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2008年3月

Market Fundamentalism 5

ドイツポストのクラウス・ツムヴィンケル社長は、脱税容疑で当局の捜査を受けて失脚した。 Zumwinkel_and_takenak

 2月14日の早朝、ドイツポスト本社とケルン郊外の別荘が家宅捜査され、昼には護送、同日午後に保釈された。政府閣僚もツムヴィンケルが脱税を認めたと確認しており、翌日、ドイツポスト社長とドイツテレコム経営委員長の職を辞任した。脱税額は100万ユーロ(約1億5000万円余相当か)。リヒテンシュタインのファンドの秘密口座を使って1000万ユーロを国外に送金し、さらにケイマン諸島やカリブ海の租税回避地に再送金する気配もあったとドイツ誌は報道した。リヒテンシュタインの秘密の口座リストが漏洩し、それをドイツの情報当局が購入して、内偵が進められた。

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 ツムヴィンケルはドイツポストのトップの座を90年から18年にわたって務め、90年の郵政民営化を達成、アメリカの物流会社を買収して、ドイツの郵便事業を世界的な物流企業に変身させた成功物語の主人公であっただけに、衝撃的な脱税事件となった。郵便貯金の民営化も実施して、花形経済人として君臨したが、一朝にして落ちた偶像となった。事件はニューヨークにも飛び火した。

 ツムヴィンケルは、モルガン・スタンレー社の社外重役も務めていたが、同社は、ツムヴィンケルを再任しないと発表した。米国内国歳入庁は「海外への資産逃避による租税回避との戦いは重要だ。税制の悪用を防ぎ、納税者が確実に義務を果たすよう務める。租税回避や脱税の隠れ蓑となる場所などありえないことを一連の捜査で明確にしたい」と発表した。米国とオーストラリアの共同捜査、それに、スペイン、イタリア、スウェーデンの当局など、OECD加盟国9カ国の捜査の動きが見られる。

 一連の捜査は、史上最大の脱税捜査となっているが、情報当局が部外秘の脱税顧客の名簿を500万ユーロ(約8億円)で入手したこともまた話題となっている。 以上がドイツの脱税事件の途中経過である。以下、ツムヴィンケルと、日本の郵政民営化との関係についておさらいをしてみたい。

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 ツムヴィンケルが日本のメディアに登場したのは、2002年の5月頃からである。当時の小泉首相を訪問して、東京からのドイツの郵政民営化調査団の受け入れなどについて意見交換を行っている。会談には、後にドイツポスト例賛本を出版した元政治家も同席している。その時点では、翌年の4月には郵政公社の発足を控えており、民営化の議論は沈静化したものと考えられていた。

 しかし、生田正治氏が初代の郵政公社総裁に着任した直後の5月には、小泉総理は郵政民営化論を声高に蒸し返している。竹中大臣は、2004年1月に訪独して、ツムヴィンケルと共同記者会見を行っている。

 ツムヴィンケルが郵政民営化の伝道師としての姿を表したのが、2005年1月17日に官邸で開かれた、いわゆる「官邸コンファランス」で、ここでツムヴィンケルは基調講演を行っている。これが鮮明に記憶に残っているのは、この日は阪神大震災10周年の記念日にあたり、追悼式典が関西で開催されたにもかかわらず、総理が追悼式典を欠席して、郵政民営化を推進する欧米の市場原理主義者との官邸会合を異様に優先させたからである。

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 ツムヴィンケルは、1943年生まれ。ミュンスター大学卒業の後、アメリカに留学。ペンシルバニア大学ウォートンスクールで、経営学の修士号をとり、74年にマッキンゼーに就職。経営コンサルタントの道を歩んで、同社のシニアパートナーという幹部の地位に達した。

 ドイツポストが、同コンサルの顧客であったか否かは定かではないが、マッキンゼー社は、カナダや、ニュージーランドで、郵政民営化を手がけたコンサルとして知られている。そのためか、ツムヴィンケルが、ドイツポスト総裁に就任した当時には、世界の郵便関係者の間で、利益相反のインサイダー人事ではないかとの、ひそひそ話が続いた。

 郵便貯金の廃止を声高に主張していた全国銀行協会の会長職にあった元頭取が、日本郵政の民営化準備会社の社長就任の際に話題になった利益相反の問題と同様であった。郵政民営化の有識者会議や、道路公団の民営化の委員などに、同コンサルの社員が重用され、郵政公社においても、同コンサルの経歴を持つ大学教授が社外重役に就任したし、また、昨年10月の民営化の際には、有識者会議に委員として参加していた社員が、民営化と同時に郵政公社の幹部に登用されたのは驚きであった。

 僅かに公表された情報をつなぎ合わせて、市場万能の拝金主義のおりなす蜘蛛の巣の糸を手繰って、構造改革による日本の破壊を分析することが必要である。そうすれば、世界で進む郵政民営化をはじめとする、新自由主義政策の本質を見抜くことができるのだ。ツムヴィンケル失脚は、そういう意味で最適の素材である。

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 OECDは、先年、35の租税回避地リストを発表したが、デラウェア州やネバダ州のように、国内で会社の情報開示を求めない国もある。日本でも、金融特区と称して、租税回避地の創設をあたかも改革と称するような提案もあった。

 拝金のグローバリズムが跋扈する中で、しかも、全面ユーロ高ドル安の絶妙のタイミングを捉えて、財産の海外移転、長年の脱税を続けたツムヴィンケルを、モルガン・スタンレー社の社外重役にあることを知りながら、捜査に踏み切ったドイツ当局に、面目躍如・用意周到・変法自強の気迫が感じられる。

 日本でも、郵政民営化の本質とされる金融非金利分離と、資本の海外流出との相関を解明することが、なお必要である。租税回避地への脱税目的の資金移転をして、晩節を穢したツムヴィンケルの失脚で、郵政民営化の本質的な欠陥と陰謀が露呈しつつある。 追従の政治家と、守銭の経営者の背後を究明する可能性が広がった。

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Taiwan 2

台湾の総統選挙が終わった。民進党が国民党の候補者に200万票差で敗北した。現政権は民進党の政権であるが、台湾独立派には、一時失望の色が広がっていたが、実は中国が本当に警戒していたのは国民党が政権をとるということではないかといううがった見方もある。台湾の国会に当たる立法院は日本と異なり一院制であり、完全な小選挙区制で、比例代表という制度はない。先日の立法院選挙で、民進党は退敗北を喫していたので、総統選挙で民進党の候補者が勝っていれば完全に、ねじれた政治体制となるはずであったが、言葉を変えれば、国民党の政策を新しい独立派の総統が推進しなければならないことになったのであるが、国民党の馬英九氏が勝利したことで、逆に北京は警戒を強めたのではないかという見方である。それに、台湾政治で影響力を持つ、李登輝元総統を、日本への台湾代表にするのではないかと言う観測が流れているし、李氏自身も就任を承諾したのではないかという情報が駆け巡っている。もちろん、そうであれば、北京の強硬な反発が予想されるから、いつもの事なかれの考えでは日本は、それを認めないとする国内精力もいる可能性があるが、台湾が日本の生命線のひとつであれば、それなりに、日台関係を安定させる方法である。馬総統の就任式は、5月の20日を予定しており、それに先立ってアメリカと日本を訪問する可能性が高いといわれている。就任までは、総統予定者であり、また、選挙戦前にも来日して、特派員協会などで、記者会見なども行っており、問題がない。北京の胡主席の訪日も予定されており、日中関係がどく入り餃子事件で緊迫化する中で、むしろ、台湾との関係強化が期待されるところである。毒入り餃子事件の関連で、北京の指導部内部での権力闘争の可能性も指摘されている。北京の公安当局は、日本で混入したのではないかと、態度を豹変させてその後の捜査が頓挫しているが、香港を含め、ほとんどの中国人も、その農薬が日本ではもう使われておらず、しかし中国国内では広く流通していることからも、日本犯人説を信じる者はいないにもかかわらず、態度を硬化させているのは、権力闘争で、胡主席と反対する勢力の間の確執があり、対日問題を契機にして権力の座からの引きずり降ろしを画策しているというのだ。台湾の総統選の話に戻るが、馬英九氏は、どういうわけか徹底した反日の人であるが、李元総統との関係でその反日のDNAが薄められるかなくなるかのことになることが、北京が最も警戒することなのだという見方もある。

総統就任前に、馬総統予定者が来日することは、当ブログとしてはそうした観点から歓迎する。また、奇策ではあるが、李元総統が台湾の対日責任者として、外交使節同等の地位に着くことを歓迎する。その場合、北京からの強硬な反発が予想されるが、はねのけることが必要であることは言を俟たない。対中国の交渉では、妥協すればどんどん攻めてくるし、反発すれば、猫なで声に変わるというのが今までの習性である。大騒ぎをするがそれに屈したほうが負けである。チベットで見られたような、中国共産党が先祖帰りをしたような軍事的な拡張主義を少しでも抑圧するためには、日本と台湾、そして、アメリカ、場合によってはロシアやインドとの関係改善・強化も必要である。それにしても、日本の国内政治は劣化しており、国会議員が細目にとらわれ、なかなか世界戦略を対極的な観点から主張するものが少ないのは、最近気になるところである。福田政権では難しいのかもしれないが、これも君子は豹変することを期待したい。

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Full Bloom 2

P3280022 P3280024 P3280028 P3280027 都会の公園の桜も花盛りだ。

公園の中の美術館では、展覧会。追悼ー上野泰郎展と題する。パンフレットが美しいので写真を撮った。後は、満開の桜と蕾のチューリップ。

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Fake Privitization 53

郵政民営化のときの政治宣伝の文書がネットに残っている。ご参考まで。政府による国民の洗脳工作が行われた証拠である。対象をB層というらしい。

http://www.tetsu-chan.com/05-0622yuusei_rijikai2.pdf

当時の国会質問情報を掲載しているブログもある。http://blog.livedoor.jp/manasan1/archives/50164637.html

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Fake Privitization 52

「日本郵政は26日、民営化後に旧日本郵政公社から引き継いだ保養・宿泊施設「かんぽの宿」(旧簡易保険加入者施設)の大半、71カ所を一括で事業譲渡する方針を固めた。4月初めに一般競争入札の公募を始め、10月にも譲渡契約を結ぶ予定。資産価値の低い遠隔地の物件も含めまとめて売却することで、財務面への影響を防ぐ狙いがある。
 合計約700人の社員については、原則として買収企業に継続雇用を要請するが、希望者があれば郵政側が配置転換を受け入れる。
 かんぽの宿は民営化に伴い、2012年9月末までの廃止・譲渡が法律で規定されている。事業の先行きに対する社員の不安を早期に解消するためにも、民営化後半年という早いタイミングで売却に踏み切る。」

 マスコミ各社が、上記のような報道をしている。郵政民営化が実は、こうした国民の財産を私物化して、それを一部の企業にまとめて転売するというメカニズムが伺える。まとめて売却するのも、これまでの地域振興といった経緯を全く無視するものである。地域社会の利益に対する関心は皆無である。地元の自治体なども厳しい財政運営であるから、とても買いたくても変えないという状況を見越しての強行策である。民営化に伴い、廃止・譲渡するということが法律で規定されていることだから、実施するというのが民営郵政の言い分であるが、そもそもそうした民営化法自体に問題があり、郵政民営化の見直しを早く行う必要がある。駅前の土地など、すっかり転売されてしまうと、国民の財産はどんどん毀損することになる。そもそも、赤字というが、それは減価償却の期間が国営時代と比べて短縮されたことによる、見かけの赤字ではないのか。連結で計算すれば、本体の黒字で、バランスシートをまずよくすれば、損益は経営努力で改善できる話ではないのか。むしろ民営化にあたって、連結の視点から、一挙に設備や施設の償却をして、新たにスタートして、損益を真剣に見て経営を続けるほうが正論ではないのか。施設を単体で見て、儲かるところは残すというのでは、過疎地での経営は始めから廃止の話にしかならない。実際問題としても、この数年、簡保の宿などは修繕などのメンテナンスをしてこなかったのではないだろうか。そうすれば、客が入るわけがない。ペンキを塗りなおし、サービスをよくしてこそ利用者が増えるのであるが、始めから売却しようとの魂胆であるから、ジリ貧である。デフレ化の経済で、実は観光客は国内に戻りつつある。高齢者や、中産階級のための低廉な健康的な宿泊施設として人気があったはずであるが、そうしたものを破壊しようというのが、新自由主義の考え方である。莫大な投資をした施設を、二束三文で売り払う。もったいないの精神はどこにもない。民営化後半年にして、私物化の牙をむいた例のひとつだ。しかも、郵貯や簡保のお金で作った施設であるから、税金は一切かかっていないはずだ。今までの郵貯や簡保の財産が新旧の勘定が分離されているのだから、少なくとも旧勘定での運用益で何とか経営を維持する話である。グリーンピアだとかの税金の無駄遣いの施設とは本質的に違うのであるが、そこが混同されている。政治宣伝も相当なものだ。悪質である。審議会あたりも小泉・竹中政治のときの人士がまだ継続しており、なんらチェック機能を果たしていないようだ。郵政民営化委員会しかりである。民営化翼賛会となってしまっている。後世で、国が騙したことになりはしないか。

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Full Bloom

春の花々が咲き乱れている。桜は枯れ木のように見せかけていたが、葉も出さないうちに、あっという間に身を飾る。日本が美しい季節である。列島を桜前線が駆け上る。首都東京は、人口密集で気温が高いせいか、まだ他の地方では桜がちらほらという頃には満開である。桜ばかりではない、野の花も美しく咲く。ヒヨドリや目白が集まる。にぎやかなことだ。都会の公園には花見の酔客でむしろ座を囲む。花冷えで風邪を引いたりもする。