構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Corrupt Postal Privatization 33

郵政の不動産の簿価は、民営化がスタートした昨年10月現在で、2兆7236億円規模である。土地を1兆4076億円、建物などを1兆3160億円保有する。いかに巨額の資産を保有しているかがわかる。日本の不動産全体は約2300兆円規模で、そのうち法人所有の不動産が約490兆円である。急速な景気の悪化で、数字は縮小しているものと考えられるが、一応の目安になる。

三菱地所の1兆4148億円に比べるとわずかに少ないが、三井や住友の財閥系不動産会社を上回る。JR東海、JR東日本に比べると少ないが、NTTや、電力会社、その他の私鉄と比べても郵政の土地資産ははるかに大きい。郵政民営化は、こうした巨額の土地保有をめがけて行われたのではないかという噂があったが、まことしやかに聞こえる。郵政の固定資産の回転率が「悪い」という口実で、売却がどんどん行われているようだ。

2 0年前に、長期滞在型のリゾートを、ゴルフ場をと、「民活」「民活」の大合唱で、郵便貯金や、簡易保険の金も出せと迫られて、数百億の巨額の費用をかけて、日光や伊勢志摩にリゾート施設を造らされたが、そうした施設が、なんとたった4億円で売却されている。昨年末には、簡易保険の利用者のための「かんぽの宿」が、規制緩和会議の座長を長らく務めた御仁の会社に売却される予定だという。きな臭い話ではある。

リゾート法の騒ぎの中で、国立公園までが、ゴルフ場や別荘地の開発対象となり,乱開発があり、国土は荒廃したが、そんななかでも、郵貯や簡保がつくった施設は、今風に言えば環境にも配慮した、高品質の施設であった。設計には、外国が入札参加を要求するので、わざわざ、外国人設計家を起用したくらいで、当の外国ではお金持ちにしか利用できないような高級な品質の施設で、日本では庶民が利用できることとなり、予約の競争率も高く、宣伝を控えるような人気振りであっ。バブルが崩壊した後は、ゴルフ場は買い占められホテルやその他の施設は、キャリートレードの典型となって、のっとられたが、郵貯や簡保の施設は、のっとられもせずに、経営と続けてきた。公社化で減価償却の見かけの赤字が増えたが、コアの事業から補填すれば一挙に黒字にできるな立派な経営であった。他の国有の施設の税金垂れ流しの親方日の丸リゾートとは、まったく別の代物であったが、まぜこぜにされた。

 郵政資産の相次ぐ売却は、新自由主義の典型の手法のようにも見える。価格が崩壊した時にすかさず更地にして、元の目的や歴史や文化を捨象してしまう手法を、民営化会社は、とってはいないだろうか。郵政の場合、郵便、貯金、保険という郵政三事業で蓄積した資産を売却して、利益の還元を三事業に対して行うことをせずに、すなわち、郵便局の利用者たる国民に利益を還元せずに、元々の事業の資産を切り離して、一部の金融機関や不動産会社を利する私物化ではないのか。

東京中央郵便局や大阪中央郵便局あるいは名古屋の中央郵便局跡地などの開発も続々と発表されている。東京中央郵便局の再開発で立てられる高層ビルの入居者が内定しているような話までが流布している。大阪中央郵便局の跡地には、外国のサーカス劇場が進出するとか、言われているがそんなことの為に民営化したのだろうか。東京駅前の再開発ビルには外国観光客の誘致関連の団体が入居する由であるが、入居者や参加する事業者の選定過程がいかにも不明瞭ではないのか。民営郵政の担当部門に入り込んだ不動産会社の社員との、利益相反の問題もあるのではないかとの疑いも生じる。地方都市にある遊休土地で、地元の関係企業の参加する余地がないとの話しも聞くが、地方の経済をどう考えているのだろうか。例えば、沖縄では、戦後の外国占領の歴史を踏まえて、復帰直前に郵便貯金会館が建てられたから、その改築についても合意がなされて、返還された軍用地を購入している。そうした歴史や経緯については、山分け優先で一顧する余裕もないようにみえる。

 有形固定資産の回転率が悪いなどと言うが、工場であれば、立派な敷地に立派な工場を建てるだけ、回転率は悪くなる。研究所が森の中に立地して、思索を凝らすだけの環境を整えるだけで、回転率は悪くなる。ちなみに、郵政の資産は、通常の予想に反して、都市部に資産価値のある土地などが多いのが特徴である。、価格では約4分の三が人口集中地域にあり、時価にすると、冒頭の簿価と比べて更に額が増大する。市場公共性があればこそ、市場価値に見合う活用がなされてこなかったのである。地方や、過疎地域に低利用の財産があるのは当然の事である。地方振興にも関心はないようだ。

 持ち家を人口集中地域に購入できるほどの社員施策が出来るとは到底思えない現状の中で、不動産価値の高い地域に郵便局職員の社宅が配置されてきているのは、コアの事業の安定性を図る目的があったからではないのか。どこかの会社の重役のように、郊外の高級住宅地に住む余裕がなく、通勤の問題があるから都内に職住近接の住居を供給してきたのではないのか。さて社宅跡地を再開発して、高層住宅がつくられて、一般の国民あるいは低所得者のための住宅が建てられるとの話は聞かない。小奇麗な高い塀をめぐらす富裕者向けの住宅が建つのでは、国民は納得しないものと思われる。郵便貯金も、一千万円という上限があり、簡易保険も1300万円という加入限度額があり、社会政策上の目標があり、小さな「民」の倹約の結果に過ぎなかった。

郵政民営化が元々、構造改革という虚妄の政治で強行されたことを思い出すにつけ、巨額の国民資産が私物化されるとの懸念が拭い去れない。情報公開が強く求められるところであり、国会の質疑や調査報道機関でも取り上げられてしかるべきである。かんぽの宿の疑惑を突破口にして、鉄道やタバコ会社や郵政各社はもとより、民営化の中での不動産取引の実態にメスが入れられ、規制緩和、民営化、社会政策の削減という新自由主義の三大虚妄の一端がが明らかになることを期待する。世界の潮流ともなっている郵政の再公営化の一歩となることにも希望を繋げたい。
 

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