させて、利鞘を稼ぐことが良いとの構造改革論の極め付きだ。社会保険庁を民営化するほうが先だ、郵政は税金を使っているわけでもないのにという不都合な真実は、プロパガンダにかき消された。米国の赤字の穴埋めも四、五年前まではひとり日本がやっていたから有り難味もあったが、今は中国とロシアとアラブ産油国のカネが流れ込み、恩義は忘れられ、慰安婦決議案などがまかり通るほどだ。

 郵政民営化は、郵便が遅れるとか、老人がカネをおろしにくくなるとかの話ではなくて、もっと怖い話しである。復習すれば、民営化がこの10月から始まり、郵便局会社と郵便会社は、持ち株会社の子会社として残るが、郵貯銀行とかんぽ生命は、完全に政府との関係を経って、巨大な民間会社にするというのである。株式を売却せよとのお達しで、10年を待たずに一刻も早く売却せよとの動きである。はてさて、世の中には状況の変化というものがあるが、昔と違って銀行には金が余っており、官から民へのカネを流すことなど必要はない。郵政公社の形のままでも、十分資金運用はできる。

さて、三つになったメガバンクは本当に強くなったのか。民間銀行も国債を買わされているが、郵政公社が国債を引き受けてくれるのであれば、銀行はもっと民間企業に貸し出しが出来る。中小企業からおっかなびっくりの個人保証など取らなくても、民間資金需要を優先することができるのではないだろうか。資金を必要としているのは政府の部門ではないのか。勿論、緊縮財政論で、もう何もしないで、国は疲弊して朽ちてもよいというのであれば、資金需要の話も論外だが、ドハの壮大な人工島のプロジェクトには及ばなくても、地震対策とか、地球温暖化対策のための研究開発やら、地域開発、教育改革のためなど、美しい日本を作る内需拡大の政策を組み上げていけばいいのである。民営化
後の郵貯銀行が国債購入を減らしていけば迷惑するのは民間銀行で、とどのつまりはカネ回りが必要な民間企業である。

 分社化で笑い話にもならない事件が起きている。郵便局の中を、会社が違うので壁で仕切る工事をやっている。郵便局長は、別の部屋の郵便配達の作業を指示することもさせないようにと、ベルリンの壁を、小さな郵便局で作っている。分割ロスという経済学の言葉も知らない連中がやっていることで、三事業をひとつの組織でやる効率性を範囲の経済と言うが、見当違いの分社化である。やはり壁をつくる陰謀は、金融と非金融の分離と考えれば納得がいく。

 さて、地方の衰退が激しい中で、地方の金融機関をこれ以上いじめていいものだろうか。郵貯銀行が、住宅ローンや、その他の貸し出しで、民営化で民業をつぶしていくことなど、誰も期待していない。利益優先の民間企業であれば、民営化されて、日本国債を買い続けることはできない。長期金利と短期金利が上昇を始めるとどうなるか。国債を持っていれば、評価損が出る。評価損が出れば、貸し出しが減るとの関係である。デフレも死に至る経済の病であるが、それも治さないうちに信用収縮に陥る可能性がある。景気対策をまともにやらないから、税収は減り続け、公共投資と地方交付税の交付金を減らすものだから、明治以来の社稷が滅びているのが現実である。自己負担分が払えず、医者にかかれず、蟄居を余儀なくされる老人の話も聞いている。教育費が削減され、都会へ出稼ぎに来ればいいとのご託宣は、「ああ上野駅」の歌を知らないお坊ちゃまの話だ。郵政民営化は、金融システムの罠あるいは日本経済の落とし穴となった。

 早急に郵政民営化を取りやめることが大事だ。郵貯や簡保の資金は、国債を主たる運用の対象として、その資金を供給するにふさわしいナショナルプロジェクトを立ち上げることだ。美しい国日本を作るために新たな公共事業を早急に開始することだ。実際に公社の決算を見ても悪くない数字ではなかったのか。米国でも、クリントン時代には、財政赤字を公共投資優先の積極財政で黒字に転化させたではないか。その後の戦争で天文学の赤字国家とはなったが、それに従属して朝貢を続けることは、新大統領の望むところでもない。カネの切れ目が縁の切れ目では真の同盟国たりえない。

 10月以降の郵政民営化・分社化は、日本の社会・経済システムを破壊しつつあり、文化と伝統、特に明治以来の近代国家日本の根幹を破壊する危険性を内包するものである。むしろ郵政公社を存続させて、郵政民営化法を廃止する方が国益に合う。参議院選挙における国民の叡智に期待を寄せたい

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