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Critical Heritage

御宿かわせみからの記事を、著者の了解を得て、転載した。優れた政治評論である。リンク先は当方ブログの興味あるリンクの冒頭に掲げてある。その他の評論記事や俳句にご関心の向きは是非参照されたい。

◎新聞は「財務省にやられた」のかー日銀総裁人事
   日銀総裁人事をめぐってここまで首相福田康夫が追い詰められた原因の最大のものは、新聞論説による副総裁武藤敏郎昇格賛美の大合唱に乗った結果と見ることが出来る。支持率意識で世論だけに乗って、政治が存在しなかった場面だ。まさに二階に上がってはしごを外された図式だが、これではねじれ国会時代の荒波は乗り越えられない。
  日銀人事は今日差し替え提示の方向となった。「ベスト」として武藤だけを提示した首相は、メンツ丸つぶれである。しかし民主党のごり押しを批判しても始まらない。「サソリは刺す」のであり、現実は刺すことを前提に対応できない方の政治力が問題なのだ。
 今回の人事上の大失政は①社説を含めた全国紙の論調が武藤是認または礼賛論で占められた②首相はこれを武藤人事の有力材料と判断、候補を一人に絞った③結果は民主党を“悪者”にできたが、首相は政治力を問われる結果となったーと分析できる。
 民主党幹事長の鳩山由起夫は、16日の民放番組で各新聞の社説が全部民主党を批判していることについて「マスコミが財務省にやられてしまっている。財務省が国家なりではいけない。財務省が国家なりの象徴が武藤人事だ」と反論した。非難された新聞各社は反論が求められるが、一党の幹事長が指摘する限りは、民主党担当の記者らから何らかの情報が入っていたとしか思えない。
 それでは実際に「マスコミは財務省にやられた」のだろうか。社説は各社の論説委員が書くが、方向性は総じて論説委員会で協議の上出す。政治、経済、社会など各部出身の論説委員の会議である。
従って外部勢力が直接影響を及ぼすことは出来ない。しかし書き手は多くの場合得意分野の論説委員が担当するので、書き手によってニュアンスが生じる事は避けられまい。極秘の委員会を垣間見たわけではないが、今回の場合は、読売新聞の場合は太筆書きであり政治部出身の可能性があるが、おそらく他の社は総じて「用字用語」やきめの細かさからみても経済部出身者が多かったのではないか。
 財務省や日銀を担当する記者には武藤に対する“思い入れ”が相当あるようだ。民主党が人事を否決した翌日の朝日新聞の社説を見るとその思い入れがよく分かる。書き出しから「がっかりして、力が抜ける思いである」と事態を形容した。記者の感情を冒頭から最大限に露わにした珍しい論調である。そして「政治のあまりの無策にあきれる」と続く。推測だがおそらく相当武藤への思い入れのある記者による原稿であろう。朝日は十六日付けの囲み記事「補助線」でも「武藤さんではだめですか」と署名入りの記事を載せ、未練を残している。
 鳩山の非難は当たらずといえども遠からずかもしれない。この重要人事の失敗の根幹にあるのは、マスコミも首相も政界も“ねじれ”の本質を理解していないところにある。当分民主党の“参政”なくして政治は動かないと銘記すべきである。加えて、首相人事ですら複数候補で争われる時代に、「武藤ベスト」の発想はおかしい。日銀総裁候補などいくらでもいる。複数候補を提示して事前に民主党の同意を得るのがどうみても「政治」であった。

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コメント

おっしゃるとおり、武藤は主計局長のころから、マスコミ対策は入念。情報のリークはもちろん、絵画操作を含めて、特定の側近記者に利益供与。これはと思ったマスコミのobには審議会の委員や、財団のポストなどを提供。悪ですよ。あいつは。

投稿: tonoji | 2008年3月17日 11時58分

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