Restoration of Japan 10
政権交代でデフレを脱け出せ。
百年に一度ともいわれる大不況下でアメリカ大統領に就任したバラク・オバマは、先人たちの教訓に従っているようだ。本年一月にオバマ大統領は、総額7千億ドルを上回る規模の経済対策を発表した。これは、アメリカのGDPの約6%に相当し、大恐慌の時にルーズベルト大統領が公共投資に支出した財政規模とほぼ一致する。また、公共投資によって5年間で財政赤字を解消したクリントン大統領の成功例を政策に取り入れており、思い切った財政支出と経済社会の地盤強化政策による経済浮揚効果を狙っている。さらに、政権を支えるブレーンには、ローレンス・サマーズ(国家経済会議・NEC委員長)、クリスチナ・ローマー(大統領経済諮問委員会・CEA議長)といった大恐慌の専門家をそろえている。
反面日本では、依然として市場原理主義者が経済財政諮問会議や官邸・財務省・金融庁内審議会に救っており、建設的な意見はまったく出てこない。日本の政府与党はまさに脳死状態で、政権が変わらなければ思い切った経済政策は打てないのではないか。日本はいまだ、終わりの見えない不況の中にある。「十年デフレ」「十年ゼロ成長」の原因を分析してみると、新自由主義・市場原理主義という伝染病に冒され、金融・財政両面で罠に落ち込んでしまったことがよくわかる。とくに消費税増税は、市場原理型税制(レーガン型税制)の帰結であり、申し強行すれば、日本は必ず「二十年デフレ」に陥るだろう。新自由主義の元祖、ミルトン・フリードマンは「税率は個人・法人を問わず、一律(フラット)が最も望ましい」という。すなわち、「個人所得が三億円でも三百万絵院でも、税率は十%にする」という主張であり、税率が持つ所得分配の是正、社会保障制度のための累進課税をひていする。レーガン大統領時代の82年にかなりフラットな税制を採用したアメリカは、税収が激減し、大幅な財政赤字となり、85年には債務国に転落してしまった。
いま日本が「十年デフレ」から脱するには、本稿で述べた「五ヶ年計画」を実行するとともに、税制を市場原理型税制から日本型税制に改め、所得税と法人税をさらなる累進型に戻すことが望ましい。そうすれば、景気拡大とともに自然に税収が増え、財政赤字の縮小と財政再建が可能になり、消費税の引き下げが可能になる。
歴史が教えるデフレ脱却の基本は、政権交代である‥デフレ政策を強行してきた政権が180度転換した政策を出すことは不可能だ。国民に対しても退任して責任を明確にすべきだろう。
同時に、デフレ政策を支持してきた政府の審議会などの御用学者、「マスコミによくでるエコノミストなども総入れ替えが不可欠である。政権交代による政策と人のチェンジが、国を救うのだ。(おわり)
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