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Misleading Data

夕張市などの自治体が財政破綻したことで、債務を合算してそれと交付税や市町村税の収入との合計で割った公債費比率が、新しい指標となったらしく、それが公表され、問題を新たに引き起こしている。25%を超えると、国が関与することになるという。(関与する資格があるのか疑問であるが)

新聞やマスコミも一方的に報道するのみで、自治体を全体的に捉えない画一的に指標がつくられているので、特別な事情を分母に加えることなどをしないでいるから、健全な自治体経営を行っている市町村までが、お咎め?を受けることになっている。

細かい話であるが、下水道事業やダムの関連工事の記載のための交付金や、福祉事務所の設置にかかる支出や、原発交付金やダム交付金などは、その収入の分母に入っていないから、一生懸命事業をやっている市町村が逆に批判の矢面に着く可能性が出てくる。

市町村財政の弾力性を見るためには、実は、そうした実態に即しない指標よりも、経常収支の比率を見るのが最も重要で、職員の給与、借入金の返済、物件費など、支出をすべて算入している。例えば、夕張市の問題は、この比率が125%で、25%支出が多いということを示していたわけです。

経常収支比率が高い市町村は、余裕がないが、事業をおこなわない市町村が、実質公債費比率が低くなっていることも十分考えられる。支出が収入を超えてしまうのは問題ですが、公債費比率が、25%を超えるといかにも問題があるかのように騒ぐのは却って問題がある。財政規模が小さく、起債残高も小さい、何もしない、市町村があたかも優れた市町村かのようになってしまう。怠け者が褒められ、起債をしてでも事業を私用、返済をする自信があるとする市町村がしかられたのではかないません。

西郷隆盛がいうように、入るを図りていずるを制する、これが財政の基本です。身の程知らずの借金はダメですが、必ず所得をうむ背策であれば、借入金で行うことはごく当たり前のことです。サラ金とはわけが違います。例えば、あるサラリーマンで、毎月の給料で返済できる額のお金を銀行から借りて、こつこつと返済しながら、家を建てるというのは当たり前のことで、その返済額が、何パーセントが適正に当たるかは、よくよく考えてみる必要があります。

市町村では、給与のワタリ制度を是正することが肝心です。人件費比率は、実はもっと下げられますし、物件費も下げることが、可能です。節約したお金をもっと投資に回すことが大切ですし、市民のサービスにまわすことが可能です。借りた金は返す、が最も大事なことで、返すあてのない金は借りたらいけません。長い目で返すかね、明日返さなくてはいけないかねと色々な種類がありますが、完済していかなければなりません。月賦で、月給の全部を返済にまわすことのようになる、などは愚の骨頂です。最近、ある県に行きましたら、県庁の建物が何か一流のホテルのようになっているのにはびっくりしました。知事室にじゅうたんがしいてあってもかまわないのですが、当ブログの身たるところでは、清廉には程遠い感じがしました。前の知事が建設したとのことでしたが、そうした県庁ビルを売却するなどもひとつの見識だと思えてなりませんでした。国民が苦しんでいるときに、銀行の頭取が何兆円もの退職金を取った話と本質は同じです。

最近、経常収支比率がある県の中で最も低い町が、マスコミの槍玉に上がり、不当な批判を受けたようですから、当ブログも問題点を指摘しました。

市場原理主義者は、いつも、小さな政府がいいといいますが、実は、経常収支を健全に保ちながら、余裕のある財政の経営をするためには、大型予算の方が差し繰りがつくという側面もあります。第三セクターを作り、分社化したり、細分化することが却ってロスを招くことがよくあります。

最後に、国が関与して財政再生団体などに介入するとしていますが、本当にその地からがあるのでしょうか。国営農地開発などで、地方自治体に負担を押し付けておきながら、そんなコンサルタントのようなことが出来るだろうかと危惧するところです。

市場原理主義が世界を日本をのた打ち回りましたが、そろそろおしまいのようです。

地方もそうした市場原理主義の影響を受けた連中に耳を貸さないで、独自の主張をちゃんとして、自らの社稷を自ら守ることが重要な時代になって来ました。慶賀すべきことです。

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