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Independence

遠山景久氏の遺稿集である、台湾を独立させようを紹介する。氏は、ラジオ関東(現ラジオ日本)の社長であったことはつとに知られているが、戦後の左右対立の中で、権力権威に屈せず、強烈な反骨精神に支えられた言論活動を展開した。

「私は戦時中青年将校として、軍国主義の罪悪を、骨身に徹して思い知らされた。戦後マルクス主義に人間解放の活路を求めたが、目的のためには手段を選ばない陰惨な権威主義を経験するに及んで、スターリン批判を契機として、一元的決定論の世界から脱却するに至った。現在大学で教鞭をとっているが、戦後、今日迄、私の交友、知己揮は保守党から左翼に至る迄広範囲に亘り、絶えず生きた複雑な現実や多様な人間関係を皮膚を持って体験し得た。私は現来世威嚇的に、党派によって交友を選択したり、権威に寄りかかって発言したり、あるいはまた批判を恐れて右顧左眄したりすることは最も不得手とするところである。私は、自由な独立した個人の尊厳こそ、何物にも変えがたいものであり、そのような自由人にして始めて真理を語る資格があると思う。私はいかなる権力にも権威にも屈しない、強烈な反骨に支えられた、自主独立の批判精神こそ、最大の価値であると神事、常に失いたくないと心がけているつもりである。」

台湾を独立させようとの書名は、台湾独立を実現させるべく活発に言論活動を行っただけではなく、物心両面から独立運動を支え、運動に挺身する多くの台湾人を勇気づけたことにちなんでつけた題だという。

著作や論文で、時代が経って読み返してみて、全く当を得ないものが結構あるが、本書などは、今でも、色があせていない。

章立ては、第一章が、台湾を独立させようで、台湾の帰属は住民投票で、台湾問題の核心をつく、台湾はどこへ行くとなっていて、王育徳氏の、遠山台湾独立後援会会長とともに戦おう、という、現在もなお説得力を持つ、台湾論である。第二章は、申請鯵を日本の役割ということで、中立論への警告、雪解けの波紋、新生アジアと日本の役割となっている。第三章はマスコミの変更を斬るということで、新聞を裁く・マスコミの”ドン”、第四章は現代の山田長政いでよ!現代青年に与える、おい、君たち!若者に与える戦中派の弁と青年に呼びかける論文であり、第五章は、遠山景久の横顔として、川合貞吉氏による、人物紹介と、大宅壮一対談として、むかし陸軍今マスコミという題の週刊文春昭和43年5月27日号の記事を掲載している。(ラジオ・テレビの一億総白痴化をいかにして食い止めるかに粉骨砕身の今日この頃であるなどとしているのは、興味深い)

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