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Corrupt Postal Privatization 113

文藝春秋が、4月号に、竹中平蔵、西川善文、宮内義彦の「お仲間」資本主義ーーかんぽの宿疑惑ーー民営化の陰で密かに進行していた新たな利権構造と題する特集記事を掲載した。同誌は日本全国の書店で入手可能であるから、一読を勧めるが、当ブログはとりあえず、東谷暁(ひがしたにさとし)氏の執筆した15ページにわたる特集記事の要約をお伝えしたい。

ついに小泉改革の実態が暴露される日が来たと書き始める。かんぽの宿の問題が出て、西川社長の不機嫌そうな反論が反論になっていなかったことを指摘する。市場化して公正な取引を拡大し、社会の透明性を高めて行くはずだった郵政民営化の理念は全く欺瞞だったと書く。かんぽの宿事件の発覚までの推移を振り返る。

「入札」の実態は何だったのか、徒の小見出しがはいるところでは、入札が企画提案となったり、不可解極まりないところがあるが、その点については、日本郵政の執行役で資産ソリューション部長の伊藤和博氏の説明を引き出している。「元々政府や地方公共団体が行う競争入札ではだめだと思ったが、公共性のある資産だったので、あたかも競争入札であるかのように「表現した」というわけであると、指摘している。メリルリンチ証券とアドバイザリー契約を結んであったが、企画提案を望む企業に配った文書が、何とも無責任なものであることを示している。伊藤氏は、「最初からこれはM&Aだといっておけば、問題がお庫ならなかったかも知れない」などと、今回の事業譲渡の真意を明らかにしている。何とも醜悪である。

メリルリンチ証券に払う報酬の最低補償額の説明についても、その伊藤氏の説明がおおざっぱな計算で、簿価合計額が根拠が怪しくなっていることが判明する。この節の圧巻は、郵政民営化推進の急先鋒だった猪瀬直樹氏の本から公正を期するために引用するとして、時価で2000奥の価値があったことを指摘して、それが、185億円の価値しかなくなるというにわかに信じがたい話だとしている。

経営努力の痕がないという小見出しがつく。赤字があるので、早く売るという西川社長の弁明も不自然な話であるとする。社宅や、らふれ埼玉のようなオマケだけで、赤字は解消できる額であり、怖い話であるが、日本郵政は赤字増加を積極的に縮小しようとは質なかったのだと指摘する。安いままたたき売ろうと考えていたのであれば、「背任」の疑いがあることになるとする。経営努力をしないで、逆の高コスト化すら行われていた可能性があると指摘している。

バルクか個別化という小見出しの節では、全国ネットワークを維持したまま売却した方が高く売れるという西川社長の反論も、「かなり倒錯した言い方だというほかない」と断定する。バルク売り物件は、既に七割が転売されてしまったという情報もある。急ぐからバルク売りすることにはならないと言う。前出の伊藤部長の説明、である、M&A、事業売却が最初から企画されたものであると言わざるを得ないとしている。

こうした資産ビジネスが明らかになり、西川社長の過去に関心を寄せる。若き西川氏が銀行業界で注目されるようになった、安宅産業事件の時の約三千億の不良債権処理について言及して、三井住友銀行頭取時代の不良債権の処理について言及する。TK青山ビル売却に関する疑惑というものがあるようであるが、その出来レースについても触れている。民間ですら、露骨なことと噂されるような、あざとい手口が同道と持ち込まれていたと結論づける。

西川氏の手腕と題する小節の書き出しは、「私たちがそろそろ気づかなければならないのは、今回の「かんぽの宿」事件というのは単発の不祥事などではなく、郵政民営化という小泉構造改革の本丸がもたらした合法と違法の教会破壊のおぞましい結果だと言うことである」とする。「この事件を見直す必要がある」とする。西川氏は三井住友銀行のと鵜鳥であったが、その職歴を最後に汚していることを指摘しているが、それは日本郵政の社長に内定していた2005年末に、三井住友銀行は公正取引委員会から排除勧告を受けて、翌年には金融庁から一部業務停止命令を受けていたから当然、日本郵政の社長を辞任すべきものであったが、そのまま居座り、「竹中総務相が「私が連れてきた」という西川社長に、それ以上の追求がなされることはなかった、と書く。西川社長と竹中総務相の関係を暴露した、佐々木実氏の月刊現代の2008年12月号と今年の1月号のリポートに沿って、ゴールドマンサックスとの秘密会談(会談の内容は発表されていない)についても言及している。竹中平蔵氏の鳩山大臣に対する反論が、初歩的なミスを犯しているとしてきして、「竹中氏の発言は、意図的に流した風雪による資産の価値毀損行為であり、日本郵政の西川社長は竹中氏を訴えるべきだろう。さらに、機会費用だから安くてもいいと言うが、日本郵政が算出した簿価が意図的に安くされていた疑いが濃厚になった以上、機会費用の議論など成田一様がない。竹中氏にとって、郵貯を使ってアメリカのご機嫌をうかがい簡保市場を譲渡してしまえば、日本郵政はただの抜け殻であり、かんぽの宿等は不良債権をしてたたき売る今年か念頭になかったのではないか」と指摘する。

雄弁な経営論と題する小節では、竹中氏が異常に、宮内義彦氏が、民営化に関係がないとかばう展については、東谷氏の手元のファイルに経済雑誌のおける同誌の発言を紹介する。竹中氏の宮内擁護論は、木っ端みじんに論破されているし、竹中氏の主張がほぼ嘘であることがわかる。「竹中氏は、自らが進めた郵政民営化の実態が明らかになるkとを阻止しようとしてあがいているとしか思えない」と断じている。

民営化1年目の現実と言う題の小節は、最初の決算のお化粧に言及する。4分社化の失敗例として稼ぎ頭となると喧伝された、ゆうパックの赤字転落についても触れている。1年目の現実を見れば、「郵政民営化が成功しているなどと言うことは全くできない。少なくとも今の時点で、楽観的な見通しを口にするのは欺瞞だろう」とする。

最後の小節は、「インサイダー・トライアングル」と題する。竹中平蔵氏が、2008年4月にBS旭の番組で、発言した、要旨「アメリカの金融が危機になったら、日本の郵政が持っている金融資産を融通しろ。もう民営化してあるから文句は出ない」いう主張を受け入れていたら、日本郵政は虎の子をどぶに捨てることになっていたことになると指摘して、郵政民営化とは、やはり、郵政の資金をアメリカにささげるものだったのだと思われても仕方のない竹中発言であったとする。

結びは、激しい混乱の末にできあがったのが、一部のインサイダー・トライアングルで、しかも、外資の影がつきまとうと指摘して、改革とは一体何だったのだろうと、慨嘆する。

 東谷暁氏の記事は、闇を射貫いたようにも見える。国民の利益に背を向けて、私物化を図り、一方では外国勢力に資する勢力を追放しなければならないが、その契機を創る論文となろう。疑獄事件としての郵政民営化が始まったようにも思う。

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