平成20年1月25日
暮らしを守る緊急20兆円経済対策
国民新党
アメリカのサブプライム・ローン市場の崩壊に端を発した株価の大暴落は、相当に根が深い。特に日本はここ数年、「構造改革」で国内需要を極端に圧縮してきた為に、輸出依存が過去最高の水準まで上昇しているので、外需の減少と円高で、日本経済は戦後最大の危機に直面している。
日本経済は極度に疲弊しており、あらゆる面で格差が拡大、地方経済は窮乏の度を深め、医療システムと社会保障制度が崩壊の危機に瀕している。国民生活も急速に悪化・貧困化し、国民の可処分所得(手取り給与)は9年間も続落、貯蓄率は急落し、生活保護を受けている国民は110万人にも達している。実に4世帯のうち1世帯は預貯金がゼロにまで落ち込んでいる。しかも原油高の結果、日本の消費者物価が上昇し始めており、日本は大不況にも関わらず、物価が上がり始めるという異常な事態(スタグフレーション)に陥る懸念が濃厚になっている。このまま放置すれば、間違いなく「平成恐慌」というべき事態に発展するであろう。
しかし幸いなことに、国民も政府も多額の金融資産を保有しており、この金融資産を国民の為に使えば、経済危機を克服できるのである。これは資産取り崩しの一時凌ぎ的な政策ではない。懸命に働く国民によって支えられている日本経済への適正な投資による経済規模の拡大を見据え、未来への投資を旨とするものである。適切な投資なくして懸命に働く国民がその成果を手にすることができるはずもない。切り詰めるだけでは経済規模も財政も縮小していくだけである。
このように我が国が直面する危機に際して、国民新党は早急に「緊急経済対策」を実行し、国民生活の防衛と消費の促進を図り、日本の経済力を回復させる為に、速やかに以下の政策を実行すべきことを提案する。また国会においては、ヘッジファンドの投機的な行動を規制すべきであるという欧州諸国の提言に、日本も賛同すべきことを提案し、市場の安定化を一層促進することに努めていく所存である。
1.石油価格高騰に伴う緊急経済対策
石油価格高騰に伴う国民生活の深刻な負担増を解消する為、総額3兆9,000億円の緊急経済対策の実施
2.所得税の減税
①定率減税の復活
2008年6月末までに、2006年度と2007年度の定率減税廃止相当額を、納税者のみ
使用可能なクーポン券で支給する。
②課税最低額を現在の325万円から360万円まで引き上げる。
③以上のことを実現する為の一助として、高額所得者と大企業の税率の適正化を図る。
3.労働分配率の上昇
大企業における労働分配率を向上させ、勤労者の所得を増やすよう経営者に求める。
4.住宅ローン税額控除額の拡大等
①借入残高の2%までの税額控除、新規購入のほか修繕・改築も含む、二戸まで対象
(参考:米国の住宅減税、583億ドル〔6兆円〕)
②住宅ローン返済困窮者に対する5年間の住宅ローンの返済猶予
5.中小企業対策
①中小企業投資促進税制の継続(2008年3月末切れる)
②投資減税(新規)
投資額の20%を法人税から控除
③事業承継税制の抜本的拡充
非上場株式等に係わる相続税の軽減措置について、現行の10%減額から
80%納税猶予に大幅拡充
④大企業と下請け・孫請けとの企業間取引の公正化、適正化
⑤官公需法に基づき毎年度閣議で決定される「中小企業に関する国等の契約の方針」に
より、地元中小企業に対する契約の機会(随意契約及び指名競争契約)の増大を図る。
6.証券税制の改正
①有価証券取引税を3年間免除する。
②個人投資家を対象として損金の繰り延べ期間を現行の3年から5年に延長する。
7.農業問題
①食料品の自給率を増大させる為の一環として、農業経営の安定化を図ることとし、
個別所得保障制度を創設する。
②米食の内需拡大(需要喚起)の為、学校給食は米食使用を原則とする。
また給食費支払い困難な家庭の救済を図る。
8.教育投資の充実
①独立して修学できるような大型奨学金(10万円くらい/月)を導入する。
9.国民健康保険の充実
国民健康保険の適用を停止されている国民に対しては、医療費を全額政府負担とする。
10.医療・福祉費の増額、6,000億円の支給等
①2006年6月閣議決定の「社会保障費を5年間で1.6兆円削減する。」を凍結、
2007・2008年度の削減分(6,000億円)を一括して復元する。
2009年度からは社会保障費を増額する。
②医療における新しい投資に留意する。診療報酬における技術料のアップ、病院診療所の
機械器具の更新、及び特に勤務医の待遇改善を図る。
③障害者自立支援法に基づき、障害者に対して賦課されている1割負担の凍結、
及び施設環境等の整備を図る。
11.地方交付税交付金を2000年度の水準まで戻す。
使途を投資案件と教育・医療・福祉に限定し、一括で地方政府に支給する。
12.財源措置
以上の財源対策としては、消費税によることなく、経済成長による税収増を基本とし、緊急の具体策としては、当面外国為替資金特別会計の積立金・運用収入、及び財政投融資特別会計の金利変動準備金・運用収入等の一部を当てる。
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