The King and the Pauper
19世紀末の米国人作家の小説に、The King and the Pauper がある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%81%A8%E4%B9%9E%E9%A3%9F
16世紀のイギリスを舞台にして、エドワード王子と、貧しい少年が衣服を交換してお互いの境遇を交換する物語だ。いずれにしても、とりかえばや物語が合っても王子は王子であり、貧しい少年は王様を支える役割でしかない。
民営化した日本郵政がスポンサーをしたのか、西川社長が映画出演をしているとのことで話題になっているが、八百屋さんの役だという。一日でも庶民になって、誰も知られずに市井の人生を送りたい願望がどこかにあるのかもしれないが、マークトゥエインの小説とは違って、王子様ではない。むしろ庶民を見下すような、権力を極めたような老醜を感じさせる写真が純情そうな長島選手の息子さんが演じる郵便局員役と並んでいる。幻冬舎から出版された最近の著者名入りの本にも不都合な過去の経済事件のことなどはいっさいかかれてていなかったが、映画に出演して、庶民受けを狙ったとしたら、おそらく全く逆の効果を招くことになるだろう。映画出演の願いはかなったかもしれないが、本質を隠すことはできないから、本当に市井の人に戻りたい気持ちがあるのであれば、その公職は捨てる以外にはない。しかし、その結果は小説の筋書きのように元に戻りたいだけのようであるから、王様にもうなってしまった気分かもしれない。いずれにしても、マーク・トゥエインの小説と同様、市場原理主義が作り出した格差社会や、品格のない世情の痛烈な皮肉であり、私物化された郵政民営化の象徴的な映像にはなりうる。
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