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穏やかな小春日和となった、松の内の休みを使って、埼玉県深谷を散策する機会があった。渋沢栄一の故地である。渋沢栄一の生地が、中の家として残っている渋沢栄一の家は、養蚕の他に、藍玉の生産もやっていたようだ。豪壮な農家の作りであった。富農の生まれである。渋沢栄一は、19歳の時に、10歳上のいとこである、尾高惇忠の妹ちよを娶り、三児をもうけている。(後にちよが逝去、再婚。)24才のときに、京都に向かい、元治元年(1864年)には、後の15代将軍徳川慶喜公に仕官している。その後、幕臣となり、フランス訪問使節団の一員として訪欧している。慶応三年、横浜を出帆して、フランスバリの代博覧会に徳川将軍の命題としての使節団である。ヨーロッパには、4年滞在してる。帰国後、渋沢栄一は、現在の静岡市に、日本最初の株式組織である、商法会所を設立しているが、明治二年には、大隈重信の説得により大蔵省に出仕することとなった。大久保利通などとの軋轢もあったようで、4年間の任官の後に、実業界に転進している。

渋沢栄一は、いたずらに私利私益のみに走るのではなく公利公益も考え、他人の幸せにも尽力するのが商人の本分であると、道徳と経済の一致を説く。論語の精神に基づいた、道徳経済合一説を説いた。社会福祉事業にことのほか熱心で、東京市養育院を設立したり、埼玉育児院や、今に至る滝乃川学園の設立運営などにも関与している。実業教育も重視して、今の一橋大学に発展する、東京商法講習所の経営にも尽力している。日米の人形交換や、孫文などとの交流はよく知られた話であるが、医療施設の整備にも、貢献しており、慈恵会病院、済生会病院、聖路加病院、結核予防会などの設立にも大きな貢献を果たした。

現在の深谷駅は、駅舎が赤茶色のレンガで造られているが、これは、渋沢栄一が、明治20年に創設した、日本煉瓦製造会社の伝統をついでいる。司法省、(現在の法務省)、日本銀行、赤坂離宮、慶応義塾大学図書館、東京駅などの今に残るレンガ造りの建物の煉瓦は、深谷で製造されたものである。

渋沢栄一記念館で見た、渋沢の書は、すばらしいものである。論語の読本が飾られているが、克忠克考などと書かれた書は、すばらしいものだ。

今のカネの亡者と成り果てた、市場原理主義者の経済人やいわゆる財界人にも是非見てもらいたい記念館である。

記念館で、ボランティアの展示物の説明があったあとに、あるご老人の見学客が、いったい今の日本の金融関係者は、どうしたのだと慨嘆していたことが印象に残る。渋沢栄一は、第一国立銀行の総監役を務めている。明治38年までは、東京商工会などの会頭も勤めている。現在の王子製紙に至る、製紙会社の事実上の社長も勤めている。現在の狂ったような拝金主義の日本の一部の経済人には、渋沢栄一のつめの垢でもせんじて飲んでいただきたいような業績である。偉業である。

1931年没。

渋沢栄一を顕彰する財団が、東京都北区において活発な活動を続けており、雅号青淵にちなむ機関紙は、120年余の歳月を越えて、発刊が続行している

http://www.shibusawa.or.jp/

埼玉県深谷市は、市場原理主義と程遠い明治の実業家をしのび、現代日本の矮小化した政治経済のありようを考える散策の場としてはこの上ない。都心からも埼京線や、直通の電車が頻繁にあり、便利になっている。(ご他聞にもれず、自動車社会でバスの便などは期待できないが駅前にはタクシーの列も見られる。)

http://www.education.fukaya.saitama.jp/shibusawa/shibusawa.htm

もちろん、東京都北区にある財団の史料館は、さらに訪れる価値があるものと思う。

追記。渋沢栄一は、西郷隆盛とも交流があったようで、明治4年に西郷が渋沢栄一に、旧相馬藩で、二宮尊徳が行っていた、仕法を継続するようにとの陳情をしたが、これを渋沢は断っているが、お互いの間にいさかいは見られないのは興味深い。

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