構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Corrupt Postal Privatization 139

世界の潮流が変わった。市場原理主義の教祖、ミルトン・フリードマンが他界して、米国でも政権交代があり、しかも黒人の大統領が誕生した。南北戦争にも似た激しい国内対立と、国力を激しく消耗した中で、繁栄の象徴でもあるジェネラル・モータースの破綻があり、金融の国有化に引き続いて、基幹産業の国有化で国難を乗り切ろうとする動きである。日本では60年代に完成を見て、劣化してもなお継続している国民皆保険制度を、ようやく米国で導入する機運である。シカゴボーイズが破壊した中南米の国々では、続々と反米基調の政権が樹立されたが、関係改善を求めて、新政権はキューバの米州機構への参加すら認める気配だ。カイロのアズハリ大学(故サダム大統領の母校)で、多言語の同時通訳を入れて、イスラム世界との和解を求める大演説を行った。パレスチナ和平の動きも活発で、法王庁の動きに続いて、国内の激しい賛否両論の中で、従来とは異なる対イスラエル政策を表明している。

 世界的な潮流の変化をよそに、この国では、郵政民営化をめぐって、上げ潮派なる政治勢力が跋扈して、西川VS鳩山とおもしろおかしく取り上げている。お仲間の人事委員会がお手盛りで続投を決議するかと思えば、会社法・商法の改悪で外国亜流の委員会設置会社とやらの理由で、地方の代表者もおらず、職員の代表者もおらず、ましてや、貯金や保険や、郵便局の利用者の代表者もいない中で、正統性がないのではないのか、正義にもとると指摘を受けてあたふたとして、白紙撤回が行われる状況である。出しゃばりは鳩山大臣だとか、民営化したからには政治の介入は避けるべきだとの大新聞のご託宣も、どうせ広告会社の後押しがあるからだ、この前の郵政民営化選挙のB級世論操作には騙されないとの雰囲気だ。閣僚どうしで、調整して結論をだすべきとの、法の支配を欠いた、談合議論も横行しているが、認可は総務大臣の明文上の権限である。麻生内閣追い落としの、大義名分を欠く党内議論でしかない。

 郵政会社は、その株式の全部は国が保有しており、社長や一部の社外重役が勝手にできる話ではないが、電信電話の民営化の時にもあったように、まだ株を売却していない時に限って私物化したと誤解する向きがあったが、醜悪な誤解である。
 不幸な時代の政治・経済ではあった。外国の強圧があって、ロック歌手の物まねをしてでも、長いものには巻かれろとの政権が延命して、確かに、投資信託、不動産投資、ファンド何とかやらで、外国に円を持ち出せば、キャリートレードで、市場原理主義の優等生と化した共産党の支配するシナに投資をすれば摩天楼が林立し、中華一宇のワンワールドとオリンピックのスタジアムの上空に煙の文字を書く意気軒昂さであったから、儲かると思ったのも無理はない。元経済担当大臣が、声高に郵政資産の外国持ち出しで儲ける話を喧伝したのが、八月十五夜の頃の話で、何とかスタンレーの外人調査部長が、シェイクスピアのジュリアス・シーザーの一部を引いて、今は上げ潮だ、外資を通じて投資をしなければ大損と講演したのが、レーマンが破綻する9月15日の一週間前頃のことであった。

 市場原理主義のカルトの時代が終わった。不正発見と問題の指摘も、神計らいのような具合であった。土地や資産の売却など、総務省にお伺いしなくても、どんどん売れるようになっていたが、今回の発覚も、新しいかんぽホテル会社をつくる話で株式の糸口があったから介入できたわけで、偶然というには、あまりの希有のことであった。天網恢々疎にして漏らさず、李下に冠を正さずの格言が当てはまり、進駐軍の重役が元の社宅に住んでいるとか、料亭の請求書を踏み倒したとか、クレジット会社がどうだとか、接遇マナーの会社の社長が、公社時代に金日成バッジのような代物を7億円の代金でつくって、重役に納まっているとか、労働組合元御用学者の大学教授が、関連団体つぶしのリストを作成したとか、有識者会議で資料提供をしていた外国コンサルが幹部で入り込み、利益相反があるのではないかとか、言論弾圧があったとか、疑惑が取りざたされるようになった。極めつきは、野党三党が、西川社長を刑事告発して、地検の特捜部が、受理したことである。刑事告発を受けた社長が、続投を表明して、所管大臣と対立するというのも珍事態である。社外重役制度なども、米国仕込みの新しい経営手法で、執行役員制度と並んで、ガバナンスと横文字で読んでいる間はいいが、日本の成功した経営の制度とは異なる経営手法で、エンロンとか、粉飾の企業のワンマン経営の常套手段で、米国でも新手の経営手口であった。

成果主義の導入で、身上をを潰した会社もあったが、密告制度の導入などが、まことしやかにガバナンスとして称揚され、米国の良さは学ばず、本家仕込みの郵政監察は廃止して、コンプライアンスを、単なる統制の手法としてしまった。遠隔操作のカメラを郵便局の天井に取り付けて、全体主義の昼間の暗黒を現出させている。郵便局長の全国集会では、(鈴木新党大地代表が、挨拶で指摘した「心がない」)社長に対するヤジが飛び交い、民営化で政治活動が自由になっただけとの皮肉が現出した。

 郵政民営化は、規制緩和、公共政策の削減と並ぶ市場原理主義の三大虚妄のひとつで、政治・経済を転回させるための「本丸」である。参議院で否決された直後に衆議院を解散するという独裁で採択された郵政民営化は正統性に欠ける。民営化見直し、郵政復古、郵政資産の国民への奉還が真の改革である。外国追従の日本版オルガルヒを排除することが、市場原理主義の退潮に即応した改革である。

 しかも、約三百兆円の世界最大の国民資産の保全につながる話であるから、正義の鳩山大臣を更迭して拝金の政治・経済勢力を退場させないのであれば、多少の混乱を賭しても、政権交代の旧国策で決着させよう。欧米や世界の反市場原理主義と連帯する自立自尊の日本に復古する好機である。

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