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Seek and hide 2

週刊ポスト(一月4-11日号)が、スクープ記事として、内閣参事官(霞ヶ関の異端児)「埋蔵金50兆円はここにある!」という記事をトップ記事にしている。自民党の財政改革研究会が11月21日に、霞ヶ関に埋蔵金はないという報告書を出して、それに、元幹事長が、余剰金を示して論争が勃発したという。結果は意外で、財務省が特別会計から10兆円を出したという。元幹事長殿に埋蔵金のありかを献策したのが、高橋洋一氏だという。

当ブログでも、既に埋蔵金の件は書いており(12月13日、Seek and hide)、とある政治家なども知っていて、既に赤字の穴埋めに使われたこともあるように、そうした余剰金があることはよく知られている話で、なにも高橋陽一氏の新発見でもない。準備金であれば、国の財政赤字を埋めるために、取り崩していいものかどうかは検討の余地がある。トレジャーハンターを、霞ヶ関の公務員が勤めるのはよろしくない。

この「スクープ記事」は、資産と負債とのバランスを見て、総勢かどうかを議論すべきであった、単に歳出と歳入とを比較して、増税論を展開するのはおかしいとする点では、正しい。タンス預金か、埋蔵金かは知らぬが、それ自体は、どこに何があるかを徹底的に明らかにすべきである。しかし、問題は、官僚支配と同様で、民主的な手続きを経ないで、独断と偏見で仕事をするのでは、「高橋を財政諮問会議に関わらせるな」と考える政治家が出てきても当然なのではないだろうか。私はやめる覚悟はできていますとの発言も記載されているが、竹中チームの一員として、あるいは知恵袋として、社会格差を拡大させ、日本を不幸にした、独断の役人がまだ、公務員の地位にあったことが驚きである。もともと、増税の議論は、純債務の多寡を議論すべきものであり、先進国の中で目立って大きいわけでもないので、増税論じたいがおかしなところがある。高橋氏は、増税の前に、経済成長率を上げ、埋蔵金などを放出して、それから、歳出カット、4番目に社会保障制度の見直しといっている。増税の前にというまではいい話であるが、その後の論理はめちゃくちゃである。

それから、余剰金がどこにあったのかを、高橋氏あたりが知っていたのであれば、逆に、不足金を、あるいは、損失を出していた特別会計がどこにあったのかも知っている可能性が高い。損失を何とか埋めた、民の出した損失を官で埋めたことはないのか。

高橋洋一氏は、財投改革の経済学(東洋経済新報社)を出版しているが、いわゆる構造改革の推進者の理屈が透けて見える本である。この程度の理屈で、改革と称して郵政のネットワーク基盤が破壊されたかと思うと、全く残念に思うような類の本である。別にコメントをしたいが、小泉・竹中政治と政策を支えた官僚による本であり、本質的に失敗であった、あるいはこれから失敗することになることがよくわかる本である。郵政民営化についても、4分社化のメリットという小節の見出しをつけた時点でその内容の信頼性の程度が予想できるような本である(分割ロスは論じようともしない)。郵政民営化の基礎資料?となった長期シミュレーションなどは、「絵に描いたもち」ではないのか。

週刊ポストも、そんな官僚を、異端児などとほめあげることもないだろうと思う。ついこの前までは、風を切って六本木ヒルズあたりを闊歩していた官僚が、政権が変わって落ちぶれて、新しい内閣にはむかっている官僚の一人にしか過ぎないのではないか。権勢を誇っていたときには、民主的な手続きを無視して過激な経済政策の後付をした責任は大きいのではないか。

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