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Fake Privitization 38

東京中日新聞は、11月17日付の朝刊一面トップで、郵政公社がゆうちょ施設11施設を破格の安い値段で売却したと報じた。売却総額は、総建設費のわずかに一割程度の139億円にすぎないとした上で、回収が最も少なかったのは、三重県にある、「メルパール伊勢志摩」で、250億円で検したものが、今年三月に4億円で、地元の公共団体に売却され、さらに同市から同額で、近鉄(大阪市)が、取得して改装して開業したと報じている。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007111790070435.html

 社会面の欄では、関連記事として、千葉駅前の、郵貯施設を取り上げ、273億だったものを建設後わずかに七年後に10分の一以下の価格の20億円で売価約したとする。

東京中日新聞は、厚生労働省管轄の独立行政法人「雇用・都市開発機構」の施設を格安でたたき売りして問題となった事例と同様に、天下り先を確保しようとした官僚の意図が見え見栄だと報じている。

さて、真相はどうだろうか。当ブログの見方は、いささか異なる。公企業としての郵政公社が民営化されることを見越して、財務諸表のうち、損益はまったく問題がないにもかかわらず、減価償却費がかさんでいるのを大騒ぎして、大赤字の宣伝をして、売却を急いだものと思われる。伊勢志摩の施設のように、中間に地方自治体をかませた上で、大阪の会社に立った4億円で売却するなど、手の込んだ手法である。民営化を控えて、投売りを行ったわけであり、官僚云々が問題ではなく、むしろ、民営化される郵政公社を意図的に狙った、いわば、「国がだました」経済行為であったといえよう。厚生年金会館の民間売却なども同じような手法であり、損益上は何にも問題のないところを、会計制度に民間的手法をあてて、減価償却の額を大きく見せて早く売却しろと迫る手法である。評論家で、道路の民営化に貢献した、評論化が、週刊誌あたりで大騒ぎをして、官僚の無駄遣いといいながら、実際には、格安で買値をつける、一部政商に有利なやり方である。財団法人の郵便貯金振興会には、事実、旧郵政省の天下り先であったことは事実であるが、民間人の総裁や、行革会議の関係者から圧力をかけられ、やむを得ず売却したのが実装であろうと考えられる。天下り先をなくするわけがないからという単純な理由もある。(東京新聞の調査報道には敬意を表するところであるが、問題の深層についての分析はピントをはずしているように思われる。財団法人の小官僚はともあれ、巨悪の亡国の構造改悪にメスを入れてほしいものである)

さらに、簡易保険の関連する施設にかんぽ保養センターがあるが、これも次々に売却されている。巷では、今年に入って、全日空ホテルの競売に参加した米国系のファンドが、かんぽの保養センターの購入を狙っているとの噂がある。このファンドは、米国系ではあるが、中国のいわゆるサブリンファンド、中国という国のお金が投資として使われる資金として加わっていることで有名になったファンド投資の会社である。

郵政民営化関連法で、郵貯施設の残りの11施設も5年以内に売却か廃止を規定している。郵政民営化法がいかに、いかさまか証明するような事例であるが、要するに、5年以内に、格安で、一部の民間企業にうっぱらてしまえと法律で推奨しているような話である。

郵便貯金や簡易保険のの利用者にサービス還元をしようとして作られた施設が、利権の的になった。しかも、伊勢志摩や、日光のリゾート施設は、内需拡大を要求する米国政府の要求に従って建設されたいわく尽きの施設であり、なるほど、減価償却費は大きいだろうと想像されるような豪華な施設であった。それが、また民間企業によって新装開店すれば、地元の旅館やホテルは、一掃、圧迫されることになることは火を見るより明らかである。郵貯やかんぽの施設を使った、地方の業界つぶしに使われることになるのはまったく残念なことである。ましてや、中国の国家ファンドが触手を伸ばしているなどとの噂を聞くにつけ、郵便貯金や簡易保険がある種の国家ファンドとして機能すれば、国益となったのかもしれないと思うと慙愧に耐えない。

郵政民営化法は、早急に見直し、または凍結すべきであるという主張のひとつの傍証が明らかになった。合法的な不正とは、このような廉売投売りのことを示す言葉であろう。

防衛関連の不祥事にまぎれて、東京中日新聞以外の新聞は報道していないが、前施設の建設に要した額は2600億に及ぶ巨額であり、国会でも取り上げるに値する不公正な取引である。政治が流動化していて気体もしないが、少なくとも国民の太宗を占める郵便貯金の利用者には、事実を情報開示すべきである。今は解散した郵政公社の関係者のみならず、事業を承継した民営各会社の説明が求められるところである。逃げ切りが許されてはならない。

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