構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »

2008年6月

Fake Privitization 68

 構造改悪路線を通じて、郵政民営化を強行するなど、日本の繁栄の基盤を破壊してきた竹中平蔵氏が産経新聞に寄稿したことは、当ブログも指摘した。長谷川憲正参議院議員が、ホームページに反論を書いている。産経新聞は、同議員の反論を掲載すべきものであろう。仄聞するところによると、産経新聞の社長と竹中元大臣は昵懇の関係になるという。保守の立場の新聞社が、擬似左翼の市場原理主義者に見入られている疑いもある。実際産経新聞の経済欄は一貫して小泉・竹中「構造改革」を支持する主張であり、保守政治を支持して、例えば北朝鮮の拉致問題など国家観を重要視する政治的な主張を行っているだけに異様であることはかねてから指摘されているところである。

ともあれ、引用する。http://www.hasegawa-kensei.jp/

長谷川議員の主張は至当であり、当ブログの読者も是非参照されたい。マスコミ操作としての、根拠のない竹中寄稿文の欺瞞を江湖に明らかにしていく必要がある。

「産経新聞6月16日付朝刊「ポリシーウオッチ」欄に掲載された、竹中平蔵氏の「郵政民営化逆行許すな」と題する論文に反論します。
竹中論文の中身は、「民営化は大過なく行われている」とか、「民営化プロセスを逆行させるような露骨な政治的動きが顕在化している」などと実態を全く知らないものです。

一 竹中氏は郵政民営化を構造改革の最大の成果と言うが、民営化で何か良くなった ところがあるのか? 民営化でもたらされたのは①郵便の遅れ②料金の値上げ③窓 口の待ち時間の大幅増加④3,600局もの郵便局で土日窓口の廃止⑤450局も の簡易郵便局の閉鎖等サービス・ダウンばかりだ。

二 竹中氏は、経営陣が「システム分割」の問題を大過なく乗り切り民営化を無難に スタートさせたと言うが、事実に反する。ゆうちょ銀行の顧客情報システムのトラ ブルでどれだけ多くの利用者が迷惑したか、職員給与支払いシステムの設計ミスで どんなに混乱したか、ご存じないのか? また、これらのトラブルの処理のため、 郵便局が長時間の残業を連日行っていたこともご存じないのか?結果として、民営 化直後の各社の業務成績が大幅に悪化しており、これを無難と呼ぶのは世間を欺く ものである。

三 竹中氏は関連会社の多くを整理したことも成果としているが、そうであろうか?
 不必要な関連会社を整理するのは当然だが、関連会社とは、本来、親会社の巨大な 業務を外側から支えるための不可欠の存在であり、アウトソーシングと呼ばれる産 業界の常識である。そのことはトヨタや三井住友銀行を見れば一目瞭然であろう。
 公共性・安定性の強く求められる郵政事業の場合、練達の関連会社を適切に維持活 用することは特に重要である。安易にこれを切り捨てることは、親会社が目先の利 益のために下請け企業をいじめるのと同様であり、公的な性格を持つ郵政事業にあ るまじき行為である。

四 竹中氏は、民営化後最初の決算である平成19年度決算について、経営陣の努力 を前向きに評価すべきと述べているが、この決算の示す重大な問題点に触れていな いのは民営化法の制度設計者として無責任極まりない。
 本年度決算の最大の注目点は、郵便局株式会社(郵便局の窓口業務のみを行う)の 収入が、見込みより大幅に減少している点である。その原因は、ゆうちょ銀行とか んぽ生命の二社の新規契約が落ち込み、郵便局株式会社に支払う委託料が減少した ことによる。郵便局会社は収入の大宗をこの二社からの委託料収入に依存しており、 今回の決算は、郵便局株式会社という世界のどこにも例を見ない、竹中氏が発明し た奇妙な会社が、やはり経営として成り立たないことを証明した。このまま放置す れば、各地の郵便局はここ数年のうちにその多くが閉鎖されることになろう。この ような人災を断じて許してはならない。

五 竹中氏は、会社となった郵政の経営者が国会審議に参考人として呼ばれることを、 経営に対する政治の負荷であり、あってはならないと言う。しかし、郵政会社は、 会社化されたとはいえ、国が全株を保有する完全国有企業である。しかも、郵政事 業の会社化を決めた郵政民営化法そのものが、一度参議院で否決された後、衆議院 の解散総選挙を経て力ずくで成立させられた法律であり、成立に当たっては15項 目からなる附帯決議が付され、政府はこれを尊重すると答弁している。従って郵政 会社は、民営化によりすべてが自由になった訳ではなく、議会の厳しい監視下にあ るのであって、国会審議に協力するのは当然である。

六 竹中氏は、郵政民営化に反対した議員や与党の一部に民営化を見直す動きがある として、これを批判する。
  しかし、サービスは悪くなり、業績も悪化し、小泉元総理と竹中氏が「郵便局は なくしません」「郵便局はもっと便利になります」と何度も約束した郵便局が破  綻しかかっている現在、これを見直すのは、民営化法の成立に関与したすべての国 会議員の責任である。郵政民営化法成立後、与党の衆議院での三分の二の勢力を背 景に強引に成立させられたものの一つに、今話題の後期高齢者医療制度があるが、 竹中氏はこれも見直すべきではないと言うのか。国民の不便を省りみずして、竹中 氏は、政治に一体何を求めているのか?

七 竹中氏は、特定局長による政治活動を批判している。しかし、政治活動は憲法の 保障する国民の権利である。郵便局の第一線にあって、利用者の皆さんの不満と怒 りの声に毎日接している人々が、現状の改善を求めて民営化法の見直しを主張する のは当然の流れであり、民主主義の原点である。郵政民営化に当たり、これを求め る米国生命保険協会及びこれを代弁する米国政府と竹中氏は度々会談しているが、 日本の、しかも郵政部内で働く人々には、不満があっても黙って従えと言うのか?

八 竹中氏は米国の郵便料金にも言及している。米国の経営に学べと言わんばかりだ が、米国の郵政事業は国営である。何でも民間優位の米国でさえ郵政事業は国営で あることを竹中氏は忘れたのか?

九 竹中氏は更なる改革を主張する。改革という言葉は美しい。しかし、国民を幸せ にしない改革を推進してはいけない。それは改革の名に値しない改悪であり、破壊 である。強いものが勝ち、弱い者が負けることを正しいとする小泉構造改革は、民 営化の名の下に郵政事業を圧殺するのみならず、貧富の格差を拡大し、地方を衰退 させ、高齢者をいじめ、医療を崩壊させ、学校をなくし、中小企業や商店街を壊し、 まじめに生きようとするものを絶望させつつある。小泉構造改革は根本から間違っ ている。政治はこれを見直し改めるべきである。政治は、国民の幸せのために、と りわけ弱い者のためにあらねばならない。」

Market Fundamentalism

今夕ある参議院の自民党の有力な国会議員に、秋葉原の凄惨な事件について政治家の議論があるかと聞いてみた。ほとんど関心を示していないとのことであった。崩壊する日本の前兆現象に関心を示さない政治自体が、崩壊の予兆のようである。

政治評論家森田実氏のサイトに、秋葉原で有名なメイド姿の喫茶店などのファッションの登場について、コメントした文章が掲載されている。メイド姿は日本人奴隷化のサインという論文である。高橋清隆氏が書いている。http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/YU63.HTML

ちなみに日本の伝統と文化の特徴は、奴隷制度がなかったことである。

Fake Privitization 67

政治評論家の森田実氏あてに届いた6月22日付で郵便局職員の、森田実氏のブログの読者から来たメールの内容です。参考まで。郵政民営化は、完全に失敗しており、それを国会議員もましてや、経営者も気がついていないという奇妙な空白の状態になっています。

《森田実先生様のブログを楽しみに拝見させていただいております。私は神戸市の郵便局の集配外務で働いております。民営化になり業務困難・業務混乱・武士の商売みたいな訳のわからないビジネス・ユニバーサルサービスの一部崩壊・サービス残業・人員不足で仕事量の増加・局長そして管理職によるパワーハラスメントとセクシャルハラスメントによる精神疾患そして自殺、過労死の増加・給与の引き下げ(私本人は勤続15年 年齢は35歳 年収は去年で397万円です)などいろんな問題を抱えています。民営で郵政は永遠にやっていけるのか心配です。私の職場の人間達は危機感がありません。私は郵政三事業の再国営化を希望しております。国民の為のセーフティーネットであってほしいのです。森田実先生様はどうお考えをお持ちでしょうか?ご意見をいただけたら幸いでございます。長々と文章を羅列いたしまして申し訳ございません。森田実先生様のご活躍をご期待しております。》

War and Peace

日本経済新聞の主催するシンポジウムに参加するために来日していたマレーシアのマハティール前総理は、5月23日午後、東京有楽町の外国特派員協会で、記者会見を行った。その模様は、産経新聞が、ミャンマーの風水害についての論評の一部を報道したが、その全容については日本のマスコミは報道しなかった。その概要を次の通り紹介する。
 「アメリカは態度を改めるべきである。国力を世界の警察としての活動に使うことは歓迎されるにしても、大量破壊兵器がないにもかかわらず宣戦布告をして、外国を侵略して政権を変更することは、良くない。三ヶ月で、イラクの情勢は好転すると言っていたが、開戦後六年の月日が流れた。現在の状況がどんなことになっているかは推して知るべしだ。主張したいのは、昔の戦争は、敗戦国と戦勝国の間で講和条約が結ばれて、勝ち負けをはっきりさせたが、現代の戦争では、政府を武力で打倒したにしても、人民が必ずしも、受け入れないことがあるということだ。アメリカは、過去の軍事的な介入の歴史を検証すべきだ。朝鮮戦争においても、武力では圧倒したが、人民解放軍の介入があり、退却を余儀なくされたし、ヴィエトナムでもゲリラ戦で敗北した。ソマリアでも、アフガニスタンでも、勝利したわけではない。他の国の侵略をすれば、イラクで起きているように、政府をいれかえたにしても、人民は納得せず、アメリカの兵士に反撃を加えようとする。もし、アメリカが日本に軍事的に介入すれば、政府は降参するにしても、日本人の中には、ゲリラ戦を挑むものが必ず出るだろう。中国は13億人の人口があり、高等精密兵器で、多くの人口を殺傷しても、結局は意味がない兵器になる。無人の飛行機を開発して、あるいは、新型の戦車を製造して、航空母艦の新型を展開し、宇宙兵器を開発したとして、そうした精密兵器を戦場で試験することが、本当に文明国のすることであろうか。」「戦争を処罰可能な犯罪とすべきである。殺人が死刑をもって処罰しているのに、無辜の男女と子供を数千人の単位で意図的に殺す戦争がなぜ、正当な合法的なことであろうか。巨額の金が、大量殺傷の兵器の調達の為に使われている。貧乏国が高価な兵器を買うのは、国の尊厳を間違えている。独立を維持するための自衛力を保持することは必要であっても、軍拡競争に巻き込まれる必要はない。国家間の紛争を解決する手段としての戦争を処罰可能にすることを提案する。」「ミャンマーが頑なに外国からの援助を拒否しているのは、大国の援助競争などがあるからだ。事実、マレーシアなど、アセアンの国々は、下心なく地道に援助を申し出て、ミャンマーは受け入れている。点数稼ぎの援助競争のようになれば、外国からの内政干渉に敏感なだけに、頑なに拒否するだけだ。」云々。イスラム教に対する偏見に対しては、舌鋒鋭い反論を行った。マハティール前総理は、5月1日から、インターネットでブログを開設した。(http://www.chedet.com)一月も経たないうちに百万を超える読者があった由。独立運動を指導し、マレーディレンマという、反英の自叙伝の出版の継続をやめ、通貨危機に際しては、欧米からの投機に敢然と対峙して、マレーシア金融の崩壊を救った哲人政治家である。昨年は一時入院したとの報道もあったが、80歳となりいよいよ政治哲学に磨きがかかった矍鑠たる会見であった。傾聴に値する。一挙に20万人もの国民が燃え尽きた広島と長崎の原子爆弾投下という残虐な戦争を体験している日本人が、戦争を処罰可能な犯罪とする運動を支持することを期待しているとも述べている。
 6月2日に東京青山の国連大学で開催された、デジタル社会シンポジウムにおける米国防政策会議議長兼戦略国際問題研究所所長で、元国防次官のハムレ氏の基調講演が注目された。同氏は、9.11以降の国土安全省の設立は誤りであったと指摘した。自国の安全を図るためにも広範な国際協力が行われることが肝要であると述べた。「アメリカは、一貫して法の支配を支持し、拷問に反対してきたが、この6年間は、アメリカの定評を覆すような措置をとってきた」「独善的な、単独行動主義の大国として、他の国の感性を無視するような行動であれば、(テロに対する)実効性のある国際協力は、不可能である」とも述べた。キューバのグァンタナモ基地内の収容所のこと、各地の秘密の監獄のこと、イラクのアブガレイブの恥ずべき事件についても十分に対処していないとも述べた。日米関係は、軍事的には、全く非対称であり、アメリカが圧倒的に優越した立場にあるが、もはや、親分子分の関係は適当ではなく、コンピュータの安全の問題などでは、平等な相互対応能力を向上させることが真の同盟関係になるとも述べていた。 6月3日、米大統領選の民主党候補は、モンタナ、サウスダコタ両州の予備選で、バラク・オバマ上院議員が過半数の代議員を確保した。ミドルネームが、フサインであることは周知の事実である。民主党政権下での元国防次官の内省的な発言は、大統領選挙後を占う材料である。さて、日本は、独裁帝国を隣国として、米中関係が、アメリカ内外の市場原理主義者が画策したように、経済同盟のような姿を呈してきているにせよ、人権外交が、チベットや台湾やウィグルを見捨てるような便宜的なものとなってきているにせよ、安易な拉致問題の解決などを目指さずに、たじろがず自立・自尊を保つ必要がある。小泉・竹中政治の新自由主義追従の国策を中止して、郵政民営化や、金融偏重、医療保険制度の改悪といった一連の「米営化」「属国化」を早急に見直すことが、日米友好を再構築するためにも求められている。五箇条の御誓文のうち「旧来の陋習を破り天地の公道に基づくべし」と、世界に通じる多元的な秩序創りに打って出る転換期を控えている。日本への期待は、いやましに高まってきている。

Abduction 2

北海道の通信社が、北朝鮮問題について報道を続けている。独裁者の秘密と題するコラムもある。http://www.bnn-s.com/news/08/01/071229132624.html

連載となっている。日本の大新聞が、マスコミが劣化する中で、核心を付いている。

http://www.bnn-s.com/news/08/06/080620164907.html

「日本の主権を侵害する拉致問題の解決なくして、国家の体はなさず。

 新聞各紙は、ブッシュ政権が北朝鮮に対する「テロ支援国家」指定を近く解除する方針であることを報じた。

 報道は、ライス米国務長官が18日、北朝鮮が核計画に関する申告書を6カ国協議の議長国である中国に提出する見通しであることを示し、その場合、ブッシュ政権が指定解除を議会に通告する方針であるとの発言に基づいたものだ。

 北朝鮮による日本人拉致は、被害者の人権、日本の国家としての主権を著しく侵害するもので、国家の存在自体を問われる重要問題。

 ところが、日米同盟を結ぶ米国は日本に配慮しつつも、柔軟な姿勢を装う北朝鮮に懐柔されたかのようにこれまでの戦略を転じようとしている。

 米国はイラク戦争に莫大な軍事費を投じ、兵力、財政ともに疲弊している。サブプライムローン(低所得者向け高金利住宅ローン)の打撃も深刻で、かつての国力は衰退する一方だ。米国にとっての北朝鮮は、アラブ諸国のように多くの石油が埋蔵しているわけでもなく、中東ほど地政学的に重要な場所でもない。

 さまざまな問題を抱える米国が、北朝鮮問題でリーダーシップを発揮しないことは当然であり、6カ国協議の主導権や緊張が続く北東アジアの“行司役”を中国に委ねることは、国益にも合致するはずだ。

 とはいえ、支持率が低迷し、レイムダック化が進むブッシュ政権にとって「北の核計画放棄」は大きな功績となるものだし、ブッシュ大統領自身がホワイトハウスを去る前に実現したいと焦っても不思議はない。

 逆に米国が指定解除の手続きをしなければ、核計画の放棄をのらりくらりと膠着させる可能性があり、この問題でジョーカーを握っているのは、あくまでも北朝鮮といえる。核開発計画の中止は、国際社会で高値が付く“カード”であり、だからこそ米国も北朝鮮の振る舞いに翻弄されてきた。

 北朝鮮に一定の影響力を持つ中国にしても、核の無力化に貢献する場合、新たな米大統領の誕生後の方が、米中関係での発言力を増すはずと算段していることだろう。

 米国がテロ支援国家の指定解除を急げば急ぐほど、謀略を得意とする北朝鮮の思う壺である。」
日本は、毅然とした態度を貫くべきである。怯んではならない。安易な妥協を許してはならない。日本をアメリカが見捨てるのであれば、その分、日本はアメリカを見捨てるべきである。

Abduction

拉致問題は、単なる日朝関係の問題ではない。ワシントンポストの報道が、19日に行われている。日米関係が脆弱化している。追従の日本がいかなる結果になるかを示すようなことである。

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/06/18/AR2008061802718.html

Fake Privitization 66

 郵政事業が、昨年の10月一日から民営分社化され、その後初めて開催される、日本郵政グループ労働組合の定期大会が、先週札幌市て行われた。

 来賓には、高木連合会長、西川郵政会社社長、浦野郵便局長会会長、菅民主党代表代行、綿貫国民新党代表、亀井久興幹事長、などが出席した。

 「日本郵政グループ労働組合(JP労組、約22万1千人)の第1回定期全国大会が18日、札幌市で始まった。昨秋、日本郵政公社労働組合と全日本郵政労働組合が統合してから初めての定期大会。3日間の日程で、今後の運動方針や経営面のチェック強化などを議論する。

 初日は組合員やJP職員ら約1700人が集まった。山口義和委員長は「郵政の労働運動は長い歴史があるが、新たな労組として結成されたばかりだ。運動の基盤作りに挑戦したい」とあいさつした。

 民営化の見直しについて、JP労組は「具体策を提起する立場にない」との立場をとっている。ただ、大会では現在の職場環境や要員配置のあり方についても議論が交わされる見通しだ。その意見をふまえて「民営化に構造的な問題があると分かれば、(見直しを)政策要求する」としている。

 また、政権交代をめざすため、新たに政治団体を設立する議案も提案された。承認されれば今秋にも総務省に届け出る。」

 総じて、静かな大会であったといわれる。民営化の見直しについては、上記の朝日新聞記事が報道するように、委員長挨拶においても言及がなかったが、具体策を提起する立場にないとは、聊か心もとないものであったが、むしろ、郵便局長会の浦野会長挨拶は、原稿ナシで、郵政民営化の失敗を訴える、格調高いものであった。政治家の挨拶を凌いでいるとの組合員の声も上がったという。西川社長は、政治家の演説を聞く前に席を立った。菅代表代行は、民営化見直しをマニフェストの含めることを真剣に検討すると述べ、綿貫代表は、郵政民営化見直しは、むしろ、竹中一派が危機感を持つにいたっているなどと述べたという。政治団体の組成が承認されたが、全逓と全郵政という、元は、政治思想基盤が異なる労働組合が統合されたわけであるから、労働運動が非政治化して、外部に政治の活動団体をつくる動きと理解すべきであろうか。いずれにしても、注目される動きである。

Tibet 14

4月26日の長野における聖火リレーの騒ぎがあってから、二ヶ月が経とうとしている。長野に中国大使館の負担による5千人もの組織的な動員があって、執拗に暴力行為があったが、その本質については、冷静になった今考えることが重要である。衆議院議員の西村眞吾氏による分析は傾聴に値する。雑誌「月刊日本」7月号の歴史に学ぶと題する論説を紹介する。

その論説の概要を見ていく。「四月26日は、中国政府が我国に在留する中国人を多数動員して集団示威行動を組織して長野を制圧した日である。この日、中国当局の長野における実験は成功した。」法治国家でありながら、長野が無法地帯と化すことを容認したのではないか、このような場合、中国大使館に抗議して、その犯罪を放置した警察トップを更迭することが対処法であったと考えるが、結局現場の警察を批判するのはお門違いで、安堵して何もしなかった福田内閣が問題であるとする。西村氏は、1965年のインドネシアの9.30事件、と74年8月のソウルでの文世光事件を例に引く。前者は、中国共産党の仕掛けた内戦にインドネシアが的確に対処して今のアセアンの繁栄の基礎をつくったのに対して、後者は北朝鮮の工作活動を放置して、更に大きなテロに道を開いた事件であるとする。

9.30事件を経緯を詳細に書く。中国からの脅威を、アセアンでは南下問題と呼んでいる。皮肉をこめて、「それにしてもあの国内が疲弊し困窮した中においてもインドネシアを共産化して、中国とインドネシアの間に挟まれるインドシナ半島の国々を一挙に掌中に納めようとした中国共産党の戦略はいかにも雄大ではないか。」「現在この世界戦略がいかなる形ですでに移されているかが問題なのである。」

文世光事件については、その内容を詳述している。韓国政府は事件後三十年を経て外交文書を公表しているが、「事件の三ヶ月前に朝鮮総連の既成を求める口述書を日本政府に提出して。53年から、74年の四月まで、日本を経由して韓国に入って検挙された北朝鮮のスパイは約220人に達していると指摘している。」西村氏は、「我国内における北朝鮮の活動をそのまま放置したのである。時の田中内閣は「日中国交の次は日朝国交ということで、北朝鮮による韓国大統領狙撃という重大な国家テロに目をつぶったのである。テロを放置する日本はーーーー韓国の対日感情の悪化は当然である。」と書く。日本政府の不作為が、新たなテロを生み出すことになり、アウンサン廟の爆破、大韓航空機爆破を生み出し、大韓航空機事件は、日本人に成りすましたテロリストという仕掛けは、文世光事件と同じだとしている。テロが対韓国であった、同時に日韓関係が悪化するという、一石二鳥の事件であったとする。文世光こと吉井行雄も蜂屋真由美ももし、その場で死んでいたら、真相は闇に隠れたままであったと書く。

「長野の敗北」を認めれば、文世光事件のような誘惑を与えるのではないかと説く。「つまり、ワン・チャイナ・ワールド、ワン・チャイナ・ドリーム、これは中華思想そのものの叫びである。東京や沖縄でワンチャイナを実現するのは容易と判断するであろう。」と述べる。結論は、「よって、長野で済むと思うな。今からでも遅くはない。警察は長野で犯罪を犯した中国人を逮捕し、それを受けて外務大臣は在日中国大使を呼び厳重抗議をすべきである」としている。

Kita no Hatsugen 2

北の発言がいかに優れた雑誌であるかの一例を紹介しようと思う。2004年の6月に発行された第七号に、原洋之助氏が、揺さぶられる「食の安全」という論説を掲載している。

「日本は前頭にBSE検査を行い、又すべての牛の頭部や腸で特定危険部位の除去を実施しているが、アメリカでは生後24ヶ月以上の歩行困難な牛にだけ検査を行っており、また三十ヶ月齢以上の牛の頭部と脊髄についてだけ、特定危険部位の除去を実施している。」「アメリカの言う科学的なる物にもそれほどたしかな科学的な根拠があるわけではない。」「元来牛は草食動物である。こういう牛に肉骨粉を食べさせることはまさに牛に牛を食わせることである。こんな肥育法が広がったのは、畜産業でも経済効率と追及するあまり、最も効率が良いとされた動物性たんぱく質のリサイクルに飛びついたからであった。まさに、BSEとは人間が作り出した病気なのである。」「我国が十分に検査されているとはいえない輸入肉も、国産牛と同じく安全である、といった不合理な制度を採っていたことを図らずも明らかにしてくれた。」「食の安全をどのように維持・管理するのかの方策については、国際的にいまだ合意が達成されていない。」「BSEへの対応を巡る日米対立は、検査体制の科学的根拠の問題以上に、両国の社会システムの違いに起因している。この意味で、最近大きく問題にされている農産物の関税を巡る対立とは次元が違い、いわば文化摩擦なのである。この事実をはっきり認識してアメリカの主張に怯むことなく、我国は独自の安全対策を維持すべきだろう。肉だけではなくすべての食材において国際的取引が拡大して、農という生産と食という消費との間の繋ぎが複雑化し続けている。これが世界の趨勢である限り、最低限、ヨーロッパが採用している予防原則といったものに立脚した安全確保の体制を、世界規模で構築することが急務の課題のはずである。」

農水大臣や政治家がテレビで牛丼や焼き鳥を食べてみせる演出がいかに浅はかな思慮のないものであるかを、語っている。

お隣の韓国では、米国産の牛肉の輸入問題で、当選したばかりの大統領が国民に謝罪する事態となっている。日本はブッシュ政権の強圧に、次々と屈して、郵政民営化、などなど、関岡英之氏の解明した、拒否できない日本となったが、ようやくにして、反省の機運が高まっている。日米構造協議の改悪を糾して、正常な日米関係にすることは、維新の後の条約改正のような、国民的な国益の枠組みの認識が必要である。郵政民営化のみなおしなども、市場原理主義者が本丸と題しただけに、いの一番に見直しを図るべきものである。

Kita no Hatsugen

保守の論客、西部邁氏の責任編集になる、「北の発言」は、優れたオピニオン雑誌である。

創刊趣旨十箇条として、

1、意思疎通の促進、2国民性の保持、3伝統精神の保守、4、アメリカニズムへの警戒、5、グローバリズムの防遏(ぼうあつ) 6.市場主義の阻止、7、国益枠組みの創出、8、域際主義の提唱、9、大改革プロジェクトの創造、10戦後的思潮からの脱却 

を掲げている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E3%81%AE%E7%99%BA%E8%A8%80

Fake Privitization 66

郵政民営化で、なんと五つの会社ができた。持ち株会社としての日本郵政、郵便事業、郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命である。それに、旧契約としての、ゆうびん貯金と簡易保険の資産を管理する、独立行政法人の郵貯簡保資産管理機構である。ひとつの郵政公社を、56分割したわけであるから、職員の帰属については、公社においてやっていた仕事が引き継がれることになる会社に帰属することが原則であったが、職員の間では、転籍を希望するものが、5,6千人の単位で、残っているようである。制度設計が特に誤って強行された郵便局会社では、約5千人の職員が、他の4つの会社への移籍を希望しているものが残っているとされる。郵便局会社に対する職員の将来に対する不安が見て取れる。

郵政民営化は、そもそも、郵便貯金や簡易保険といった国民の金融資産を、海外に流出させることを狙ったものであることは、金融と非金融の分離が郵政民営化の本質であったなどと豪語する関係者の発言からもわかるように、又、海外の金融メディアが報道したように、キャリートレードの原資として使われかねない危うさを内包するものであったが、人事面においても、郵政の雇用を分断するものであった。人事的にも、職員の転籍希望が、必ずしも全員の希望がかなえられるものではないとしており、郵政民営化にあたっての人事配置のやり方が全く基本を欠いた場当たりのものであったことがよくわかる事態となっている。

そもそも、分社化する必要がなかったものを無理やり分断したところに問題がある。郵便局会社の将来については、わずか半年にして、その決算状況から無理があることが判明している。お化粧の決算をしてようやくの黒字である。

各社の人事部門が肥大化しているとの見方もある。従来の特定局の人事制度などは、特定極制度の廃止を目的としたために、旧来の郵便局長と人事担当者との対立が先鋭化しているとの見方もある。

郵政民営化の状況は、完全に失敗している。まだ雇用があるだけいいことではあるが、無理な分割で、職場に不満な職員を無理やり作り出しているだけである。見直しを早急に進めるべきであり、日本郵政公社に戻してみてはどうだろうか。

Market Fundamentalism 19

郵政公社の非常勤理事の職にありながら、郵政民営化を推進したとして、日銀審議委員への就任を国民新党から反対され、参議院での採決が困難になった。新自由主義を支持する経済学者の登用は批判されてしかるべきである。小泉・竹中政治が批判されて、参議院選挙において国民の最近の声が反映されているわけであるから、むしろ、衆議院を解散して、現下の国民の政治判断を聞くほうが正しい選択である。参議院で可決された、郵政会社の株式売却禁止法案についても、衆議院でもたなざらしにすることなく対応されるべきであり、もし、衆議院が否決するのであれば、先例となった、郵政民営化法案のとき度同様に、衆議院を解散して民意を問うべきである。

時事通信は、次のように報道している。「参院議院運営委員会は19日の理事会で、日銀審議委員に池尾和人慶大教授を充てる政府の同意人事案について、21日までの今国会中の採決を見送ることを決めた。人事案はいったん白紙に戻ることが確定。これを受けて政府は、8月下旬にも召集される次期臨時国会での人事案再提示に向け、池尾氏の差し替えを含めて検討に入った。
 町村信孝官房長官は19日午後の記者会見で、参院での採決が見送られたことに関し「来週早々にはどうするか考えなければいけない」と述べ、民主党の動向を見極めた上、来週には人事への対応を決める方針を表明。同時に「いつまでも中ぶらりんの状態で置いておくのは候補者に失礼だ」と述べ、池尾氏の差し替えもあり得るとの考えを示した。
 人事案をめぐっては、民主党がいったん同意する方針を決めたものの、国民新党が「池尾氏は郵政民営化を支持した」と反発。参院での統一会派を解消する構えを見せたため、民主党は対応を再検討することとし、参院での採決を先送りしていた。衆院は12日の本会議で、人事案を可決している。」

Fake Privitization 65

産経新聞が、構造改悪の元凶を作り出した本人である竹中平蔵氏の論説を掲載しているが、郵政民営化について6月17日に論評した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080616/plc0806160326001-n1.htm

全く事実関係に反する記事である。もともと保守的である産経新聞が、こうした擬似左翼の市場原理主義者の論説をけいさいすることが不思議な現象であるが、郵政民営化の過程においても産経新聞の経済面は、異様にバランスを欠いていた。

郵政民営化は、戦後行われた、最悪の政策とも云うべきである。

同様に違和感を持つブログもあった。ご参考まで。http://isukeya.iza.ne.jp/blog/entry/611374

「本日(6/16)の一面から二面に顔写真入りでポリシーウオッチ欄に竹中平蔵(敬称略)を登場させている。表題は「郵政民営化 逆行許すな」である。もちろん産経一面だから産経新聞を購読されている方は、すでに読んでおられるだろうが、私個人的にはこの記事に対し、大変な違和感を感じるのである。

 例えば、「民営化がスタートするに当たって、反対派の多くは「システム分割が間に合わないと主張した」とある。
 そもそも一体誰がこんなこと言ってたか。さらに、
「最近公表された平成19年度の決算では。承継計画を上回る当期純利益が計上された」とも言っている。
 郵政公社はもともと黒字で、国鉄じゃないんだから、そんなに褒め上げることでもないだろう。
「巨大な郵政に群がって利権を確立していた人たちの存在が、民営化にとって初めて明らかにされたのだ」
 こんなこと民営化しなくても調べる気があればいつでも明らかになっている。
自民党政権への支持率が一気に低下したのは、郵政造反議員の復党の時点だった」
 違うだろ。郵政民営化が売国政策だと国民が気が付いた時、小泉・竹中構造改革が全てアメリカの改革要望書に従っているものであると気が付いた時、地方無視の政策を強行しようとした時、中間層が一気に自民党離れを起こしたのである。その結果が参議院選挙だったことは、誰もが認識している。

 2ページにわたって書いているのに、郵便貯金、簡易保険のことは一切触れていない。長銀を不良債権処理と称して潰し、公金で立て直した挙句、僅か10億で外資に売却したのはどこのどいつだ!
 潰す潰すと世間を脅して、りそな銀行の株価を下げ、急に繰り延べ税金資産の判定基準を変えて公金を注ぎ込んだのはどこのどいつだ!
 国民の大事な郵便貯金350兆円が、外資にさらわれるようなお膳立てをしたのはどこのどいつだ。
 効率の悪い会社は去れといって、企業に効率を求め、結果、正社員を減らし、派遣社員(臨時雇用)を増やして、格差社会を作ったのはどこのどいつだ!
 国の借金が大変だからといって、超緊縮財政を10年以上も続け、デフレスパイラルが起こっているのに、まだ気が付かない財務省内閣府を洗脳したのは、どこのどいつだ!

 数え上げればきりが無いほど、竹中平蔵はこの日本を滅茶苦茶にした似非経済学者である。むかし植草氏と経済政策討論して勝負はついている。しかし敗北を認めず、その後の植草氏の顛末を見れば、公権を乱用したとしか思えない。

 産経新聞はこのような人物を何故持ち上げるのか。少なくとも、小泉・竹中構造改革は破綻しているし、ブッシュの日本もてあそび策に乗せられただけである。また、小泉人気を支えたメディアも国民も、この際十分反省しなければならない。」とある。

Gregory Henderson 2

グレゴリーヘンダーソン先生については、当ブログは、金大中氏の東京のホテルから白昼に誘拐拉致した事件に関連して書いた。朝鮮の焼き物や美術について造詣が深い人であったが、勿論、その著書、Vortex of Koreaは、邦訳もされているし、依然として朝鮮半島の政治文化についての名著である。

ヘンダーソン夫人が、昨年(2007年)の12月14日に逝去されている記事をたまたま見つけたので、当ブログに掲載して、ご冥福を祈ることとしたい。

「MAIA-CHRISTINE VON MAGNUS HENDERSON, died at Lawrence Memorial Hostpital in Medford Massachusetts, on 14 December 2007 after a brief illness. She was born in Berlin, Germany, in 1923, where she studied art at the Hochschule der Kuenste. In the early 1950s、she met Gregory Henderson(1922-1988), a U.S. foreign service officer then stationed Berlin. In 1954, Greg and Maia were married in Kyoto, Japan, where Greg was then serving as U.S. cultural attache. Greg and Maia lived in Seoul from 1958-1963, where Maria worked as a sculptor and also taught at Seoul National University and at Hong'ik College. She created a number of award-winning sculptures, including her well-known bronze series of 1960 representing the Stations of the Cross for ST. Benedict's Church in Hyehwa-dong, Seoul. Her work has been shown in New York City, Washington, D.C., and in the Greather Boston area. In Korea, the Herndersons assembled what is now  one of the West's premier collections of Korena ceramics. Thanks to Maia's generosity, the Harvard University Art Museums acquired the collection late  in 1991 and then feaured it in a special exhibition First Under Heaven:The Henderson Collection of Korean Ceramics(12 December 1992-28 March 1993). Masterworks from the collection have been featured in exhibitions of Korean ceramics at The Asia Society(New York), The Metropolitan Museum of Art(New York), and the Museum of Fine Arts(Boston), as well as the Harvard University Art Museums. In the years following Greg's deth in 1988, Maia endowed the Gregory and Maria C. Henderson Fund at the Harvard University Art Museums to support research on Korean art. Maia devotedly supported the arts and encouraged artistic activities in all forms at numerous museums, universities, and societies. Maia Henderson is survived by five nieces, all of whom live in Germany: Elizabeth von Magnus, Angelika von Magnus, Friederike von Magnus, Anna-Maria von Magunus and Heidemarie Soenenmann.」

Maia とかかれており、誤植の可能性があるがそのままにしてある。グレゴリーヘンダーソン教授は、朝鮮戦争で、最後の砦となった、プサンの米国領事館で勤務したことがある。結婚したのは、日本の京都でとの記録であるし、夫妻が収集した朝鮮の焼き物は、西側世界では一級のもので、ハーバード大学に寄託されたとのことである。子供はいなかったようで、ご遺族は、ドイツにお住まいのようである。フォンマグヌスという旧姓である。

ボストンの新聞の報道もあったので、参考まで。http://www.boston.com/bostonglobe/obituaries/articles/2008/01/28/maia_henderson_sculptor_gave_korean_collection_to_museum/

Market Fundamentalism 18

凄惨な事件が秋葉原で起きた。http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080611

市場原理主義の極致では、暴力が発生する。国家の間では、侵略戦争が起きる。日本を安定させる必要がある。それほど、難しいことではないのではないか。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7442545.stm

BBCの報道である。社会格差が生み出した犯罪ではないのかと指摘している。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7445694.stm 

Fake Privitization 65

計画倒れの日本郵政決算、損失先送りで収益を「お化粧」という、新聞記事が出た。夕刊フジ6月11日に掲載された、町田徹記者の記事である。ちなみに、町田記者は、もともとは日本経済新聞の記者であったが、後に、会員制月刊誌の選択の記者であった。現在はジャーナリストの肩書きのフリーランスのようである。ちなみに、町田記者のホームページがある。敏腕の記者である。http://www.tetsu-machida.com/index.html

「日本郵政が先月末発表した初の決算は、「お化粧が」横行する杜撰な内容だ。持ち株会社とゆうちょ銀行が投資先送りによって実際より収益を好調に見せているほか、郵便局会社などで、「計画倒れ」が存在した。小泉・竹中コンビが主導した民営化の矛盾が最初から浮き彫りになった格好で抜本的な見直しが急務となっている」(中略)「実際のところ、今回注目すべきは、持ち株会社がグループのコンピューターシステム「PNET」の配備を先送りして220削減したり、ゆうちょが善銀システムとの接続延期(170億円分)。ATMなどの保守経費の抑制(60億円分)といった物件費抑制を駆使して、実態以上に決算が好調に滅入るように「お化粧」したことだ。(中略)「情けない決算の主因は、もともと三事業で構成されてきた郵政事業を、むりやり4事業会社に再編した竹中氏らの制度設計そのものにある。」「杜撰な計画を遂行しようと、尾のてこの手の決算を作った持ち株会社の西川善文社長ら経営陣には気の毒な面もあるが、民営化を軌道に乗せるためには早期の抜本見直しで望むことが筋である」

と概要書いている。勿論、当ブログとしては、西川社長らを気の毒だと思う気持ちは、町田記者と異なり、一切ない。むしろ粉飾の責任者として糾弾すべきであると考える。民営化を軌道に載せるために民営化の見直しを図るべきだとの町田記者の主張であるが、もともと民営化路線なるものが根拠のない市場原理主義者の主張である。

町田記者は書いていないが、例えば、かんぽの会社の成績などは、従前の公社時代には、わずか一ヶ月で達成した成績を6ヶ月かかっているという、惨状である。西川社長以下、各社の経営陣は、退陣すべきではないだろうか。小泉・竹中政治のお先棒を担いで、郵政のネットワーク基盤を破壊、あるいは毀損させた責任は重大である。粉飾の詳細をまず明らかにする必要がある。日本でエンロンの粉飾の手口を再現させてはならない。

Economic Hitman

エコノミック・ヒットマンという本が、2004年に刊行されて、ベストセラーとなった。(原題は、Confession of an Economic Hitman) 著者は、ジョン・パーキンス。邦訳が東洋経済新報社から、2007年末に出版されている。

同氏のホームページもある。http://www.JohnPerkins.org ご参考まで。

Economic Hitman 4

Economic Hitman 3

Economic Hitman 2

Economic Hitman

エコノミックヒットマンとしての竹中平蔵という記事を掲載したブログがある。

ご参考まで。http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/3cc41bdedcb0edf0b982b93e305d65cc

Market Fundamentalism 17

宇沢弘文東京大学教授の後期医療制度についての評論。

http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/seisaku-kaisetu/080222uzawa.html

Market Fundamentalism 16

 後期高齢者制度について、日本国民の大多数が怒りを感じていることは、当然である。というのは、医療保険制度としては、根本的な問題があるからである。ある年齢で、分割してその中で、医療の負担をするとすれば、高齢者が病気になりやすいことは当然であり、高齢者のみの医療保険制度が成り立つわけがない。医療機関の窓口での高齢者の負担金額は、どんどん増えていくことになる。ましてや、団塊の世代が高齢化することになれば猶のことである。保険制度は、病気になる人も、ならない人も、まぜこぜで、お互い様で、負担しあう共生の思想が根本にある。簡易保険などは、お金持ちでなくとも、母集団が大きくなれば、健康な人も病気の人も一緒になって、社会を支えることができることを実証したのである。

 後期高齢者医療制度は、実は保険制度の態をなしていないものである。制度ははじめから高齢者の医療を切り捨てようという魂胆であったに違いない。この制度は、小泉・竹中政治という、新自由主義という経済の悪魔の代理人たちが生み出した制度であることは十分に記憶されてしかるべきである。郵政民営化で、簡易保険の制度も廃止された。名前は、かんぽ生命などとの会社に分社化されているが似て非なるものである。

 後期高齢者医療制度は廃止すべきであり、郵政民営化で廃止された簡易保険法は見直しで復活してはどうだろうか。制度を白紙に戻して、国民の医療保障の制度(簡易保険といった自助努力の補助制度を含めて)をもう一度作り直す必要がある。こんなわかりやすい、解説もある。ご参考まで。http://nando.seesaa.net/article/97123413.html

Market Fundamentalism 15

 東京霞が関の公務員が, タクシーの運転手から缶ビールやおつまみなどを提供されるサービスがあった、その他、図書券など金品のサービスもあったとして問題になっている。

 多くのマスコミは、社会常識とモラルに立ち返ってよく考えてもらいたいとか、タクシー代が税金であることを忘れてはいけないかとか、説教調である。的外れである。道路運送法に違反するとか、国家公務員倫理法に違反するとかの強硬な意見も見られるところである。居酒屋タクシーなどとも呼んでいる。いよいよ問題点を拡散することになる。

 さて、真実のところはどうだろうか。官房長官が提出した資料によると、財務省や金融庁、農林水産省など計13省庁500人以上の職員がタクシー運転手から金品を受け取っていたとする。財務省の職員数が圧倒的に多かったという。他の役所では、深夜の残業が会ってもタクシー券を使えていないのが、現状ではないのか。予算がそもそもないので、そうした大盤振る舞いがないのではないだろうか。どのマスコミも書かないのは不思議なことであるが、深夜の残業代が、財務省以外の他の役所では支払われているのか。支払っていないのではないのか。財務省や金融庁のみが、残業代を満額支払っているのではないのか。タクシー券もふんだんに使っているのではないのか。マスコミの批判は、木を見て森を見ずの批判になっていないだろうか。むしろ、財務省や金融庁のお手盛りを追及すべきではないのか。

 国会対応が深夜の残業の原因であることは火を見るより明らかである。10年も経たないころにも、霞ヶ関の過酷な深夜残業をなくそうと、国会質問の前日の提出などが鳴り物入りで検討されたが、今、そのとおりおこなわれているのか。おそらく、元の木阿弥に戻っているものと思う。要すれば、政治家に残業の原因はあるのだから、そこを直せとの意見もマスコミは出さないのは不思議である。深夜の残業の超勤分を100%払わせることで、問題は解決するのではないのか。

 そもそも、こうした話が出るのは、世間の関心を本当の問題からそらそうとの話題づくりなのかもしれないし、公務員たたきで、具体的な問題を解決しようとせずに、徐々に統治行為の制度を劣化させようという市場原理主義の陰謀に加担しているだけの話かもしれない。金融庁の役人が、民営化した郵政や道路会社に天下りするという不思議なことなどをなぜ、マスコミはおかしいと書かないのだろうか。あらゆる公社公団、特殊法人などに出向している人事の大蔵省支配を不思議だと思わないのだろうか。タクシーの運転手は、きっと霞ヶ関の役人の仕事の実態を知っているのだろう。よれよれに疲れきった職員にビールのいっぱいをと、サービスの良い個人タクシーが用意したのだろうか。

Market Fundamentalism 14

面白いサイトがありました。わかりやすく分析しています。

http://www.saturn.sannet.ne.jp/kura/yuusei.htm もう三年ほど前に作成されたようですが、いよいよ説得力があるように思われます。

郵政民営化の見直しの参考になるような解説です。それにしても、郵政民営化は根拠のない話でした。

Market Fundamentalism 13

池尾和人慶応大学教授の日銀審議委員に就任する人事が、国民新党の強い働きかけによって棚上げされたことは、マスコミで色々と報道があったが、もう一件、郵政民営化と関係するふに落ちないことがあった。それは、預金保険機構の理事長人事に対する民主党の対応である。

マスコミの報道では、次のようになっている。

 「民主党は5日の国会役員会で、政府が示した9機関25人の国会同意人事案への対応方針を決めた。官僚の天下りあっせんを監視する再就職等監視委員会の委員長と委員計5人だけを不同意とし、預金保険機構の永田俊一理事長の再任案など残り8機関20人は同意することにした。

 再就職等監視委は、国家公務員の天下りを一元的にあっせんする「官民人材交流センター」(10月新設)が本格稼働するまで、各省庁による天下りあっせんを承認する権限を持つことから、「天下りはいかなる理由でも許容できない」として不同意を決めた。

 永田氏再任については、党財務金融部門会議が3日、衆院財務金融委での答弁が不十分として不同意との意見をまとめたが、役員会では「人物的にも問題ない」などとして同意に転じた。」 、つまり民主党の中の金融部門会議では不同意にする方針であったのが役員会では承認に転じたとの事である。

 預金保険機構の理事長人事がなぜ、郵政民営化と関係あるかといえば、民営化されたゆうびん貯金銀行から、保険金をなんと年間500億円を越える規模で上納させているからである。民間大手銀行の不良債権処理の為に、同機構は、赤字をおよそ、2ちょうえんかかえているようであり、郵政民営化の過程においても、その赤字を返すために、無理やり、ゆうちょを民間会社かして、赤字の穴埋めの為に民営化するのではないかとの説があったが、それが実現したわけである。、「ゆうちょ銀行の保険料負担は、銀行の経営破たんに関係のない貯金している庶民の負担になる。大銀行の保険料負担をふやし、赤字を解消する仕組みをつくるべき」との国会質疑の意見が提出されたのも理由のあるところである。池尾教授と異なり、公式に今回の理事長候補が、個人的に郵政民営化を支持したか否かは承知していないが、民主党も国民新党もこの点を追及すべきであった。民主党にも、逆転の幹部会決定があったところを見ると、すでに民主党の幹部の一部に、そうした郵政民営化の陰謀を支持するものがいるのではないかと疑わせる。

年間500億を越えるお金が、ゆうちょの民営化で転がり込む仕掛けを作る。しかもその赤字の根源の理由は民間のメガバンクの不良債権処理の為に生じたものである。ゆうびん貯金のお客さんを犠牲にして大銀行が左団扇でいること自体が不思議であり、利益相反の疑い濃厚な、住友銀行頭取であった西川善文氏が、郵政の社長に就任する、しかも、元金融庁長官が、社長となる茶番劇である。

こうした、民営化の裏の部分の闇は深い。預金保険機構の財務状況、関連人事などについての観察と分析が今後とも必要である。

Stalemate

 5月24日、山梨県内のゴルフ場で、小泉元首相、中川元幹事長、麻生前幹事長、額賀財務省、高村外相、堀内元総務会長などの政治家に、御手洗経団連会長、シーファー駐日アメリカ大使などが加わる形でゴルフコンペ&親睦会が行なわれた。サミットに向けた集まりで、親睦会には、ロシアや欧州の大使も出席したようである。ところが、集まった議員が、富士の会なるものを結成して、なんと連判状を作り、署名までしたと言うことが話題になっている。 このコンペを呼びかけた福田首の側近である衛藤征四郎議員が、その連判状を示す写真が週刊誌に掲載されている。

 最近、自民党内では、ポスト福田をめぐる勢力争いがあり、動きが激しくなっていたことを、けん制する動きであることが考えられる。小泉構造改悪の種々の問題点が最近噴出しており、今選挙があれば、政権交代になるという危機感があり、それを回避するために、小泉元首相が音頭をとって、党内の結束を図るために、連判状という大時代的な手法で、各派閥に示したことが考えられる。週刊誌に掲載された写真版の連判状の他に、当日ゴルフに参加しなかった有力議員の署名も集められた由であり、連判状に名を借りた、党内の一時休戦文書となった可能性が高い。福田首相は、もともと小泉・竹中政治とは微妙に異なる手法の政治家であるが、森元首相、小泉元首相に手足を縛られた感となっている。三極体制になっているかのようである。

 要すれば、自民党は、解散総選挙を回避する、政権交代を回避するために、連判状を集めてでも党内抗争の抑圧に乗り出したとも考えられる。擬似的な一枚岩であるが、実際にも政局の動きは見事に沈静化している。擬似的な団結を解きほぐすには、外部の勢力、民主党からの作用しか考えられないような状況である。民主党の中にも市場原理主義を主張する、あるいは、ネオコンの亜流の勢力があるが、民主党の中で、こうした勢力を再編する動きがあれば、自民党の中の意見の違いを浮き立たせる作用を持つことになるかもしれない。

 福田首相は、総理の椅子にしがみつくしか今のところ選択肢はない。しがみつくためには、小泉改革を批判するような動きは、一切できない。閣僚も枠組みも、小泉、安倍と引き継いできたままである。足元の色々な人事も、小泉色の強い人事が行われている。郵政民営化に賛成した学者が、日銀審議委員に推されるのもそうした力を感じるし、日本郵政の副社長人事においても、小泉郵政大臣時代の秘書官が就任する予定の由である。日銀の前総裁なども、経済財政諮問会議にもぐりこんでおり、小泉時代の経済財政諮問会議の枠組みを維持したままである。福田総理は、実権がないままに時間が経過しており、この5月から予算が通過して、内閣官房の機密費などがようやく使えることになっているものと考えられるが、そこに、連判状で歯止めをかけた形である。

 膠着した日本の政治を活性化するには、民主党の内部的な意見の違いの整理を始めて、政界再編に備えるタイミングとなったようである。自民党が代わらなければ、民主党を変えて政権担当能力をつける意外にないという論理立てである。さて、そうしたことができるだろうか、というのが、実際のところではないだろうか。それが、無理ならば、国民新党や、平沼新党という新たな三極づくりをが真剣に考えるべきであろう。もしかしたら、この国では二大政党制は、機能しないのかもしれないからである。

Market Fundamentalism 12

民主党は、6日に予定されていた池尾和人慶応大学教授を日銀審議委員に起用する国会同意人事の採決を国民新党への配慮から見送った。適当な判断である。

 民主党の幹事長によれば、池尾氏への同意方針を変える可能性については、党としての決定を覆すことは難しいとする一方、政権交代に向けて国民新党との協力の重要性を踏まえながら判断する意向という。

 民主党は5日の国会役員連絡会で池尾氏の日銀審議委員就任に同意する方針を決めたが、郵政民営化推進派の池尾氏への同意に対して国民新党が反発、民主党との統一会派解消を申し入れたことから、民主党は6日の本会議採決を見送り、両党間で調整することになった。

 池尾和人慶応大学教授は、民営化前の日本郵政公社において、非常勤の理事を務めていた。もともと民営化論者で、公社の理事の職にありながら、民営化を妥当とする意見を発表したことがある。非常勤であるから、毎月の理事会に出席するが、月額の給与は、毎月数時間会合に出席するだけで、数十万の給与が支払われていたという。小泉構造改革論について、部分的に批判するような論文を月刊誌に掲載したりしてはいたが、全体としては小泉改悪を推進しようとした御用学者の一人であることは、間違いない。菊池英博氏は、その著書「増税が日本を破壊する」において、名指しで池尾教授の誤りについて指摘している。

(以下抜粋)


池尾和人氏(慶應義塾大学教授)
『銀行はなぜ変われないのか』(中央公論新社、2003年)ほかエコノミスト、週刊ダイヤモンド など
――緊縮財政・均衡財政を主張、政府の大増税に賛成、マクロ経済への影響は考慮しないと明言

同氏は実態経済を生き物ではなく、「死に体」と捉えており、経済発展という概念が考慮されていないようだ。実体経済の動きを分析しないで、「死に体」の経済を紙の上で解剖して「こうすべきだ」と幻想しているように見受けられる。
(略)
同氏は政府の審議会などの委員を務めているものの、財政・金融ともに適切な見解はみられない。金融危機のときも的外れな提言をして金融危機を深め、市場を混乱させた識者の一人である。
(略)
さらに同氏は、「日本はオーバーバンキング(銀行過剰)である」と事実に反することを言って世論をミスリードするなど、適切な見解はみられない。日本は経済規模に比べて、銀行不足(ショートバンキング)である(第3章3節と4節参照)。

同氏は今までの自分の意見が適正を欠くものであったという責任をどう取るのか。責任を取らずに、大増税を国民に押しつけるつもりなのだろうか。」

池尾教授が、日銀の審議委員に就任することを認めてはならない。民主党は党決定を覆すべきである。国民新党の主張の方が正鵠を得ている。

Flag and Pride

長野の聖火リレーでは、五星紅旗が林立していた。その昔の長崎国旗事件のことを思い出さないわけにはいかないし、外国国旗や国章に敬意を払うことは当然である。ただ、車の窓から旗ざおを出して公道を走り回るとなると、振りかざしているご当人が自国の旗を大事にしているのかどうかは疑わしい。ましてや、この春に靖国神社の境内で、横浜から参拝に訪れたご老人の持つ小さな日章旗を奪って踏みつけた外国人の事件があったぐらいで、他国の県都に動員された中での熱狂であるから、片手に日の丸をかざすなどして、リレーの開催されている国に敬意を払う余裕は中国人留学生には見られなかった。偏狭なナショナリズムである。日本の刑法92条には、外国国章損壊罪があり、外国に対して侮辱を加える目的で、国旗や国章を損壊したり、除去したり、汚損したりすることは犯罪であり、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができないともあり、親告罪である。国旗のことで更に思い出すのは、米軍統治下にあった沖縄の漁船の事件である。昭和37年4月に、インドネシア近海の公海を航行中の沖縄漁船が国旗を掲げていなかったために、インドネシア軍の攻撃を受け、乗組員が死亡、重軽傷を受けた事件である。沖縄の軍当局は、国際信号旗のDの文字を示す旗の端を三角に切り落とした旗を、琉球船舶旗として義務付けたが、ほとんど意味のないことで、事件発生後の五年後にようやく、沖縄船舶が日章旗を掲げることを、白地に赤字で、琉球・RYUKYUSと書いた三角旗を一緒に掲揚するという条件付で認めたことがある。国旗を掲げず逃走する不審船を、巡視船が銃撃して、沈没後に海底から引き上げて、遺留品などで、国籍を断定したこともある。国旗のことでもう一つ思い出すのは、多少私事にわたるが、鹿児島の母校(高校)の創立の式典における日章旗の掲揚のことである。サンフランシスコ講和条約が結ばれる一年以上前の頃、開校式で、日の丸の旗を掲げ、君が代を斉唱したとの記録である。初代の校長はカナダ人で、まったく当たり前のこととして国旗を掲げて国歌を斉唱したという。敗戦後の日本で、しかも東京裁判で日本人の精神状況が骨抜きにされて間もない頃のことである。修道会の本部はローマにあり、各国で弾圧や迫害を受けて殉教した修道士の偉業を今なお展示しているが、戦前の日本の軍関係者からの辛酸も舐めているにもかかわらず、マルセル初代校長の開校に当たっての訓辞は、「諸君、よき日本人たれ」だったという。旧サイゴンで日本船舶の艫に掲げられた日章旗を見て、涙を流した高名の作家もいたが、迎合的な敗戦後の教育界の風景のなかでは、際立った開校式となっている。旗の思い出は、ある国際会議での経験であるが、自国の旗が他の国の旗と比べて、少し下がって掲げられたことを不満として、退場した代表団があった。アメリカの学校では、胸に手を当てて、星条旗に忠誠を誓わせる。海外進出した日本企業の日本人児童も、例えば日系企業の自動車工場のあるテネシー州あたりの小学校では。日章旗ならぬ星条旗に、敬礼をしているが、忠誠と敬意とを分別しているのであろうか。沖縄サミットのときの国旗の掲揚の順番は、左から、日本、米国、フランス、ロシア、イギリス、カナダ、ドイツ、イタリア、EUの公式儀礼であった。公式儀礼は、船舶に掲げる国旗と同様に、国際秩序を守る上での手順、プロトコルであり、調整の上の決定であればなおのこと、尊重されるべきものであるが、沖縄の自治体のなかには、自分の村に宿泊する代表団の国旗を優先する動きもあった。サミットは民主主義国の会合であるからオブザーバーでも参加しないと言い切った江沢民の政府のプロトコルはなお明快であった。日本では、他の国の国旗を並べて掲揚するときには、敬意を表して、日の丸の左側に掲げている。沖縄サミットの場合には、開催国の日本に対する敬意が合意されたようだ。さて、郵政民営化があって、第75回の郵政記念日の式典が、都内のホテルで4月21日(4月20日の逓信記念日が日曜日に当たるために平日に開催したものか)に、開催された。民営化以前の式典では、左に日章旗、右側に、明治20年に制定された、〒のデザインの逓信旗(昭和24年から、縦横の比率が定められ、郵政旗と呼ばれるようになった)が、掲揚されていた。今年の式典では、左側に、JPの横文字をデザインした、日本郵政株式会社の社章が掲げられ、右側に、郵政旗が掲げられている。文化と伝統とを考えれば、左側に敬意を表する旗があるべきところであるが、奇妙なことに、日章旗のあった場所に民営会社の旗があり、その次の順番の所に、郵政旗が掲げられている。意図的に行われたかどうかは確かめたわけではないが、民営化がすべてに優先することを誇示するような旗の掲揚である。郵便局のオービーの招待もなく、地方の功労団体などの参加もなく、ましてや、あれだけ郵政民営化で騒がれ、いまもなお意見分裂の政治状況にあるのに、郵政関係の国会議員の招待者もなかったという。場所も長年式典を継続してきた帝国ホテルから変えている。市場原理主義、新自由主義の真実が、式典の旗の順番の詳細に宿っているかのようである。日章旗を正面に置き、少し小ぶりの郵政旗が左で、それに新設の郵政会社の旗が右側であれば、「諸君、よき日本郵政の職員たれ」と誇りある訓示ができたのにと悔やまれる。世界の中には、自国の国旗のみを優先する国もいくつか残っているようであるが、そうした独善が尊敬されるとは到底思えないし、国際連合の旗でも国家の旗に優越することはできないのが、国家間の実定法も慣習法も含めての厳然たる法の支配である。

Fake Privitization 64

郵政事業復活へ今こそ行動するときだーー民営化された郵政は非効率になり地域社会は苦しんでいるーー真の改革へ立ち上がれ、と主張する中川茂氏(郵政政策研究会会長)の論文が、本日発売になった、月刊「テーミス」6月号に掲載された。

①誰も納得しない四分社化 ②事務室を強引に間仕切り ③郵便局倒産もありうる ④西川善文のおかしな言動 という小節がたてられている。

その一部を、要旨紹介したい。

中川氏は、「なぜ民営化しなければならなかったのかがわからないとして、世の中では分社化ではなく統合によって効率を上げる時代に郵政民営化は全く逆の道である。その結果、四つの一つ一つが非効率になった。お客様にとっては郵便局会社と郵便事業会社の違いがさっぱりわからない。苦情の申告も簡単に解決できない。民営化によって生じたサービス低下は、数え上げればきりがない。郵便局会社の職員が集荷を手伝うことは貨物法違反になってしまう。郵便小包は激減している。ソモソモ、郵政事業は民営化をしなければ奈良にという明確な理由はなかった。旧国鉄のように赤字が続いていたと云う事でもなく、サービスが際立って悪いと云う事でもなかったからだ。それなのにマスコミはゆうちょを悪者に仕立てて叩いた。たしかにおカネを集めたのは郵政だったが、それを使ったのは政府だった。にもかかわらず「入り口」が悪いと一方的に批判されたのだが、納得できるものではない。

 郵便貯金が毎月一兆円も減少している。簡保の昨年度の契約件数は目標の約60%である。郵政事業を発展させるためにはどうあるべきかと云う事を考えると民営化をすべてひっくり返すことは現実的ではないにしても、今の④文社体制をなんとしてもやめさせたいと考えている。今、郵政政策研究会が考えているのは、郵便局会社と郵便会社を統合することだ。もうひとつの心配は、株式がどこに行くのか、完全民営化後の郵便局への業務委託は保障がない。手数料でやっている郵便局会社は、た王さんは避けられない。今でも、郵便局の利益の半分はゆうちょ銀行の手数料で成り立っているから、火を見るより明らかだ。内部崩壊が起こらないためににも、ゆうちょとかんぽの会社にユニバーサルサービスを義務付けるようにしなければならない。

 郵政民営化の見直しは、その第一回目が来年の三月に迫っている。何らかのアクションを起こしたい。悠長なことは言っていられなくなっている。西川社長が、ゆうちょ銀行を上場させるとか、M&Aの可能性について色々なメディアで言及しているがs、何のためにやるのか。今、地方から郵便今日が無くなったら大変なことになる。ここでしっかりがんばっておかなければ、日本の地域社会全体がおかしくなってしまう。地方があって、都会があって、それで日本の国が成り立っている。そのことをもっと深く考えなければならない。」

テーミスは年間予約購読制の月刊誌であるから、店頭に並んでいるのは、大型の書店で地域的にも限られているかもしれない。販売の問い合わせの電話番号は、東京03-3222-6001である。中川氏の論文は正鵠をついたもので、この五月まで、全国郵便局長会の会長をしていた人であるから、市場原理主義に対抗する政治的な文書としても重要である。

« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

興味深いリンク