構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Fake Privatization 125

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まず、日本の不動産の資産規模を国土交通省の推計で全体像を見てみると、不動産全体は約2300兆円規模で、そのうち法人所有の不動産が約490兆円である。面積にすれば、国土面積の約14%であるとされる。収益不動産と呼ばれる賃貸の事務所や賃貸の商業施設の規模は、約68兆円である。その中には証券化された不動産が約25兆円、リートと呼ばれる債権化された不動産が約5兆円であるとされる。この数字は、2007年の数字であり、市場原理主義のバブルが破裂する前の数字であるから、縮小したものと考えられるが、一応の目安としたい。そうした中で、民営化された郵政の不動産の簿価は、民営化のスタートの昨年の10月現在で、2兆7236億円規模である。土地がこのうち、1兆4076億円、建物などが、1兆3160億円規模である。いかに巨額の資産を保有しているかがわかる。

所有不動産としては、三菱地所の1兆4148億円に比べるとわずかに少ないが、三井や住友の財閥系不動産会社を上回り、旧国鉄のJR東海、JR東日本に比べると少ないが、NTTや、電力会社、その他の私鉄と比べても郵政の土地資産保有額ははるかに大きいものがある。

郵政民営化は、こうした巨額の土地保有をめがけて行われたのではないかという噂もあったが、今、それが現実となろうとしている。郵政の固定資産の回転率が「悪い」という口実の元に、売却がどんどん行われようとしている。はげたかファンドは、日本の土地をめがけて巨額の投機を行い、ゴルフ場が買い占められたり、ホテルやその他の観光施設などが、キャリートレードの典型として買い占められたりしたが、資産の効率運用が重要な経営施策として、民営郵政が進めているようである。新自由主義の典型的な手法で、資本コストとして不動産を対象として、歴史的に郵便、貯金、保険という郵政三事業で達成あるいは蓄積した資産を、意思決定主体である持ち株会社の意のままに、つまり、利益の還元を三事業に対して行うことをせずに、単に経営資源としての不動産の価値の増大を狙っている。わかりやすく言えば、元々の事業の資産であったものを切り離して、持ち株会社のいわば私物化を果たして、その利益を、国民に還元することをせずに、持ち株会社の株主や、一部の民間金融機関や不動産会社のの利益に一方的に還元しようとするものではないのか。

東京中央郵便局や大阪中央郵便局あるいは名古屋の中央郵便局跡地などの開発が続々と進めれているが、透明性を欠いているのではないだろうか。東京中央郵便局の再開発で立てられる高層ビルの入居者が内定したような話がまことしやかに伝えられ、また、社員の住宅跡地の再開発が、特定の不動産開発会社が進めるなどと報道されているが、その選定過程については不透明である。例えば、大阪中央郵便局の跡地には、東京で遊戯施設を経営する大手の会社が入るとか、外国のサーカスが進出するとか、言われているがいかなる経緯でそうした関係者が選定されているのであろうか。東京中央郵便局には、外国観光客の誘致関連の団体が入居するが、これには、郵政関係の役員であった、政府機関の現役幹部が関与しているなどとの噂もある。入居者や参加する事業者の選定過程がいかにも不明瞭であるが、特定の財閥系の不動産会社の社員が、民営郵政の担当部門に入り込み、しかも、開発する事業主がその不動産の関係子会社では、利益相反の問題があるのではないかとの疑いも生じる。遊休不動産のリスとなるものが市中に出回っているとも言われ、なんともきな臭い話も聞こえる現状である。地方都市にある遊休土地で、地元の関係企業の参加する余地がないとの話しも聞くが、地方の経済をどう考えているのだろうか,一顧する余裕もないのだろうか。

郵政民営化と称して、巨額の資産が私物化されて、元々の国民資産が国民に還元されない可能性がある。有形固定資産の回転率が悪いなどと言っているが、回転率がいい会社でろくな会社などありはしない。工場であれば、立派な敷地に立派な工場を建てるだけ、回転率は悪くなる。研究所が森の中に立地して、思索を凝らすだけの環境を整えるだけで、回転率は悪くなる。市場原理主義のお題目の拝金主義で、郵便局の施設の売却が進められるのは、実際にいかがなものだろうか。大きな問題で、体系的な分析がまだ行われていない。ちなみに、郵政の資産は、通常の予想に反して、都市部に資産価値のある土地などが多いのが特徴である。実に、価格では約4分の三が人口集中地域にあり、時価にすると、冒頭の簿価と比べて更に実際の額が増大する可能性がある。市場価値に見合った活用がなされていないという市場原理主義者の主張が見られるが、公共性があればこそ、市場価値に見合う活用がなされてこなかったのである。地方や、過疎地域に低利用の財産があるのは当然の事なのである。社宅の見直しなども行われ、跡地にデベロッパーとの共同事業が進められて得いるが、本当に正しい方向であるのか疑問が残る。社員の労働条件からして、持ち家を人口集中地域に購入できるほどの社員施策が出来るとは到底思えない現状の中である。不動産価値の高い地域に郵便局職員の社宅が配置されてきているのは、そうした現状の中で、コアの事業の安定性を図る目的があったからではないのか。単に福利厚生の問題ではなかったのではないだろうか。目黒区の東山に高層住宅がつくられて、郵便貯金の利用者のような一般の国民あるいは低所得者のための住宅が建つのか。小奇麗にして、塀をめぐらす富裕者向けの住宅が建つのでは、国民は納得しないものと思われる。

郵政民営化が元々、構造改革という虚妄の政治で強行されたものであり、巨額の国民資産が私物化されるのではないかとの懸念が拭い去れない。情報公開が強く求められるところであり、政治による規制が求められてしかるべきである。国会の質疑やマスコミなどの調査報道機関でも取り上げられて、民営郵政の不動産取引の実態ににメスが入れられ、元々の持ち主である国民の判断の材料となることを切に期待したい。

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