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Poison Food 2

日本人は水と安全についてはただと考えていると書いたのは、山本七平氏がイザヤベンダサンという筆名で出版してベストセラーとなった、ユダヤ人と日本人の中で、日本人の安全褒章に対する無関心に警鐘を鳴らしたことがあった。

事実、そのベストセラーが出版された1970年ごろは、東西対立の最中であり、奇妙な米ソの対立のバランスがあり、日本は一方的にひたすら、自国の安全保障を米国にたよりきっており、関心は経済発展のみであり、自国の安全保障に対する意識はまことに希薄であった。ベトナム戦争があったが、巻き込まれたのは、巨大な米空軍の飛行基地を持つ沖縄が間接的な影響を受けたのみであり、経済的にはむしろ特需が生じたから、まだまだ、安全保障に対する国家意識は希薄であった。

北朝鮮の核実験、中・長距離ミサイルの開発をうけて、日本の安全保障意識は大きく変わっている。中国の原子力潜水艦が、沖縄の島々で領海侵犯をして、浮上して大陸の海軍基地に帰ったのも最近の事例である。

日本を取り巻く情勢はことのほか、厳しい。国家関係は、まことに冷厳な見方であるが、最終的には力と力が対峙する関係である。相手が弱いと見れば、ますます強気に出てくるのがいつもの特徴である。毅然とした主張が必要であり、また、恫喝に屈しない国民の団結した意見と、国際社会で説得力のある主張を行うことが必要である。

幸いにして、いろいろ問題はあるにしても、日本は民主的な政治制度を追求しており、近隣諸国に見られるように、政治的な主張が極端な弾圧を受けることは、まれである。刺客選挙に見られるように、独裁の懸念もないわけではないが、それでも、デモをしたりすることで、長期の懲役刑を受ける危険性は少ない。

今回の毒入り餃子事件においても、北京政府が、以下にご都合主義で、言論の自由が封殺された国柄であることが、日本の大多数の国民にもよく理解されたことと思う。ここでも毅然とした主張と態度が必要である。

それから、食の安全保障について、日本人が始めて真剣に考えた事例になることが期待される。一兆円規模の貿易関係が日中間にあるといわれているが、中国の独裁政権からすれば、やはり、教条の通りに、経済は政治に従属するものであり、中国に対する食品加工の依存度が高まれば高まるほど、政治的に圧力を加える手段として考えることは想像すること難くない。閉鎖的な体制を目指すことなく、世界の信義を大切にして、信義を守れない国や政府との、交易を徐々に縮小していくべきである。

今回の毒入り食品の事件については、もともと外国政府が日本国民の安全について考慮したり検討したりするわけがない。むしろ、そうした食品の貿易を主導してきた日本側の商社や輸入業者の責任は大きい。今回の事件では、大洋食品などという中国側の会社の体制が問題になっているが、それは見当違いで、三代、そうした問題の内在する工場と取引をした、日本の会社の責任が問われてしかるべきである。

経済界にも、水と安全はただだと考えている向きがあるようである。100円ショップなどには、中国製の安価な物品があふれかえっているが、こうした物品についても、ある種のダンピング、価格破壊を規制する制度が必要であろう。皮肉なことに、中国の富める社会階層の人々は日本製の米を大量に買い、江戸前の寿司ネタを築地で買いあさる。不思議な現象であり、もしかしたら、中国に移転した食品加工は、中国国内では、むしろ中国国民に福祉と発展になんら貢献せず、党幹部や、一部の富める者の利益になるばかりであるとしての恨みがこめられているのかもしれない。

いずれにしても、食の安全保障に対する意識が高まりつつあることは、慶賀すべきことである。もう、100円ショップの外国産の安物を買うこともやめようではないか、居酒屋も外国産の怪しいビールのつまも食べるのは予想ではないか。グローバリゼーションの国境なき経済流通は、中国内部における社会格差を帰って増大させており、貿易を進めれば進めるほど、日本は逆恨みを受けることになる。中国は表現も集会の自由もないから、自国の政府を面白く思わないときは、弱腰でおとなしい、日本を批判したり、デモをしたりすればいいと受け止められている現実があるのだ。

領土問題についての好著が出版された。日暮高則氏による、沖縄を狙う中国の野望である。日暮氏は、時事通信社の北京、香港特派員などを歴任した専門家である。この本は食の安全保障には触れていないが、北京政府のご都合主義の行動パターンを知る上でも優れた著書である。

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