構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

« Change | トップページ | Market Fundamentalism »

Nobel Prize

平河総合戦略研究所のメルマガ、甦れ美しい日本に掲載されていた主張です。最近では日本を破壊しようとしている日米構造協議のように、同盟国とは関係なく、日本のよさを破壊しようとしている一部の勢力があることを十分に自覚しつつ。

ご参考まで。

「.藤岡知夫
ノーベル賞と日本の研究環境
-----------------------------------
日本は科学系ノーベル賞受賞者歴代7位、戦後だけだと5位の地位に
ノーベル賞受賞者の科学系(物理・化学・医学)だけに限って累積数をみると、アメリカがダントツで226人、次いで英国が75人、ドイツが68人でこの3国が科学に強い世界の3大国と言えます。次いでフランス29人、スウェーデン16人、スイス15人、これに次いでオランダ、旧ソ連、日本が第7位の13人です。しかし第二次大戦後のノーベル賞受賞者数を見ると、米、英、独の上位3国は同じだが、第4位のフランスは14人、日本はこれに1人差の13人で、ベストスリーに次ぐ国としては最上位であると言えます。スウェーデン、スイスの10人、オランダ、旧ソ連の11人を軽く抜き去っています。
日本での近代科学の歴史が100年しかないことを考えれば、日本人は大いに胸を張っても良い事績だと考えます。因みに東洋人では支那が自国では2と称していますが、これは嘘で、1957年にはリーとヤンの二人が理論物理学の業績で物理学賞を得ていますが、彼等二人とも台湾人であって、支那人ではありません。また1996年に別のリーが化学賞、1997年にチュウが物理学賞、今年の化学賞にもツィエンの名がありましたが、彼等は支那系ではあっても、純粋なアメリカ人で、出身国を辿ってしまえば、アメリカ人など1人もいなくなってしまいます。226人の米国人ノーベル賞受賞者の祖先を辿れば、イギリス系が一番多いでしようが、ドイツ系であったり、フランス系であったりで、本来のアメリカンインディアンは0人です。

日本の研究環境は悪くはない
今度の日本人4人のうち、南部さんの研究も下村さんの研究も米国で成されたものです。
20世紀の世界情勢の中で財力、武力を含め、国力は米国が圧倒的に強く、世界中から富も人材も集めて居ります。研究者の条件も米国は圧倒的によく、日本のみならず世界で注目されるほどの科学者となると、アメリカからポストのオファーが来て、必ずと言って良いほど、個人的な収入及び研究費等の研究条件も、日本に比べて遥に良いのです。従って優秀な研究者が米国に流れるのは当然の帰結であって、日本でも過去に頭脳流出とアホなジャーナリズムが騒いだことがあったけれども、これは必ずしも悲しむべき事ではないでしょう。広い目でみれば、優秀な才能を持った人が、優れた条件の下で良い仕事をするのですから、日本を含め広く人類の進歩に貢献したのです。

日本がこれまで国として十分な支援をしてこなかったことを、反省した方が良いと言う人が居るし、基礎科学全般に助成が行き渡ってないことが問題だと言う人もいますが、確かに日本は米国と比べれば見劣りはしますし、ドイツやイギリスも日本より上かも知れないけれども、フランスは日本より悪いし、どのヨーロッパ諸国も米国に比べ遙かに見劣りがするので、世界標準の中では日本はよく健闘していると言うべきではないかと思います。

日本の国立大学の理学部や工学部の学部の講座や、教養部の物理学教室などでも、多くはないけれども、それ程少なくない100万円単位の講座費が支給されて居りました。日本では評価のシステムが弱く、優れた研究室とダメな研究室との差をつけなかったのが従来からの問題で、最近ではなるべく大きな格差をつけるように情勢が変わってきては居りますが、何もしなくても研究費がもらえるのは世界中で日本くらいで、米国ではどんな小さな研究費を貰うのでも、何か新しいアイディアを出して、プロポーズしないともらえないのが常です。そして日本で何もしなくても研究費をくれたが故に、新しい研究が産まれてこれが大研究に育ったという例は、幾つもあると思います。

米国でも研究機関や大学で研究費が余っている訳ではなく、最も恵まれているのは、軍の基礎研究所でしょう。その資金や環境に恵まれた米陸軍の研究所の親しい友人が、日本の岡崎にある分子科学研究所で2年間サバティカルの研究生活を過ごし、分子研の研究環境の素晴らしさに感嘆し、自分の生涯で研究者として最も恵まれた2年間であると述懐して居りました。分子研では同じような話を他にいくつか聞いたことがあり、世界に冠たる研究環境を誇る研究所であると言えると思います。

これは分子研を創立した長倉三郎氏の頭脳と力によるもので、日本では残念ながらこの手の指導者が少ないのが最大の悩みではないかと思います。
ノーベル賞をもらった人達が浮世離れしていると、感じて居られる人もいるようですが、TVのアナウンサーに対する返答になれていなかっただけで、皆普通のジェントルマンだと思います。朝永博士など若い頃寄席に通った通人で、ユーモアに溢れた話をする方でした。

また理論物理学などは人間社会に全く関係がない浮世離れした研究と思われがちですが、これは違います。第一回物理学賞のレントゲンの発明になるX線は、当初から医学に使われ広く収益を上げましたが、第二回のローレンツ、ゼーマンを始め、物理学賞をもらった当初は、こんなものが役に立つかと、多くの人が思ったでしょう。しかし今は物理学の中でもなくてはならない名前です。量子力学でも1921年のアインシュタインから始まって、22年のボーア、29年のド・ブロイ、32年のハイゼンベルグなど、多くの受賞者を出して居り、最初は誰も実際に役に立つ理論と考えていませんでしたが、量子力学なくして現在の半導体産業はあり得ません。

2001年に化学賞を受賞した野依さんは、ノーベル賞の研究は我々の生活にどういう意味があるのかという質問に対して、良い返答をしています。一見人間の社会生活に関係ないように見えても、我々現代人の文化の重要な一角、サイエンスに大きな領域を提供するものであって、まず人間の文化に大きく貢献している。そして科学に貢献すると言うことは、量子力学が半導体産業に繋がったように、21世紀のいつの日か新しい産業に繋がるという可能性を大きく残しているのです。

この世の自然現象の中で、我々人間が知らないことは、未だ山ほどあります。例えば蝶の分野でも、我々が知らないことは沢山あって、そのために私のような蝶屋は蝶の地理変異を調べたり、種の関係を調べたりしている訳で、これらも今まで人間が未知の、自然現象を人間の力によって剔りだし、人間文化の一部に組み入れているのです。従って我々のやっている蝶類研究も、立派に人間の文化に貢献していると私は考えて居ります。しかし物理学の立場で言えば、その沢山ある未知の事柄の中で、どれがサイエンスの本質に最も近いかを、嗅ぎ出す、選び出すセンスが必要なのです。そして最も本質に近い分野を嗅ぎ出して研究し、解決した人が、科学の中のひとつのパラダイムの中心になって、
その上に新しい科学の花が咲き、ノーベル賞に輝くのです。

真理を追求する人の比率をある程度確保することは文化国家を目差すためには重要で、応用研究をする研究者の数と基礎研究をする人の数の比率が高いほど、その文化程度が高いと言ってよいように思え、日本は世界でもトップクラスではないかと思います。米国は確かに基礎研究をする人の数も多いですが、それより遥に多い人が、目的を持った基礎研究をやって居て、比率は日本よりも小さいでしょう。日本より多いとすれば英国くらいでしょうか。Under developing countryではどこでもゼロに近いですし、支那も殆どゼロでしょう。

日本人は誇りを持とう
今度の日本人の物理学賞、化学賞で4人の受賞者を出した事実は、初等教育から大学教育に至る日本の優れた教育システムの成果であり、我々全ての日本人が胸を張って誇りとするべきであると思います。絶対に勝てるはずのない米国と戦って大東亜戦争に敗れるというハンディを持ちながらも、戦後100年で13人の科学分野ノーベル賞の受賞者を出し、戦後の60年で言えば、フランスに1人差で続く世界歴代5位であるということは、大変な偉業であると思います。

日本ではこの100年の間に、サイエンスのみならずあらゆる欧米の文化を取り入れました。芸術では西洋音楽を取り入れ、これを我々自身のものとして昇華させ熟成させ、世界ナンバーワンの奏者を輩出している一方では、文楽にしろ邦楽にしろ日本独自の文化を変わらずに保有し大切に育てていることも、極めて大事な事蹟であると思います。永井荷風が日記「断腸亭日常」の中で、ニューヨークのメトロポリタンでワーグナーの「ニュルンベルグの名歌手」を見て、「このようなオペラを演奏する日が将来日本であるだろうか。」と当時の日本を悲観的に見ておりますが、その50年後の昨年には東京で別個の歌劇団グループが、そのオペラを1晩に二箇所で公演しているのです。美術だって日本の油絵や西洋彫刻でも立派な作者を出す一方、日本画は江戸時代にも増して盛んだと思えます。

我々は日本に誇りを持って、これからも更に精進を続けていくことが大事であると思います。現在の日本の研究環境は十分とは言えないかも知れないし、もっと酷いのは初等教育の荒廃でしょう。これは世界の国際共産主義連盟から、日本破壊のために送り込まれた日教組を始めとする共産主義の陰謀にやられてしまった結果です。日本人の英知を結集して日教組を撲滅し、この日本の酷い教育状態を一日も早く改革し、更に優れた日本社会を快復し、世界の文明のために貢献しようではありませんか。」
 

|

« Change | トップページ | Market Fundamentalism »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/209267/43061618

この記事へのトラックバック一覧です: Nobel Prize:

« Change | トップページ | Market Fundamentalism »