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Fiji Situation

フィジー情勢と展望

4月10日、フィジーのイロイロ大統領が憲法を廃止したニュースが流れた。南太平洋の諸国の事情に詳しい専門家のまとめた論評をしょうかいする。

―――
 この4月、イロイロ大統領から再度首相に指名されたバイニマラマ氏は2014年まで選
挙を実施しないことを宣言。早期の選挙実施を要請してきた地域政府機関太平洋諸島
フォーラム(PIF)は、5月1日フィジーのメンバーシップを保留する事を決定した。今後
フィジーはPIFの実施する会議に参加できず、また PIFが行う資金・技術支援も受けら
れない。
 2006年の4度目のクーデター後、 PIFはフィジーに対し選挙の実施を促してきた。し
かし、今まで豪・ニュージーランドの強い姿勢を牽制していたパプアニューギニアの
ソマレ首相も、4月末ラッド首相との共同記者会見では態度を一変させた。他方、キリ
バスのトン首相は豪・ニュージーランド抜きで対話を進めるべきだ、とのコメントを
出している。
 PIFがメンバーシップを保留するのは設立以来初めての事。PIFはフィジーの故カミ
セセマラ初代首相が’71年に創設した地域機関で本部もフィジーにある。
 
 1987年から繰り返し起るフィジーのクーデターが人口の半分を占めるインド人対フィ
ジー人の民族対立だけではないことは、もう理解されていると思う。米領サモアの議
員はクリントン長官に「フィジーの問題は複雑であり、豪ニュージーランドの意見ば
かり聞いてはいけない。」とアドバイスしたとの報道もあった。では、どのように複
雑なのか。それは、西の酋長と東の酋長の権力闘争であり、酋長達と平民との闘争、
酋長と軍人の共謀と反逆、自由市場と伝統的な土地制度の摩擦、等々である。さら
に1回目のクーデターは労働党政権の非核運動に対する米国政府からの圧力、という噂
もある。
 現在太平洋島嶼国で軍隊があるはフィジー、トンガ、パプアニューギニアの3カ国だ
けだ。これらの軍隊は豪・ニュージーランドで訓練を受け、兵器の支援も受けている
事は皮肉な結果である。

 今後の動きについて3点。
1点目、今月北海道で開催予定の第5回島サミットは日本政府と PIFの共同事業との位
置づけなので、 主催国日本が強く働きかけない限りフィジーの参加はないであろう。
先週豪州を訪問した中曽根外相はフィジーに関しては、制裁よりも対話、という姿勢
を示している。
2点目。フィジーは中国、インドとの関係をさらに強化することが予想される。他方中
国も PIFと足並みを揃える方針なので、今後の中国の動きは見逃せない。なお中国も
今年島サミットを開催する予定だ。
3点目。フィジーに集まる国際組織(南太平洋大学、 PIF事務局、国際NGO、国連機関
等)の機能がさらに低下することが予想される。それは太平洋の地域協力の動きを変え
ることになるであろう。

(後略)」

市場原理主義のひずみは、南太平洋の諸国でも顕現しつつある。米国の噂や、北京がこうした動向を捉えて国際会議を開催しようとしていることも指摘している。貴重な情報である。著者の了解を得て、一部割愛して当ブログに掲載した。

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