構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Neocon and Destruction

煙が立ち昇る郵政資産の売却について、一歩論を進めてみたい。規制緩和と、民営化と、公共政策の削減が市場原理主義の三大虚妄であるが、どうにも、旧ソ連が崩壊したときの状況に酷似している。社会主義体制が崩壊して、資本主義に移行する中での極端な無秩序の中で新興財閥たるオルガルヒの跋扈を思わせる。

まず第一は、アメリカのジェフリーサックス教授を中心とする経済顧問団が介入したことである。ガイダル、チュバイスと、外国の指南を受けて、市場経済の導入に血道を上げたロシアの学者、閣僚の名前が思い出される。国営企業が看板を付け替えて民営化して、共産党の幹部が膨大な資産を乗っ取って、経営者を名乗った。ガスプロムとなり、冶金工業省がニッケルの会社になった。国際空港が民営化されて、その社長に役人OBが就任したり、役人がトップに顔を出すとまずい場合には郵政会社のように副社長あたりに金融庁の元長官を据え、社会保険庁のようにお飾りの民間人トップを据えて民営化の本質を隠しているが、民営化という名の下でのロシア国家資産の簒奪にしかすぎないように、官僚支配の変身という点で酷似している。構造協議の年次報告書という強圧が毎年あって、我が方要求は、入国ビザの改善くらいで、日本語訳が外国大使館ののホームページに載るという体たらくである。知人の外国人は、在日商工会議所の英文が、ずいぶん高圧的な文体だと指摘していた。政権交代で、もう日本の国力もナンバーワンでもなく貿易黒字も少ないから、構造協議を廃止して平等互恵の関係にしようと逆提案を行うべき秋(とき)である。

第二は、規制緩和が行われて、市場原理を導入する過程で公的資本の注入などの優遇処置を受けて、金融資本を専門とする新興財閥が成立したことである。とくに減価償却期間を過ぎた国営企業の資産をばらして転売することで莫大な利益を上げた。日本でも、金融機関は合併につぐ合併が行われ、都市銀行はわずかに三行となったが、ノンバンクとか、垣根を越えた金融業務とか、証券化の為の信託法人など、どんどん規制緩和が行われて、日銀総裁が匿名のファンドに投資して濡れ手に泡の利益を得たのではとの事件も噴出した。郵政民営化の直前に、新設の日本トラスティー・サービス信託銀行が、郵便貯金の旧勘定と呼ばれる巨額の資産の運用委託先となり、その資金が内外に投資され、話題の会社の大株主であると、国会でも指摘があったばかりだ。ロシアでは、グシンスキーのモスト銀行などは、モスクワ市からの委託事業で巨万の富を得た。

第三は、テレビや新聞といったマスコミの支配である。ベレゾフスキーは、テレビを2局、グシンスキーはNTVを所有すると言った具合で、レーニン以来の、電波を紙つぶてとする共産党仕込みの政治宣伝を徹底した。広告業界の腐敗した関係、価格の不透明を逆手に使って放送局を手中に収めている。日本でも、郵政民営化の時は、内閣広報が地方のU局や新聞社に記事広告が大量出稿されたし、外資保険会社やサラ金会社の大量CMがあり、犬やアヒルが話題になった。政治評論家はテレビから姿を消された。

第四は法の支配を欠いたことだ。ガイダルやチュバイスは、新しい制度作りが、普遍的な価値を追求することなく、私物化を促進する制度を導入して、修正資本主義の公共性の概念を無視してしまった。無秩序の原始資本主義は、カネと権力を暴走させること必定であった。中南米でとられた新自由主義のショック療法と同一の破壊であった。ナオミ・クライン氏のベストセラー、ショック・ドクトリンについて、当ブログにも記事として紹介したから、ご参照願いたい。

第五は、海外への利権の持ち出しである。オリガルヒは、ロンドンに大邸宅を構えて、ロシアと往来した。家族を住まわせ、子供をロンドンの学校におくり、オルガルヒの住まう高級住宅街は、テームズ河のモスクワと呼ばれていた。ロマン・アブラモビッチは、チェルシーの蹴球クラブを買収した。タイのタクシン元首相が、リバプールの蹴球を所有していたが、日本の場合でも、新興財閥は野球のオーナーになっている。日本でも、キャリートレードと称して、金利が国内では低くして、もっぱら円を海外に流出させる政策を続けた。外国から還流するカネでゴルフ場やホテルが外資に買い占められ、三角合併という奇策すら導入された。九月のリーマンショック直前まで、巨額の郵政資産を海外に持ち出した方が儲かる、上げ潮だとの元閣僚・教授や外資調査部長のご託宣だったが、幸いにして潰えた。僥倖だ。

さて、クレムリンの中枢に入り込んだ国際金融資本の手先の連中は、2000年に、大統領にプーチン氏を当選させたが、子飼いだった筈の講道館柔道の武道家大統領に反撃された。経済的な利益を犠牲にしても、ロシアの地政学的な矜恃を優先させている。グルジア紛争は一本勝ちだ。大統領は、オルガルヒの利権を手中にしたのではとの批判に対して、「確かにヨーロッパ、いや世界一豊かになったが、偉大なロシアの指導者として二度選出され、国民の情熱を集めたことが、財産である。カネの話は根拠がない」と一蹴している。日本では、市場原理主義の追従政権が続き、日本版オルガルヒの追放には至っていない。しかし、世界の一極支配が自滅した現実は、日本独自の価値規範を復古させ、世界政治経済の舞台に打って出る機会を与えている。天佑である。八紘為宇の旗頭を掲げて、世界政治に打って出る好機が到来した。潮目が変わった。武道政治家もおらず、ロシアの後追いにはなっているが。状況は、神計らいのように酷似してきた。

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