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Restoration of Japan 8

昭和恐慌からの教訓

我々は過去、1930年1月~31年12月の2年間にわたり、「昭和恐慌」を経験している‥当時の状況を仔細に分析することで、恐慌を抜け出す光明は見えてこないだろうか。

平成恐慌と昭和恐慌を比較すると、類似点が多きことに気付く。第一に、両方ともデフレが進んでいる最中に、大蔵省・財務省の主導で均衡財政(自らのデフレ政策で落ち込んだ税収にあわせて歳出を削減する)を強行した「財政デフレ」であることだ。そして、金融政策はともに引き締める方針をとった。昭和恐慌の指導者は、大蔵省出身の浜口雄幸首相(民政党)と、日本銀行出身の井上準之介大蔵大臣だった。30年からの2年間で財政支出を一五%削減したことにより、24年から継続していたデフレ(GDPデフレーターのマイナス)が一挙に加速した。平成恐慌では財務省が主導して「財政改革」「基礎的財政収支均衡策」が進められた。また、竹中平蔵経済財政政策担当大臣は「市場原理精算型の不良債権処理」を行った‥竹中行政では、減損会計を使って不良資産を増加させることで、信用不安も興していないUFJ銀行を意図的に合併に追いやり、金融システムを不安定にしてしまった。さらに01年度から公共投資と地方交付税交付金・国庫支出金(補助金)を毎年削減し続け、8年間で二七%(累計60兆円)も削った。09年度予算もデフレ促進型であり、恐慌の終わりは見えない。

第二に、共に円の対ドル相場が切りあがっている。昭和恐慌では円の対ドル相場を22.9%切り上げて均本院製(通貨の供給量を保有している金の増減にあわせる通貨制度で円を金価格に結び付ける)に復帰した。平成恐慌でも既に円と対ドル相場は20%前後上昇し、輸出が減少している。

第三に、昭和恐慌では、新聞・ラジオがデフレを称賛しており、平成恐慌でもマスコミは構造改革と在籍記の宣伝に熱心であった。

第四に、昭和恐慌では金本位制の復帰が、平成恐慌では新自由主義、市場原理主義がグローバル・スタンダードであると宣伝されていた。

第五に、社会不安が深刻化していった。昭和恐慌では「(都会の芸者置屋へ)娘身売りの場合は当相談所へ御出ください」(山形県伊佐沢村相談所)という張り紙が出されるほど(1930年二月5日付、山形新聞)、国民の生活は困窮していた。浜口雄幸首相、井上準之介大蔵大臣はともに襲撃され、デフレによる国民の犠牲とそれへの反発は尋常ではなく、31年9月の満州事変を国民は喝采した。平成恐慌でも生活困窮者の増加が顕著で、戦後初めての社会不安が醸成されている。

しかし、昭和恐慌は31年12月の政権交代によって終わりを迎えた。民政党の若槻内閣の後を受けた政友会の犬養毅首相は、大蔵大臣に高橋是清を任命。高橋はまず、金本位制から離脱し、通貨供給量を金の保有高に関係なく政府と日本銀行の最良によって決められるようにした。国民には政友会の新しい政策を発表し、「金融を大幅に緩和すること」「政府投資で雇用の機会を増やすこと」を公約する。この時点で昭和恐慌のデフレ心理は解消したのである。続いて早急に、公共投資を中止運とした財政支出を大幅に増加させた。前年度との対比で見ると、32年に22%、33年に20%、34年に12%とけいぞくしてぞうかあせることで、28年から4年続いたGDPのマイナス成長がプラスに転じた。物価は上昇し、国民所得も増加。経済規模の拡大により雇用機会も増え、地方経済にも好影響をもたらした。この結果、33年頃からは税収も増加し始め、34年頃から政府投資の原資を税収の増加で賄えるようになり、国債発行額が少なくなっていった。景気振興策として国債を発行すると、当初の1~2年は政府の債務負担は増加するものの、3~4年で名目GDPが増加し、税収が増加するので、政府債務の国民負担率は低下してゆくのだ。(つづく)

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