構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Growth

日銀の総裁人事の問題が、紛糾するさなかであるが、日本の金融市場について少し考えてみたい。日本の金融市場の特徴はいくつかあるが、最近の債券市場の利回りが低いことである。10年物の債券は、株式の配当利回りをも下回っている。十年前の長期信用銀行の危機、日本債券銀行の危機と時にも、株式の利回りよりも下がったことがあったし、銀行の不良債権問題で、公的資金の投入があったときのも株式よりも下がったが、そのような状況に至っている。配当利回りは、急激ではないが、もちろん70年代よりも低いのではあるがそれほど急激に上がっているわけではない。理屈詰めで考えると、10年物の利回りが低いということは、招来への楽観があるとも読める。リスクがあると、金利は当然高くなることは当然であるから、低いということはあながち悪いことではない。反面、株式の配当利回りの低さは、株式市場が、成長を見放しているものとも考えられる。

 それから、日本の株式市場は、外国人投資家が、どんどん増えていることであり、なんと70パーセントが外国人の投資家であり、日本人は約2割を占めるに過ぎない。株の持ち合いはだめだとか何とか、外国からのご託宣で、いつの間にか、東京証券取引所などは、外国人の売り介する市場となってしまった。サブプライムがはじけて、外国人がうりにでるから、あっという間に株価が下がってしまうという不安定な市場になってしまった。特に最近は、どんどん外国人投資家の割合が上がっている。おかしな現象であるから、日本の市場は日本人が大局をしめるようにする必要があるが、前述のように、日本の資金が外国に流れ、日本に外国のファンドなどが来て株を買い占めるという奇妙な構図となっていた。三角合併などで、急激に株が上がったりする減少も続いている。ある三角合併の対象になった会社などは、ある時からどんどん株が上がり始め、防衛策をとったら極端に株価が下がるという現象もある。これは、外国ファンドを野放しにしているので、そこが逃げると株価が下がるという構図である。円安政策が続けられ、輸出産業が優遇される政策が続けられ、キャリートレードなどという具合に、日本のマネーが海外に行って、実はファンドの手先となって日本に還流する構図になっている。属国のような経済政策が行われ、しかも超大国の資金供給源ともなっていた。国内ではほとんど労働賃金は上昇せず(正確に言うと、サラリーマンなどはデフレのせいで、ベアがなくても実質賃金が上昇して、倒産した企業などは、丸損するという不思議な現象で、それが格差を助長したのであるが)国内消費は落ち込んで、中国市場等の外需と、輸出企業の設備投資に経済が偏っていることも特徴である。家計の消費支出は、小泉・竹中政治になってから特に落ち込むばかりで、日本人の生活はどんどん劣化していた。輸出や企業の設備投資がいくら増えてもそれは外需を満たすためであって、国民の生活の向上のための消費支出は、落ちるばかりだというのが最近の傾向である。家計と企業とのバランスを見て政策が行われてきたが、最近の政策当局にはそうした政策のバランスも全く考えていないような政策が行われている。

さて、アメリカの金利政策が今夕から検討が始まる。利下げの可能性が伝えられており、同時に財政政策が発動されるのではないかとの観測も高まっているが、そうした中で、外国投資家にすっかり支配されてしまった株式市場を日本人の手に取り戻す機会である。外国ファンドの仁義なき、ルールのないやり方に屈してはならない。郷に入れば郷に従えと要求するのが本当であるが、日本の調和ある社会で、弱肉強食のルールを導入しようとしたことがまず持って、失政の原因であった。残された国民資産を使って、値段の安くなった日本企業の株を買い戻すことに打って出るべきである。サブプライムのようないかさま資本主義にも善良な日本人企業は、手を出していない。今回の危機で損をしたのは、生き馬の目を抜くような連中ばかりである。郵政民営化のように、政府が資金が足りないときに外国にお金を持って一儲けしようと言う外国投資家の手先のような話も、もうない。

株価は、20年前の水準である。まともな水準であるのかもしれない。上がり下がりさせられて、利益をどんどん持っていたのは、外国の投資家と、その亜流の連中であった。日本がグローバル化する必要などどこにもないが、もちろん鎖国はできないから、日本の企業と長続きのする、投機を求めない投資家こそ大切にすべきである。その意味では、外国の友人を大切にせず、日本を切り刻もうとした連中におべっかを使う市場原理主義者がはびこったことは、今にしてようやく悔やまれるようになった。

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