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Takatoki 4

180pxyoshitoshitakatokitengu 「こうした事件が起きたが、相模入道高時は、化け物にも驚かず、益々変ったものを愛好し、国がすっかり衰えてしまうことなど日夜思うこともなく、あきれた行動が多い中でも、あるとき高時は、庭前で犬たちが噛みあっているのを見て興味をそそられ、闘犬を愛する気持ちが骨の髄まで染みてしまった。そこで諸国に課役して犬を探させた。ある所では国の税収や貢納物として集め、ある所では権勢のある家や家格の高い家に犬を探すよう脅して言いつけた。そこで、北条一族や大名たちは皆、十匹、二十匹とさかんに飼って、鎌倉へつれてきた。金銀をちりばめた綱で犬をつなぎ、魚肉を餌としたので、その費用は大変なものであった。犬を輿に乗せていく道を行く日には、先を急ぐ旅人も馬から下りて土下座し、農業に励む村人も、人夫に徴用されて犬の輿をかつぐのであった。このように犬を大事にしたので、肉に飽き、錦を着た犬が鎌倉中に満ちて、四、五千匹にも及んだ。月に十二度、犬合わせの日と決められたので、北条一門や外様の大名たちが、殿上に居並び、あるいは庭先で膝を折り,体をかがめて闘犬を見物した。時には、両陣に分けた犬たちを、一、二百匹ずつ放して戦わせたので、入り乱れ追いかけ合って、上になり下になりして、噛みあう声は天地を鳴動させた。この様子を見て、分別のない人は、「ああおもしろい。戦場で勝負を決めるのと同じだ」と感じ入り、逆に知恵ある人はこれを聞いて、「ああ不吉なことよ。まったく荒野で犬が死体の骨を争い食うのに似ている」と悲しんだ。見聞をたとえるとき、人によりいろいろ異なるものだが、これは皆人間の争いや死の前兆を示すもので、嘆かわしいことである。」

以上が、太平記の中で、時の執権、北条高時の、田楽狂いと犬狂いについて記述している部分である。(つづく)

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