構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

« Infiltration | トップページ | Fake Privitization 44 »

Fake Privitization 43

政治評論家の森田実先生のサイトの一部コーナーに、12日の郵政民営化法見直し法案参院通過についての論評があったので、転載する。

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/

12月12日、国民新党、民主党、社民党が共同で参院に提出した郵政民営化見直し法案が、参院本会議で野党の賛成多数で可決され、衆院に送付されました。見直し法案の参院通過は、政治過程論としても有意義です。
 そもそも、郵政民営化法は参議院で否決されたのを、衆議院を解散して、その後の国会で無修正で可決するという暴挙のなかで成立した大義名分に欠ける法律ですが、今回の参院通過は、小泉独裁の残照の一部を是正する動きが具体化したことになります。両院で協議会も開かず、しかも衆院を解散するという手続きは、憲法に規定された二院制度を有名無実化する暴挙でしたが、参院の存在価値を再度示したことになります。
 前の解散・総選挙で踏み絵を迫られ、「刺客選挙」で多くの心ある議員が落選しましたが、踏み絵を踏まずに刺客を差し向けられるなかで苦労して当選してきた議員も、平沼赳夫議員を除いて、恭順の意を示して復党してしまいました。今回の見直し法案が参院から回ってきて、また意見を求められるのは酷なことではありますが、正義の女神のテーミスが回ってきて、法の支配が貫徹しているか、個々の復党議員を検証しているかのようです。
 本来であれば、参院選挙で与党の敗北があった時点で、衆院を解散して民意を問うべきであったものが、大連立とやらの民意を無視する政治過程があり、一種の空白状況が生じていす。この見直し法案は、衆院解散の契機となることが期待されます。
 現行法上の民営化見直し規定はきわめて不十分で、私物化と米営化をよしとする勢力に有利な規定となっていますから、与党内にも批判する声があります。ただ単に党利党略から賛否を問うのではなく、衆院では国益の観点からの議論に期待するとすれば、党議拘束をはずしてみるのも一案です。
 アメリカでの9.11事件の直後に、大統領に開戦の権利を授権する法案で、たった一人の下院議員が反対票を投じた事件がありましたが、議員や党を除名された話は聞きませんし、民主主義の各国では、重要法案はむしろ党議拘束をはずして、個々の議員の見識にゆだねることが大切だと考えられています。
 ましてや、ねじれ国会であればあるほど、議員の自由な意見の表明が党派を超えて重要になりますから、郵政民営化見直し法案は、党議拘束をはずして個々の議員の良識に任せて、刺客だの除名だの踏み絵だのといった民主主義にはふさわしくない政治統制を排除してみるのが見識です。
 マスコミの多くは、衆院で当然に否決・廃案になるような解説ぶりですが、それでは、チルドレンによる絶対多数をただ単に容認するような話で、問題解決にはならず、郵政民営化法という日本の議会制民主主義を破壊しようとした悪法を、再度真摯に見直すことのほうが、大切です。ねじれ国会の方が、普通の政治状況で、健全な姿です。

 世界でも続々と市場原理主義を否定する政権交代が起きています。オーストラリアもそうですし、ヨーロッパでもポーランドで政治が変わりました。世界の潮流は大連立ではなく、政治の大再編成です。サブプライムローンという市場原理主義のあだ花がしぼんでしまって、原油価格や食糧価格の高騰があり、各国通貨の信用の状況にも大きな影響が出てきたように思います。
 金利の上昇があれば、国債の価格は低下しますから、政府保証をはずして、しかも、新旧勘定分離を行って、郵便貯金や簡易保険を廃止してしまった郵政民営化で、国民資産の価値が急速に目減りしていく事態になることを恐れております。

 いずれにしても、郵政民営化の見直し法案が、株の売却の凍結というごく一部の論点の凍結であったにせよ、参院を通過するという政治の意味合いは大きなものがあります。多くの国民が、日本に民主主義はまだ残っているようだと勇気づけられたことは間違いありません。

 最後に一言付け加えますと、先日、地方回りのついでに浜松に行きまして、郵政民営化に反対して刺客選挙で僅差で落選した城内実氏を激励してまいりました。300人くらいの聴衆を交えての、城内氏とふたりで即席の時局講演会を行いましたが、聴衆のなかには、政治宣伝に踊らされて先生を落選させてしまったことは国損に値すると反省しきりで述懐する方もいたほどです。
 身の周りの郵便局が段々とサービス低下を起こし、防衛汚職など政治・経済の腐敗が表面化して、格差社会がどんどん進行して、医療、建築、諸々の構造改革が実は手の込んだ改悪であることが体感できる状況になって、日本を正道に戻そうという声が着実に高まっているようです。

 来年は、戊の子(つちのえのね)の干支(えと)の年です。戊は土、大地で、固まりますが、ねずみははびこり増えるとの意味で、大樹は栄えるが不要な枝葉は払われるというのが、もっぱらの東洋的な易断の見方です。たしかにアメリカ、ロシア、韓国などでも大統領選挙がありますし、変化が予想されますから、日本でも大激動の年であることは間違いありません。郵政民営化やその他の構造改悪がしっかりと見直されて、日本が再び立ち上がる年になることを祈るばかりです。

|

« Infiltration | トップページ | Fake Privitization 44 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/209267/17369879

この記事へのトラックバック一覧です: Fake Privitization 43:

« Infiltration | トップページ | Fake Privitization 44 »