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Corrupt Postal Privatization 71

 日本郵政の社内外に、今回のかんぽの宿の売却事件について釈明する次のような内容が通達されている由である。牽強付会とはこのことである。「諸般の事情」が連発されており、コンプライアンス、遵法の意識と具体性が欠落している印象を与える文章である。まず、前提の郵政民営化法の規定が悪法であり、その悪法の前提を最大限利用して、国民の資産を毀損させようとの意図が伺える悪文でもある。5年以内に売却せよとの規定は、当時の竹中民営化担当の大臣の指示によるものであったことが、内閣の担当室長の答弁で明らかになっているから、西川社長が民営郵政社長に就任した背景などもまず明らかにされるべきであり、諸般の事情を連発することは、言い逃れでしかない。9.15のリーマンブラザーズの破綻で、外資が国外に逃げ出したことは関係ないのか!会社の株式売却の凍結法案が、なんと一年前に、参議院で可決されていたことをご存じないのか!国権の最高機関の国会の権能について考えたことはないのか!あるいは、逆に、だから株式分割による譲渡を急いだのではないのか。守秘義務と主張しているが、関係者ではなく国民に対する情報公開度を上げるべきではないのか。仲間内の秘密を優先するようでは、闇の世界の話となってしまう。郵政私物化の為に、整斉と(おそらく、せいせいとと読むものと思うが、起案者の特徴なのか、コンテンツの分析対象としてはおもしろい用語法であるが)進めたことを宣言する挑戦的な内容である。政府の統治能力をせせら笑っているかのような文体でもある。いよいよ疑惑は深まるばかりである。郵政民営化とは、事業の譲渡でもあったようである。驚きであるが、民営化法制定の時の、民主主義の基本である適正な手続きの欠如を考えるとさもありなんとの心境でもある。

「日本郵政グループ各社役員・社員のみなさまへ

平成21年2月16日
                                      
      日本郵政株式会社
                             取締役兼代表執行役社長 西川 善文

     本日、日本郵政株式会社は、かんぽの宿等事業のオリックス不動産株式会社への事業  譲渡契約を解約するとともに、不動産の売却等についての基本的な考え方を整理するため、「不動産売却等に関する第三者検討委員会(仮称)」を設置することを対外発表しました。また同時に、譲渡先の選定過程、譲渡価格その他の条件等について、総務省に報告したところであります。本件については、当局を含め関係者との守秘義務などの諸事情から、これまで皆さんに情報提供することができず、本当に心苦しい気持ちでありました。対外発表を機に、本件の概要を、私から皆さんにご説明したいと思い、このメールをお送りします。

     ご高承の通り、日本郵政株式会社法では、平成24年9月末までに、かんぽの宿等事業を譲渡または廃止することが義務づけられています。これに基づき、かんぽの宿等事業を早期に一括譲渡することが、かんぽの宿等の事業継続および社員の雇用維持に資するとともに、当社に課せられた使命を果たしていくために妥当な方策であると判断し、一連の選考過程によって譲渡候補先を絞込んだうえ、最終的に昨年12月26日、オリックス不動産株式会社と譲渡契約を締結しました。

      しかしながら対外発表後、郵便局窓口やコールセンターなどを通じ、多くのお客様から 本件に関するお叱り、疑問やご意見を頂いたほか、社員の皆さんからも、様々なお声を頂戴いたしました。郵政サービスをご利用いただいている多くのお客様や関係者の皆様、そして郵政を誰よりも愛しておられるグループ役職員の皆さんに、ご心配をおかけしていることについては、誠に遺憾に感じています。

    本日は、皆さんに、今回の問題につき、その概要を知っていただくため、①事業の一括譲渡が適切と判断した背景、②いわゆる「競争入札」について、そして③譲渡先候補の絞込み・選定の手続き、の3点についてご説明したいと思います。

    (1)かんぽの宿等事業の一括譲渡について
         民営化法に基づき、かんぽの宿等事業の廃止・譲渡の方法を考えますと、「事業を廃止して不動産を売却」あるいは「事業を継続しつつ事業そのものを譲渡」の二通りが考えられますが、①かんぽの宿等事業が実態として大きな赤字事業であること、②その一方で、かんぽの宿等事業を継続し雇用を維持したいこと、③そして申すまでもなく、かんぽの宿等事業に従事している社員の方々のモチベーションを維持していくことが何より肝要なこと、等から、不動産売却とせず、事業継続・雇用維持を大前提として、5年を待たず一括譲渡することが適当と判断し、昨年の4月以降、事業の譲渡先を探す手続きに入りました。
          また、譲渡の方法は、種々の承継を円滑に行うため、事業に伴う負債や雇用契約その他の権利義務を一括して譲渡することができる会社分割(新設分割)の方法を用いることとしました。

    (2)いわゆる「競争入札」について
         日本郵政株式会社は、会計法の適用対象ではないことから、譲渡先の選定に当たっては、官公庁等が会計法に基づき調達手続きとして実施する「一般競争入札」ではなく、事業の譲渡において用いられる入札手続きを採用いたしました。
         この「入札」という言葉は、日興コーディアル証券の売却問題を報じる昨今の新聞記事にも  使われているように、事業を譲渡する手続きにおいても普通に用いられる用語ですが、「一般競争入札」のように「入札箱」や「入れ札」は存在しません。また、事業の譲渡においては、価格を付与する対象は不動産のみならず、事業が有する有形無形の諸資産や雇用などを総合的に加味して譲渡価格や譲渡に際しての諸条件を決定しなければなりません。このため、一旦入札した後も、価格や条件について売主、買主双方が交渉を重ねたうえで、最終契約に歩み寄って行くことが一般的であります。

         このように本件は事業の譲渡であることから、オリックス不動産株式会社との間で最終的に  決まった譲渡価格は、単なる不動産の評価額ではなく、社員の雇用維持、事業の発展性など諸条件を加味したうえでの総合的な価格であったということであります。

    (3)譲渡先候補の絞込み・選定の手続きについて
         事業の譲渡手続きにおいては、譲渡先の選考に当たって、可能な限り多くの譲渡候補先を募り、複数回の入札を通じて候補を絞り込むこととなります。複数回の入札による候補先の絞込みが必要となる背景には、入札段階を経るごとに、譲渡候補先に開示する情報の量を段階的に増やしていかざるを得ないということがあります。すなわち、譲渡対象の事業を仔細に評価するためには、対象事業に関する膨大かつ詳細な情報を開示しなければなりませんが、こうした情報を多くの譲渡候補先に開示することは情報管理の観点からも好ましくないことから、候補先を2~3社程度に絞り込んだ後に情報を開示します。 譲渡候補先が事業の仔細な評価を実施した後、その結果を踏まえて改めて価格や譲渡条件の再提案を受け、いずれかの候補先1社に優先交渉権を付与し、売主と買主が、双方の弁護士やアドバイザーなどの専門家を交えつつ、譲渡価格や仔細な契約条件について交渉することとなります。
         ただし、優先交渉権は、あくまでも他の候補先に比して「優先」的に交渉できる権利であって、他の候補先の敗退が決定するわけではありません。優先権を持つ候補先との交渉が決裂した場合には、二番手以下の候補先1社に優先交渉権を付与し、改めて交渉を開始することとなります。

       かんぽの宿等事業の譲渡先選考においては、上記のような候補者の絞込み手続きを経て、最終的にオリックス不動産株式会社へ優先交渉権を付与し、同社との条件交渉を経て、譲渡契約を締結したものであります。具体的な経過は、後段の別表に掲載の通りです。しかしながら、今般、諸般の状況に鑑み、本件契約を解約し、第三者検討委員会での検討等を踏まえ、改めて検討していくこととした次第です。

       年度末の3月を控え、実質民営化初年度であるこの1年間の総仕上げと来年度に向けた準備を しなければならない大事な時期に、社員の皆さんにこのようなメールを届けなければならないことは   残念でなりませんが、本件が事業の譲渡手続きに則り整斉と執り行われたことについては、社員の皆さんに是非ともご理解いただきたいと切に望んでやみません。

       もうすぐ期末を迎えます。皆さん、この1年間の総仕上げに向け、日々のお仕事に元気にご精励頂くよう、お願いします。

                                      
          以  上

   【別表】 かんぽの宿等事業の譲渡先選定の経過

   平成20年4月1日
   ・日本郵政株式会社ホームページによる入札の告知

   平成20年4月2~5月15日
   ・入札要綱等の配布(~4月15日)
   ・予備審査募集
   ・予備審査に27社が趣意書を提出

   平成20年5月15日~6月20日
   ・予備審査
   ・第一次提案参加者22社が決定

    平成20年6月20日~8月15日
   ・第一次提案募集
   ・第一提案に7社が提出

    平成20年8月20日~8月27日
   ・第一次提案審査
   ・第二次提案参加者3社が決定

    平成20年8月27日~10月31日
   ・第二次提案募集(第二次提案参加者による事業の詳細評価の実施)
   ・第二次提案に2社が提出

     平成20年11月4日~12月9日
   ・2社を対象とした第二次提案審査
    (11月20日)2社に対して、①世田谷レクセンターを除外②譲渡価格引上げ、の
交渉開始
    (12月3日) オリックス不動産株式会社から価格の再提示
    (12月9日) オリックス不動産株式会社を優先交渉先に選定し、同社に対し優先
交渉権を付与することを通知

     平成20年12月9日~平成20年12月26日
    ・オリックス不動産株式会社と契約条件の詳細を交渉

     平成20年12月26日
    ・オリックス不動産株式会社と譲渡契約締結」

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