構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Corrupt Postal Privatization 62

温泉施設のロッカーから利用客のブルガリの高級腕時計や現金を置き引きしたとして、先月30日に窃盗容疑で書類送検された元財務官僚の高橋洋一容疑者(53)について、勤務先の東洋大学は懲戒免職処分にしたとの報道である。
 東洋大学では20日に開いた常務理事会で、「大学の品位を傷つけた」などとして処分を決定したという。高橋容疑者は小泉政権下で竹中平蔵・総務相の実働部隊の一員として郵政民営化など、一連の市場原理主義の政策をシナリオを書いた。読売新聞と毎日新聞が報道している。

以下は当ブログのコメントである。

「高橋洋一東洋大学教授が、豊島園の温泉施設で置き引きをしたとして書類送検されたとの報道が三月三十日になされた。犯行の日は24日であるから、明るみに出るまで、6日が経過しており、情報の漏れがあったのは、口の堅い警察現場からではなく、起訴の連絡を受けた検察からではないかと推測するのが容易である。裁判確定までは推定無罪であるが、高橋容疑者が執筆や出席を予定していた雑誌の座談会や新聞の連載記事の中断を連絡してきたことでもあるし、起訴されたとの事実は勤務先でも確認したと言う。ブルガリの時計や財布に入った大枚の現金をくすねたことであるから、現行犯逮捕されてもいい話ではあるが、スーパーなどでの万引きなどと同じように、常習犯でなければ、説諭して書類送検止まりで放免することにしたのかも知れない。警察現場では、有名な元官僚でもあるから、それなりに穏便にと報道発表を差し控えたのであろうが、天網恢々疎にして漏らさず、明るみに出た。
 高橋容疑者は、竹中・小泉政治の中で、市場原理主義の論客として華々しい活躍をした。郵政民営化の理論的な根拠なるものやシナリオ、とりわけ、四分社化や、郵便貯金と簡易保険の事業を廃止して、銀行法と保険法のものに直接置くことを進言したと、回想録もどきの単行本を著して、ベストセラーとなった。政府の余剰資金などを埋蔵金として喧伝してマスコミの寵児となり、公務員制度の破壊を意図していた政治家の下で、金融庁の顧問ともなり、いわゆる上げ潮派の政治集団の知恵袋ともなって、変動為替相場制の下では、財政政策は無効であると声高に主張していた。道路公団の民営化にも関わったとしており、構造「改悪」の手先役であっただけに、置き引き事件をはるかに越える重大な悪の様相を示している。 高橋容疑者は、大学教授の職にあったが、元々は財務省の役人であり、理財局畑を歩いて、小泉・竹中政治で、現在ゆうちょ銀行社長の元金融庁長官が室長を務める郵政民営化準備室で暗躍して、小泉・竹中政治の実行部隊役をして、安倍政権では内閣参事官を歴任している。92年の郵便貯金の金利調整に関与したとしており、財政投融資制度についての著書があるが、その細目の知識が、大局判断を誤る原因となっている。
 プリンストン大学に留学しており、バーナンキ総裁やクルーグマン教授に師事したと書いているが、数学が専門であるから、シミュレーションであるとか、コンピュータには一家言があったらしく、郵政民営化に当たっての、コンピュータ問題についても、有識者会議の指南役で活躍したことを自慢しているが、財務省主流ではないとの恨み節を感じる文章も残る。
 さて、郵政民営化論における高橋容疑者の決定的な誤りは、民間銀行との金利調整をしたから、金利が上昇する局面では、逆ざやになるので、民営化しなければならないという論理である。高橋容疑者の属していた財務省の理財局の資金運用の失敗を直接目にしていたから、隣の市中銀行の芝生が美しく見えたのであろうが、実際には、2001年には、郵政事業から財務省への資金預託義務はなくなり、自主運用に移行していたから、全くの余計なお世話であった。大蔵省以外の公的機関は資金運用をしてはならず、しかもその運用は国債に限られるなどという偏狭な極論を振りかざす高橋容疑者は、典型的な思い上がりの財務省役人にしかみえない。郵政は世界最大の機関投資家として、それなりの成果を出しており、石橋をたたくような慎重さもあり、むしろその慎重さが安定した収益を生んできた。高橋容疑者の軽薄な理論によれば、民営化で資金の流れが、官から民へとなるはずであったが、そんなことは起きていないどころか、透明性を欠く資金運用がはびこり、信託銀行経由で一部企業に資金が廻っているのではないかとの疑惑が浮上した状況にある。郵便局ネットワークは四分社化で破壊され、利用者の郵便局離れは著しく、職員の士気の低下は惨状を呈している。
 埋蔵金とは、一が特別会計の積立金や準備金、二が民営化による株式、三が国有財産であるが、まず、「かんぽの宿」のオリックス不動産への日本郵政からの売却が、白紙撤回に至る疑惑の氷山の一角として浮上したように、国民の利益にならない、一部資本家の腹を肥やすだけのたたき売りの事例が相次いでいる。簡単にわかりそうなものだが、公共の利益を重視する組織の株式を売却して株主の利益を確保するために利益を上げることは、公益と私益の対立する二律背反である。日本政策投資銀行や、中小企業金融公庫、道路公団、空港公団なども民営化されたが、これが、株式の売却が目的であるならば、すべて誤った議論であり、公共を破壊するものでしかない。竹中平蔵氏などは、郵政資産を海外に移転することを促進する主張を行っていたが、ネオコンの破滅で、その可能性がなくなったことは、天佑であった。高橋容疑者は、日本の外貨準備を使って、外国の住宅整備機関などに出資してはどうかとの政治迷妄に同調していたが、実行されていたら、巨額の国損を被っているところだった。埋蔵金論は、発見されたものでなく、組み込まれたもので、民営化された組織の株式や資産の売却促進論に過ぎないものであり、私物化擁護論に過ぎない。郵政やその他の元国営事業の株式売却を法律で凍結することが喫緊の課題である。
高橋容疑者は、政策論者としても、実務家としても、自らを破綻させていたのではないのか。クルーグマン教授も全面的に財政支出論者となったし、新政権が登場して、日本の内外の買弁勢力の後ろ盾も弱体化している。拝金の市場原理主義には、もともと虚無のアナーキズムが潜んでいる。郵政民営化の虚妄の設計者が自滅した。」

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