構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Fake Privatization 115

郵政民営化が虚妄であったことがいよいよはっきりした。市場原理主義は、世界的にも終焉したのである。東京都内の郵便局長が、憲政記念館で、郵政民営化の実態についての報告を行っている。勇気のある発言である。郵便局長は、どちらかというと、お客と経営者側との板ばさみになっていたのが民営化後の一年間であったというが、これからは、新自由主義が崩壊した今、何も民営化論者あるいは、その走り使いの連中の肩を持つこともあるまい。木の林良平氏のように事実を話すことの方が、この国の安寧のためにも推奨される話である。

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/MJ117.HTML

10.16森田塾東京教室における林良平氏(調布小島郵便局長)の講義録  はじめまして、ただいまご紹介いただきました、調布小島郵便局の林良平と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 森田先生には、日頃より大変お世話になっております。また、本日はこのような貴重な時間を頂戴いたしまして、心より感謝申し上げます。これから30分間「郵政民営化の中の郵政事業――職場の現状と問題点」と題しまして、ひとつは国民的視点から、もうひとつは、職場で働くものとしての視点からお話させていただきます。 郵政事業が民営分社化されて、1年が経過いたしました。ここに10月2日付の朝日新聞の朝刊がございます。「郵政民営化1年」とあって、竹中元総務相・生田元日本郵政公社元総裁・古川衆議院議員のそれぞれの考えを論じた記事が掲載されました。竹中・生田の相変わらずトンチンカンで的外れな論議に対し古川議員は至極真っ当な論理を展開しております。本来であれば、改革推進派と見直し派は2人ずつというのが公平だと思うのですが、朝日新聞をはじめマスコミの連中は自分たちの誤りを認めずに今日にいたっております。
 郵政グループの経営陣、マスコミは本当のことを隠しています。これから本当のことをお話します。
 まず、国民的視点、利用者の立場からですが、大きく利便性が低下しました。
 「サービスダウンは行わない」「郵便局はなくさない」はまったくのウソでございます。民営分社化されて何ひとつよいことはありません。
 細かく見てまいりますと、第1に、郵便事業ですが効率化の名のもとに集配局の1再編が行われ、全国4700局のうち、1048局を無集配局にし、2500局以上を配送センターに変更しました。これによって配達エリアが拡大し、所によっては、100キロ以上の地域を抱えるところも出ました。さらに人件費削減のために、ベテラン職員を早期勧奨退職制度などにより整理しアルバイトでまかなうことになりました。これによって、郵便物の遅配・誤配・誤転送・誤返還が著しく増加いたしました。当局も昨日これらのトラブルが3件も発生いたしまた。また「ゆうゆう窓口」が数多く廃止となりましたので、不在時配達の郵便物を受け取りに行くことも土曜・日曜・夜間サービスができない、遠方まで行かなくてはならなくなりました。
 簡易局の一時閉鎖もおきました。4300局のうち420局以上を一時閉鎖してしまいました。廃止の理由は、個人受託者の病気・高齢化・農協・漁協の統廃合・人員削減・安い委託料等…あわててローソンを簡易局にしたり、世間の批判をそらすために、委託料を上げる等して開局を行う姑息な手段で対応…根本的な解決にはなりません。 郵便局会社では、集荷できなくなりました。郵貯銀行の金融代理店となっているため、「貨物法違反」にあたるという理由で、これによって多くのふるさとゆうパックが減少し競合他社に流れました。また、お客さまが集荷センターに電話をかけてもつながらない、すぐに来てくれない等の苦情が寄せられております。年賀葉書の販売は大きな問題が起きました。
 郵便事業会社と郵便局会社のパイの奪い合いです。ノルマのきつい郵便事業会社の社員はお客さまに「郵便事業会社から手数料払う義務ある、局会社で買わないで、こっちで買ってくれ」言うなどあきれた話法を使用したという話も聞いております。 第2に、貯金事業ですが、各種手数料を大幅に値上げいたしました。配布チラシ参照していただきますと、「株式会社ゆうちょ銀行が提供する商品サービス料金について」のなかに「簡素化させていただきます」という言葉は「値上げさせていただきます」が正しい日本語。とくにⅢの1、2、5がひどいです。定額小為替発行手数料が10円から100円の10倍に普通為替が10万円までが200円だったのを、3万円まで420円、3万円以上が630円に、窓口通常払込み手数料10万円まで150円が330円にという事態です。複雑な書類作成、事務処理のために、時間を費やすことになり、通帳新規作成が従来5分程度でできていたのが20分、国債の販売15分が40分に、また、公社時代の旧通帳が使用できない取扱が、窓口に来られてはじめてわかる。明らかにPR不足。一度お帰りいただいて、必要な本人確認書類、印鑑持参で出直す面倒がいまもあります。
 各種商品の廃止…電信為替・マネーレタックス・積立貯金・介護貯金・介護定期貯金・国際ボランティア貯金等、利用に支持されていたものを一方的に廃止してしまいました。
 第3に保険事業では、新規契約の手続き複雑で書類作成増加のため時間が30分だったのが、1時間になり、簡易保険の売り・長所であった、窓口で即時に受け取ることができた保険金の受取がほとんどできなりました。
 4分社によるさまざまな問題噴出…貯金に来られたお客さまに保険の営業の話ができない、同意書に記入の煩雑さ。旧普通局の局舎の建物郵便事業会社の所有となり、事業会社が局会社に使用を断る嫌がらせや、公社時代は地域住民に高齢者パソコン教室・ダンス教室・いけばな教室等で開放していたがすべてお断りする。また、最近起こったことであきれる話ですが、小学校の社会科見学の申込みを人員不足を理由に断る事件もありました。 全国で来客数の大幅な減少・貯金残高毎月1兆円近く減少・保険契約は目標の6割以下という体たらくです。3事業の委託手数料に頼る郵便局会社に明日はない。早期の3事業一体の相乗効果が必要であります。

郵政民営化の中の郵政事業――職場の現状と問題点

 これまで、国民的視点・利用者側の観点から、述べてきましたが次に、職場では、何が起きているのか、現状をお話いたします。まず、一言で申しまして、崩壊寸前です。
 A4サイズで6万ページの膨大なマニュアル、数カ月に1度の改正につぐ改正、とても対応できない。人間の限界超えている。民営化前、休日返上でリハーサル・勉強会を何度も開催したが、不安は日に日に増すばかりで、民営化初日、つまり昨年の10月1日、不安は的中、現場は大混乱しました。
 貯金顧客システムダウン、その後も1週間、郵便新システムパンク、新式紙・ユニホームが間に合わない…メディアでまず順調な滑り出しはまったくのウソ。その後も1カ月以上は混乱が続きました。
 第1にシステムに問題・複雑怪奇使い勝手すこぶる悪い、期日に間に合わせるために既存のシステムを改良して対応、やっつけ仕事、現場を理解していないシステムも、数多く存在。会計はSAP、人事・給与・旅費は三菱東京UFJ、苦情処理はドリーム・フォース(米国)。
 システムおたくが自己満足のためにつくったとしか思えないシステム、郵便窓口、処理の前半は局会社、後半は事業会社にそれぞれ問い合わせしなければならない、「会社が違う、よそで聞いてくれ」冷たい対応。郵便局で修正できない、「人間は間違えない」という前提で作成、現場は人間だから間違うこともあるのが常識、認識の乖離。
 ヘルプデスク・サポートセンター問い合わせでパンク、まったく電話がつながらない、途方にくれる毎日でした。
 第2に人権無視の管理体制です。24時間監視カメラにさらされて仕事をしなければならない。膨大なチェック項目。監査人員大幅増員。病気・退職・自殺者も出る。局長の退職者かつては年間800人であったが、この1年半で3000人以上(全国1万9000人のうち)これらについては後でもう少し詳しく説明します。 第3に内部統制をたてに中間組織の破壊があげられます。
 中間組織、非常にうまくできた組織、民間からきて戸惑うことも多かったが、私が最初に感心したのが、この組織。会長、副会長、三事業理事、部会長、副部会長、一般局長、数々の職員リーダーの存在、これらを全部否定した結果なにが起こったか。営業推進どん底…とくに不振な局の管理者を呼び出して叱責。あまりにひどくなりすぎたため、2/29(名ばかり「郵便局活力向上宣言」)が出されたが、評価できない、また説明不足(内部統制との整合性)です。
 第4に現場・事業を知らない経営陣。
 現場を知らないわけのわからない経営陣、はやくやめてもらったほうがいい。よってたかって郵政を食い物にしている。無駄なイメージCM、ポスター写真集「ひとりを愛せる日本」の不気味さ、30万冊以上も、価値があるのか?
 大変、的外れで経費の無駄使い。民営化時の広告費70億円、年賀広告80億円…書くスペースがない、ディズニー年賀大失敗3割くらいか?
 現場は1円でも利益出そうと必死、やればやるほど裏切られた感。
 「東京のおみやげ」かけ離れた消費者ニーズ…芸能人が薦める1枚700円のこはだ5枚で3500円…誰が買うのか?
 売れないものを押し付ける、マーケットリサーチしているのか。
 現場力を重視します。まったくのウソ、口先だけ。
 2月に郵貯銀行からの資料を郵便局会社に送付するのに「ヤマトのメール便」を使用、郵政グループの自覚まったくなし、あきれた、いかなる理由があろうともやってはいけない、社員感情逆撫でする。自分さえよければいい感覚。
 三井・住友系以外のカード会社を排除した企業の私物化では?
 第5社員のES・モチベーション上がらず。
 ES・モチベーション最悪…慢性的人員不足、さらに拍車をかける人件費削減、超勤削減、20人のうちの1人ではない、3、4人のうちの1人、大きな存在。アルバイトでは到底無理な内容も多い。
 途方もないチェック項目、監査項目120項目以上、毎月の点検70項目、内部監査人員大量増員、年3回以上の監査、モニタリング、毎週研修(コンプライアンス・防犯・個人情報・情報セキュリティ・CS)の実施・記録の負荷。マイナス評価重視の文化・怖くてできない・問責・ペナルティの恐怖政治。公社時代はあまねく公平のもと、多くの縛りも確かにありました。現場は民営化は大反対でしたが、決まった以上気持ちを切り替えて前を向いて生きていこうと思いました。民営化したのだから、「自由に営業その他できるのでは」と誰もが思っていました。ところが実際は正反対でありました。すべてにチェックが入る、ローカルルール存在しない、地域性・特性を生かした営業できない。ポスター・チラシ・お客さまに配布する物品まで、勝手に作成できない、施策企画できない。リーガルチェック半年以上かかるものも、本社主導で、支社機能していない。こんなはずではなかった、夢も希望もなし、早くやめられるのならやめたいと思う局長・社員多数存在しています。
 来年1月5日「全銀システム」との接続はたしてうまくいくのか心配です。

 奄美大島の高校2年生の叫び…平成19年11月15日の鹿児島県立高校弁論大会の模様のCDが手元にある「自分のふるさと離島で、加計呂麻島(かけろまじま)ではもう3日間も郵便配達員を見ていない、1600人島民の半数以上が65歳以上の高齢者、年金受取、保険の手続きもうできない、そのうち週に1度しか来ないのでは、どんどん寂れていく島、国から捨てられる」地方の叫び、本当にわかっているのか、竹中元総務相・生田総裁といいたいです。
 東京都奥多摩の桧原村の旧集配特定局も無集配局に12人から3人になり、それまで100キロ平方をカバーし15キロの山道を郵便配達員が年金・保険を取り扱っていたができなくなった。あきる野局で代わったが、最初は週2回が週1回になり、電話しても来てくれない状況になった。足の不自由なかたが、8キロも歩いて年金を取りにくる、ひどい状況が東京でも存在しています。
 今後の方向性としては、特殊会社としての存在が良い…郵便局会社と郵便事業会社は、株式の売却しないが、貯金・保険もユニバーサルサービスの義務づけが絶対必要であります。
 1.郵便事業会社と郵便局会社の合併
 2.金融2社の持株比率を日本郵政が最低51%以上持ち続ける
 3.日本郵政の株式は全株政府保有にしておくこと事
 前提として郵政株式処分凍結法案を通すことです。1日も早く上場したいと焦る西川総裁はじめ現経営陣ですが、そうは、させじと戦う決意です。
 以上、これで私の話を終了させていただきます。ご清聴、まことにありがとうございました。 

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コメント

1社員から言わせて頂きます。
事業会社と局会社との統合には絶対反対。
総合担務はもうやりたくありません。二度と特定局長の横暴に泣かされたくありません。
局会社から事業会社への転籍希望者が多数居る現実を解って下さい。
お客様は不便になった面があります。このことを悪用し、己たちの野望を実現させようとしている特定局長達。お客様が減ったのは民営化だけが理由でしょうか?果たして魅力ある商品でしょうか?
五人に一人が管理者。こんな会社は異常です。

投稿: 一社員 | 2008年10月23日 23時38分

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