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Fake Privatization 107

朝日新聞10月2日朝刊が、私の視点という欄で郵政民営化一年という特集記事を掲載している。郵政民営化に深く関わった三人と云う事で、竹中平蔵、生田正治、古川禎久氏がそれぞれ論説を掲載した。竹中平蔵元総務大臣の記事には、政治は邪魔するなという題がついている。政治で、根拠のない構造改革をすすめ、郵政民営化を強行した上に、政治の口出しをやめろとは、暴論である。民営化自体が過激な新自由主義の強攻策であることを糊塗するものである。民営化した経営陣の手腕は評価されるべきと述べているが、惨状を呈しつつある郵政現場の実態を無視した発言である。当期利益が5400億円であるとしているが、これまで、2兆円を超える利益があったことや、かんぽの成績が惨状にあることをご存じないようだ。郵便貯金の流出も頬かむりである。西川社長が国会に出向く回数を減らすべきだとしているが、全くの横紙破りで、国会の国権の最高機関としての地位を無視するものである。そもそも西川社長は、竹中氏が任命した私物化人事であったことはよく知られているからこそ、国会で追及されてしかるべきである。東京中央郵便局の保存問題についても述べているが、暴論である。旧特定郵便局長に高い局舎料を払っているとするが、国民の利益を奪っているとまでの罵詈雑言であるが、さて、国民の利益を奪ったのは郵政民営化ではないのか。分社化で不便になったことは、現場で運用を考えればよいとの指摘もおかしな議論である。郵便事業を全国一律で守ることすらおぼつかなくなっていることを全く無視する机上の空論である。完全民営化で株を売却するためには出資者を募るのだから、経営ビジョンを明確にする必要があると結語しているが、全くの無責任な話で、民営化ではビジョンが示せないから、多くの国民が、国会議員が民営化に反対したのである。郵政民営化がいかさまであることを天下に明らかにする論説である。

小泉当時の総理から要請されて郵政公社総裁となった生田正治氏の所論は、単なる嘆き節である。民営化すればいきずまるだろうとのご託宣であるが、そんなことはない。これまでの市中銀行の不合理や高コスト構造を民営化で持ち込んだだけの側面を忘れたかのようである。うらみ節もあるから、特定郵便局を呪羽化のような発言だ。西川氏の改革が泊まったとも言っている。先の竹中平蔵氏との関係では一面では同調して、片方では恨み節であるが、民営化論者であることは間違いない。郵貯かんぽから見て頼りがいのある代理店とならないと全国の郵便局網の維持も出来ないというが、本当にそうだろうか頼りがいのないのは、新しく天上がりしてきた、全くの無定見のコンビニや、保険会社や自動車会社の経営陣が頼りがいがないのが実態なのではないか。特定局長が政治活動に熱心なのは問題だという。経済同友会などの経済人が散々、公平さを欠くような市場原理主義の政治主張をしているときに、何を言っているのだろうか、民営化の大小作用ではないのか。株式売却の凍結等を、民営化の否定でしかないというが、なるほど、民営化の否定である。自主的な構造改革をすすめてほしいなどとはもうあきれ返るような話である。米国発の新自由主義の金融混乱が世界に波及する中で、全くの的外れの主張である。郵政民営化自体を問題にすることが至当である。小泉改悪の手先であり、非政治のふりをしながら、一部の政治家に迎合した公社総裁としての責任は重大である。

古川議員は、造反組みとして刺客選挙を戦ってきただけに、現実論としては説得力がある。与野党ともに郵政民営化見直しが現実的になったと主張するが、いったん株式会社となった日本郵政グループを再びもとの姿に戻すのは難しいとしているが、これまた、現実肯定論である。誤ったことを元に戻すのが王道である。問題点を浮き彫りにしなければならないと述べているが悠長な話である。問題はどんどん悪化している。浮き彫りにされているどころか、私物化論者の連中はどんどん既成事実化を進めている。数百億の郵貯資産がわずか4億で売却された話しも聞く。竹中氏の主張する郵便局の土地などの売却の話などもどんどん進められている。古川議員はこうした、国民合意のない私物化論者の強攻策を阻止する役割を期待されていることが、わかっていないようだ。国会議員であれば、竹中平蔵氏が、政治は邪魔をするなという主張に、抗議するくらいの勇気は持ってしかるべきである。

それにしても、竹中平蔵氏が政治は邪魔をするなという発言は、日本の民主主義、議会政治に対する挑戦で、そうした見出しをつけた記事を掲載した朝日新聞も品性と見識のないことおびただしいが、明日あたりから、国民各層の間から、きっと怒りの声が上がるものと思うし、言葉は悪いがコケにされた国会議員の中で、この記事を読んで怒りの声を上げる者が出てくることを期待する。

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