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Abduction 3

米国が北朝鮮のテロ支援国家指定解除を決めたことを受けて、日本は少なからず衝撃をうけている。ブッシュ大統領の、拉致問題は忘れないなどのリップサービスは、何か映画のせりふのような文句で、国際政治の冷厳さを忘れ、米国に従属して半国家体制をとってきた欠陥と欠落が露呈した。同盟関係が強調されても、経済的に米中同盟の方が強化されているのではないかという兆候は従来から指摘されていた。尖閣諸島の日中間の領土問題や、台湾問題においても、日米の距離感が感じられていたところである。北東アジアの地政学は大変動を開始した。

大きな衝撃は、日本の拉致問題を置き去りにして、北朝鮮と取引を開始したことにある。情緒的な対処のみならず、一部の政治家は、変更された現実を追認することで糊塗しようとする動きすら見られるが、やはり、我国が独自で、同胞の安否を含めた、最終的には日本人を奪還する解決を求めることが独立国家としての条件である。思いのほか、アメリカはあてにならなかったし、アメリカがイラクの戦争に巻き込まれ、中東の情勢を確保するために、北東アジアでの手打ちを急ぐことは当然であり、同盟国日本を捨てざるを得ないほど、国家の威信が低下したとの見方もある。

日本政府は、国家的課題として拉致問題を捉える姿勢はもともと希薄であったし、小泉包丁で初めて、加害者の金正日が、皮肉なことに、拉致問題を認め他事と、拉致家族の会が、一貫して、国家の保護を主張してきたからである。国会議員で問題視したのは、西村眞吾代議士以外の議員で、拉致問題を正面から取り上げた政治家はいなかった状況である。

北朝鮮は、拉致問題が日朝関係のとげであることを知り尽くしている。クリントン政権の末期に国務長官が訪朝したことがあったが、そのまま米朝関係が改善していたら、拉致問題など永久的に、影も形もなくなっていたことが容易に想像できる。拉致問題の背後に潜んでいるのは、どんな米朝関係だろうか。

北朝鮮は、中国の植民地のようになりつつあるとの説もあるが、本当は、そのくびきからの脱却を念願しているものと考えられる。日本は、もうすっかり忘れているのかもしれないが、旧宗主国である。道義的な責任を追及する歴史認識を明確にして、北朝鮮と対峙すべきである。拉致問題が置き去りにされたと日本がアメリカに働きかけたにしても、国際政治のわからない、従属・衛星国家の言動など一顧だにされることはない。

「なぜ私たち皆が、自分たち共同社会の出来事として、この人々の不在をもっと意識し続けることができなかったかとの思いを消すことが出来ません」との皇后陛下のお言葉をかみ締めて、拉致問題を日本が、国民が我が事のように自ら解決を求めて行動しない限り、民族の大切な絆を失うことになるばかりである。何のための政府なのか、国家があるのかという基本的な疑いと訴えを感じさせる事件となった。

ちなみに、テロ支援国家指定の解除が、発表された日に、原油価格は、140ドルを突破した。北東アジアにおける米朝の融和が、中東におけるリスクの上昇を市場は見て取ったのである。世界的には、戦争の緊張は逆に高まったとの見方も出来よう。

郵政民営化などの、国民資産の海外移転の可能性の陰謀は、もう多くの国民がその真相を感じることが出来るようになったものと思う。サブプライムローンの問題があり、竹中・小泉政治が、アメリカのネオコン政治の追従でしかなかったことは、徐々に霧の中から明らかになりつつある。

拉致問題は、考えようによっては、日本の覚醒を図った事件である。アメリカへの追従から脱却して、大東亜戦争の歴史をはじめ、しかも、朝鮮半島が、日本の一部であったことを再び確認させる事件である。テロ国家支援解除があって、もう日本はアメリカの顔色を伺う必要がなくなった。北朝鮮の保護を続けてきた中国に対しても配慮する必要はないから、独自の主張を展開できる。アメリカの肩代りの資金提供役などもう一切する必要がない。北朝鮮に対して、直接、拉致された日本人の奪還を図り、求めていくべきであろう。

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