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Market Fundamentalism

タイで、反政府のデモが続いている。

2年前の2月ごろにも、大きな反政府デモがあった。その後、軍事クーデタがあり、その後にまた民政に戻ったが、タクシン政権の後継となった現政権に対する抗議デモである。背景は2年前とほとんど変っていないのではないか。2年前の、クロフネ氏のブログに掲載されている解説はその本質をついているように思うので、紹介する。

http://gaikoanzenhosyo.blog4.fc2.com/blog-entry-243.html

「タイのタクシン首相退陣を求める約6万人規模のデモが4日(2006年当時の2月、当ブログ注)、バンコクの旧国会議事堂前広場で行われた。

デモの引きがねになったのは、タクシン首相の一族が株を売却したときに得た巨額の収益が非課税になったことと、その株を売却するときに別件でインサイダー取引があったのではないかという疑惑が上がったためだが、

タクシン首相とその一族がタイの国家権力を手にするとともに、巨万の富を築き上げたことに対するタイ国民の不満の蓄積も反政府デモの背景にあるようだ。

大規模な反タクシン政権デモが発生したことを受けて、はやくも二人の閣僚が辞任している。

 タクシン首相は生粋のタイ人ではなく華人系であるが、タイでは珍しいことではなく、これまでも何人かの華人が首相職についている。

ただ、タイに住んでいたクロフネ独自の消息筋が話してくれたところによると、拝金主義的で強引にガツガツする華人特有のやり方をあまりにも丸出しにするタクシン首相は、南の国特有の大らかでのんびりとしたタイ人の気質からすると違和感があり、以前からタクシン首相ファミリーに反感を持つタイ国民も少なくなかったという。

クロフネも、タクシン首相が自分の金ではなくタイ政府の公的資金でイングランドの人気サッカーチーム・リバプールを買収すると発表したときは、眉をひそめざるを得なかった。 多くの批判もあって結局実現はしなかったようだが。

逆に”金儲け”はうまいだけに、タクシン首相の経済政策への手腕に期待するタイ国民も存在するようだ。

 中国人は、華僑として世界のどこへ移民しても、血とコネでつながった一族だけで、富や権力を囲い込んで独占してしまうあたりに、低信頼型社会の人間の特徴がよく現れているような気がする。

ちなみにシンガポールのリー・シェンロン(李顕龍)首相一族も事実上の独裁政党・人民行動党のリーダーであり、シンガポール経済を支配する政府系投資会社”テマセク・ホールディングス”の業務執行取締役もリー首相の夫人である。

このようにシンガポールでも富と権力がリー一族によって独占されている。

偶然か必然か、今回タクシン一族が株を売却して巨額の利益を出したとき、売却先となったのがテマセクだ。

「包丁かハサミが一つあれば、世界のどこででも食っていかれる」といわれるほど、商才にたけバイタリティあふれる中国人だが、現地コミュニティの文化を尊重し、その社会にとけこんでゆく努力も必要なのではないだろうか?」

要すれば、今回のタイの反政府デモは、新自由主義に陥ったタクシン政権とグローバリズムを扇動するその背後関係に対するタイ国民の抗議の声である。タイはアジアの通貨危機で破壊寸前に陥ったことがあり、中産階級の抗議の声でもある。当時のタクシン首相は、巨万の富を挙げた電気通信会社の利益を外国資本に譲り渡したことが、タイ国民の怨嗟の対象となる大きな原因であったが、日本でも、ITバブルの中で、電話会社の利益がオランダへの投資となって巨額の損失となった事件があった。詳細は闇の中であるが、どうも似たような事件ではあった。勿論、日本ではタイのような中産階級が参加する抗議デモは起きていないが。タイでは、もともとのタイ人と、経済の中枢を握る華僑系タイ人との微妙な対立があり、インドネシアやマレーシアのように、はっきりとした対立は少ないのであるが、今回の騒乱の背景に、そうした中国の影響が見て取れるような気がしてならない。思い返せば、アセアン、東南アジア諸国連合が、領土問題を凍結してまでも、成立させたのは、中国、当時は共産中国の拡大を阻止するためであったが、今回は市場原理主義の中国の影響に対する民族的な反発であると間ガルことは出来ないだろうか。

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