構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Another Asia

福田首相の中国訪問があった。日本はアジアという地球の上の区分けになされているが、地理的に隣だから、一衣帯水だから、似たもの同士だったと思ったら、大間違いになる。ましてや、日米関係と天秤にかけようものなら、もっと間違うことになる。儒教や、仏教や、箸や漢字が一緒だと思っていたら大変なことだ。福沢諭吉の脱亜論があったが、もともと、日本は、別の文化である。儒教にしても、漢籍という本から学んだ、現実離れのしたものである。真面目な生活をするために指南書くらいのことで、水戸学にしても理論的なものであり、中国の現実に立脚したものではない。中国本家にしてから、儒教がまともに実践されたことはないし、教養人の教養のひとつであったぐらいだし、文化大革命における孔子廟の破壊は、何か恨みがあったのではないかと思わせるぐらいであった。仏教も然り。唐代の仏教が日本に渡り、あるいは多くの日本僧が往来をしたことは事実であるが、中国の民衆の大そうは仏教と道教が入り混じったようなものを信じるばかりで、儒教仏教も大衆には関係がない。ましてや、現代中国は共産主義の国家で宗教はアヘンのいっしゅで、見入る影もない。杜甫、李白の美しい詩もほとんど関係がない。儒教が生活のレベルまで入り込んだのは、唯一朝鮮半島である。戦前戦中の国家主義者や戦後の左翼文化人が唱導したアジア主義は、実態のないものである。東アジア諸国が同じ文明圏にあるというのは、単なる思い込みである。

最近ある台湾人の運動家と話していて思い当たる節があったのだが、家庭に人を招いたときに、親切この上なくすることも日本人と似ているとの話であったが、儀礼的で丁重な態度をとることにすることは共通している。大陸の中国人の習慣とは全く異なるという。日本列島が沖縄の島々を要にして、台湾の島を左右にして、感性が似ていることには驚かされた。

和をもって貴しとなすなどとの日本人の心性は、大陸や半島よりも、むしろ、南海の東南アジアのほうに向かって広がる傾向だと思うがどうだろうか。仲良くしようという意味が、中国方式でやるとか、儒教方式の朝鮮半島方式でやるということで、相手の立場を考えて丸く治めようなどという考えは毛頭ないことに注意すべきである。

当ブログは、米英で異常に肥大化した市場原理主義を厳しく批判しているが、日本は近代合理主義を貫徹して、自由と民主と人権とを大切にする点では、むしろ、中韓よりも欧米に近い。市場原理主義を批判することは、米英の国民の多数にも同調する考えである。拉致事件を起こした非人権国家を、賛美したりする連中が日本国内にもいたことは確かであるが、それはやはり、アジアに対する幻想に過ぎなかった。拉致事件に対する国民の憤りは当然のもので、駄目なものは駄目ということで、日本国民は愛国心をあらわにしたのである。どちらが狭いナショナリズムか、日本の主張はむしろ普遍的なものであったにもかかわらず、中国も韓国も、日本の国連常任理事国入りに反対するばかりであった。術中にはまってはならない。日本の友邦は世界に沢山ある。もう脱亜も西欧崇拝もする時代ではない。ましてや、新たに、アジアの盟主の地位をあたえるようなニュウアをすべきではない。日本は日本、自立自尊で、自由、民主、人権、法治などの価値を追求することのほうが大事である。(日米関係を拝金主義で共通項をとってはならない。唯々諾々と従うことは、尊敬されない。筆者の米国の心ある友人の多くは、エルビスプレスリーの真似をした卑屈な総理大臣を訝しく思ったようだ。負けはしたが、アメリカとまともに戦ったことのあるのは日本であり、他のアジア諸国はその打ちのめされた経験もない。原爆や空襲や鉄の暴風の悲惨をこと上げしないことにまた驚き、だから尊敬されているのだ。忘れてなんかいない)

福田総理が揮毫した文字は、温故知新ならぬ温故創新となっていた。中国が中華思想を捨て去ることができるかどうかは極めて困難な話であるが、日本はまた中国の現実を見つめる努力をして、よもや朝貢関係に陥らないように注意しなければならない。

最後に注意すべきは、経済同盟としては、中米同盟が成立しているのではないかということだ。激しい拝金主義の市場原理主義を導入しているのは北京政府である。貧富の格差、地域の格差は惨状となっている。日本企業もこれ以上深入りすることはもう危険な状況ではないだろうか。君子の交わりは淡き水の如しで丁度いいのではないだろうか。

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