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Market Fundamentalism is Dead 19

岸博幸慶応大学教授が、週刊ダイヤモンドの特集号、日本郵政の暗部に対して、反論らしき記事を書いている。http://diamond.jp/series/kishi/10040/竹中平蔵氏が、大臣だったときの秘書官だったそうであるから、その内容は推して知るべしであるが、看過できない記事であるから、当ブログとしての読み込みをしてみたい。反論に対する反論である。

>ダイヤモンド本誌5月23日号に掲載された日本郵政の特集を読みました。最初にお断りしておきますと、筆者は、かつて郵政民営化の過程に深く関与し、今も関連の情報がたくさん入る立場にあります。その立場から見て、今回の特集の内容はちょっと偏っているように感じました。ダイヤモンド・オンラインの連載コラム執筆者という立場に遠慮して、口をつぐむことは、筆者の経歴を知る読者にも奇異に映るでしょうし、なにより筆者にとって、これは看過できない問題なので、この場を借りて、この特集に対して反論するとともに、ジャーナリズムの問題へのインプリケーションを考えたいと思います。<

 深く関与し、とあるが、竹中大臣の秘書官をしていて、裏をも見ているということか‥今も情報が入る立場にあるとは、どんなことか具体的に書いてもらった方が、郵政民営化の裏側を知る意味で貴重な情報を提供することになるが、その点は、まったく言及がなく、隠しているのか。高橋洋一元東洋大学教授のように、当時の内幕を本にしていただけると参考になるし、歴史の暗部の参考書になり得るのだが。例えば、竹中大臣と、外国の関係者との議事録などがあれば、公表してもらいたいものだし、なければ、岸教授のメモなどがあれば、発表してもらいたいものだ。

>筆者が感じたこの特集の問題点を挙げ出したらきりがないので、ここでは二つだけ指摘したいと思います。第一の問題点は、様々な論点についての結論を一面的な分析から決めつけ過ぎではないかということです。

 例えば、西川社長の人事について、“官邸はぎりぎりまで後任候補に打診を続ける意向で、「色よい返事をもらえなければ、麻生首相が直接口説くこともありうる」”と書かれていますが、自分が知る限り、事実と異なるように感じます。西川社長を更迭しようと血道を上げているのは鳩山総務大臣だけです。<

 まず第一に、日本郵政の西川社長についてのコメントが出ているのは、岸教授を含めた一派の考え方でしょう。西川社長を更迭しようと血道を上げているのは鳩山大臣だけですと書かれているのは間違いです。血道を上げるかどうかは別として、西川社長就任の時から、間違った人事だったとの意見は、経済界、財界の中からも囁かれていました。西川社長の銀行時代のワンマンぶりを考えて、日本郵政の社長にふさわしくないことをやんわりと指摘した、経営者もいたではありませんか。鳩山大臣だけです、との断言ぶりは、事実に反します。

 >かんぽの宿問題についても“ガバナンスの重大な欠陥であり、「かんぽの宿」問題の本質も正しくこの一点にある”と書いていることです。確かに、この問題を巡っては、売却先の選定プロセスにおいて多少の瑕疵があったのかもしれません。しかし、問題の本質は、国営時代に多額の資金を投入して野方図にかんぽの宿を作ったという官の体質にあるのではないでしょうか。<

 多少の瑕疵があったと、ようやく認める気になったようです。多少の瑕疵ではなく、私物化による巨額の資産の不正売却、不正利得の問題ですが、問題の本質をすり替えて、国営時代に多額の資金を投入したことが悪かったとの意見にすり替えています。当時、そんな批判はまったくありませんでしたし、多くのかんぽの宿は、地元の協力・要請によって作られてのが実態です。勿論、郵貯の資金で建設したのは、リゾート法によって作らされたのが実態なのではないでしょうか‥設計者が、外国の圧力でしたから、わざわざ外国人を使っての、設計だったのではないですか。国営とはいえ、税金ではありませんから、税金のムダ使いにもなりません。

 >ついでに言えば、かんぽの宿については、手続きの問題点が詳細に書かれていますが、それ以外にも様々な論点があります。例えば、オリックスへの売却価格を批判する総務省のコメントを載せていますが、かんぽの宿の資産価値は、去年12月の段階で総務省の委員会がデューデリでもオリックスへの売却価格よりも低かったのです。それら様々な論点に言及せず、手続き論だけから西川社長以下少数による密室政治がかんぽの宿問題の本質と断言するのには、ちょっと違和感を感じざるを得ません。<

 密室政治も問題にしているのですが、不当な売却、不正な売却を問題にしているから、出来レースだとの指摘ではないのでしょうか。手続き論だけから、批判しているわけではなりません。市場原理主義の虚妄の本質を突く形で、批判しているのです。売却価格は、一万円で売って、数千万円で転売するのが、しかも数日後にするのは、不正以外の何者でもないでしょう。

>公社時代の悪行は民営化のせいでない

 第二の問題点は、どうも結論ありきで議論が展開されているように感じることです。

 例えば、かんぽの宿問題について、民営化前の公社時代に行われた売却にまつわる問題を詳細に書いた上で“日本郵政はいまや「疑惑のデパート」と化した。100年かけて勝ち取って来た国民の信頼が、民営化一年あまりで地に落ちようとしている”とまとめています。しかし、公社時代に起きた問題は民営化とはまったく関係ないのではないでしょうか。公社時代の悪行も民営化のせいになるのでしょうか。<

 公社時代の悪行も、勿論、民営化のせいです。公社時代の、特に、後半の2年間は、民営化の準備期間と称して、公社であることを’忘れて’、どんどん民営化なみの手法をとったのではないでしょうか。コンピュータの改修で、民営化が遅れる可能性があることを指摘した当時の生田総裁について、早くやめ炉などと暴言を吐いていたのは、どこのどなたでしょうか。

 >障害者郵便の制度を悪用した事件についても、“それが、支店だけでなく支社まで関与した組織ぐるみとなれば、郵政が抱える闇は民営化後も底知れず深い”と書かれてています。しかし、障害者郵便の悪用はかなり以前から行われていたのです。他にもファミリー企業の問題など様々な問題がありました。そうした問題点が明らかにされて是正されることが、民営化の意義の一つなのではないでしょうか。でも、40万人を抱える大組織で民営化から一年たらずですべて解決できるはずはありません。民営化しても闇が変わらないかのように書いては、ちょっと日本郵政が可哀想ではないでしょうか。<

広告会社の介入の問題などは、民営化というより、西川社長が就任してからの問題ではないでしょうか。民営化の闇であって、公社時代、それ以前の闇の話をしているのではありません。日本郵政はかわいそうではありません。

 >また、全体として民営化を巡るマイナスの側面ばかりが列挙されているのも気になります。民営化にはプラスの側面も当然存在します。例えば、民営化前の公社時代の国への納付金は年間2400億円でしたが、民営化された後の納税額は年間8000億円程度になります。そうしたプラスの面は一切書かず、マイナス面ばかりを書き連ねていては、結論ありきで全体が構成されているのではないかと邪推されかねないのではないでしょうか。<

 マイナスの側面ばかりが列挙されているとの不満のようであるが、プラスの面があるのでしょうか。むしろ、ご指摘の納税額が、増えたことをプラスとすることは、お役人のよろこぶことでしょうが、公社時代にも納付金を上納していましたし、むしろ、民営化して、税金が少なくなる構造にしたのではなかったでしょうか。簡単な論理で、読者を惑わしてはいけません。明らかに、営業成績は、公社時代よりも落ちていますし、分割ロスがいろんな所で出ています。最たるものは、郵便局長や社員の志気が低下していることです。

>郵政民営化を一方的に
賞賛しろとは言っていない<

勿論、一方的に称賛する者などいやしません。ご安心くださいとでも表すべき表現です。 

>インターネットの普及に伴い、新聞や雑誌の収益が急速に悪化する中で、世界的にジャーナリズムをどう守るべきかが議論されています。新聞が崩壊する中で、守るべきは新聞とニュース(=ジャーナリズム)のどちらか、もし新聞ではない場合にジャーナリズムはどのような者が担って行くのか、といった議論です。 この議論はいずれ日本でも行われると思いますが、そのためにも、まずジャーナリズムの本質が正しく理解される必要があると思います。そして、その本質とは、ある事象についての多面的な見方や新たな視点を読者に提供することではないでしょうか。それが民主主義に不可欠な要素だからです。 そうした観点から、私は、特に日本ではインターネットはゴミの山であることを考えると、日本でジャーナリズムを維持するためにはプロのジャーナリストが頑張る場としての新聞や雑誌が生き残ることが不可欠であると考えています。そう考えると、筆者にとって、本誌の今回の郵政特集はちょっと残念です。<

 急に来た、ジャーナリズム論です。インターネットはゴミの山だそうです。看過できない発言です。プロのジャーナリストががんばる場とか、威張る場になっては困りますが、散々世論操作に使ったあげくに捨てるのはおかしいのではないでしょうか。ところで、当時の竹中大臣が内閣広報室あるいは機密費を使って、、テレビ局あたりに使った、内閣の広報予算の総額をご存じではないでしょうか。

 >郵政民営化をとにかく賞賛しろなどと言う気は毛頭ありません。問題点も多いのは事実ですから。でも、マイナス面だけに終始した特集では、生産的な議論につながるとは思えません。実際、ある総務大臣経験者はこの特集を読んで「国民新党の機関誌みたいだなあ」と言っていました。こういう違う立場の人も納得する位の中身にするのが、真のジャーナリズムではないでしょうか。私が最も好きな経済誌であるダイヤモンドがその旗手となってくれることを、心から期待しています。<

 繰り返しますが、プラスの面はほとんどなく、その特集記事でも、郵便局長が政治活動が自由になったことだけだと揶揄しているではないですか。ある総務大臣経験者などともったいをつけなくても、元上司の方であるとわかりますが、違う立場の人も納得するくらいの中身にするのがジャーナリズムではないでしょうかとは、正気の沙汰ではありません‥市場原理主義の特徴は、相手を打ちのめすことが特徴で、これに政治が絡むと中南米のように、違う立場の人を逮捕投獄するのが常套手段です‥憲法違反の解散劇や、郵政民営化の刺客選挙と言った、法の支配の欠如の事態を思い出すべきですが、岸教授は健忘症のようです。違う立場の人であれば、激怒するように書くのが本当でしょう。勿論事実を書くことですが。その点、週刊ダイヤモンドの特集は、不都合な真実を次々とていきょうしていることは、郵政民営化の闇の中枢の人物の秘書官をしていただけに、相当気に障ったようであるから、逆にその特集の内容は、正鵠を得た記事が多いことが推察できる。しかも、ダイヤモンドの心が広いのは、こうした、まったく的外れの意見にもそれなりの敬意を払って、オンライン版とはいえ反論記事を掲載しているところである。岸教授などが、現役で華やかなりし頃は、反対意見なども許される状況ではなく、霞ヶ関では追放、降格、左遷あるいはごますりの昇格人事などの強権発動が平気で行われたものであったことは、よくご存じのことと思う。

 岸教授の反論は、市場原理主義の虚妄が完全に退潮にあって、追われる側に廻ったことを示しており、市場原理主義というカルトの勢力の表面の活動家も相当弱気になっていることが想像できる。

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