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Corrupt Postal Privatization 5

昨日の日本経済新聞は、市場原理主義を裸のままで主張する暴論であった。

総務相の「待った」に異議あり、と題する社説である。

 「日本郵政が赤字続きの宿泊施設「かんぽの宿」の一括譲渡先にオリックスグループを選んだのに対し、鳩山邦夫総務相が待ったをかけた。オリックスの宮内義彦会長が小泉政権の規制改革・民間開放推進会議の議長を務め、民営化議論を主導していたとして「国民が出来レースと受け取る可能性がある」という。譲渡手続きの認可を拒むことも示唆した。」

 「総務相の姿勢は到底納得できない。両社はともに「公正な競争入札を経た決定」と説明し、譲渡契約も調印済みだ。不正の疑いがあるなら徹底的に調べればよい。だが対象企業の経営者の公職歴や主張を盾に入札結果を拒むのは筋が通らない。」

対象企業の公職歴や主張と関係するから、認可の拒否の問題が出てくるのだ。李下に冠を正さずというではないかと既に総務省は発言している。タクシーの規制緩和で、オリックスのリース自動車の台数が急増するなどの事実もあるから指摘されているのではないのか。

 「かんぽの宿は郵政民営化前の簡易保険事業が余資運用の一環として全国に整備した福祉施設である。採算の合わない投資やずさんな運営が重なり、2007年度は40億円、08年度上期も26億円の赤字を出している。日本郵政株式会社法は民営化から5年となる12年9月末までにかんぽの宿の施設を譲渡・廃止すると決めている。」

採算の合わない投資とか杜撰な運営とあるが、事実に反する。赤字を出しているとするが、これは減価償却の問題があるのではないのか。むしろ、施設の償却は、簡易保険が黒字であれば、早く償却すれば、黒字にすぐ転化できるものではないのか。日本郵政株式会社法が、民営化から5年内に廃止または譲渡すると書いていること自体がいかさまな法律の証拠だ。しかも、かんぽの宿の施設は税金で作られたわけではない。

 「総務相が認可した08年度の事業計画に沿い、日本郵政は昨年4月に譲渡先の募集を始めた。27社が名乗りを上げ、2回の入札を経て、最も高い金額を提示したオリックスに70施設を一括譲渡することを年末に決めた。4月に予定した譲渡後も施設に勤める約3000人の雇用は維持する。赤字事業を極力早く手放すのは経営健全化を急ぐ日本郵政として合理的な判断だ。オリックスにはホテル再生のノウハウもある。」

売り方にも問題がある。株価を吊り上げるのに活用された、株式分割の手も使おうとしているのではないか。参議院で、郵政の株式売却法案が可決されている事実に照らしても、拙速に株式売却を進めるべきではない。土地の、しかも国民資産であった、しかし私物化された不動産を売却するときに、所管大臣の認可が必要ないとしたことがおかしいのだ。民営会社の社長の人事すら、国会の査問を受けていない。竹中元総務大臣のときに、国会承認もなく任用されている。

 「鳩山氏はかんぽの宿を「国民共有の財産」と呼び「売却には一点の曇りもないようにしなければ」と言う。宮内氏が小泉純一郎元首相の改革路線を支えたのは事実で、それを批判するのは自由だ。しかし、随意契約でなく入札という手続きを経た結果を、十分な根拠もなく「お手盛り」のように言うのは明らかに行き過ぎである。こんなことでは公職を引き受ける経営者もいなくなる。」経済財政諮問会議のように、何ら公的な指示のない、一部の財界人や評論化が、どんどん政策を実施すること自体が非民主的なのである。公を私物化することが問題であって、公職を引き受けるからには、李下に冠を正さず、瓜田に履を納れずとの自制心やモラルがあってしかるべきだろう。規制緩和と、派遣労働法との関係をもこの新聞社の社説担当は知らないかのようである。ニュージーランドの郵政民営化を誉めそやして、その失敗は報道しない、また反省もないという新聞社であるが、ここまで無知を装うことは悪に至る。

 「郵政民営化の見直し論や国会での野党による追及をにらんでの発言だろうが、所管大臣が入札結果に堂々と介入するのは常軌を逸している。譲渡をやめてもかんぽの宿の赤字は消えない。重荷は誰が負うのか。」重荷なのか。日本経済新聞が常軌を逸してきたのではないのか。市場原理主義は破綻したのだ。結果が異常だから介入しているのではないのか。かんぽの宿だけの話ではない。伊勢志摩や日光の郵便貯金のカネで作ったリゾート施設がわずかに、4億円で売られた話を、この社説の執筆者は知っているのだろうか。言いがかりをつけるのにはいい加減にすべきである。

鳩山総務大臣の今後の追及に、当ブログは期待するところ大である。

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