構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Fake Privitization 44

郵政民営化が日本を不幸にする。よくもつけたりの副題であるが、週刊ダイヤモンド12月22日号は、郵便局を信じるな!という特集号を出した。「2005年の郵政解散で、国民は小泉純一郎首相を全面的に支持した。その選択は、はたして正しかったのだろうか。10月、郵政民営化によって新生・日本郵政グループが発足したが、郵便局の現場は早くも大混乱に陥り、疲弊している。現場を幸せにできない民営化が、国民を幸せにできるはずはない。」と目次に書いてある。

http://diamond.jp/series/newdw/12_22_001/

http://dw.diamond.ne.jp/number/071222/index.html

プロローグという出だしの記事は、年賀状地獄としている。民営化最初の年に、40億枚というノルマに追われる郵便局長などの報道である。自腹を切ってノルマを達成する、「自爆」も横行しているらしく、売るも地獄なら、配るほうも地獄の状態で、アルバイト仮名かなから集まらない状況が報告されている。郵貯は金利上昇のリスクがあり、かんぽは、契約の減少が続いており、同誌は、郵政三事業の先行きは暗いと一刀両断の記事である。過ちは改める西区はないとも述べて、増田総務大臣のインタビュー記事を掲載している。大臣の意見は、民営化したから、限界集落の住民が守られるという珍奇な主張である。「付帯決議がある限りにおいて、地方の弱者切捨ては防ぐことができる」などと述べている。まったくの牽強付会、決議があればなどと、まったく政策論とはなりえない珍妙さである。笑い話ではないところが、岩手県の知事を最近までやっていた政治家だろうかと疑わせるような応答である。

第一章は、投資信託募集と、簡易保険募集の問題について触れている。新規契約件数がどんどん落ちてきている。投信の純資産残高は一兆円を突破したという。しかし、販売された投信の半分は元本我だとも書いてある。コンプライアンスのブラックジョークについても、具体的に配布されたハンドブックを引用しながら、現場の実態との比較で書いている。貨物法制に切り替わったことで、混乱が生じているようだ。しかし、国土交通省もおかしな役所だと思うのは、郵便車両が今まで何の問題もなかったのに、新たに、郵便が貨物化したことで、;縄張りが増えたとでも思ったのだろうか、巡回指導を開始しているとの記述には驚かされる。現場の荒廃についての記述がある。

中川茂特定郵便局長会の会長のインタビューも掲載されている。論旨明快。郵政民営化は明らかな間違い。政治力で法改正を求めていくとの記事である。

第二章は、郵便局が消えて、地方切捨ての冷たい現場について報告する。青森のりんご業者が、民間宅配企業に変わっていたことを描写する。民営化移行で、営業管理機能が郵便局で失われてしまった実態を報告する。竹中元大臣のインタビューも掲載している。郵政民営化は不可避だった。郵政民営化法には設置基準があり、どこが地方切捨てかと居直る。前の総務大臣のインタビューと同類であるが、実態の検証がない議論である。

ヤマト運輸の社長のインタビュー記事も掲載されているが、物流の本質的なところが郵政民営化でよくなったわけではないと述べて、民営化が失敗していることを喜んでいるかのようだ。どうにも、ユニバーサルサービスとは何かに関する理解が欠けており、前述の竹中大臣のインタビュー記事と同根の議論である。

第三章は、一万人アンケートの世論調査の結果分析である。郵便局職員のアンケートはたった200人の母集団であるからあてにはならないが、一万人からのアンケートはそれなりに信憑性が高いものと思われるが、郵政民営化が、諸裏の利便性向上に結び塚かどうかとの設問には、期待と不安が入り混じる現実が浮き彫りになっている。

従業員持株会についての記事もあるが、浅薄である。もちろん、持株会は郵政の職員の士気は上がっていないようである。既に、当ブログは持株会の問題についてっは省実したことがある。

第四章は、遅まきながら、ニュージーランドや、諸外国の民営化の失敗例について報告している。郵便自由化についての欧州議会が反対多数の決議をした事例などを、遅きに失した感は否めないが、丁寧に書いている。

第五章は、当ブログでもしばしば紹介している、山崎養世氏の、郵便局を年金の窓口にして民営化の閉塞感を打破しようという提言を特集している。

統一した、全逓と全郵政、の労働組合の多難な船出について詳述したうえで、一ページ全面の、郵政民営化反対を貫き通している、平沼赳夫衆議院議員の記事である。地方から消える「郵便さん」民営か見直し法案賛成としている。;郵政民営化は国策の観点からも間違っており、小泉さん、竹中さんの罪は大きいといわざるを得ないなどと述べている。

最後に、日本郵政社長の西川善文氏のインタビューを掲載している。失敗した経営者のあがきが聞こえるようなインタビューである。側近政治をやっているという批判には、心外だと言い、お手本は農林中金などとも述べる。西川社長の言う現場主義は肝心の現場に伝わっていないことが問題であり、郵便局組織が大きいことを、経営トップが言い訳にする愚についての解説がある。

いずれにしても、遅きに失した特集記事である。そもそも、当ブログは、構造改革事態が根拠のない熱狂であり、市場原理主義者の体の言い私物化であるとの論陣を張ってきた。その観点からは、ようやく日本のマスコミの中でも大経済週刊誌のダイヤモンド社が取り上げることは、喜ばしいことである。ダイヤモンドであれば地方の本屋さんでも結構の取り扱いがあると考えられるので、亡国の郵政民営化がいよいよ明らか委になるものと考えられる。改め、見直し、当面は、不十分ながら、株式売却凍結法案を国会で可決することが必要である。

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