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国会が空転している。衆議院と参議院のネジレ現象で、予想された事態である。日本銀行の総裁人事をめぐって、与党と野党の対決状態になっている。日銀の総裁人事は国会の同意を必要とする。

 福田首相は7日、福井総裁の後任に武藤副総裁を昇格させる人事案を衆参両院に提示した。現在の福井総裁の任期切れは今月19日であるから、参議院で不同意になれば、史上初めて日銀総裁が空位のままになる。


 民主党の武藤“総裁”に反対するには、いくつかの理由があるといわれているが、その第一の理由は、通貨当局の番人は、政治から中立に置くという“財金分離”である。旧大蔵事務次官を務めた武藤氏ではこの原則に反するという理由である。

 2番目は武藤氏が旧大蔵省時代、降格人事を経験したことが、日銀総裁としてふさわしくないというものだ。武藤氏は、不品行の事件が大蔵省であったときに監督責任を問われ、官房長から総務審議官に降格されたことがある。

 3番目は武藤氏の趣味は油絵を描くことで、東京芸大教授の絹谷幸二画伯の指導を受け、何回か個展も開いてきたが、武藤氏はこの個展での自分の絵を“不当に”高い値段で関係者に“売りつけた”のではないかという噂があるというような理由だ。

 そして4番目は、武藤氏が、英語によるコミュニケーション能力が低いという話だ。(ちなみに、武藤氏はワシントンに三年間大使館勤務をしたことがある)

 最後に、どこかの経済学の大学教授がコメントしていたが、見るべき経済学の論文がないから、判断のしようがないという理由である。

 しかし、そんな理由での不同意論では心もとない。決定的な証拠もない噂話や、ましてや、論文がないなどとの理由は通用しない。

武藤氏を不同意にすべきは、日本の金融政策の転換を図る必要があるからと主張すべきではないだろうか。福井総裁を推薦したのは、大蔵事務次官のときの武藤氏であるといわれているから、日銀と武藤氏が、それぞれ推薦しあって、あるいは日銀のデフレ政策と財務の緊縮財政政策があいまって、日本を没落の淵に至らしめたのではないだろうか。

 単なる言いがかりでは不同意にしても説得力ない話であるから、民主党は、代わりの人事案を腹案として提示する体制をとった上で、与党が経済政策の転換を図るような人事案を要求していくことが本来の野党の健全な主張であるべきである。小さな政争の話ではなく、激動する世界の経済情勢に対応する日本の国益を守るための金融政策のトップ人事として、議論すべきことである。福井日銀総裁は、村上ファンドのことですねに傷を持っているし、武藤氏と同様に、日銀の接待事件との関連もあった。ましてや、そんなことなど馬耳東風で、日銀総裁のポストに居座り続けたのも問題であった。もう既に、総裁のポストの品格がうしなわれていたのであるから、副総裁が単純に昇格すること自体がおかしいのである。財務省の出身であるからだめだとの理由も薄弱である。英語ができないなどというのは、理由にもならないし、言いがかりにしか聞こえない。美しい日本語が話すことができるのであれば、立派な通訳を随伴させれば何の問題もないことである。金融属国になる必要は全くない。

 恐れるのは、民主党が言いがかりをつけるだけの薄弱な理由で不同意を主張すれば、それを逆に、今の構造改革路線を続けたい勢力を却って力付けることになりはしないか。

 金融政策の転換を図ることが必要であるから、経済諮問会議の議員をしながら、スキャンダルのあった福井総裁と行動をともにした副総裁からの昇格を認めないとすることのほうが、筋の通った理由であると思うがどうだろうか。そして、まず参議院先議にして、そこで不同意にして、代わりの人事案を要求する手順を踏んだほうがいいのではないだろうか。

 総裁が空白になるからという理由もそれほど説得力はない。そうした危機的な状況が日本にあるわけであるから、その間の対応は副総裁がすればいいのである。一種の危機管理であり、そのためにも副総裁がいるのである。

 結論としては、当ブログは、経済政策の小泉・竹中政治の根拠のない構造改革政策からの脱却を図るために、それを後押しした福井総裁と行動をともにした副総裁の昇格を、正面から不同意とすべきであると考える。ヨーロッパ並みの健全な金融政策をを主張して、デフレ克服を目指す、清廉の人物の就任を強く期待する。

 ともあれ、国会同意の人事の制度は必要な制度であり、公的な機関のトップ人事をこのように議論の中で、査問して、透明にしていくことは大切である。その点、郵政民営化の各社の人事などは、全く国会で議論がされないまま、竹中大臣が一方的に決定してきたことであり、この点でも郵政民営化や、道路公団の民営化などで、人事の手続きが私物化されてきた感がある。せめて郵政会社や、道路会社、空港会社の人事などは、一定の査問手続きを伴い国会同意あるいは、承認の人事とすべきであった。構造改革の問題として、今から修正すべき論点である。

 

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