構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

« Market Fundamentalism | トップページ | Market Fundmentalism »

Market Fundamentalism

タイの政治が混乱している。タクシン華僑政権に反対する軍事クーデタがあって、その後民政になってまだ半年あまりであるが、市場原理主義に対するタイ国民の反発は相当なものがある。タイの首都バンコックには、摩天楼のようなビルが林立した。タイの新しい空港も日本の経済援助を得て建設したといわれるが、そうした経済繁栄が、一部の華僑資本や外資が利益を得ただけで、むしろタイに生まれた中産階級は逆に経済繁栄の中で縮小を余儀なくされた。王宮前に集まる反タクシン政権の市民は、清廉潔白のタイ人の中産階級が主体である。

 サマック首相の退陣を求める反政府勢力「市民民主化同盟(PAD)」がバンコクの首相府を不法占拠して10日が過ぎた。もともと、サマック氏は、タイ人であり、それほど、華僑系タイ人の代理人というわけではないが、タクシン政権によって拡大した市場原理主義の綻びをつくろうべきところを、タクシン政権の後継政権のような様相があるので、タクシンの代理者として批判を一身に浴びているように見受けられる。

 サマック首相は非常事態宣言を発令し、収拾へ乗り出した。しかし、秩序回復を託された軍は静観の構えを崩さず、占拠が収束に向かう兆しは見えない。軍は、タイの国王陛下に従っており、華僑系の商人とは一線を画している。タイの国体の消滅、すなわち、タイの王政の問題という、タイ人の琴線に触れた発言をたく新政権の閣僚が発言したとされることもあってか、軍がサマック政権を支持する動きをするはずがない。軍のクーデタは、むしろ、タイの国体を守るものであったから、微動だにしない強靭さはある。

 タイの政治的安定に、大きな疑問符が付いたばかりではなく、その民主主義がまだまだであることをさらす事態だ等と、訳知りのような論評をする日本のマスコミがあるが、全く的外れである。、タクシンを含めた一部の市場原理主義資本家が、国益を害したばかりではなく、外国にシンガポール経由で、携帯電話市場の利益を移転した上に、巨額の脱税をしたところにタイ国民の怒りが爆発したのである。

 2006年に結成されたPADは、タクシン首相(当時)の不正疑惑追及の活動を展開した。その後一度解散したが、今年5月から、公道の占拠など活動を再開しているが、多くのタイ人が支持をしているのが実態である。

 タクシン氏は、在任中の不正疑惑に対する司法当局の追及にたまらず、英国に事実上亡命したので、サマック首相への風当たりはさらに強まったのであり、事実上、タクシンの利益は、ロンドンで保全されていると見られている。タイの国益を外国の市場原理主義者が奪ったことをタイの国民は怒っているのである。

 首相府を占拠しているだけではなく、省庁や空港まで占拠したPADのやり方は、タイ人としては通常のやり方ではないが、それなりに、怒りの程度が大きいことを示している。王宮広場前で流血の騒ぎがあったが、流血を嫌うタイ人は無防備で対抗しているが、青龍刀もどきで武装していたのはタクシンの華僑勢力で、残酷なやり方はシナ文化の影響がみてとれる。

  PAD指導部は、現在の議会の議員数では数の上ではタクシン派が多いことを重々知ってはいるが、そこは日本の衆議院が小泉チルドレンで占められているのと同様に、真の民主主義ではなく、拝金主義にまみれた数の独裁だから反発しているのである。

  今回の政情不安を受け、日本からの観光客の半分がキャンセルをしたという報道があるが、今はむしろ日本人が多数首都バンコックを観光で訪問して、タイの発展の為に祈るような気持ちで、支援共感を示すことが大切である。 基幹産業の一つである観光業へのダメージがあることは理解できるが、それを最小限に食い止めるためにも、タイの観光を中断させてはならない。日本との関係で思い出すと、田中角栄首相当時には、タイに進出する日本企業が、反発を受けたことがあるが、その後、平等互恵の精神で、企業経営をしてきたおかげで対日関係は大きく改善している。それに引き換え、市場原理主義者は、アジア諸国に対して、偏見のある、旧植民地的な扱いをまだ変えようともしない。今回の騒動の背景には、ロンドンを中心とする国際資本の動きがあることをタイの国民は見透かしているのである。アジアの中で日本と並んで、植民地化されなかったタイである。もうひとつの要素は、近年タイに北京の影響力が急激に高まったことに対する反発もある。中国はもはや共産主義の国ではないからその脅威は去ったが、新自由主義の拝金の国となった中国の市場原理主義に対する警戒心が、華僑系タイ人のタクシン政権を糾弾する引き金になっているものと考えることが出来る。

タイの反タクシンの民主化運動と日本は連携を保つべきである。タイや日本、アジアでの市場原理主義の策動に終止符を打つべきである。タイというのは、タイ語で自由という意味である。

|

« Market Fundamentalism | トップページ | Market Fundmentalism »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/209267/42428657

この記事へのトラックバック一覧です: Market Fundamentalism:

« Market Fundamentalism | トップページ | Market Fundmentalism »