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Market Fundamentalism 13

池尾和人慶応大学教授の日銀審議委員に就任する人事が、国民新党の強い働きかけによって棚上げされたことは、マスコミで色々と報道があったが、もう一件、郵政民営化と関係するふに落ちないことがあった。それは、預金保険機構の理事長人事に対する民主党の対応である。

マスコミの報道では、次のようになっている。

 「民主党は5日の国会役員会で、政府が示した9機関25人の国会同意人事案への対応方針を決めた。官僚の天下りあっせんを監視する再就職等監視委員会の委員長と委員計5人だけを不同意とし、預金保険機構の永田俊一理事長の再任案など残り8機関20人は同意することにした。

 再就職等監視委は、国家公務員の天下りを一元的にあっせんする「官民人材交流センター」(10月新設)が本格稼働するまで、各省庁による天下りあっせんを承認する権限を持つことから、「天下りはいかなる理由でも許容できない」として不同意を決めた。

 永田氏再任については、党財務金融部門会議が3日、衆院財務金融委での答弁が不十分として不同意との意見をまとめたが、役員会では「人物的にも問題ない」などとして同意に転じた。」 、つまり民主党の中の金融部門会議では不同意にする方針であったのが役員会では承認に転じたとの事である。

 預金保険機構の理事長人事がなぜ、郵政民営化と関係あるかといえば、民営化されたゆうびん貯金銀行から、保険金をなんと年間500億円を越える規模で上納させているからである。民間大手銀行の不良債権処理の為に、同機構は、赤字をおよそ、2ちょうえんかかえているようであり、郵政民営化の過程においても、その赤字を返すために、無理やり、ゆうちょを民間会社かして、赤字の穴埋めの為に民営化するのではないかとの説があったが、それが実現したわけである。、「ゆうちょ銀行の保険料負担は、銀行の経営破たんに関係のない貯金している庶民の負担になる。大銀行の保険料負担をふやし、赤字を解消する仕組みをつくるべき」との国会質疑の意見が提出されたのも理由のあるところである。池尾教授と異なり、公式に今回の理事長候補が、個人的に郵政民営化を支持したか否かは承知していないが、民主党も国民新党もこの点を追及すべきであった。民主党にも、逆転の幹部会決定があったところを見ると、すでに民主党の幹部の一部に、そうした郵政民営化の陰謀を支持するものがいるのではないかと疑わせる。

年間500億を越えるお金が、ゆうちょの民営化で転がり込む仕掛けを作る。しかもその赤字の根源の理由は民間のメガバンクの不良債権処理の為に生じたものである。ゆうびん貯金のお客さんを犠牲にして大銀行が左団扇でいること自体が不思議であり、利益相反の疑い濃厚な、住友銀行頭取であった西川善文氏が、郵政の社長に就任する、しかも、元金融庁長官が、社長となる茶番劇である。

こうした、民営化の裏の部分の闇は深い。預金保険機構の財務状況、関連人事などについての観察と分析が今後とも必要である。

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