構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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2009年6月

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Market Fundamentalism is Dead 27

マイケルムーアの映画、シッコ。ユーチューブへのリンク。

Market Fundamentalism is Dead 26

オバマ大統領のアメリカの医療保険改革に関する演説の映像である。ホワイトハウスの提供する映像である。アメリカの医療保険制度は、世界的に見ても低水準にあり、当ブログはマイケル・ムーアの製作した映画、シッコについても紹介したことがあるし、当ブログの読者のその映画を見たこともある方がおられると思う。まずは、オバマ大統領の演説。残念ながら、日本語訳がない。日本で、医療改革と称して、日本人が国を挙げて営々として造りあげてきた国民皆保険制度を、アメリカの悪い制度におとしめようとした動きがあったが、オバマ大統領の登場により、全くの虚妄であることが明らかになった。日本の経験が、新しく医療保険制度を作ろうとするアメリカ新政権にとって参考になればと思うことである。

郵政民営化に反対して、刺客選挙で落選した、小泉龍司前衆議院議員が、ホームページでアメリカの医療改革についてわかりやすく評論しているので紹介する。http://www.ryuji.org/column/20090525_iryo.php

「(1)オバマ大統領が「国民皆保険」の導入に大きな意欲を示している。
 米国には「国民皆保険」が導入されておらず、公的な保険がカバーしているのは【1】65歳以上の高齢者と障害者向けの保険(メディケアと呼ばれる)【2】貧困層を対象とする保険(メディケイド呼ばれる)【3】低所得の家庭の子供向け補助制度【4】軍人・退役軍人医療保険制度、のみである。
 これらがカバーする範囲は、国民の約3割にとどまる。

(2)他方米国における医療保険は、民間保険会社が最も大きな収益をあげる分野である。
 公的保険が整備されていないため、多くの国民は民間保険に頼らざるを得ず、国民の6割弱、約2億人が民間医療保険に加入している。しかし、そこには大きな問題が生まれている。

  1. 民間保険会社の保険料は一律ではなく、大量の加入が見込める大企業の雇用者に対しては相対的に低く、他方、価格交渉力を持たない中小企業の従業員に対しては相対的に高く設定されている。
    つまり、低所得者の人ほど保険料が高くなるという、逆進性が生じている。そして、保険料が高いため、民間保険にも加入できない人が全国民の約6分の1・約4700万人に達している。
  2. 保険給付の範囲が限定されている。民間保険はすべての疾患をカバーするものではない。保険料負担の大きさに応じて、カバーされる疾患が限定される。
    以前本欄に掲載した映画「シッコ」の中で描かれていた、「あなたの医療保険では切断した2本の指のうち1本しか縫合できません」と言われて、1本の指の接合を諦める場面は、こうした民間保険の仕組みら生まれてくる。
  3. 保険給付に上限が課されている。保険会社は自らの収益確保のために、各疾患毎に標準的な治療パターンを作り、その範囲内でしか給付を行わない。標準的な治療でも治癒しない場合は、それを上回る治療費はすべて自らの負担となる。これが「包括払い制度」と言われる米国の医療制度の大きな特徴である。病気が治るまで医者にかかれるというのは、日本では当たり前のことだが米国では違うのだ。
    日本では国民皆保険の下でかつ、「出来高払い制度」(かかった費用についてはすべて給付する仕組み)になっているからこそ、治るまで医者にかかれるのである。(米国で平均入院日数が短いのも保険給付がおりないからである。)
  4. こうした事情に加えて、規制緩和が進んだ米国では治療費が極めて高い。盲腸の手術が200万円、出産には300万円かかる。1か月以上入院すると1000万円以上の請求をされることもまれではない。

 従って米国では大病したために、自宅を失い破産するというケースが現実に増えている。

(3)米国人は、「自分のやり方で決める」という考え方が強く、また、自ら節制しないで病気になった人の治療費を、なぜ一生懸命健康増進に努力している自分が支払わねばならないのか?という「自己責任」の考え方が、政治や社会に影響力を持つ富裕層を中心に根強くあるために、これまで国民皆保険の導入ができなかった。国民皆保険の導入は、社会主義国になることに等しいとの反対論が未だに共和党から聞こえてくる。
 しかし、事態はすでに社会問題化し、米国社会の根幹を揺るがしはじめている。だからこそ、オバマ大統領も最優先課題の一つとして取り組む意欲を示しているのだ。
 「自己責任」の国がオバマ大統領の下で、どのように変化していくのか、しっかり見届ける必要がある。」

Corrupt Postal Privatization 144

世の中には、映像を駆使してそれなりの主張をする方もおられるようだ。興味深いビデオである。

Corrupt Postal Privatization 143

政治評論家森田実先生のブログhttp://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/の一コーナーから。ご参考まで。

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/YU76.HTML

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/YU77.HTML

Corrupt Postal Privatization 142

 一斉にマスコミは、西川日本郵政社長の株主総会における再任を報道しているが、産経新聞と共同通信が、鳩山前総務大臣の評論を報道した。大新聞は何事もなかったかのように再任を認めているだけではなく、西川社長の再任を追認するような記事で満ちあふれているが、地殻変動に気がつかないかのようである。「鳩山邦夫前総務相は29日午後、日本郵政の株主総会で西川善文社長ら取締役の再任が議決されたことについて、「私の考えと逆だ。政府は道を誤った。国民は怒るだろう」と述べた。兵庫県姫路市で記者団に語った。」国民は怒っていることは間違いない。

 今日、沖縄返還をめぐる密約について、新たな証言があったとの報道があった。当ブログでは、既に、Secret Envoy http://tokyonotes.cocolog-niifty.com/blog/2009/05/secret-envoy.htmlで、若泉敬先生の自裁のことを含め、最近の週刊朝日による谷内正太郎前外務次官の発言について論評を加えたところであるが、密約をめぐり、裁判における裁判所の指摘があり、時代の変わり目を感じるところである。米国では既に関係文書が公開されていることもあり、嘘を突き通すことはできないし、国家の尊厳にも触れるところである。これも、ひとつの地殻変動である。

歴史に背を向けることはできないし、また、黒を白と言いくるめることもできない。天網恢恢疎にして漏らさずの話は、郵政民営化をめぐる騒動にも、沖縄返還をめぐる密約事件にも当てはまることである。

日本は内外において、嘘や形式論がまかり通るようになったようである。しかし、そうしたことは長くは続かないし、時代の終わりの混乱を示しているでヶである。

今日(29日)の読売新聞の報道である。

「日米両政府が1960年の安全保障条約改定時に、核兵器を搭載した艦船の寄港や領海通過を日本政府が黙認する密約を交わしたとされる問題で、1987年7月から89年8月まで外務次官を務めた村田良平氏(79)は29日、読売新聞の取材に対し「そういうたぐいの文書はあった」と述べ、密約の存在を認めた。

 密約について、日本政府は一貫して否定している。

 60年の安保改定の際の日米交渉で、米軍の日本への核持ち込みは「装備における重要な変更」として、日米間で事前協議することとなった。一方で、極東有事に備え、寄港や領海通過は事前協議の対象外として黙認する密約を交わした。

 村田氏は読売新聞の取材に対し、「前任者から『次官としてこういう内容のことを大臣に伝えてくれ』と言われた」と述べた。当時の外相にも伝えたという。

 密約については、すでに米政府の公式文書や、米側関係者の証言で存在が明らかになっている。村田氏も昨年出版した著書「村田良平回想録」(ミネルヴァ書房刊)で、「実は60年の交渉時、寄港及び領海通過には事前協議は必要でないとの秘密の了解が日米間にあった」と明記している。

 また、村田氏は、日本政府が宗谷、津軽、大隅、対馬(東水道、西水道)の5海峡の領海幅を、領海法(1977年制定)で定めた12カイリではなく、3カイリにとどめていることについても、核兵器搭載の米艦船の海峡通過が政治問題化するのを避けるための措置だった――との見方を示した。村田氏は「そうだと私は理解している。自分で決めたわけじないが、

姑息

(

こそく

)

なことをするなあと個人的に感じた」と述べた。

 5海峡は一部が公海となっているため、中国軍など他国の艦船が頻繁に通過している。

 核持ち込みの密約に関し、河村官房長官は29日午前の記者会見で、「密約は存在しない。歴代の首相、外相は密約の存在を明確に否定している。政府見解はこれに尽きる。これ以上の事実関係はない」と述べた。」

ウィキペディアの西山事件のリンクは次の通り、ご参考まで。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B1%B1%E4%BA%8B%E4%BB%B6

若泉敬先生についてのウィキペディアのリンクは次の通り、ご参考まで。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%A5%E6%B3%89%E6%95%AC

Market Fundamentalism is Dead 25

 今日は、民営化された日本郵政の持ち株会社の株主総会の日である。株主総会と行っても、株主は国であるから、財務省の役人が出席して行われるだけである。通常であれば、主計局の次長が形式的に出席するのだろうが、今年は、その過程が全部明らかにされることになり、マスコミの関心の高さも相当な者があると推察される。というのは、鳩山総務大臣の更迭があり、西川社長の続投が同社の人事委員会などで決議されており、今日の株主総会にも当然のことながら、人事案がかかるからである。政府は、国民の意思を体してその議事に参加するからには、意志決定の過程が明らかにされるが、おそらく、小泉・竹中政治の延長線上で、郵政民営化が失敗したことを認めることをせず、また、民営化後のわずかの間に発生した色々の疑惑についても問題にせずに通り過ぎようとするのかも知れない。しかし、そうした現状黙認の瞬間に、政治・経済についての世論の転回が起きる可能性が高い。

 郵政民営化問題は軽微な問題であると述べる者もあるが、実は世界最大の額の国民資産をめぐる問題であり、だからこそ、超大国の一部金融資本が関心を示して流動化を図ってきたことである。虚妄の民営化を進められ、ガバナンスが大きく欠落した日本郵政に対して、政府がいかなる態度を取るのかが正式に明らかになる日である。もし、国民の大多数の意見を政府が、あるいは、代理人たる各省が反映させないのであれば、いかなる結果を招くことになるかは、推して知るべしである。世論調査では、聖域なき見直しを主張する鳩山元大臣に対する支持が圧倒的であり、続投を図る西川社長などは、逆に辞任すべきであるとの意見が圧倒的である。麻生内閣の支持率をも大きく引き下げた。そうした矛盾を塗り固めるのであれば、アメリカで市場原理主義に対抗して新政権が登場することになった(内線のような激しい対立が継続しているが)ように、今日は、光を求めて、日本郵政の利用者でありながら真の創業者である日本国民が、郵政の再興へ向かって大きく舵をきる回天の日になるように思う。

Market Fundamentalism is Dead 24

 大きな地殻変動が起きているようである。神奈川県の横須賀市長の選挙で、小泉元総理が応援する現職の市長が、落選する事態が起きている。非常に若い市会議員が当選を果たしている。横須賀市長選は28日行われて、新人の前市議、吉田雄人氏(33)が、現職の蒲谷亮一(64)らを破り、初当選を果たした。投票率は前回より上がり、吉田氏は幅広い支持を受けた。 投票率は45・22%(前回40・19%)、当日有権者数は34万7763人。横須賀市長は、旧自治省出身者が過去に9期36年間市長のポストにあるというじょうきょうであったが、終止符が打たれることになったことだけではなく、市場原理主義を強硬に日本で実行して、郵政民営化、規制緩和、そして公共政策の削減と言う新自由主義の虚妄を追求して、日本の国力を急速に収縮させた、来る選挙で引退して息子に後をつがせることを表明していた、元総理の小泉純一郎衆議院議員のお膝元で起きた地殻変動である。横須賀は、その昔は、海軍鎮守府であり、今は米海軍の拠点となっている町でもある。米国でも、市場原理主義を批判的に見ながら国民皆保険制度を導入しようとする新政権が、この一月から発足しているが、横須賀市で起きた地殻変動とも言える政治力学の変化の根源がどこにあるのかを冷静に分析する必要がある。当ブログの読者の皆様の意見もコメント欄にご記入いただければ幸いである。

 

Market Fundamentalism is Dead 23

 こんな見方もあるかと思うが、それほどの異常とも言える執着が5000億円の話と繋がっているかも知れないとすると、それはもう、国益の問題である。私物化と、外国への日本売りとがごっちゃになる話である。5000億円が日本郵政の民営化への期待感から来る、手付け金であればそれは、もう国を売るような話である。

http://blog.trend-review.net/blog/2009/06/001195.html

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2009/06/post-2c63.html

携帯で送信試験

携帯電話から原稿を送る実験をしてみました。

Dark Times

 ハンナ・アーレントの著書に、Men in the Dark Times と言う本があった。 ニューヨークのダブルデイ社の一部門で、アンカーブックスという表紙に錨のマークがついた新書版のいわゆるペーパーバックスが出ていた記憶がある。アーレントの「暗い時代の人々」をおもいだしたのは、我が友・山崎行太郎氏が、毒蛇山荘日記の6月17日掲載のブログの終わりを、「誠にいやな感じのする時代である」と締めくくっていたからである。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20090617

 アーレントの本が和訳されていることが分かった。筑摩書房からちくま学芸文庫の一冊である。要約として、同書房のホームページに紹介されていたが、「レッシング、ローザ・ルクセンブルク、ヤスパース、ヘルマン・ブロッホ、ベンヤミン、ブレヒト…自由が著しく損なわれた時代、荒廃する世界に抗い、自らの意志で行動し生きた10人。彼らの人間性と知的格闘に対して深い共感と敬意を込め、政治・芸術・哲学への鋭い示唆を含み描かれる普遍的人間論。『全体主義の起源』、『人間の条件』、『革命について』といった理論的主著を側面から補うにとどまらず、20世紀の思想と経験に対する貴重な証言として読まれるべき好著。」目次は「暗い時代の人間性―レッシング考
ローザ・ルクセンブルク―一八七一‐一九一九
アンジェロ・ジュゼッペ#ロンカーリ―ローマ教皇ヨハネス二三世
カール・ヤスパース―賞賛の辞
カール・ヤスパース―世界国家の市民?
アイザック・ディネセン―一八八五‐一九六三
ヘルマン・ブロッホ―一八八六‐一九五一
ヴァルター・ベンヤミン―一八九二‐一九四〇
ベルトルト・ブレヒト―一八九八‐一九五六
ワルデマール・グリアン―一九〇三‐一九五四
ランダル・ジャレル―一九一四‐一九六五」とある。

http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480089380/

 山崎行太郎氏の6月17日のブログは、暗い時代に、あるいはいやな感じのする時代にどう生きるかを考えさせるだけではなく、郵便不正事件と鳩山大臣の更迭、あるいは日本郵政の西川社長の続投などが、地下水脈でどこかで繋がっているのではないかとの指摘に、ある種の恐怖に近い動揺を覚えたからである。本当に、日本は、権力者がそんな暗い不浄の方向に向かっているのかと。そして、一方では、大日本は神の国であり、権威と権力とが分離している限り、権力は極悪非道とはなり得ず、どこかで歯止めあるいは、限界があるとも思い、心の揺れはすぐに止まったが。外国勢力が介入していた場合には、全くの残虐な局面もあり得るから、心しておかなければならない、冷静に観察を続けなければならない、広く海外にも知識を求めなければいけないと用心したからである。

 上述の「暗い時代の人々」の中で、特段ヨハネス23世の、共産主義の圧制下にあったポーランドでの活動に関心を持ったことがある。ロンカーリーは、ひとりの神父に過ぎなかったが、ローマ教皇になる。そして、東欧を開放して、旧ソ連の全体主義を打倒する精神的支柱を与えることになるが、そうした関心から、読んだ記憶がある。

 ところで、佐藤優氏が、山崎行太郎氏のブログについて評論している。http://news.livedoor.com/article/detail/4220898/

事実を読み込んでいく手法について指摘している。心が囚われずに、事実を追求するための手法について述べている。ひとりひとりが自由に判断して行動して、本を読む場合には、テキストを吟味して、伝聞や想像に頼らずに実像を獲得していく方法論である。山崎行太郎氏のブログは、文学や哲学を語らずして政治や経済を語るなかれと、銘打っているが至言である。経済は道徳が伴わないと成立しないことと同様である。我が友・山崎行太郎氏のブログの一読を奨める。

http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/

Corrupt Postal Priatization 141

西川日本郵政社長が、製薬会社の社外重役を務めていたことが、予想しないところで表に出た。毎日新聞の6月26日の報道である。

「製薬大手、第一三共が26日開いた株主総会で、一部の株主から同社の社外取締役を務める西川善文・日本郵政社長について「日本郵政の経営に専念すべきだ」などと取締役選任議案から外すように求める修正動議が出された。庄田隆社長は「(西川氏は)重要案件の取締役会にはすべて出席しており、重要な役員」と反論。会社側提案が賛成多数で承認されたため、修正動議は自動的に却下された。かんぽの宿問題や郵政民営化をめぐる混乱が思わぬ形で飛び火した格好だ。」

日本郵政が大混乱する中で、修正動議のように、専念してもつとまらない状況であるのが本当の所ではないだろうか。

 第一三共の株主総会が紛糾しているのは、同社が5000億円で買収したインドの製薬会社での株価暴落で平成21年3月期の2154億円の巨額最終赤字に転落したことであるが、この件と西川社長に期待するというアドバイスとの関係あるいは接点があるのだろうか。また、第一三共の株主の中で、日本郵政がらみの、例えば日本トラスティーサービス銀行がどの程度の株主となっているかなどと興味は尽きない。西川社長や、日本郵政のその他の経営陣がどんな会社の社外重役を務めているのか、興味深いところであり、情報公開を徹底すべきである。

Corrupt Postal Privatization 140

Corrupt Postal Privatization 139

世界の潮流が変わった。市場原理主義の教祖、ミルトン・フリードマンが他界して、米国でも政権交代があり、しかも黒人の大統領が誕生した。南北戦争にも似た激しい国内対立と、国力を激しく消耗した中で、繁栄の象徴でもあるジェネラル・モータースの破綻があり、金融の国有化に引き続いて、基幹産業の国有化で国難を乗り切ろうとする動きである。日本では60年代に完成を見て、劣化してもなお継続している国民皆保険制度を、ようやく米国で導入する機運である。シカゴボーイズが破壊した中南米の国々では、続々と反米基調の政権が樹立されたが、関係改善を求めて、新政権はキューバの米州機構への参加すら認める気配だ。カイロのアズハリ大学(故サダム大統領の母校)で、多言語の同時通訳を入れて、イスラム世界との和解を求める大演説を行った。パレスチナ和平の動きも活発で、法王庁の動きに続いて、国内の激しい賛否両論の中で、従来とは異なる対イスラエル政策を表明している。

 世界的な潮流の変化をよそに、この国では、郵政民営化をめぐって、上げ潮派なる政治勢力が跋扈して、西川VS鳩山とおもしろおかしく取り上げている。お仲間の人事委員会がお手盛りで続投を決議するかと思えば、会社法・商法の改悪で外国亜流の委員会設置会社とやらの理由で、地方の代表者もおらず、職員の代表者もおらず、ましてや、貯金や保険や、郵便局の利用者の代表者もいない中で、正統性がないのではないのか、正義にもとると指摘を受けてあたふたとして、白紙撤回が行われる状況である。出しゃばりは鳩山大臣だとか、民営化したからには政治の介入は避けるべきだとの大新聞のご託宣も、どうせ広告会社の後押しがあるからだ、この前の郵政民営化選挙のB級世論操作には騙されないとの雰囲気だ。閣僚どうしで、調整して結論をだすべきとの、法の支配を欠いた、談合議論も横行しているが、認可は総務大臣の明文上の権限である。麻生内閣追い落としの、大義名分を欠く党内議論でしかない。

 郵政会社は、その株式の全部は国が保有しており、社長や一部の社外重役が勝手にできる話ではないが、電信電話の民営化の時にもあったように、まだ株を売却していない時に限って私物化したと誤解する向きがあったが、醜悪な誤解である。
 不幸な時代の政治・経済ではあった。外国の強圧があって、ロック歌手の物まねをしてでも、長いものには巻かれろとの政権が延命して、確かに、投資信託、不動産投資、ファンド何とかやらで、外国に円を持ち出せば、キャリートレードで、市場原理主義の優等生と化した共産党の支配するシナに投資をすれば摩天楼が林立し、中華一宇のワンワールドとオリンピックのスタジアムの上空に煙の文字を書く意気軒昂さであったから、儲かると思ったのも無理はない。元経済担当大臣が、声高に郵政資産の外国持ち出しで儲ける話を喧伝したのが、八月十五夜の頃の話で、何とかスタンレーの外人調査部長が、シェイクスピアのジュリアス・シーザーの一部を引いて、今は上げ潮だ、外資を通じて投資をしなければ大損と講演したのが、レーマンが破綻する9月15日の一週間前頃のことであった。

 市場原理主義のカルトの時代が終わった。不正発見と問題の指摘も、神計らいのような具合であった。土地や資産の売却など、総務省にお伺いしなくても、どんどん売れるようになっていたが、今回の発覚も、新しいかんぽホテル会社をつくる話で株式の糸口があったから介入できたわけで、偶然というには、あまりの希有のことであった。天網恢々疎にして漏らさず、李下に冠を正さずの格言が当てはまり、進駐軍の重役が元の社宅に住んでいるとか、料亭の請求書を踏み倒したとか、クレジット会社がどうだとか、接遇マナーの会社の社長が、公社時代に金日成バッジのような代物を7億円の代金でつくって、重役に納まっているとか、労働組合元御用学者の大学教授が、関連団体つぶしのリストを作成したとか、有識者会議で資料提供をしていた外国コンサルが幹部で入り込み、利益相反があるのではないかとか、言論弾圧があったとか、疑惑が取りざたされるようになった。極めつきは、野党三党が、西川社長を刑事告発して、地検の特捜部が、受理したことである。刑事告発を受けた社長が、続投を表明して、所管大臣と対立するというのも珍事態である。社外重役制度なども、米国仕込みの新しい経営手法で、執行役員制度と並んで、ガバナンスと横文字で読んでいる間はいいが、日本の成功した経営の制度とは異なる経営手法で、エンロンとか、粉飾の企業のワンマン経営の常套手段で、米国でも新手の経営手口であった。

成果主義の導入で、身上をを潰した会社もあったが、密告制度の導入などが、まことしやかにガバナンスとして称揚され、米国の良さは学ばず、本家仕込みの郵政監察は廃止して、コンプライアンスを、単なる統制の手法としてしまった。遠隔操作のカメラを郵便局の天井に取り付けて、全体主義の昼間の暗黒を現出させている。郵便局長の全国集会では、(鈴木新党大地代表が、挨拶で指摘した「心がない」)社長に対するヤジが飛び交い、民営化で政治活動が自由になっただけとの皮肉が現出した。

 郵政民営化は、規制緩和、公共政策の削減と並ぶ市場原理主義の三大虚妄のひとつで、政治・経済を転回させるための「本丸」である。参議院で否決された直後に衆議院を解散するという独裁で採択された郵政民営化は正統性に欠ける。民営化見直し、郵政復古、郵政資産の国民への奉還が真の改革である。外国追従の日本版オルガルヒを排除することが、市場原理主義の退潮に即応した改革である。

 しかも、約三百兆円の世界最大の国民資産の保全につながる話であるから、正義の鳩山大臣を更迭して拝金の政治・経済勢力を退場させないのであれば、多少の混乱を賭しても、政権交代の旧国策で決着させよう。欧米や世界の反市場原理主義と連帯する自立自尊の日本に復古する好機である。

Corrupt Postal Privatization 138

ジャーナリスト町田徹氏が、ダイヤモンドオンラインに、「最後まで出来レースだった日本郵政騒動 真相拒んだ上げ潮派の圧力」という記事を掲載している。郵政民営化は完全な虚妄である。

リンク先は、http://diamond.jp/series/machida/

「「かんぽの宿」叩き売りの「出来レース」疑惑に始まった日本郵政騒動が、西川善文社長の続投を認める「出来レース」で幕を閉じようとしている。続投を拒んでいた鳩山邦夫氏に代わって総務大臣に登用された佐藤勉氏が22日、機能する見込みの乏しい経営諮問会議の新設などを盛り込んだ非公式段階の業務改善報告や生温い社内処分と引き換えに、錚々と西川続投に同意したからだ。

 ちなみに、日本郵政が公式に業務改善報告を提出したのは、この2日後の24日のこと。露骨な続投容認姿勢に、国会では早くも麻生政権の西川氏再任責任を問う声があがっている。

 鳥瞰すると、浮き上がってくるのは、小泉純一郎元首相ら上げ潮派が、4年前の郵政選挙で得た衆議院の3分の2議席という数の力を盾に、“お仲間”の西川社長の解任を阻む圧力をかけて、胆力・才覚に乏しい麻生太郎首相がこれに屈したという構図だ。

 水面下で解任方針を撤回し、腹心の部下の鳩山前大臣に詰め腹まで切らせておきながら、「民間企業への介入には慎重であるべきだ」と取り繕おうとした首相の態度は、指導者として情けなった。

 だが、国民から見て本当に残念なのは、民営化の美名の下で、「かんぽの宿」だけでなく、数々の出来レースや私物化、利益誘導が行われ、国民共通の資産が食い物にされたのではないかという疑惑が放置され、実態がほとんど解明されなかったことである。

 民主、社民、国民新の3野党は今後も、国会で追及を続ける構えだが、野党だけでは、立法府の限界や衆議院での議席数不足の壁に当たる恐れがある。現状では、郵政民営化が政治史の汚点として記録される懸念だけが強まっている。

 前大臣として、鳩山氏はよほど腹にすえかねているのだろう。23日午前、記者団から、佐藤新大臣が西川社長の続投にお墨付きを与えたことの感想を求められて、

「麻生太郎首相は致命的な判断ミスをされた。それがそのまま続いている」

 と、憮然とした表情で語ったという。

 対照的なのは、上げ潮派だ。菅義偉選挙対策本部副本部長は22日夜のニュース番組で、勝ち誇ったかのように

「続投は当然だ」と、コメントした。

世論調査では大半が
西川社長続投に反対

 上げ潮派は、小泉純一郎元首相らが要所で麻生首相や日本郵政の社外役員らに圧力をかけて、「西川社長の解任は、民営化の後退だ」と続投を認めるようごり押しした。こうした形振り構わぬ振る舞いによって、西川解任を阻止することに成功し、勝利の美酒に酔っているという。

 しかし、必ずしも、上げ潮派が自民党内の大勢とは言えない。もともと、「市場至上主義」的な上げ潮派に対する根強い反発があるうえ、今回の騒動で、各種の世論調査で西川続投を不当とする声が7~8割に達していることが上げ潮派批判を勢いづかせている。

 世論に押される形で、党3役のひとりである笹川尭総務会長は23日の記者会見で、西川氏が辞任せずに、報酬の30%を3ヵ月返上する減給処分を打ち出したことに触れ、「責任を認めたのなら、辞めた方がいい」と心中を吐露する場面もあった。

 また、早い段階から、小泉チルドレンの中にも、「認可権を持つ所管大臣が再任に反対しているのに、ごり押しするなんて異常だ。周囲と一緒になって行動したら、あとで恥をかくのではないか」と筆者に複雑な胸中を打ち明けて、どのような態度をとるべきか相談を持ちかける議員もいた。

 実際のところ、最後まで、出来レース色は濃かった。そもそも24日に提出される予定だった公式の業務改善報告の内容を見て、関係大臣らとの協議を開始するはずだった再任の認可を、改善報告案の打診があった22日の段階で繰り上げて与えてしまったことは、その象徴だ。

 また、佐藤大臣が西川社長の続投を容認する根拠とした再発防止策の最大の柱である「経営諮問会議」も、実効があがるかどうかがはなはだ疑問な内容だ。日本郵政は、西川社長名の佐藤大臣宛ての書簡で、経営諮問会議について、「ガバナンスの改善を図るため、『日本郵政グループ経営諮問会議』を設置し、広く意見を求め、適切に説明責任を果たしているかについての監視を求めます」としたうえで、その議長職に関して「取締役会の経営監視機能を強化するため、3ヵ月以内に取締役会長を社外取締役の中から選任することとし、同時に『日本郵政グループ経営諮問会議』の議長を兼ねることによりガバナンスの改善を図ります」と述べている。つまり、新たにポストを設ける会長が兼務するというのだ。

 この経営諮問会議について、佐藤大臣は22日、総務省内の廊下で、記者団の質問を受け、「第3者の視点を導入するもの」「基本線は了承した」などと肯定的な評価をみせた。現在の社外取締役の中から会長・議長を選んで、お茶を濁そうとする日本郵政に対して、佐藤大臣が、外部から新たな人材を招へいさせる含みをもたせるため、水面下で「3ヵ月以内」と書き加えるように主張し、日本郵政がこれに同意したという。しかし、この程度の修正で、西川続投を繰り上げて認めるなど甘いと言わざるを得まい。というのは、経営諮問会議は、西川社長の諮問機関に過ぎないからだ。

 日本郵政の社内組織と言えば、野党3党から刑事告発を受けていた西川氏の社長続投を、ろくな議論もせずに全員一致で容認した「指名委員会」や、「問題はたくさんあったが法律違反はなかった」というお手盛りの結論を出した「第3者委員会」という名称の社内調査委員会などの例で明らかなように、経営の監視など覚束ない。

業務改善計画提出の前に
西川氏続投を認可した拙速

 実効をあげたければ、国会や総務大臣が直接かつ広範に、資産売却や資本・業務提携を監視する枠組みと、徹底的に日本郵政の活動の情報開示を義務付けるルール作りが必要なことに議論の余地はないはずだ。

 また、社外役員については、そもそも、現在のメンバーには、取締役会で「かんぽの宿」の叩き売り構想を阻止できなかった責任がある。従って、新たな社外役員の登用を求めるだけでなく、現在の9人の役員にそのことの責任をとらせることも必要な措置だったはずである。本来ならば、「チーム西川」と称された4人の経営幹部を三井住友銀行グループに戻すだけでなく、西川氏や社外役員が引責辞任すべき問題だったのだ。

 繰り返すが、当初の佐藤大臣の説明によると、今回の西川社長の続投の認可は、本来、24日に予定されていた日本郵政の業務改善計画の提出を待って、その中身を検証したうえで、財務大臣や官房長官とも協議のうえ、判断をくだすはずだった案件だ。ところが、実際は、突然、22日に繰り上げて認可してしまった。こうした拙速の弊害は決して小さくない。

 第一が、佐藤大臣が公約した「かんぽの宿」問題の抜本的な再調査をいい加減に済ませた格好となったことだ。この調査は、19日の衆議院総務委員会で、国民新党の亀井久興議員の問い掛けに応じて、佐藤大臣が約束したものだった。

 ちなみに、亀井議員の再調査要求の背景には、税務上の価値が860億円もあるのに、オリックス不動産と合意した109億円という売却価格が「かんぽの宿」の売却価格として正当であると日本郵政が言い張った根拠(帳簿価格の122億円)が「減損会計を悪用したでっちあげではないか」との情報があったとされる。ところが、22日の報告案、24日の報告の両方を見る限り、日本郵政は、この帳簿価格について、従来と同じ主張を繰り返しただけだ。これは再調査ではないし、再調査をしたと言えるような報告内容も得られていない。

 麻生政権として、こうした「かんぽの宿」疑惑の根幹にかかわる問題に関する再調査の約束を反故にしたことが、疑惑を一段と深める原因となっている。

 それだけではない。ここへきて、「かんぽの宿」以外の出来レース疑惑も放置できないとの見方が一段と強まっていたのだ。

 具体的な案件は、いずれも筆者が2、3月の本コラム「『かんぽの宿』情報開示拒む郵政に、メルパルクや宅配でも不透明の指摘」「専務が三井住友銀行の社宅住まい 日本郵政に持ち上がる新疑惑」などで示唆していたものだ。

 例えば、昨年5月。クレジットカード会社の提携先変更に伴い、それまで実績のほとんどなかった三井住友カードを選んだ問題だ。郵政はそれまで、40を超すクレジットカード会社と提携していたが、シェアでみて2.5%の6位に過ぎなかったジェーシービーと同じく0.2%で18位の泡沫業者に過ぎなかった三井住友カードの2社を抜擢したのである。

 その背景として、筆者が指摘したのが、西川社長のほか、三井住友銀行の社宅に住み続いていた横山邦男専務執行役、旧住友銀行で主に営業畑を歩んだあと、住友クレジットカードサービス(現三井住友カード)で専務、副社長を務めた経歴を持つ宇野輝ゆうちょ銀行常務執行役(6月24日付けで退任)ら三井住友銀行出身者が決定に関わっており、公正な選択と言えない可能性があるのではないかという問題だった。

 この問題で、西川社長は従来の国会答弁で「当初からの選定には加わっていない。最後に報告を受けただけだ」と釈明していた。ところが、最近になって、最終決済文書が発見され、西川社長が社長印を押しており、社長本人が最終決裁者だったことが判明したのだ。このため、共産党の大門実紀史議員が23日の参議院財政金融委員会で、民主党の武内則男議員が24日の同行政監視委員会で相次いで、「虚偽答弁」と追及する場面があった。西川社長は両委員会で、「説明不足があって、結果として誤解を招いた」と釈明したうえで、「お詫びする」と頭を下げた。が、肝心の、なぜ、三井住友カードを選んだかについて、合理的な説明をできないまま、時間切れを迎えており、追及を続けなければならない状況が残されている。

日本通運との提携にも
「出来レース」疑惑

 また、これも以前に指摘した問題だが、日本郵政と日本通運の提携話にも、改めて「出来レース」疑惑を指摘する声が高まっている。

 筆者は、日本郵政が1月23日、日本通運との間で合意していた宅配便事業の統合に関して、唐突に、会社分割を取りやめて、事業譲渡によって統合するとプロセスを変更したことに触れ、「かんぽの宿」と同様の手法から、当時の鳩山大臣の認可権限が及ばない手法に変更した可能性があると指摘した。

 この案件が、(1)そもそも提携相手として、日通を選択した過程に日本郵政幹部による「出来レース」疑惑がある、(2)郵便事業会社の主力業務である「ゆうパック」を日通の赤字事業の「ペリカン便」と統合する新会社、主力業務を失う旧会社の郵便事業会社の新旧2社両方の経営が脆弱になる恐れがある―ことから、改めて問題視されている。この問題も、国会などで論争の的になる可能性が高まっているというのだ。国民新党の長谷川憲正議員も、25日の参議院総務委員会で、この問題の再調査を要求、佐藤大臣に認可の取り消しも含めて検討するとの言質を取っている。その一方で、2006年1月に民営化の準備会社だった日本郵政の代表取締役社長に就任したものの、西川氏は、現在の同グループの最大の経営目標であるグループ3社の上場へ向けたビジネスモデルの構築ができていない。郵便貯金の残高にしろ、郵便物の取扱件数にしろ、長期減少傾向から立て直しをできずにおり、2009年3月期も当初見通しを下回る決算しかできていないからだ。

 しかも、上場、将来へ向けた展望を示すため、昨年秋に公表するとしていた中期経営計画をいまだに公表すらしていない。

 三井住友銀行で頭取まで務めたことで、西川氏の経営者としての能力は過大評価されているのではないか。本来、組織のできあがった大銀行で、評価を得て出世するのと、民営化企業で新たなビジネスモデルを構築するのでは、求められる能力は必ずしも同じでないはずだ。

 加えて、見過ごせないのは、「金融は自分が一番よく知っていると考えているのだろう。西川氏は社内、グループ内の声にほとんど聞く耳を持たない」と嘆く声が内部に多いことだ。銀行預金と郵便貯金は運用実態ひとつをとっても大きく異なるし、簡易生命保険、郵便事業については、西川氏はズブの素人なのだ。こんなことで、日本郵政グループの総裁がつとまるワケがない。

 このように、様々な問題の検証をなおざりにしたまま、佐藤総務大臣が西川社長を再任したことの責任は重い。

「民間企業への介入」ではなく
総務大臣の正当な「職権」

 最後になったが、麻生首相が、水面下で鳩山前大臣に指示していた西川社長の解任方針をさっさと撤回し、筋を通そうとした鳩山氏を事実上の更迭にしておいて、「民間企業への介入には慎重であるべきだ」と取り繕おうとした問題に触れておきたい。

 この理屈は早くから、今なお、上げ潮派の総参謀的な立場にある竹中平蔵元総務大臣がテレビの討論番組などに出演し、強調していた理屈でもある。が、まったく的外れの議論である。

 まず、これまでも各方面で、何度も強調してきたが、日本郵政は民間企業ではない。一般の民間企業は商法・会社法に基づいて設置されるが、日本郵政は日本郵政株式会社法という特別法で規定される特殊会社だ。しかも、現状では、日本政府が発行済み株式のすべてを保有する政府の100%出資会社である。竹中氏らが喧伝してきた「民営化」は、正確には「株式会社化」に過ぎない。

 加えて、日本郵政株式会社法は第9条で、「取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない」と規定している。換言すれば、日本郵政の取締役人事について、その適性をみて審査・同意するのは、総務大臣の「職務」なのだ。「介入」などでは、あり得ない。権限・根拠がないのに麻生首相に圧力をかけた上げ潮派こそ、「介入」批判を受けるべきだろう。

 さらに言えば、あの竹中氏の国務大臣当時の興味深い発言もある。参議院の郵政民営化に関する特別委員会の2005年8月3日の質疑で、郵政民営化関連法案が議論の俎上にのぼり、田中直紀議員が「(郵政の)経営委員会委員の任命に国会承認という条件を付け加えるべきではないか」と問い質したことがあるのだ。これに答弁したのが、当時の竹中平蔵大臣だった。

 竹中大臣は、「この経営委員会の委員もこの民営化会社の取締役(日本郵政の取締役が兼務することを指す)でございまして、そして主務大臣の認可によって適正な選任が確保されるものと考えております」と答弁している。つまり、会社が適正でない取締役を選ぼうとしたとき、それを拒むのは総務大臣の職権だと明言していたのである。

 西川氏の解任を阻むために、竹中氏が、総務大臣の職権について、立法化時点と最近で180度異なった議論を展開しているのは明らかだ。麻生首相は、鳩山解任を責められたとはいえ、立場を異にしたはずの竹中氏のこの程度の議論を「民間企業への介入には慎重であるべきだ」と借用し、取り繕おうとしたのだ。この場合、この言葉がどれほど相応しくないか明らかだろう。

 上げ潮派に圧力をかけられて、麻生政権が日本郵政の西川社長続投の容認に転じたことから、同社は、29日の株主総会後の役員会で西川社長の続投を決定する構え。現時点では、この人事を阻止する権威は見当たらない。

 しかし、縷々述べた通り、多くの疑惑が今なお解明されずに残されており、西川社長がその職にとどまる限り、国会やメディアの厳しい追及が続くのは確実。実際、民主、社民、国民新の3党は25日午後、合同で幹事長級が会する緊急集会を開き、「日本郵政西川社長の辞任を要求するとともに、麻生内閣と佐藤総務大臣の責任を追及していく」との辞任勧告決議を採択した。与党にも、西川社長続投に対する不満は根強い。こんな政治状況が続くのが確実な中で、日本郵政の経営が正常化するとは考えられない。」

Corrupt Postal Priatization 137

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00157841.html

フジテレビの朝のニュース。

Takatoki

閑話休題 高時である。Photo

Corrupt Postal Privatization 136

我田引水を東京新聞が報道したが、なぜか、検索サイトには出ていない。ただし、その内容を紹介するサイトがあったので、リンクを貼る。これだけの疑惑があって、不正がないとは、茶番劇としか言いようがない。国が乱れている証左である。

http://plaza.rakuten.co.jp/articlenine/diary/200906240000/

Corrupt Postal Privatization 135

読売新聞の調査では、日本郵政は、旧郵政公社時代の2004年から昨年にかけて、一括売却した旧郵便局などの不動産計634件のうち、約7割に当たる434件がすでに転売されていたことが判明しているというが、その転売の最終価格まで調査できているのであろうか。野党の中にも、数百万円の手数料がかかったが、すべての登記簿を入手し政党もあるようであるが、転売の最終価格が元の売値とどのような関係になっているかが検証される必要がある。一部の企業に利する目的があったのではないかと指摘は依然として有力であり、既に刑事告発も行われていることでもあり、日本という国を挙げて調査を行うべきである。読売新聞社は、もし、政府が転売の調査を行わない場合は、逆に特ダネ報道となる可能性大である。空前の件数であるから、膨大な取材の労力がかかるが、天網恢恢疎にして漏らさずで、悪い情報でも、隠した情報でも、ラクダの歯の間からもいつかは漏れるものである。転売情報が明るみに出ることを期待したい。

Corrupt Postal Privatization 134

 不思議な話である。日本郵政のかんぽの宿の不正売却事件が発覚してから、鳩山総務大臣が解任されると言う事態が発生し、西川社長の背後関係を含め、大きな政局となっているがその渦中で、三井住友銀行から幹部が大量に入り込んでいたという。下記は、朝日新聞の報道であるが、出向人事だとの報道である。横山邦男専務については、赤坂の料亭での外資企業との接待のことなど、週刊誌を賑わしており、また、野党から刑事告発を受けている人物であるが、その他にも、「チーム西川」などの名称で、権勢を誇っていた者がいるらしい。これを、戻す、と発言したようであるが、そういう出向人事自体が、おかしなことである。三井住友銀行の説明を聞いてみたいものである。三井住友銀行は、日本郵政からいかなる情報を入手したのか、既に、カードの不正が報道されているが、その他の住友銀行との癒着が精査される必要がある。もし、三井住友銀行がガバナンスに優れた企業であるならば、一旦、元の頭取にくっついて日本郵政に移籍して、国民の財産の私物化に荷担した、出向社員?を戻すべきではない。高木副社長のように、元金融庁長官でありながら市場原理主義に荷担した元高級官僚もいるが、さすがに、金融庁に戻るわけにはいかないだろう。懲戒を行った上で、退職金も大幅に減額するべきである。そうした部下職員の放縦を見逃した他だけでも、西川社長の経営能力のずさんさにはあきれかえる。不正が幅をきかせて、忠言をした総務大臣が解任されると言う、世も末の現象である。そうした、出向人事を野放しにしてきた大銀行としての三井住友銀行も相当腐敗した銀行であるらしい。それから、報道を見ていて不思議なのは、給与の絶対額が発表されていないことで、いくらの内の三割の減額なのかは分からない。西川社長は、退職金をいくらもらっていたのか‥等々も明らかにされていない。懸念されるのは、財務省からの天下り官僚などに対して、お手盛りの高級の役員手当が支給されてはいないかと言うことである。ちなみに郵政公社時代の御用学者の社外理事は、一月一回の理事会に出席して、わずか2時間程度の出席で、給与が約三十万円を取る者もあったと言われているが、講演会の謝礼と比較してもかなりの高水準である。民営化して、コンプライアンスが聞かなくな李、お手盛りとなっている可能性があり得る。日本郵政と三井住友銀行の間の出向人事に関する合意の内容なども公開されるべきである。

「日本郵政の西川善文社長は23日の参院財政金融委員会で、出身母体の三井住友銀行から日本郵政に出向中の幹部4人を近く辞任させ、三井住友に戻す方針を示した。横山邦男専務執行役、後藤英夫秘書室長、百留一浩グループ戦略室長、奥村真コーポレート・コミュニケーション部次長の4人。西川氏の側近で、社内外で「チーム西川」と呼ばれている。西川氏は「佐藤総務相からの指示もあり、すみやかに銀行に戻したい」と述べた。大門実紀史氏(共産)の質問に答えた。」

Corrupt Postal Privatization 133

 時事通信の報道である。時期が悪すぎるだけではなく、市場原理主義に労働組合の幹部がが賛同したという、決定的に国民の利益に反する行動である。お仲間資本主義の典型であり、労働組合とは何かという基本的な問題を提起する不祥事である。経営参加でもない。単に籠絡されたとの話ではないだろうか。かんぽの宿の不正売却などに絡んでいればことはもっと重大であるが。http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009062400850 いかなる背後の取引があったのかが、追求されてしかるべきである。

「日本郵政子会社の郵便局会社は24日、日本郵政グループ労働組合の山口義和委員長を同日付で監査役に起用する人事を発表した。「かんぽの宿」売却問題に端を発した一連の混乱が続く中での就任。また、同労組が支持する民主党は日本郵政の西川善文社長の続投に反対し、与党と全面対決しており、関係者からは「時期が悪すぎる」との声も上がっている。(2009/06/24-18:34)」

Corrupt Postal Privatization 132

琉球新報の社説である。「西川社長続投 報酬減でお茶を濁されても」との題がつけられている。沖縄戦が終結した記念日であった23日の翌日に掲載された社説である。慰霊祭には、総理大臣と、更迭後の総務大臣も(沖縄担当であるから)出席したとの由である。日本郵政は「株式の100%を政府が保有しており、普通の民間企業とは全く性質が異なる。首相の発言は、自らの責任を放棄しているとしか映らない。」とある。沖縄では、軍用地が払い下げられ、沖縄郵便貯金会館の改築予定地となっていたが、沖縄戦で郵便貯金通帳などを失った沖縄県民に報いる趣旨を放棄して、改築も行わず、遊休地として、日本郵政はその土地をオリックスの関係不動産会社に払い下げた。その点は、かんぽの宿の売却と同時期に、昨年末に沖縄タイムスが報道して明らかになっていた。本土のマスコミはその経緯について一切報道していないようである。東風平町にあった運動場が、地元の学校法人に、巨額で転売されていたことは、国会の質疑で明らかになっているが。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-146258-storytopic-11.html

 「佐藤勉総務相が西川善文日本郵政社長の続投を認めた。宿泊保養施設「かんぽの宿」の売却問題などを受けた業務改善命令への対応を見て社長の進退を判断する―とのポーズを取っていたが、続投は当初からの既定路線でしかない。
 麻生太郎首相に社長を交代させる意思があるなら、鳩山邦夫前総務相を更迭する必要などなかったからだ。お粗末な茶番劇を見せられているようで、後味が悪いことこの上ない。
 西川社長は報酬の30%を、高木祥吉副社長は報酬の10%を3カ月間返上するという。こんな姑息(こそく)な社内処分で納得する国民がどれだけいるのか。
 共同通信社が今月13、14日に実施した全国緊急電話世論調査によると、「西川社長は辞任するべきだ」という回答が75・5%に達し、「社長を続けるべきだ」は17・2%にすぎない。
 日本郵政は昨年、「かんぽの宿」70施設をオリックスグループに一括譲渡することを決定したが、手続きが不透明な上、売却価格が不当に安かった。契約は白紙撤回され、日本郵政は今年4月、総務省から業務改善命令を受けている。
 そもそも、オリックスの宮内義彦会長は郵政民営化の検討にかかわった人物だ。鳩山前総務相が「出来レースと受け取られかねない」と指摘したのも無理はない。
 国民の間に、西川社長の辞任を求める声が強いのは、日本郵政が説明責任を十分に果たしていないことが最大の要因だろう。
 社長らの報酬減額でお茶を濁す前に、なぜ本来の資産価値を大きく下回る価格で売却しようとしたのか、どのような瑕疵(かし)があり、誰に責任があるのか、一切をつまびらかにすべきだ。
 麻生首相は17日の党首討論で「郵政会社は、間違いなく民営化された株式会社だ。政府の介入は最小限にとどめるべきだ」などと述べているが、株式の100%を政府が保有しており、普通の民間企業とは全く性質が異なる。首相の発言は、自らの責任を放棄しているとしか映らない。
 「西川社長を辞めさせれば改革後退につながる」という自民党内の主張は、日本郵政の不祥事という本質的な部分を覆い隠し、矮小(わいしょう)化するものだ。国民にとって最も重要なのは、日本郵政の経営を透明化し、いかなる疑惑も生まない健全な体質にすることだ。」

Corrupt Postal Privatization 131

郵政民営化は、外国勢力の謀略が加わっていることはほぼ明らかであるが、それについて、当時のウォールストリートジャーナル紙のコピーが映像として掲載されているご。参考まで。http://amesei.exblog.jp/9892475/

Corrupt Postal Privatization 130

日本郵政の人事をめぐるどたばたが続いている。西川社長の続投を、佐藤総務大臣が決めて、最終的にが麻生首相が了承したとの報道であるが、むしろ国民世論の反発はいよいよ高まっている。国民新党や民主党など野党三党は、西川社長の辞任を求めて集中審議を要求することを決めている。29日が、株主総会、と言っても、財務省が通常であれば出席するだけの形式行為は取られるようであるが、今回は、招集場も発出されないとどこかで読んだが、しかも、何かにおびえて隠し事があるかのように、24日には、ゆうちょ銀行と郵便局会社、25日には、かんぽ会社、郵便事業会社の株主総会の日だそうである。その既成事実化もあって、親会社の続投を急いだとの見方もあり得る。単なる人事の問題ではなく、巨大な暗闇のような、約300兆円の国民資産の運用法法をめぐる争いであり、事態が情報公開すればするほど、国民の怒りは高まることになる。「官から民へ」と言う根拠のないスローガンは、単なる公共の財産の私物化であったことが露呈している。
 今回の騒動に対して、は鳩山邦夫総務相のひとり芝居で、結果的には違法行為は見つからなかったなどと述べる評論家やマスコミがあるが、全くの事実誤認である。そもそも総資産100兆円を超える簡易保険の中で、100億円の資産売却だけをこれほど騒ぐ意味があったのかなどと麗々しく述べる向きがあるが、鳩山前大臣は、大臣の権限の中で偶然に、郵政民営化という巨大な虚妄の綻びとなる糸口を、偶然にも見つけることとなったのである。天佑とも言えるかも知れない。かんぽの宿の問題に留まらず、一一列挙するいとまもないほどの疑惑がリストアップされつつある。
 民営化されたNTTもJRのばあいであれば、株主である財務省は株主総会には出席するだけで、何も発言しなくてもよかったのであり、、その方が、経営は民間にまかせ、法令違反などの特別な問題にかぎって政府が介入すると言うと特殊会社の良さが発揮されたのであるが、今回の郵政民営化は、露骨な私物化と、外国勢力の関与があり、NTTやJRの民営化とはまったく異なり、国民資産の収奪を防止する観点から、総務大臣が介入せざるを得ない状況にあった。まったく国民の権利を代表する国会議員として、あるいは閣僚として適切な行動であったと考えられる。

 さらに奇妙なのは、そうした国民の利益を主張しようとした鳩山大臣を引きずり落とす政治勢力が暗躍して、しかも国民資産を外国に移転することがあたかもいいことのように主張する勢力が見られることである。対立の問題の根は深い者があることが伺える。事実が公開されると不都合な真実が明らかになることをおそれる勢力が垣間見えるのである。

 民営化した日本郵政は、わずか一年で疑惑のデパートのような存在と成りはてており、情報公開度も急速に劣化したと言われている。識者の中には、日本郵政が公共機関として経営していた時代を、あしざまに言う評論家もいるが、実は、郵政公社時代の最後の決算の方が、郵政民営化後の決算よりも内容的にも健全なのではないだろうか。郵政公社後の発足後2年目の決算などは、非常にバランスのとれた形であったのではないだろうか。民営化して何もいいことがなかった、民営化反対の政治活動ができるようになったことだけがよかったとの皮肉な評価が定着してしまった。

 自民党が、市場原理主義の巣窟になってしまったようであり、旧来の保守勢力の拠点ではなく、外来勢力の牙城と成りはててしまった。与党内の保守勢力の奮起を期待する点でも鳩山邦夫議員の活躍に期待したい。小泉政治の中で、与党の中の保守勢力は破壊されてしまったようである。政権が空中分解してきているようであるから、今までの野党であれば、政権を取ったとたんに政策が矛盾して行き詰まると言われるのであるが、今は、政府与党が、市場原理主義と言う虚妄の勢力に自家撞着を起こしてしまっており、むしろ野党が現実感覚を保有するという奇妙な政治状況に陥っている。
 
 日本郵政の西川社長続投は、国民を愚弄するものである。郵政民営化の真昼の暗黒を継続させてはならない。むしろ、私物化と外国勢力の容喙ををいかに排除していくかを具体的に行動計画を考えるべきタイミングである。特定銀行や自動車会社、商事会社などの郵政利権の支配を許してはならない。「進駐軍」の敵前逃亡をゆるしてはならない。刑事告発も既に行われていることでもあり、法と正義に基づいた処理が行われるべきである。郵政民営化法は刺客選挙という憲法違反の適正な手続きを欠いた、つまり、正統性のない手続きの中で成立させられた欠陥法律であり、早々に見直し改正が行われることが必要である。政権交代の場合は、直ちに実行されるべき法改正である。

Corrupt Postal Privatization 129

 週刊誌の内容はほとんど、ネットに出ない。見出しぐらいはあるが、中身は買って手元で読まなければならないようだ。日本の週刊誌は、火のないところに煙は立たないとばかりに書いており、新聞が書かない、あるいは書けない?部分をちゃんと深掘りして書いている記事も多い。

 サンデー毎日の7月5日号、と言っても今週の月曜日6月22日に発売の記事に、障害者郵便不正事件について、特捜「政治家逮捕」の虚々実々という見出しで、特集記事を掲載している。事件の構図を書き、偽造証明書の発行が事件の端緒になったとして、厚生労働省の女性局長が関与したとされるから、その前局長の素顔を囲み記事で説明しながら、さらなる端緒として、国会議員による「口利き」をあげる。前局長の上司が民主党の副代表からよろしくと電話を受けたと供述していると言う、と書き、今後の捜査の焦点は、政治家への事件の関与の有無に尽きるだろうと書いている。倉沢容疑者が石井議員の施設費慮だったことが判明しているので、石井議員の関与を否定していると書き、電話をかけただけで犯罪と捉えるのは困難だとして、口利きの見返りがあれば、あっせん利得容疑が浮上するが、周辺は自信満々の様子だと書いている。

 次の小見出しは、「法案根回しなら与党側が自然」、と付けているが、この記事の特徴付けているところで、名前が表面化した政治家は何れも民主党議員であるが、本当にそれだけだろうかと疑問符を提出するのが、この記事の深掘りしていることで、週刊誌としての面目躍如のの特徴が出ている。

当該記事の後段の部分を引用する。

「今のところ表面化した政治家は何れも民主党議員だが、旧郵政省キャリア官僚だった長谷川憲正参院議員(国民新党)は「本当にそれだけでしょうか」と異論を唱える‥「私も役人だったから分かりますが、その常識から言えば、野党議員の口利きだけで役人人生を棒に振るような不正を行うことは考えられません。重要法案の根回しが動機というのなら、むしろ与党側の、それも大物の存在があったと考えるのが自然でしょうね」(長谷川氏) 「障害者自立支援法の根回しもあり(村木前局長に)「しっかり対応してほしい」と指示した」とも供述していると言うS氏は在職当時、「役所にいる時間より永田町にいる方が長かった」(厚労省幹部)と言われるほどだが、ここで登場するのが西日本の自民党ベテラン衆院議員だ‥有力厚労族として知られるこの議員はS氏と同郷で「S氏は盛んに議員会館に出入りしていた」(同)という。それだけではない。村木前局長が偽造証明書の発行直前、「証明書を出すので、凜の会に割引制度の適用を認めてほしい」と電話したとされる日本郵政公社幹部(当時)は現在、「郵便局株式会社」の副社長を務める。そしてこの副社長は、小泉純一郎元首相が郵政相当時、大臣秘書官を務めた人物なのだ。「(当時の郵政公社幹部が)当社の副社長なのは事実ですが、副社長は「村木前局長とはまったく面識はないし、村木前局長から電話を受けた記憶もない」と話しています」(郵便局株式会社広報室) 6月19日に開かれた西松建設前社長の初公判で、検察側から「天の声」を指弾された小沢一郎代表代行の公設第一秘書による政治資金規正法違反事件に続き、所属議員の疑惑に直撃された民主党からは、「例え石井さんが電話をしていたとしても、それで全部の不正が行われたという論法はおかしい」「(政権維持のために)自民党は必死なんだろう」という本音も漏れる。事件の「主犯」は民主党か自民党か、それとも「議員案件」に過剰反応した役人の保身と出世欲かーーー。衆院解散・総選挙をにらみつつ、「西」の特捜による「政治家逮捕」をめぐる虚々実々の展開は、まだまだ続きそうだ。本誌・青木英一」。優れた署名記事である。

 いずれにしても、民営化された郵政会社を巻き込んでの、しかも障害者の為の割引制度を悪用すると言う、きわめて悪質な事件であるので、郵政会社側としても事件の全容を情報公開すべきであろう。障害者自立支援法とは、名うての悪法で、小泉政治の典型的な無慈悲な市場原理主義の典型的な立法であり、郵政民営化と並んで虚妄が白日の下にさらされていくことを期待したい。

Corrupt Postal Privatization 128

郵政民営化により、持ち株会社としての日本郵政の他に、郵便局会社、に元の三事業の郵便事業、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の合計4つの子会社?があるが、その子会社の株主総会が、24日、25日と開催されるようである。郵便局会社とゆうちょ銀行が24日、25日はかんぽ生命と郵便事業会社の株主総会であるが、すでに、持ち株会社だけが株主であるから、同意書が発出されており、会議は特段開催されなくても、人事案件などが採択される運びであるとの情報である。持ち株会社の人事が今日中にも事実上確定せざるをやなかったのも、こうしたところに背景があるのかも知れない。通常の民間会社であれば、それぞれの人事案を明らかにするところであり、そうしたところを情報公開を行わないままで強行することは、違法行為があるとは言えないにしても、常軌を逸失して、なにか、重要なことを国民の目から隠すような動きである。持ち株会社の人事が、色々な議論と批判を浴びる中で、子会社の中に、社外重役やその他の取締役として、人事が含まれているだけに、一括して議論の対象とされる必要がある。放的な問題はないと強弁することが予想されるが、政治的にも道義的にも、こうした国民資産の私物化が追求されてしかるべきである。再三指摘しているところであるが、市場原理主義は、民主主義の基本である、適正な手続きをまったく尊重しない拝金の思想であり、情報公開などは、まったく尊重する気配がなく、むしろ秘密結社のような団体を構成する傾向すらある。そもそも、世界最大の国民資産に関与する、ゆうちょ銀行や、かんぽ生命の株主総会に、本来の株主たる国民の意向がまったく繁栄されない構図が、そもそもの虚妄である。今後の国会での質疑によって、経緯が明らかにされることを期待したい。

Corrupt Postal Privatization 127

驚くべき決着である。日本郵政の社長人事について、麻生総理と佐藤総務相とが官邸で、続投を認可するとの総務相の報告を基本的に了承したという。

 日本郵政の社長人事問題は、西川氏の続投に反対した鳩山邦夫・前総務相の更迭、西川氏の続投という形で決着させる見通しとなった。

 日本郵政の社内処分は、西川社長のほか経営陣4人が自主的に報酬を返上する内容であるが、巨額の資産の不正な売却があり、高笑いがとまらないような処分である。

 「かんぽの宿」売却に深くかかわるなどした宿泊事業部長の担当を変更し、更迭するなどとは、本当に郵政の役人あがりの部長を遠慮なく切り捨てることとしたようである。哀れなことではある。

 日本郵政は経営体制の改革も行い、会長職に、3か月以内に社外取締役から1人を選任する。経営監視のための組織「日本郵政グループ経営諮問会議(仮称)」を新設し、会長が議長を兼ねるというが、社外取締役は、奥田碩・トヨタ自動車相談役、牛尾治朗・ウシオ電機会長、丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長ら財界人が名を連ねているものの、いよいよお仲間資本主義、市場原理主義の特徴ではあるが、が強化されるに過ぎないことは容易に予想できる。いよいよ、日本郵政の私物化が進むこととなった。

 日本の政治経済の再興を図るためにも、日本郵政の私物化と外国勢力への国民資産の移転を回避しなければならない。それにしても、正義の鳩山大臣を更迭して、不正の経営者を放置することは本末転倒である。世もいよいよ末の状況である。永田町と霞ヶ関にはよれぼし(妖霊星)が出ているようであり、政治家が異類異形の者に操作されているのではないか。国の乱れの大いなる兆候である。

下記ご参考まで。太平記巻五 関東田楽賞翫のこと より、

 ある夜酒盛のありけるに、相模入道数盃を尽くし、酔ひに和して立つて舞ふ事やや久し。若輩の興を勧むる遊宴にもあらず、また狂言のあやを工みにする戯れにもあらず。相模入道ただ一人立つて、数刻舞ひ給ひしかば、さして興あるべしとも覚えざりけるに、新座・本座の田楽ども、その座敷に並び居て、面々にはやしける拍子をかへして、「天王寺のや、よれぼしを見ばや」などぞ歌ひける。ある女房この声を聞いて、あまりの面白さに、障子の破れよりこれをみれば、新本の田楽どもと見えつるは、一人も人の形はなくて、異類異形の鳶、山伏の体にてぞありける。


(ある夜酒盛りがあり、北条高時は盃を重ね、酔いの勢いで立ちあがってしばらく舞っていた。若者が座を盛り上げようとする舞いでもなく、ざれごとを巧みに面白く見せるものでもなく、高時がただ一人で立って数時間舞っていたので、さして面白みのあるものでもなかったのだが、新座・本座の田楽士たちがいつのまにか座敷に並んで、めいめいに拍子をとって囃し立て、「天王寺に現れる妖霊星を見たいものだ」などと歌っていた。ある女がこの声を聞いて、あまりの面白さに障子の破れ目からこの様子を覗くと、田楽士と見えたものは、一人も人間の姿はなく、妖怪変化の鳶が山伏の姿をしているものであった。)

Corrupt Postal Privatization 126

時事放談その3

Corrupt Postal Privatization 125

時事放談番組のその2

Corrupt Postal Privatization 124

時事放談の番組。日曜日に放送された番組である。鳩山前総務大臣が、出演している。

その他の重要なところがないような感じもする。その部分については、別のブログが解説している。リンクを貼る。http://blogs.yahoo.co.jp/table09302008sound/19065476.html

Corrupt Postal Privatization 123

和製エクソン・フロリオ条項のない郵政民営化は、巨大な詐欺だとの、記事が神州の泉(ぶろぐ)に掲載されている‥ご参考まで。

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2009/06/post-b3c2.html

Corrupt Postal Privatization 122

沖縄観光速報社が発行する「観光とけいざい」紙第768号09年6月15日号に掲載された社説である。簡にして要点をついた巧みな文章表現と世界経済の動向についての知識に裏打ちされた論説で、説得力があるが、特に東南アジア諸国の国債の購入に郵貯資金などの内の余剰資金を充てることについては、慧眼の策であると考える。世界銀行などの国際機関が行う資金援助などが効果を発揮していない現状は、ノーベル賞受賞者のスティグリッツ教授などが厳しく指摘してきており、単に市場原理主義の暴虐を放任すル者となる可能性がある。了解を得て、当ブログに掲載することにした。

沖縄観光速報のリンク先 http://www.sokuhou.co.jp

同社編集長の渡久地明氏の時事解説(ブログ)は、http://toguchiakira.ti-da.net/ である。ご参考まで。

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郵政問題、いかがわしい構造改革を証明

 鳩山邦夫総務大臣の辞任劇は意外だった。かんぽの宿問題で国民の財産をかすめ取ろうとした日本郵政の西川善文社長の続投はまかりならぬという発言は正論である。
 キッカケは西川社長が政府の諮問委員会で構造改革や郵政民営化を推進したオリックスの宮内義彦代表のやっている会社に、かんぽの宿を大安売りで払い下げようとしていたことから始まった。
 構造改革推進派からは西川社長をやめさせれば改革が後戻りすると批判が上がったが、おかしな話しだ。鳩山大臣が悪事を働いたと指摘しているのに対して何の答にもなっていない。
 この問題は第一に構造改革そのものがいかがわしかったこと、第二に国民財産を安くたたき売ろうとした悪事に対する問題と二つある。
 構造改革が間違っていたことはすでに明かだ。景気が落ち込み、消費が冷えたときには政府が赤字を出して、経済を建て直すのが定石であり、いま世界中がやっているのはこのことだ。景気回復に構造改革という考えは完全に間違いだった。 その構造改革の本丸とされたのが郵便局の民営化だった。いま改めて「郵便局を民営化したら景気がよくなる」と聞いたら、みんな目を白黒させるだろう。何で郵便局と景気が関係があるんだ。
 つまるところ郵便局の民営化というのは景気回復とは別の目的があったからだと考えた方が自然だ。いや、もし本気で郵便局の民営化で景気が回復すると思いこんでいたとしても、間違いであることがもう分かったのだから、改めるべきだ。
 では、郵便局の民営化は何が目的だったのか。まさに西川社長がやろうとしていたことそのものと考えるべきだ。
 国民の財産だった郵便局資産を構造改革派の民間人に大安売りする。安く手に入れた民間人は転売して大儲けという構造だ。これでは構造改革どころか、昔ながらの政官癒着「越後屋ー、お主もワルよのー」と言いながら袖の下を受け取る悪徳商人と悪代官の構造への後戻りである。
 さらに郵便貯金や簡易保険のカネ三百五十兆円がある。この投資先は長い間、国債であり、公共事業の財源にもなっていた。そのカネを民間に使わせろ、というのが構造改革派の狙いだった。
 世界の投資会社は確かに高利回りの案件に投資して利益を出しているところがある。それを郵便貯金のカネでやりたいと思うのは、民間企業なら自然だろう。
しかし、庶民のカネを使うなら、安全な国内にバラ撒くのが筋だろう。これまで通り、医療や福祉も含む公共投資の財源にしておくべきだ。 実際にはそれをとことんやってもまだカネは余るので、東南アジア諸国の国債をどんどん買うのがよい。アメリカ国債よりも安全だろう。アッという間に新興国は成長して、世界経済をリード、日本は感謝された上に大きな金利を受け取ることになるのである。(明)

Corrupt Postal Privatization 121

佐藤総務大臣は、22日夕刻、日本郵政の西川善文社長と総務省内で会談して、西川社長は「かんぽの宿」の売却問題に絡み、3カ月間、報酬の30%を自主返上する社内処分を説明して、総務大臣はこれを受け入れたという報道である。

 総務相は会談後、記者団に対し、西川氏の社長続投を容認する意向を表明したが、麻生太郎首相の了承も得ているとしている。

 日本郵政の高木祥吉副社長も報酬の10%を3カ月間返上する。西川氏の処分とともに、24日にも提出する業務改善報告に盛り込むという。

 佐藤総務相は、西川氏の続投を認めるのかと記者団に問われ、「一応そういうことだ」と述べたとの報道であるが、業務改善報告を見てからとの前言を翻すようなことである。

 鳩山前総務大臣は、事実上解任されたから、西川社長らの続投の可能性は高いものではあったが、少なくとも近日中の業務改善報告を見てからとの観測であったが、処分案の強弱によって、しかも社内処分をもって幕引きを図るのは、異常な、民主的な手続きを欠いた政治判断としか言いようがない。正義は鳩山前大臣の側にある実態は以前として変わらない中で、急いで決着に持ち込もうとするやり方自体が、出来レースの類であり、日本郵政の不正事件をめぐって、麻生内閣は、完全に国民に見放されることとなった。元々市場原理主義は、そうした手続き問題とかを民主主義の根幹を無視して、一部の人間の金銭的な豊かさを徹底して追求する拝金の政治思想であり、目的のためには手段を選ばない特質がある。ショックドクトリンについては、当ブログの読者は既に一定の理解を得ていると考えるが、政治あるいは経済であっても、意図的であれ自然にであれ、事態が混乱すればするほど、強硬な突破策を打ち出して、その中で撹乱工作を行って、自らの目標を達成していくという手法をとる。佐藤総務大臣は、完全に無力化されたようである。

Corrupt Postal Privatization 120

読売新聞の地方版の報道である。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20090621-OYT8T00008.htm

Shock Doctrine -Californian Style

市場原理主義を痛烈に批判して、ショックドクトリンという単行本を出版して、オバマ新政権の登場の糸口のひとつを作った、ナオミ・クライン女史については、当ブログにおいてもその主張を紹介してきた。

カリフォルニア州では、市場原理主義の経済が破綻して、州財政が破綻の様相を呈している。その中で、シュワルツネッガー知事は、元々、ミルトン・フリードマンの信奉者であり、経済破綻を、州の予算を削減して乗り切ろうとしている。経済が悪化する中で緊縮財政を続けようとする悪性であり、オバマ新政権は、カリフォルニア州に対する安易な公的資金の投入をやめている。ウォールストリートの金融資本の悪人どもが作り出した経済危機をなぜ、州民が擬制になって救わなければならないのかという、反発であり、就眠の怒りである。

カリフォルニア州は、全米最大の州であり、日本全体の面積よりも大きな州であると言うことは知られているが、経済規模でも、国に換算すれば、世界第八位の規模である。その州が、なんと243億ドルの赤字を抱えている。シュワルツネッガー知事の予算削減が実行されれば、190万人の健康保険受給者が失われ、130万人が生活保護を打ち切られる。さらに、50億ドルの教育関連予算が、削減されるという。

ビデオでは、ハンガーストライキを行っている、学校教師や、学生、地方の政治家などに対するインタビューが行われている。

どうにも、日本の状況にも酷似している。世界が、市場原理主義の誤りに気付き、政策を転換し、あるいは新政権を登場させる中で、カリフォルニア州知事同様、こうした、経済の混乱に乗じて、社会の弱者の切り捨てを行おうとしていることである。郵政民営化なども典型で、金融資本の私物化の連中を排除すべき所を、正義を主張する大臣の方を更迭してしまった。

市場原理主義に反対することが、アメリカの新政権の基本的な立ち位置である。小泉・竹中、あるいは、シュワルツネッガー知事のように、市場原理主義礼賛ではない。

残念ながら、日本語の字幕もついてはいないが、アメリカの惨状を映像で見ることができる。

Singlehanded Sailor Yonago Akio is Safe

インド洋のセイシェル諸島を出港して、海賊に襲われた可能性があるとして心配されていた、片腕のヨットマン米子昭男氏が、タイのプーケットに到着したとの朗報である。

http://yachtpals.com/akio-yonago-4155

Mahorobajapan 2

Mahorobajapan 1

Corrupt Postal Privatization 119

読売新聞の報道である。速報。http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090619-OYT1T00879.htm

「日本郵政は19日、予定していた株主総会の招集通知を土壇場で取りやめた。

 通知は唯一の株主である政府あてで、西川善文社長ら取締役の選任議案が含まれることから、通知の前に、一連の不祥事に対する経営責任を明らかにする必要があると判断した。

 会社法には、株主全員の同意があれば例外的に招集手続きを省略できる規定があり、日本郵政として初めて適用する。週明け以降も経営責任の取り方を巡り政府側と調整が続く模様だ。

 法律上の発送の締め切りが21日で日曜日にあたるため、日本郵政はこれまで一貫して19日に通知する予定で準備を進めてきた。

 これに対し政府側では、「かんぽの宿」問題を巡る改善計画や社内処分の報告書を基に西川氏の続投の適否を判断する立場から、佐藤総務相が報告前の通知を疑問とする考えを示していた。

 日本郵政は19日午後、通知の準備をいったん完了したが、政府代表として総会に出席する財務省と協議した結果、夜になって中止を決めた。」

Corrupt Postal Privatization 118

かんぽの宿の不正売却をめぐり、第三者委員会なる組織が日本郵政内部に作られ、違法性がないとの報告が行われたが、早々に馬脚をあらわした。

9日の衆議院総務委員会で、西川日本郵政社長は19日の総務委で、日本郵政公社の時に取得した不動産を売却する際、総務相の認可を得ない法令違反を犯していたことを明らかにした。平成18年3月に公社が売却した東京都内の旧社宅の土地で、公社は旧郵政事業庁から、3億4700万円で取得。当時の日本郵政公社法は取得価格2億円以上の物件の売却に総務相の認可を必要としていた。

 法令違反は民主党の川内博史衆議院議員の資料請求に対する日本郵政の5月19日の回答で判明した。だが、第三者委員会が同月29日に公表した公社時代を含む資産売却の調査報告は法令違反がないとしていた。茶番劇が指摘されただけの話かもしれない。

Corrupt Postal Privatization 117

神州の泉 さんのブログ。http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2009/06/post-70ae.html

Market Fundamentalism is Dead 22

時事通信が報道したところ次の通り。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009061800630

「株式会社が設立したLEC東京リーガルマインド大学(東京都千代田区)は18日、2010年度以降の学部生の募集を停止すると発表した。入学者が減少し、学部の累積赤字は3月末で約30億円に達していた。大学院は募集を継続する。
 LEC大は04年に構造改革特区制度で開校した初の株式会社大学の1つ。資格試験対策の予備校を展開する東京リーガルマインド(東京本部・中野区)が運営している。
 全国に14キャンパスがあったが、志願者の減少で今年度は千代田キャンパスでのみ学部生を募集。入学者は定員160人、募集目標60人に対して18人だった。08年度は26人。学生がいる間は授業を続けるとしている。
 LEC大に対しては、文部科学省が07年1月、専任教員の大半に実態がなく、ビデオを流すだけの授業を行っていたなどとして、学校教育法に基づく改善勧告を行った。
 4年制大学では、既に愛知新城大谷、神戸ファッション造形大など4校が10年度からの募集停止を決めている。6校ある株式会社大学では、大学院のみのLCA大学院大(大阪市)が今年度から募集を停止した。
 (後略)」

辛口の日刊ゲンダイは、「LEC大学がパンク、インチキ改革のなれの果て」と、的確な見出しの記事を報道している。

http://gendai.net/?m=view&c=010&no=22358

Corrupt Postal Privatization 116

一昨日から、仙台市において開催されていた日本郵政労働組合の全国大会における委員長挨拶の資料である。かんぽの宿の売却問題については、労使協議会において整理してあったことから、総務大臣の執拗な問題提起から白紙撤回となり、組合員に大変なご迷惑をかけたことについてお詫びするという発言ぶりが、注目される。西川社長の英断によって云々と興味深い評価も見られるところである。ご参考まで。

「JP労組第2回定期全国大会中央執行委員長あいさつ

(はじめに)
 全国からお集まりいただきました代議員、傍聴者の皆さん、おはようございます。
 中央本部の山口でございます。
 第2回定期全国大会の開催にあたり、中央執行委員会を代表してご挨拶を申し上げます。
 改めまして、全国の仲間の皆さん、ようこそ宮城県・仙台市にお越しくださいました。2007年10月22日の結成大会以降、支部の再編をやりとげ、非常に厳しい事業環境の中、日本郵政グループの発展、生産性向上運動の取り組み、さらには、JP労組の組織基盤の確立・運動の構築に全力でお取り組みいただいていることに心から感謝申し上げ、中央執行委員会を代表しまして、御礼を申し上げます。
 また、本大会を受け入れてくださいました東北地方本部の皆さん、地元大会準備委員会の皆さんには、大会成功に向けて大変なご苦労をいただいたと思います。改めて感謝を申し上げます。

 本日の大会には、大変お忙しい中、ご来賓として連合から髙木会長、日本郵政グルーブを代表して西川社長をはじめ各社の幹部の皆さま方、全国郵便局長会から柘植(つげ)会長、民主党から菅代表代行、国民新党から亀井幹事長にお越しいただきました。
 また、組織内議員の中井ひろし衆議院議員、赤松ひろたか衆議院議員、小沢さきひと衆議院議員、山花いくお前衆議院議員、奥野そういちろう重点候補にもお越しいただきました。ありがとうございます。
 他にも、関係各位の皆さま方にも大変お忙しい中、多数のご臨席を賜りまして、心から感謝と御礼を申し上げます。
 また、2階・3階の一般来賓席にも多くのご来賓の皆さまにお越しいただいております。本来ですと壇上にお座りいただくべきところではございますが、諸事情をご理解いただきますようお願い申し上げます。

(第2回定期全国大会の任務)
 まず、はじめに、第2回定期全国大会の任務について3点申し上げます。
1点目は、昨年の第1回定期全国大会において決定した30万人組織建設に向けた具体的な取り組みであります。
組織の現状は、6月15日現在229,241人となり、3月期の退職や管理者への登用などの減要素を乗り越え、昨年の札幌大会比4,914人の純増、JP労組結成以来、最高の組織人員で本全国大会を迎えられたことをご報告申し上げます。この間、正社員の未加入者、新規採用者、非正規社員の組織拡大に昼夜を問わず取り組んでこられた地本・支部の皆さんに感謝を申し上げます。
また、2008年度後期の取り組みから、組織純増の視点に加え、ユニオン・ショップ協定締結のための職場過半数代表機能の確立に向けた集中行動を全国一斉に展開してきました。残念ながら全国大会前のユニオン・ショップ協定の締結には至りませんでしたが、過半数事業場の圧倒的な確立を目標とし、ユニオン・シッョプ協定の締結を早期に実現し、2009年度中を達成目標とする30万人組織建設につなげていただき、存在感ある力強い労働組合を築き上げていかなければなりません。
本部も各地本・支部と連携して、共に組織拡大行動を取り組む所存であります。各級機関のさらなるご奮闘を期待するところです。

2点目は、来る衆議院選挙において、政権与党がアメリカに追従し、新自由主義、市場原理を最優先したことから格差が拡大し、倫理観が欠如した殺伐とした社会になりつつあります。
このような格差社会の是正や倫理観を取り戻す社会をめざして、民主党が中心の政権交代を何としても実現させることであります。そして、その勢いを来年行われる参議院選挙につなげることであります。

また、来年7月に予定されている第22回参議院選挙では、JP労組の組織内候補として決定した現中央本部書記長「難波 奨二」氏の必勝に向け、運動の「選択と集中」を意識した組み立てを行い、すべての活動を「難波 奨二」氏の必勝に収れんさせ、組織の総力をあげて取り組む決意を確認する大会であります。

3点目は、運動のステージが「創生期」から「変革期」に移行することです。昨年の札幌大会で決定した「中期指針」に基づいて、3つのステージのスタートである「創生期」にあたる運動を展開してきました。来年4月からは、次のステージである「変革期」へ移行します。この「変革期」では、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の各社が株式上場をめざし、市場の評価に耐えうる企業への体質強化等が求められます。
私たちJP労組も、こうした経営環境の変化に対応した労働組合の立場を明確にする必要があり、すべてのステークホルダーに対する責任を果たすための運動展開と自己改革が強く求められます。このような環境変化に臆することなく、むしろ果敢にチャレンジして、JP労組の存在感を内外に強く示していく必要があります。

(経済情勢)
さて、日本の経済情勢は、昨年のリーマンショック以降、世界的な景気後退の影響を受け、製造業を中心とした生産調整等から、派遣切り、雇い止めなど、労働者の雇用環境は悪化の一途をたどっています。アメリカ型の新自由主義、行き過ぎた市場原理主義が、世界不況を巻き起こした大きな要因であることは間違いありません。
日本でも構造改革の名のもとに、市場原理主義を政治に取り入れたのが小泉改革であり、医療や介護といった分野まで市場原理に委ねた結果が、社会構造を歪めていると言っても過言ではありません。

  特に、近年の企業行動においては、人事管理を始め経営全般にわたって短期的視点が過度に強調されてきた感があります。また、消費者の信頼を裏切るような企業不祥事も相次いでいます。このように企業経営において、中長期的視点や社会性の観点が希薄化していることから、それらの企業の信用を揺るがす大きな問題となっています。企業という存在は、社会という共同体の一員として、また、社員が協働する共同体として位置づけ、そうした自覚を持つことが高い倫理観や道徳観を育み、社会に対する企業の貢献の姿勢を生むとともに、企業内においても社員の会社に対する積極的な取り組みへ意欲を喚起していくことになると思います。
  今後は、新自由主義の終焉を迎え、①市場と政府の関わりをどうするのか、②グローバル化での規制緩和をどうするのか、③金融業のあり方をどうするのか、世界的なルールが必要であると考えています。

総務省が5月29日に発表した4月の完全失業率は5.0%となり、前月に比べ0.2ポイント上昇しました。5%台となるのは、2003年11月以来、約5年半ぶりであり、完全失業者数は前年同月比71万人増の346万人と6ヶ月連続で増加しています。就業者数は6,322万人となり、前年同月より107万人減少して、15ヶ月連続の減少となっています。
また、厚生労働省が同日発表した4月の有効求人倍率は0.46倍となり、前月比0.06ポイント低下して、1999年6月以来、約10年ぶりの低水準となりました。
 さらに、財務省が6月4日に発表した1―3月期の法人企業統計調査では、企業収益や設備投資が大幅に減少し、法人企業が厳しい状況に直面していることや、生産活動の水準が極めて厳しいところにあり、雇用情勢は今後一層悪化する懸念があると指摘しています。世界的な金融危機の影響や世界景気の下振れ懸念など、引き続き日本の景気を下押しするリスクがあることを想定しなければなりません。

 このような状況の中、連合は、格差社会を是正し、誰もが安心して働き、くらせる社会の実現をめざし、「労働を中心とした福祉型社会」の実現のために、「今こそ政策と政治の転換を」というキャッチフレーズで取り組んでいます。JP労組もその一翼を担い、正社員の雇用確保はもとより、約20万人の非正規社員である期間雇用社員の雇用確保に取り組み、連合とともに、くらしと雇用の安心に向けて「日本もチェンジ」に取り組んでまいります。

(日本郵政グループの決算)
 次に、日本郵政グループの決算について申し上げます。
先ほど申し上げたように、著しい急速な雇用環境の悪化などの経済情勢を受けて、日本郵政グループも埒外ではなく、昨年末からの郵便物数の減少など、郵便事業を中心に大きな影響を受けつつある中、2008年3月期決算が公表されました。
 民営化後初の通期決算は、純利益4,227億円を計上し、民営化後に下方修正した予想値4,600億円には及ばないものの、昨年秋以降の世界的な景気後退の影響を受けた日本経済の悪化を考慮すれば、各社の純利益確保は、組合員の懸命な営業活動をはじめとする、グループ全体の努力であったと評価しています。
 しかし、2009年度のグループ連結の見通しは、郵便物数の減少傾向や郵便局会社のシステム投資などがあるとして、純利益は5.4%減の4,000億円を見込んでいます。
先ほども申し上げましたとおり、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の各社は、2010年の株式上場をめざしており、市場から信頼され、評価される企業体質の強化等が求められています。特に、過日発生した心身障害者用低料第三種郵便物の不適正利用問題など、企業の信頼を失墜させるようなことは断じて発生させてはなりません。このような、コンプライアンスに関わる問題から早期に脱却して、短期的な経営戦略ではなく、日本郵政グループを生成発展させるためには今こそ人材を確保し、基盤整備をはかり、長期展望に立脚した経営戦略を組み立て、将来ビジョンを示す必要があると考えております。

また、昨年、JP労組が組合員を対象にした「総合意識調査」では、社員と会社との関わり方が極めて低いことや「会社やその事業の将来に夢を持っている」という項目では、他の民間調査と比較して、否定的な回答が強くなっています。言い換えれば、全般的に今の仕事に満足している社員の割合が低く、多くの社員が働きがいを持てない実態にあると言わざるを得ません。
このことからも、グループ各社は、単に企業性や収益性のみを追求することなく、どのように社員の働きがいを高めていくのかを真剣に取り組まなければならないと考えています。
  その大きな原因の一つに、我々の企業にも経済活動のグローバル化の波が押し寄せ、雇用の柔軟性や総額人件費の抑制といった観点から非正規社員の雇用が増加し、収益力・競争力の強化が要請され、それに即した雇用戦略・人材マネジメント戦略が進められています。その結果、慢性的な要員不足や人材不足が生じていると考えています。
 人材こそが企業活動を担い、企業の構造を改革すると共に新しい価値観を創造する原動力になると思っています。これら人材への積極的投資を怠ることは企業の体力を弱めることになり、現場力の低下につながります。
  もう一つの原因は、郵政事業が創業以来培ってきた「安心」と「信頼」を礎に、公共的なサービス分野を確保し、社会と地域に貢献する企業として成長・発展していくことが、社員の働きがいの向上に寄与するものと確信しております。中央執行委員会は、それらの視点を持ち、今後の交渉や経営協議会などにおいて、積極的な意見提言を行っていくこととします。

(春季生活闘争の総括と課題)
 2009春季生活闘争は、組合員の処遇改善や生活改善に取り組み、格差是正、底上げに向けた総合的労働条件の改善に積極的に取り組みました。
 特に、郵便局会社の要員問題については、会社側との認識に大きな隔たりがあり、会社側の大幅な前進回答が示されず、本体交渉とは切り離して継続交渉扱いとしました。最終的には、「拡大再生産に向けて、将来的には渉外社員を減らすものではなく、営業力のある渉外社員の増加をはかる」との考え方を引き出し、十分満足のいく回答に至りませんでしたが、現状の厳しい経済情勢や今後の経営見通し等から、交渉の到達点に至ったと判断しました。
 また、月給制契約社員のベア2,000円を獲得し、非正規社員の処遇改善に大きく前進いたしました。
 さらに、郵便事業会社の月給制契約社員から正社員への登用および月給制契約社員の採用を、昨年同様にそれぞれ2,000人、合計4,000人を増配置させることといたしました。そうした意味でも、非正規社員の処遇改善には一定の成果があったと判断しています。
 今後は、経営状況をふまえつつも、フロントラインの「労働力不足」は急務の改善課題であり、今後、労使で要員ポートフォリオを確立し、適正な労働力配置を実現するため、投資的観点からの戦略的労働力配置を強く求めていくこととします。
  また、非正規社員の増加に伴い、非正規社員の雇用を企業の貴重な戦力に位置づけ、安定した形で就労できるような働き方に改革することを考えなければなりませんし、正社員、非正規社員にこだわらず、キャリア形成の条件整備をはかり、人材の価値を高めていくことをめざさなければならないと考えています。

(全国大会の主要課題)
 それでは、本全国大会の主要課題について、何点か考え方を申し上げます。
1点目は、いわゆる「3年ごとの見直し」に対する対応です。
  この「3年ごとの見直し」について、改めてJP労組の基本的な対応方針を明らかにしておきたいと思います。
  ①法律で定められたことは厳守する、②その上で、問題点について労使で解決できることは、労使自治の精神で解決に向け努力する、③努力してもなお解決できない問題については制度の問題として扱い、政治分野で解決する、④その視点はあくまで国民・利用者の目線で見直し論議を行う、というスタンスで臨んでいくこととします。

 郵政民営化委員会は、3月13日に答申をだしましたが、その特徴点は2つあります。1つは、会社経営が傾かない限り、今の経営形態を変える必要はないということ。2つは、日本郵政グループが株式を上場した場合、市場がガバナンスの役割を果たすということです。この考え方には大きな疑問が残ります。
 経営が行き詰まってから改革するというのは、国民生活に大きな影響を及ぼすことから、現状の問題点の解決を早期にはかる必要があります。また、公共性を持った郵政事業をすべて市場にガバナンスを任せるのではなく、前述したように「市場と政府の関わり」を考え直さなければなりません。
 郵政民営化を実施された郵政事業の現状とこれからのあり方については、改めて、政治の責任において議論すべきであると考えます。本部は、引き続き、「見直し5原則」を基本に、対応していくこととします。

 2点目は、郵政事業への対応と民間企業としての労使関係の構築です。
 昨年10月、法的枠組みにとらわれない、労使間で解決が可能と見込まれる課題について、「郵政事業の成長と発展を展望した提言書」を提出し、西川社長の英断によって労使検討チームを発足させ、最終的に26項目中、すみやかに実施可能なものは13項目、実施に向けて検討を進めるものは5項目となり、従来になく飛躍的に問題解決されることになりました。今後も、引き続き改善に向けて努力していくこととします。

  3点目は、民営・分社化以降、各社の縄張り意識と遠慮が強まり、各社間に見える壁と見えない壁が存在していることも事実であります。そのことがグループ各社の人間関係等、一体性の阻害や分割の弊害が発生し、結果としてサービス・利便性の低下をもたらしている一因だと考えています。
 また、本社、支社に対し、フロントラインから真実を訴えているのか、経営幹部にも真実が伝わっているのか、強く疑問を感じるところであります。
 経営側のさらなる努力を求めるとともに、JP労組が、単一組織として、各社の壁を越えた要となり、健全なチェック機能を発揮していかなければならないと考えています。
さらに、真に事業を支えるパートナーとしての役割を果たすためにも、早期にユニオン・ショップ協定の締結を実現させなければなりません。現在、各事業場単位に職場代表機能の確立に全力をあげていただいていますが、30万人組織建設の展望とともに特段の取り組みを要請するところです。
                                                                   
4点目は、JPエクスプレスの成長と発展でありますが、郵便事業会社と共に成長、発展することや労働条件を維持することを基本として対応することとします。
JPエクスプレスは、郵便事業会社の戦略会社であり、連結対象の子会社であります。物流分野の競争は激しく、市場競争の中で打ち勝っていくには、相当の努力も必要であると考えています。しかし、何としてもJPエクスプレスを成長・発展させ、新たなビジネスモデルの確立を成し遂げなければなりません。そのパイオニア的役割を担う出向者や契約替えとなる非正規社員の労働条件については、不利益を被らせないことといたしました。JPエクスプレスが順調にスタートできるよう、本部としても必要労働力等の確保にも万全を期すこととします。

5点目は、新たな人事・給与制度です。
新たな人事・給与制度は、これまでの決議機関での決定をふまえ対応してきました。新たな人事・給与制度は公正な評価を行い、社員のモチベーションをあげるという観点から必要であります。
各社の案も、総体的には「頑張ったものが報われる制度」の組み立てとなっていますが、①社員間のバランス、②本俸と手当のバランス、③各社間のバランス、④人事交流等の施策への影響、⑤人件費総額の問題、⑥一時金や退職金に与える影響、⑦評価方法のあり方、⑧成果主義の弊害、等々について慎重に協議し、新たな人事・給与制度の目的である全ての社員のモチベーションを高め、社員が果敢に業務に励める制度を実現し、社員に満足度を与えて生産性を高め、企業の発展をめざす制度にしなければなりません。

本大会において提起された意見や、その後の会議等の意見を集約して要求交渉を行い、組合員の皆さんと丁寧かつ慎重な往復運動に努めてまいりたいと考えています。

6点目は、共済制度の整理統合問題であります。
 共済制度は、組織統合メリットの大きな要素であり、JP労組結成時から共済制度の整理統合を求める声が多くの組合員から寄せられ、組合員メリットと契約者保護を第一義に慎重に協議を進めてきた結果、存続制度への移行者に重大な不利益はないと判断し、今回一定の結論を導き出すことができたと判断しています。今後とも、共済部とポストライフがより連携を深め、スムースな移行作業に努力することといたします。共済の整理統合の期間が長引けば長引くほど、手続きの煩雑やシステムに影響を与え、無駄な経費が必要となり組合員への負担が生じてきます。共済制度や商品の統合の趣旨をご理解いただき、移行手続きがスムースに進められるように、特段のご協力をお願いするところです。

7点目は、政治決戦に向けた政治活動の取り組みです。
皆さんもご承知のとおり、本年冒頭から「かんぽの宿」の売却をめぐり、総務大臣の発言に端を発し大きな政治テーマとして国会議論が行われました。最終的にはオリックス不動産との譲渡契約が白紙撤回になるなど、東京中央郵便局の建て替えに対する政治介入を含め、事業運営に大きな影響を与えたことは記憶に新しいと思います。

JP労組として、「かんぽの宿」は、5年以内の譲渡ということが決められていたことから、組合員の雇用の確保と労働条件を第一義として、労使の共通認識として労使協議会において協議し、雇用の継承、譲渡後の労働条件など、組合要求に応える到達点を引き出し整理しましたが、総務大臣の執拗な問題提起から白紙撤回となり、関係組合員の皆さんには大変なご迷惑をおかけしたことについてお詫び申し上げます。
今後の経営形態のあり方について、組合員の雇用の確保と労働条件を守る立場から、臨機応変に対応していくこととします。
このように、私たちは、民営・分社化された現在も政治との関わりが深く、今後も政治的な議論が継続して行われることになります。JP労組の政策を国会の場に反映させ、その実現をめざす取り組みが重要であります。

現在は、衆参の議決に「ねじれ」が生じていますが、今回の衆議院選挙は、与野党逆転によって「ねじれ」を解消させる正念場となります。
行き過ぎた市場原理主義によってもたらされた格差社会から脱却し、国民に視点をあてた政治への転換をめざし、本日ご臨席をいただいております4名の組織内候補、1名の重点候補はもとより、JP労組の全推薦候補の必勝によって、民主党を中心とする政権交代を実現させていかなければなりません。

その後の参議院選挙の取り組みについても、すでに組織内候補として決定している現中央本部書記長「難波 奨二」氏の必勝をめざし、組織の総力をあげて取り組みます。この参議院選挙は、組織統合してJP労組が組織内候補を擁立して闘う初めての選挙であり、内外から注目され、JP労組の組織力が問われる選挙であります。
難波候補予定者の政治理念は、「絆(kizuna)の再生」であります。JP労組の圧倒的な組織力を発揮し、当選はもとより上位での当選をめざして全力をあげることとします。
 組合員・家族の皆さんの特段のご理解とご協力をお願いするところです。

(福祉型労働運動の構築に向けて)
 私は、昨年の札幌大会において、「労働組合の社会的責任を果たすため、少子高齢社会を意識し、郵政事業24,700局のネットワークと全国に張り巡らされたシステムを活用し、労使が一体となった社会貢献、OBを含めた世代を超えた助け合いができるよう提案していきたい」との考え方を表明し、JP総合研究所ともタイアップして、「福祉型労働運動」の構想を検討し、仮称でありますが、「JP愛ネット運動」として本大会で提案しています。
 この運動は、「生活者・消費者の視点から、町づくりや地域社会の改善に取り組むとともに、情報発信の役割を果たすなど、生き生きと暮らす社会の創造に貢献する」という中期指針で示した「改革者の視点」にスポットをあてた運動展開であります。JP労組が有している資源をもとに、社会全体に対して、そして地域に対して何ができるのかを考え、その実現に向けて活動を行っていくことが求められています。本大会において、具体的な活動について意見をいただき、JP労組の福祉型労働運動の礎となるよう特段の取り組みをお願いするところです。

(終わりに)
 最後になりますが、冒頭でも申し上げましたとおり、私たちの事業はこれから「変革期」に移行していきます。
 日本郵政グループが民間企業として市場競争のなかで打ち勝ち、成長・発展させる正念場を迎えることとなります。
 今後、私たち労働組合は、新たな事業展開や新商品の開発、さらなるサービスの向上などに対し、スピード感を持った判断を求められることになります。
 組合員の将来に対する不安を少しでも取り除き、「安心」と「信頼」が醸成される事業の構築に向けて、中央本部がその先頭に立ち、全力で取り組んでいく決意を申し上げ、本全国大会の成功と活発な議論をお願いして、中央執行委員会を代表しての挨拶とさせていただきます。
 三日間よろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。」

Corrupt Postal Privatization 115

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-02041560/1.htm

Corrupt Postal Privatization 114

話題になった、週刊ダイヤモンドの郵政民営化の問題点の特集号について、解説しているブログがあったので、リンクを紹介する。

http://tekcat.blog21.fc2.com/blog-entry-1164.html

Corrupt Postal Privatization 113

「日本郵政絡みの不可解な不動産取引が注目されている。東京・東池袋の「旧かんぽヘルスプラザ東京」(正式名称・東京簡易保険総合健診センター)の信託受益権が、西川善文社長の出身グループである住友不動産に、50億円でひそかに売却されていたのだ。鳩山邦夫前総務相も現職当時、調査を約束していたもので、民主、社民、国民新党の野党3党は15日、疑惑追及のため、現地調査を行った。

 「国民の財産を、公表もせずにたたき売るなんて、憤りを感じざるを得ない」。元郵政相である国民新党の自見庄三郎参院議員はこう激怒した。

 同施設は1994年、JR池袋駅東口から徒歩8分、サンシャイン60から徒歩1分という一等地に、簡易保険加入者向けの健康診断や人間ドックのほか、宿泊施設や会議室、レストランも備えた健康複合施設(地上7階、地下3階)として完成。2年前、郵政民営化のため閉鎖された。

 テニスコート7面半以上の土地(約2000平方メートル)や建物は郵便局会社に継承されたが、その後、土地は三菱UFJ信託銀行に信託され、信託受益権の7割が住友不動産に50億円で売却された(3割は郵便局会社)。

 いわゆる「資産の流動化」で、不動産専門家は「信託受益権による売買の場合、譲渡に伴う登録免許税や不動産取得税が軽減される」という。同施設の土地取得費や建設費について、日本郵政は「調査中」としている。

 今回のケースでは、住友不動産と郵便局会社が共同で不動産開発を行う予定。住友不動産は、西川氏がトップを務めた三井住友銀行のグループ企業である。

 調査団の1人、社民党の保坂展人衆院議員は「総務省は昨年5月、『郵便局会社の重要な財産の譲渡の許可』という文書を発表したが、譲渡(売却)の相手方は『未定』としていた。今年4月7日の衆院総務委員会で、やっと相手方を『住友不動産』と認めた。担当は郵便局会社ではなく、日本郵政の西川氏直属の部下。『かんぽの宿』でも情報公開が問題となったが、今回は真っ黒といえる」と語る。

 先の総務委員会で、当時の鳩山総務相は「国民の共有の財産が処分、処理される場合、一点の曇りもあってはならないという信念に基づいて調査する」と約束したが、先週末、「世の中、正しいことが通らないことがある」といい辞任した。

 野党3党は今後、(1)施設が郵便局会社に継承された背景(2)譲渡先が住友不動産に決まった経緯(3)元従業員の雇用現状-などを追及していく。

以上、夕刊フジ」6月16日より。

Corrupt Postal Privatization 112

http://blog.livedoor.jp/radiotheatre/archives/65232599.html

ジャーナリスト町田徹氏のラジオ番組でのコメント。

Corrupt Postal Privatization 111

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090616/biz0906161728012-n1.htm

産経新聞が今夕配信した記事である。失礼なことをしているのはどなただろうか。産経新聞も、市場原理主義の支持するような記事を書いてきたが、恫喝されてこれからどうするのだろうか。相手は、年季の入った者である。それにしても、ようやく本当の人となりが出てきたようだ。町田徹氏を恫喝した本性を垣間見せただけである。

Corrupt Postal Privatization 110

当ブログは、http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/corrupt-post-11.html

において、日本郵政の労働組合がユニオンショップ制を導入することとしていることと、委員長が、民営化された日本郵政の経営者側に参加するとの報道を、論評を加えずに紹介したが、実に奇妙な内容の報道が、6月16日に行われた。なんと、同労働組合の委員長が記者会見して、西川社長の続投に大賛成だと言うのだ。経営手腕を評価したとも報道している。連結決算がよかったことも理由としているが、郵政公社時代よりも悪く、承継計画を大きく下回っているにもかかわらずである。不思議な声明である。明日から同労働組合の全国大会が仙台市で開催されることとなっており、大きな議論を呼ぶものと思われるが、既に地方段階では反対の声も上がっており、紛糾することが予想されている。労働組合が「不正義」を支持して延命を助け、鳩山大臣が、かんぽの宿の不正を追及するという、全くのねじれ現象である。この国では、市場原理主義の虚妄を支持するほど労働組合も腐ってきたらしい。

http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009061601000362.html

「国内最大の単一労組、日本郵政グループ労働組合(JP労組、約22万9千人)の山口義和委員長は16日、仙台市内で記者会見し、麻生太郎首相と鳩山邦夫前総務相の意見対立で焦点となった西川善文日本郵政社長の進退について「労組としては続投に大歓迎だ」と述べた。 山口委員長は、続投支持の理由について、西川社長の長期的視野に立った経営手腕を評価。2009年3月期の連結決算が純利益4200億円超だったことも挙げた。 その上で山口委員長は「長期的な展望に立ち、労使が一体となって経営課題に取り組むことが大切」と述べた。 会見では、17日から19日まで同市で全国大会を開き、初日には西川社長も出席することも説明。提出する議案については、雇用の確保や次期衆院選に向けた政治活動の態勢強化などを盛り込んだ。」

西川社長が労働組合を籠絡したとの解説記事も出ている。http://news.nifty.com/cs/item/detail/gendai-02041545/1.htm

「2009年6月16日(火)10時0分配信 日刊ゲンダイ

「JP労組」を押さえられ…

 鳩山邦夫総務相の辞任、西川善文社長の続投で決着した日本郵政の社長人事。この結末に、なぜか民主党が危機感を募らせているという。

 その理由は、日本郵政の「JP労組」の存在だ。

「JP労組は約23万人の組合員を抱える国内最大の単一労組。民主党の重要な支持基盤です。通常、労組は経営陣と対立関係にあるものですが、JP労組は西川社長と極めて近い関係にあるのです。西川社長が労組を取り込んでしまった。自民、民主両党と太いパイプを持つ労組の大物幹部を郵便局会社の監査役に起用するという仰天人事まで打ち出しています。これがこの先、民主党のネックになりそうなのです」(永田町関係者)

 政権交代をかけて戦う民主党にとって、郵政の大票田はどうしても必要だ。だが、党としては、西川社長を追及する立場。ここにジレンマがあるという。西川社長がヘソを曲げれば、JP労組にソッポを向かれかねないのだ。実際、民主党が国民、社民などと西川社長の解任要請に動いた際に、JP労組が要請を取り下げるよう民主党へ執拗に働きかけたことは有名だ。

 西川氏を知るジャーナリストが言う。

「西川氏にとって、今回の郵政人事のゴタゴタなんて大したことじゃない。振り返れば、旧住友銀行時代からイトマン事件をはじめ汚れ役をやってきた。最後は師と仰ぎ、自分を引き立ててくれた住友銀の天皇と称された磯田元頭取に引導を渡したほどの豪腕で知られる人物です。労組の懐柔など朝飯前。民営化するや、“労使パートナー宣言”なるものをブチ上げてJP労組幹部を籠絡してみせました」

 西川社長は来週半ばから仙台で行われるJP労組主催の定期全国大会に出席して、来年の参議院選挙に民主党から出馬する候補にエールを送る予定だ。民主党はどうするのか。

 選挙に人、モノ、カネが必要なのは民主党も同じ。JP労組を押さえた西川社長の存在は、民主党にとって目の上のタンコブになる日が近い。」

Kuroshio 9

気候の分類区分法でもっとも著名なものは、ドイツの気象学者ケッペンが一九二三年に植生に着目し気温と降水量の二変数から計算して分類していく方法である。米国の気象学者が水分量に着目し一九三一年に降水量と蒸発量の比、気温と蒸発量の比を変数とする気候分類法を発表したが、複雑すぎて普及していない。
 ケッペンの分類によれば、網走、札幌、函館は、冷帯湿潤のDfbとなる。北海道でも浦河はCfb、温帯の西岸海洋性気候になる。津軽海峡を渡って青森は、温帯湿潤のCfaであり、東京も同じCfaである。軽井沢のように高原地帯では冷帯湿潤に分類される場所もあるが、南大東島、与那国に至るまで同じCfaである。朝鮮半島の釜山はソウルと同じ温暖冬季小雨Cwaであるが、木浦や済州島は、Cfaであり、半島沿岸は、温暖湿潤である。平壌は冷帯冬季小雨のDwaである。金策は、冷帯湿潤のDfbである。ちなみに北京は冷帯冬季小雨のDwaで、青島は温暖冬季小雨のCwa、上海を中心とする揚子江下流域は温暖湿潤のCfaである。勿論台湾の都市もCfaである。細かに分類するまでもなく、北海道には梅雨がないと言えばはっきりするが、ほぼ全域が冷帯である。朝鮮半島沿岸部が温帯で黄海の入口に達する。支那大陸の揚子江下流域が温帯で、北京は冷帯にある。樺太も冷帯で、マガダンもクラスノヤルスクもウラジオストクも、その北はツンドラの凍土である。
 黒潮の流れがアジア大陸の当部沿岸の気候を和らげている。鹿児島の大口盆地で水を撒けばスケートリンクに早変わりしたし、日光の男体山の山麓や常陸の奥辺りには滝が氷る冷帯ばりの寒い地域もあるが、東北あたりでは、大雪は降っても夏の暑さもまた尋常ではない。時々の寒さ暑さが却って新緑と紅葉に照り映えて四季折々の変化を鮮やかにする広葉樹林帯なのである。
 さて、支那の首都は冷帯にあるが、海に面した首都は歴史にない。歴代の王朝は温帯との境の内陸部に首都を置いてきた。海は辺境であり境界であると考えるのが大陸牧畜民族の特徴なのだろう。チベットとの境界も青い海に見立てている気がする。日本では税関といい税金の徴収に関心を持っているが、支那では海関と言い、海が異界に属していると認識していることを伺わせる。確かに徴税にはそれほど熱心な様子はなく、人頭税の世界である。黒潮洗う地域の農産物は長粒米の生産が主力となっているが、冷帯では牧畜か狩猟である。日本に宦官はいなかった。去勢は牧畜民族の習慣である。豚飼育の文化が入った南西諸島でも、子豚の睾丸(ふぐり)を剃刀で切って取り出しておくことは日常的に行なわれてきたが、草原に羊群を馬で追って家族で大掛かりに移動する世界ではないし、豚を野外に放し飼いするほどではないから、豚の去勢の技術を持った勢力が主流にはなれず、牛や馬を去勢することなど思いも寄らなかった。二〇世紀の戦争で馬が必要になってようやく去勢の技術を習得したのが、実情だろう。
 小姓や稚児愛の隠微な世界も宦官の怜悧な陰謀をめぐらす世界とは異なり、人間を謳歌する側面がある。奴隷制もなかった。牧畜が入ってくれば、下草を食い尽くして森は急速に後退する。西洋人が新大陸に入って、カウリーやセコイヤの大木を切り倒し、人間の数よりも遥かに多い羊を飼い、最近では新自由主義という新型牧畜経済の囲い込みで世界を席巻した結果、地面温度は上がり、羊が死ぬのも無理もない。その果ては世界全体が砂漠化する終末論だ。日本人が世界に木を植えようと主張しても、去勢の伝統を持つ連中がさほど関心を示さないのも当然である。
 日本は古来から、外来の文化を受け入れる際に、牧畜の技術の移入を厳しく戒めてきた。米国マサチューセッツの名門牧畜農業大学出身のクラーク博士も教育者としての名声にとどまっている。カナダや中西部大平原を見るにつけ、かつてそこには特有の森があり原住民がいたと思われるのだが、今は彼らを駆逐あるいは保護区に押し込めてしまった惨状が残るだけである。
 日本は刑務所の脱獄事件がほとんどないことが特徴であるが、戦争映画を見ればわかるように、西欧人の捕虜は四六時中脱走することを考えるようだ。だが、我方は捕虜の辱めを受けずどころか取り入ろうとする情けなさも儘見られるほど、逃げない。捕虜に対する扱いも悪くはない。そもそも人間を去勢することなど考えたこともない。ナチスの暴虐など日本ではとてもとてもありえない発想である。テロリストがらみの収容所がグアンタナモを含め世界各地につくられた由であるが、人間を去勢するごとく、犬をけしかけて人間を無力化する発想はない。虎の檻か猛犬の檻に手下を放り込んだ九州の暴力団の親分の記事を読んだが、きっと日本人ではないと思う。
 黒潮の森で海洋民が神に祈るのと同様に、狩猟民もまた山の神に採集の豊饒を祈る。雪中にまんさくの花の色を見つけて喜び、満月に熊の祭りをする。鮭の帰る川を清める。大日本の黒潮の漁撈民と山の狩猟民との相性と交流は、すこぶる良いのである。(つづく)

Corrupt Postal Privatization 109

 日本経済新聞は、一貫して市場原理主義の立場に立った新聞であり、今回の郵政民営化をめぐる激しい争いにさいしても、西川社長の主張を代弁してきている。奇妙なことに、鳩山大臣が辞任?した当日にも朝刊、夕刊ともに、特ダネ記事となっている。朝刊では、首相、西川氏続投で調整と報道しているし、夕刊では、後任、佐藤勉氏で調整と報道している。注目すべきは、朝刊、つまり、前夜の午前2時頃の締め切りで既に、鳩山の解任を決めたことを情報として取っていることである。総理補佐官の郵政民営化に批判的な国会議員も、午前10時頃までには、鳩山退陣となることは知らされていなかったようであるから、むしろ、日経新聞のOBの上げ潮派の議員の情報の影響が強かった者と考えられる。特に、夕刊で、後任の人事まで報道したことは、辞表にサインすることとした鳩山大臣が実際に官邸で行うのは午後2時頃であったkら、その時点で夕刊の締め切りが過ぎているのが普通であるから、辞任前に後任が決まっていた公算が高い。そうすると、鳩山大臣の辞任は辞任ではなく解任である。更迭である。いくつかの新聞が辞任と書いているが、誤りであろう。辞任の形にしただけの話であろう。辞任であれば、結果としては、だまし討ちであったにもかかわらず受け入れた圧力に弱い信念に欠ける政治家となって、鳩山氏は政治生命を失うところであったが、実際には解任で会ったことが、日経新聞が特ダネを放ったことで事実が判明したから、政治生命を一転して継続することになった。世論の支持は、鳩山氏の側であって、西川社長の退陣を求める世論の方が圧倒的であることが、土日の世論調査で明らかになっている。麻生内閣の支持率は急落した。鳩山大臣は数時間の間、すなわち、日本経済新聞の夕刊が発行されるまでの間は政治的に敗北したのであるが、それ以降は、現在の市場原理主義擁護の政権に打撃を与えることとなった。政権崩壊が始まったようであり、鳩山前大臣の正義を追求する能力に対して、天佑が会ったとしか考えられない。本日15日の、アメリカの日本経済新聞のような市場原理主義礼賛のマスコミである、ウォールストリートジャーナルも初めて日本における、政権交代の可能性について報道した。ちなみに、同紙は、郵政民営化以前に、日本の国民資産が、いつかはアメリカの手に棚ぼたで手に入れることになるとも報道したことがある。

Market Fundamentalism is Dead 21

6月12日に報道した平沼赳夫元経産相の西川問題の論評である。西川問題の本質を知っているはず?の首相は、鳩山総務大臣の首を切った。平沼氏の言を借りれば、国を売り続ける決断をしたことになる。

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-02041541/1.htm

「大詰めを迎えている日本郵政・西川善文社長の進退問題。麻生首相は11日、早期決着を示唆したが、昨今の報道はどうも論点がズレている。政府が民間企業の人事に介入することの是非が問われているのではない。平沼赳夫元経産相が斬る西川問題の本質――。

●裏に米国の大掛かりなシナリオ

 西川問題がここまでこじれた理由について、さまざまな解説がなされている。

「ここで辞めたら、政府の人事介入を認める前例を残すことになる。だから、西川さんは辞めないんだ」

「鳩山大臣が首切りに突っ走っているのは、政治的パフォーマンスだ。次期総裁選への布石である」

 などなどだ。しかし、平沼氏はまったく別の見方をする。

「西川さんが辞めないのは、そもそも就任のときから大きなシナリオがあるからでしょう。そのシナリオの中では西川さんは必要不可欠の人物だ。だから、辞めるに辞められないのだと思います。そのシナリオとは、日本の郵貯、簡保資金の開放ですよ。私が経産大臣をやっていたころから、郵政問題は日米の政府間協議に上っていた。何度も政府間協議が開かれましたが、その会合には米国の民間保険会社の社長が来ていて驚いたものです。年次改革要望書でも郵政問題は取り上げられた。そうしたら、米国では研究よりも人脈づくりに励んでいたのではないかと思われる竹中平蔵さんが郵政民営化を推し進め、その竹中さんや米国のゴールドマン・サックスと強い絆がある西川さんが、前任者の生田正治氏に代わって日本郵政の社長に就任したわけです。彼が辞任しないのは、裏の大きなシナリオ抜きには語れない。鳩山大臣も当然、それを知っているから引けないのでしょう」

 実際、ここまで問題がこじれているのに、なお、地位にしがみついている西川氏は異様だ。

「西川さんは国民のお金で2400億円もの建築費をかけたかんぽの宿を109億円で売ろうとした。それも一括。どう強弁しても説明が出来ない取引だし、常識的にはありえない話です。鳩山大臣だけでなく国民も疑いの目で西川社長を見ている。郵政には不正DMの問題もある。前任者の不祥事であっても、現在のトップが責任を取るのは当たり前。ふつうの感覚では辞めるはずです」

 それなのに、辞めないのは米国を含めた大きな力が働いているとみるべきなのだ。

「麻生首相と私は仲がいいから、彼が迷うのもわかる。しかし、ここは敢然と西川氏を切るべきだと思います。経済学者の中谷巌氏も小泉改革を支持した誤りを認めました。8兆円も国費を投入した長銀を外資に10億円で売ったのが小泉改革です。誰が見ても、誤りは明らかなのです。だとしたら、決断し、大ナタを振るった方がいい。麻生首相も、西川問題の本質、真相はよくお分かりのはずですよ」

 さもないと、国を売り続けることになる。

(日刊ゲンダイ2009年6月12日掲載)」

Market Fundamentalism is Dead 20

  For the past decade those market fundamentalists in Japan together conspired together with the villains of  Wall Street in New York and other financila capitals of Europe to break up and privatize the Japanese Postal services, especially to make it a prey because Japanese Postal serives operated the world largest financial services and its assetts is practically largest in the worlld. And the so called economic vultures targeted liquidization of the public entitiy, while priviatizing and grabbing the control by the possible purcase of the stocks when the asset was put into the market.

In the latest development, a harsh battele over who should take the hegemony of the public asset between the universalism and the market fundamentalism has been continuing.

Internal Affairs Minister Kunio Hatoyama pointed out a series of possible scandals since the end of December last year but , Mr Hatoyama was ousted by Prime Minister Aso and Mr Hatoyama Kunio, then Minister lost the political battel. He resigned on 12 June, last Friday.

The political outcry that the privatization was only a fake and enriched only a handful number of capitalists and especially foreign investment banks and security firms and Japanese citizen's anger was heightening in the recent months.

Even though Mr Hatoyama resigined from the post but majoriy voices claimthe the Preseidnt of the Japan Post, Mr Yoshifumi NIshikawa shoud have been ousted and the Prime Minister's judgement was completely wrong one and the rate of support to Prime Minsiter sharply declined to the leves of less than 20 % according to the opinion poll surveyed by the Kyodo Press company.

Even as the market fundamentalists and some American extreme investment bankers clings to the privatization,  but the tide of the Schock Doctrine applied in Japan was now despised by the Japanese citizens and anti-American sentiments are steadily rising.

It is now clear that advocating slowing or reversing the effort is for the national interest of Japan and privatization, regulation and other doctrines were only to interest the foreign vested interest groups. The market fundamentalist activities were orchestrated not only in Japan but it was very active in Latin America in the seventieis and eighties and the fake economic theory completely collapsed on September 15th when the Leahman Brothers went bankrupcy abruptly.

The opposition Democratic Party of Japan -- a party headed by Mr. Hatoyama's brother Yukio will definitely win the general election this year. Post masters nationwide agreed to the political change and strongly support New People's Party or Kokuminnshinnto. headed by Mr Watanuke, former House speaker..

Alreading consultation works among the now Opposition to form the common policy when they will gain the power within a few months. Even Prime Minister Taro Aso once let it slip that he was actually against the privatization, drawing criticism from members of his own party, and in practic the perfomance of the privatized postal companies were well below that of the Japan Post during the public corporation formalities.

Juninchiro Koizumi , the former prime minister acted as the agent of the Bush administration and the economic extemists but now the power of the economic cult is fading out quickly. As in the United States , there was a certain political change, even though a turmoil continues as if a case of domestic battles of the Civil War, in Japan too the conflicts are still continueng as seen in the case of the Hatoyama resignaition..

It is true that the Postal financial institutions world-wide are attracting renewed interest as the financial crisis revealed the vulnerability of commercial banks. In France and the U.K., politicians have called for revising postal-privatization plans. There is no precedence of the successful postal privatization. German Post chief Mr Zumwinkel was arrested last year while transfering his private assetts into the foreign hands and Postal privatization in other area was only a nominal and fake ones.

Postal banks in European nations have seen sharp increases in deposits and new accounts since last year, according to the Universal Postal Union, a United Nations-affiliated institution based in Switzerland. Public postal services maintains  the "image of trust and stability" that postal financial institutions enjoy, adding that postal networks can help stabilize the financial market, in part by offering basic services to households excluded by commercial banks. Postal privatizaion itself was theoretically wrong, as Ralph Nader commented once in his letter sent immediately before the postal privatization in Japan..

National voices against Mr. Nishikawa, a powerful but notorious  banker, was appointed by former Minister Takenaka, who was very close to the ecnoomic and market fundamentalists in the United States and util the Lehman Shock, he claimed the possible transfer of the nations assetts into the foreign bankers hand, by the mechanism called " carry trade" which only destryed the Japanese stable socio-ecnomic system.

With in a few month, the Japanese political scene will be changed. It is high time to consider the alliance of true economic partnerships without master and servant relations and while eradicationg the dictatorship of the moneymongers. Japan will continuously contribute to the stability and prosperity of the world while former market fundamentalsits tried to destruct the safety mechanism and brought series of warfare and the disasters.

Posta Privatization in Japan almost could be stopped., because the policy could not benefit at all to the Japanese citizens. New government will be established and Mr Nishikawa will be toppled even if he clings to the post to sell the stock into the hands of  vicious foreigners. within afew monts. At the latest toward the end of September.

Mr Shizuka Kamei last months visited Washington D.C. and for the first time exchanged the views and opinions with the officials of the Obama Administration. US-Japan relation ship will be much better and improve than the market fundamentalism oriented relation betwenn Bush and Koizumi administrations.

Corrupt Postal Privatization 108

l国民新党の亀井久興、自見庄三郎や、民主党、社民党の国会議員が、15日午前10時から日本郵政が所有していた旧東京簡易保険総合健診センター(東京都豊島区東池袋)の土地や建物を視察した。

 宴会場や宿泊施設として使われていた同施設は、2007年7月に営業を終了。資産を継承した郵便局会社が、08年8月に住友不動産に信託受益権という形で50億円で売却している。国会で「住友不動産との癒着ではないか」との指摘がある。

 野党3党は、日本郵政の西川社長に対して、特別背任未遂などの罪に当たるとして、告発状を東京地検特捜部に提出して、2週間後に受理されている。

http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009061501000152.html

その他、池袋の同施設に関係する情報が、ご参考までに次の記事がネットに残る。

http://octhan.blog62.fc2.com/blog-entry-604.html

ご参考まで。なお、日本郵政の西川社長以外の重役2名に対して提出された告発状は、2日で受理されている。週刊新潮が報道したことがあるが、赤坂の料亭において、外資企業への付け回しがあったのではなかったとの疑惑もある。http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/corrupt-post-16.html

Perseverecne 25

臥薪嘗胆のコラムの転載。

週刊ダイヤモンドの誤算          2009.6.3

523日付け週刊ダイヤモンド誌は、「日本郵政の暗部」と題する30頁に及ぶ特集記事を組み、「郵政民営化の恐るべき現実」を紹介している。各記事の見出しも、「迷走する大本営」、「進駐軍統治の大罪」、「7億円をどぶに捨てたマナー向上運動」、「かんぽの宿で発覚した民営化利権」、「組織ぐるみの郵便不正事件」、「疲弊する現場」、等々かなり刺激的な言葉が躍る。

同誌はこれまでにも郵便局関係の特集記事を掲載したことがあるが、概して郵政の闇を探る的な取り上げ方なので、内部者からの評判は必ずしも良くなかった。売らんかな主義も露骨で、今回も、かんぽの宿事件、社長人事、全特総会などに合わせた時期の発行となった。売れ行きが落ち始めると渡辺淳一氏の小説を連載する某経済紙に似ている。

ところが今回は、従前ほどの売り行きにはなっていないらしい。内容的に手垢のついた話ばかりであることや、郵政民営化がさほどの改革でなかったことが国民にはバレバレになっているので、いまさら購買意欲をかき立てなかったためと思われる。郵政民営化に対する国民の期待が、既に大幅に低下していることの表れと取ることもできる。

発行側も、郵政会社がこれほど強く取材非協力に出るとは思わなかったようだが、敵対的な記事内容になることを恐れた郵政会社をして、社長続投の内部決定を発行日以前に行うよう早めさせた、という影響はあったかもしれない。さらに、法案に携わった直接の当事者からの反論も引き出している。件の窃盗経済学者と共に郵政民営化案の策定に邁進し、国民世論対策としてIQ(知能指数)の低い層を狙ったキャンペーンの実施にも関わったと噂された竹中元総務大臣の政務秘書官氏が、ダイヤモンド社のサイト上で、「一面的すぎる分析」、「結論ありきの議論展開」だとして記事全体を強く非難している。もっとも、「郵政民営化をとにかく賞賛しろなどと言う気は毛頭ありません。問題点も多いのは事実ですから。」と幾分かは正直なのだが。

こうしたそれなりの波紋を呼んだ週刊ダイヤモンドだが、今後取り上げた問題をどのようにフォローしていくのか注目される。誌の熱意を試すべく、関係者は読後感なり現場のさらなる実態なりを、ダイヤモンド社の方へ直接投書されることをお勧めする。

Perseverence 24

臥薪嘗胆のコラムの転載。

西川社長への告発                     2009.5.21版

 5月15日、国民新党、民主党、社民党の国会議員12名は、かんぽの宿の問題に関し、国民共有の貴重な財産をオリックスに対し不当に廉売し日本郵政に損害を与えようとしたとして、西川善文日本郵政社長を、東京地方検察庁に特別背任罪未遂等で刑事告発した。告発人は国民新党から亀井久興、自見庄三郎、森田高、長谷川憲正、民主党から原口一博、松野頼久、川内博史、武内則男、社民党から重野安正、又市征治、近藤正道、保坂展人の各議員である。

告発に先立ち亀井、自見、森田、原口、重野、保坂、長谷川の7議員が、鳩山総務大臣に面会し、西川社長の解任要請文を手渡した。これに対して、鳩山大臣は「正義にもとる行為は許してはならない」と述べた。東京地方検察庁では前記の7議員に森ゆうこ議員が加わった。(以上は、長谷川憲正議員のメルマガより引用。)

5月17日千葉で開かれた全特総会は、告発人と被告発人がまさしく呉越同舟する形となったが、翌18日、日本郵政の取締役会の指名委員会は、西川氏続投を決定した。西川氏本人、高木祥吉副社長、社外取締役の牛尾治朗ウシオ電機会長、奥田碩トヨタ自動車相談役、丹羽宇一郎伊藤忠商事会長の5名が委員であり、お手盛りともいえる決定内容だが、鳩山総務大臣や野党要求を完全に無視する形となった。これに対し総務相は「最後の一人になっても戦う」と述べたと報じられている。社長の年俸が二千九百万円では、安すぎて民間からの来手がないという説もあるが、ならばあえて郵政官僚OBでも使ったらどうか。年俸の高さに感激して一生懸命働くことであろう。天下りも、安上がりという点ではそれなりのメリットもある。

こうした動きに対し、新聞は驚くほど世論に鈍感である。国権の最高機関に属する国会議員が複数連名で、政府が全株を所有する会社の社長に対して告発を行ったという政治的には極めて大きなニュースだが、扱う紙面は極めて小さかった。郵便不正事件が発生している最中にあっても、再任拒否は改革の後退になるとまで論じている。自民党の菅義偉元総務大臣や園田博之政調会長代理も、西川氏続投で動いていると報じられている。最終調整責任者たる麻生総理にとっても、選挙を前にして正に正念場の時を迎えたということができよう。

Perseverence 23

臥薪嘗胆のコラムの転載。

新体制への期待                   2009.5.18

 5月16日、民主党は鳩山由紀夫氏を新代表に選出した。政権交代が起きれば、次期総理大臣になるべき人物であり、氏の政策は郵政関係者にとっても一大関心事である。対抗馬の岡田克也氏は、4年前の郵政選挙の際の代表として、民営化そのものに正面から反対を断言できず選挙に負けたイメージがあるだけに、鳩山氏でひとまず安心といったところか。鳩山新代表が郵政事業の現状についてどこまで勉強しているか不明だが、関係者は早急にレクチャーをすべきであろう。但し、氏が翌17日の全特総会に出席し、小沢前代表が昨年7月郵政民営化見直しについて綿貫国民新党代表と合意署名したことについて約束は必ず守らせていただくと挨拶したことは評価できる。

 また、5月17日全特は、新会長に柘植芳文氏を選出した。かねてより会長職を嘱望されていただけに、時代の転換点に当たって獅子奮迅の活躍が期待される。先ずもって選挙対応、次に事業の見直し、そして会社経営陣との関係の再構築などが課題となるであろう。選挙対応では、当然国民新党を中心に民主党、社民党との関係が軸になると思われるが、前回落選の郵政民営化反対議員などへも配慮がなされるであろう。

 郵政事業の見直しに関し、政党間の合意文書などが既にあり、そしてそれは当面の対処方針として尊重されるべき貴重な内容ではあるが、民主党、全特とも、この際新体制になったことを契機に、一層の新機軸を打ち出してもらいたいものだ。

 それはすなわち、民営化の完全廃止であり国営公社経営への復帰である。なぜなら、①民営化しても株式売却凍結ということであれば実質的に公社経営と何等変わらない、②「民営化には反対ではないが三事業は一体で」という言い方は全く迫力に欠ける、③民間会社なのに自由が無いのは論理矛盾であるとの主張を生みやすい、④米国は依然国営事業のままだし、アルゼンチンに至っては民営を国営に戻している、からである。国民新党が20081225日に出した「郵政事業の抜本的見直しの方向性」の第1項に「郵政事業の機動的経営を確保するため、現行の株式会社形態は改めない」とあるが、この「機動的経営」のあだ花が「かんぽの宿事件」なのではなかったか。機動性よりも愚直さを選択すべきだ。合理的機動性なら公社にも与えればよい。政治は妥協の産物である。理想を高く掲げておかないと、再び政治に翻弄される時が来るやもしれぬことを常に肝に銘じておくべきだ

Perseverence 22

臥薪嘗胆のコラムの転載。

罪と罰               2009.5.7

人気若手タレントが、深夜泥酔し裸になって騒ぎ公然わいせつ罪で逮捕された。そのときの文句が「裸になってなにが悪い」というものだった。これが今年の流行語大賞を取るかどうかは別として、世間は、概ねそのタレントに同情的だった。誰も傷つけていない、物を盗んだり損壊したわけでもない、警察の家宅捜査はやりすぎ、マスコミははしゃぎすぎ、云々である。しかし、起訴猶予にはなったものの、芸能活動は自粛せざるを得ず、中止CMの賠償額もかなりの額に達すると報じられている。タレントも広義の公人であり、罪は罪ではあるが、大きな代償を払うことになった。

ところで政治家の不祥事の場合はどうか。犯罪ではないがヘベレケに酔って世界に醜態をさらしたため、大臣辞任に追い込まれた最近の例がある。過去のスキャンダルがたたって大臣になれない人もいる。その他金銭がらみのケースなど、本人、秘書の場合を含めて世間の目はいつまでも厳しい。選挙を経ればみそぎが済んだとは中々ならない。

公務員の場合はどうか。犯罪に関して言えば、郵政省時代の郵便局職員への処分は厳格で、葉書1通盗んだ場合即懲戒免職だった。これは国民の通信の権利を確保する上で当然の措置だが、同じ公務員でも、国民の安全安心を守るべき警察官の犯罪行為への処分が諭旨免職とされた例と比べればかなり厳しい。単なる退職金の有無以上に、公の職務ということに対する認識の大きな相違が見られた。一般職公務員の汚職や痴漢行為などの場合、若くて軽微であれば内部処分や一時的左遷で再起を待つ場合もあろうが、相当な幹部にまでなって行った場合には、万一有罪にならなくても、内部処分に加えて昇進を見合わせ早期退職に追い込んでいくのが通例とされているようだ。

一方、民間企業の場合、企業の体面を維持するために不祥事は不公表処理されるケースが多いと聞く。郵政事業が誇った信賞必罰や国としての情報開示義務が、民営化によって簡単に損なわれてよいものかどうか。少なくとも株売却以前は国営時代のレベルを維持すべきであろう。逆に、国民目線から見れば、諸々の問題点もこれあり、株売却を永久凍結し、経営自体を民営化以前の状態に一刻も早く戻すのが本筋の措置と言えよう。

Perseverence 21

臥薪嘗胆のコラムの転載。国会の参考人して意見陳述をしたジャーナリスト町田徹氏に対する日本郵政の言論弾圧事件についての論評である。

町田徹氏の闘い              2009.4.15

去る3月17日衆議院総務委員会において、かんぽの宿問題に関して3人の参考人からの意見陳述と質疑が行われた。その中の一人フリージャーナリストの町田徹氏の発言やその後の展開は、かなり衝撃的であった。

 氏は、かんぽの宿の売却経緯の疑問点、担当専務がいまだに出身母体の銀行の社宅に住み続けている点の不透明さ、ゆうちょ銀行のクレジットカード業務の提携先を、あえてそれまで殆ど実績のなかった出身母体の銀行系のカードに抜擢変更した点の不可解さなどについて言及し、今後の委員会の積極的対応を要請した。

その後、当日町田氏が使用した説明資料について、日本郵政が謝罪訂正を要求する内容証明を氏に送付したことから、事態はさらに紛糾した。なぜなら、その資料は、総務委員会の委員に限定して配布されたものだったからだ。日本郵政側は、資料の入手元を国会で追及されても答えられず、結局謝罪訂正要求も引っ込めざるを得なくなった。

町田氏は、郵政問題のみならず政治経済の広範な問題について、各種のメディアに積極的に意見を述べている。「ダイヤモンド・オンライン」においても、特に郵政問題について、これまでも以下のような題名の記事を書いている。『ゆうちょ銀行社長のグレー人事に、国会でも疑惑追及 2008627日』『出来レースの温床となる懸念も。「かんぽの宿」売却で表面化した郵政民営化の問題点 2009116日』『「かんぽの宿」情報開示拒む郵政に、メルパルクや宅配でも不透明の指摘 200926日』『専務が三井住友銀行の社宅住まい 日本郵政に持ち上がる新疑惑 2009313日』『あの西川郵政社長が「国会の権威」に挑戦 「参考人」制度が揺らぎかねない大事に 2009410日』。今後とも町田氏の取材活動からは目が離せない。

ところで、参議院でも同様に47日に参考人質疑が行われた。今やこれらすべての委員会審議をネットで見ることが出来る時代だが、見る方も時間がかかるし、マスコミもすべてを取り上げない。本紙は今後、郵政問題に関する参考人意見の要旨なども詳細報道すべきではないか。

Perseverence 20

臥薪嘗胆のコラムの転載。民営化を主張した大学教授、元財務官僚の窃盗事件につい手の評論である。頭の中での遊技でもてあそんだのが、郵政民営化ではなかったのかと断じている。

ある経済学者の窃盗                    2009.4.6

竹中平蔵氏の懐刀といわれたある経済学者が、窃盗容疑で書類送検された。財務官僚を経て竹中ブレーンとなり、4分社化郵政民営化案の有力シナリオライターとして、さらに政府内の埋蔵金の存在を唱えて有名となった人物である。今回の措置が、逮捕でなく書類送検だったことや、犯行後暫く発表されなかったことなども話題を呼んだ。

 経歴からして大変優秀な頭脳をお持ちの方のようだが、しかし、頭が良いからといって言動が正しいとは限らないのは世の常。もちろん犯罪行為と学問的業績は全く関係が無い。それは誰しも分かってはいるのだが、ついつい、だから彼のような窃盗容疑者が深く関与した郵政民営化は、それ自体極めて胡散臭かったのではないかと連想して思ってしまう。少なくとも、人の物は自分の物と安易に考えてしまうような性癖ならば、それと同様な感覚で、頭の中だけの遊戯で弄んだのが郵政民営化なのではなかったのかと。

信念を貫く男として有名な、前回の郵政選挙で落選した城内みのる氏も、自身のブログ

の中でこの事件に触れ、その他の人物名も挙げながら、『郵政民営化利権(かんぽの宿等)で名前があがっているお方に共通しているのは、「ばれなければ何をやっても良い。法律を犯しても良い。自分さえ良ければ(もうかれば)良い。」という倫理観、規範意識の希薄さである。こういう方々が「カイカク、カイカク」と新興宗教のように国民をだましてきた張本人の手先となっていたと思うと本当に腹立たしい限りだ。そう思わないか。善良なる国民よ、今こそ立ち上がれ!!』と憤っておられる。

この事件は、郵政民営化推進論者にとっては、悔やんでも悔やみきれない味方のエラーであろう。しかし、郵政民営化反対論者にとっても、実は残念な事態といえる。なぜなら、後年郵政民営化が見直されたとき、推進論者のサイドから、あれはたまたまあのとき身内に窃盗犯罪者がいたせいだ、理論的には間違っていなかったのだと開き直られる可能性があるからだ。いくら優秀かもしれないが、単なる一経済学者の社会的死亡消滅には左右されないほど、確実に郵政民営化は間違っている、その悪影響は日本を蝕んでいるということを再認識する必要がある。

Perseverence 19

臥薪嘗胆のコラムの転載。

グローバル・スタンダード       2009.3.16

世界が急速に狭くなって、何事も国際化の時代になってきた感がある。どこの国も同じやり方、基準、考え方を取り入れることを国際標準(グローバル・スタンダード)に則るという。例えば、インターネットも携帯電話も、国際的に定められたやり方で行われるので瞬時に世界中につながる。

もっとも、電車で席を譲るなど弱者を労わるとか、老人を敬うとか、社会全体で未来を担う子供たちを育てるとか、というのは普遍的常識の話で国際標準とまでは言わない。他方、元首制度、選挙制度、議会制度など政治経済体制の在り方は、各国の任意であり国によってまちまちである。

郵政事業の在り方は、まさしくこの政治経済体制にかかわるものである。従って、外国のまねをしなければならないものではないし、ましてや、外国から言われたとおりにする必要も全くない。万国郵便連合で取り扱い手続きの国際標準化はなされているが、運営体制は各国の任意である。

一方、ここ数年で急速に国際標準化された動きが二つある。一つは、環境対策である。例えば、環境保護のためにホテルのタオルやシーツの取替え自粛を連泊する客に要請する動きが広まっている。もう一つは、禁煙である。職場はもとより、レストランなど公共の場所での禁煙を法令などで強制する国が急増している。愛煙家は、人に迷惑を掛けないよう、自宅もしくは人のいない青空の下でどうぞというわけだ。この二つについての日本の取り組みは進んだものとはいえない。特に喫煙については最悪である。赤提灯を含む飲食店での喫煙が認められていたり、いまだに新幹線に喫煙車両があったりする。

外国をまねる必要の無い郵政民営化と、まねるべき公共の場所での禁煙と。どちらがより早く見直され正されていくか。もはやするかしないかではなく、いつ行うかの問題であり、日本人の国民力、国際力が問われている。愛煙家の皆さん、これはあくまで公共の場所での禁煙の話ですから御寛恕を。

Perseverence 18

臥薪嘗胆のコラムの転載。竹中平蔵元総務大臣などによる、鳩山大臣攻撃について言及している。

木を見るか、森を見るか        2009.3.16

テレビ番組で、最近出演機会が急に増えたようにみえる元総務大臣・元郵政民営化担当大臣の竹中平蔵氏が、人選に関与した縁からか、あるいは特別な関係があるからなのか、日本郵政会社の西川善文社長を必死に弁護していた。民営化してからの方がむしろよくやっているのだと。根拠として、①民営化前より黒字が三倍になった、②廃局は公社時代の二百局に対し民営化後はわずかに一局、③二百以上のファミリー企業を切ったがそこには約二千人が天下っていた、などと熱弁をふるった。

一見もっともらしいし、ミクロでは確かにそうかもしれないが、①は、連結で郵貯の黒字を際立たせただけではないのか、②を言うなら公社化以前が一番良いということになる、民営化を嫌っての廃局も相当あったのではないか、③も、現在どんどん作っている子会社とファミリーとの違いは何か、民間企業でも定年前子会社転籍は良くある話なのになど、よくよく考えるとおかしな点が目立つ。大きな争点から巧みにずらされている感じだ。

経済学者の一部に特有な論理立てかもしれないが、こういうのを、「木を見て森を見ず」というのだと実感した。司会者や背後にいる評論家たちも総じて竹中応援団だったが、それでも孤軍奮闘した相手方の亀井静香代議士の方が分は勝っていた。

かつて郵政民営化のための国民世論対策として、「知的レベル・政治意識の高い階層は騙すことが出来ないので、IQ(知能指数)の低いイメージだけで物事を判断する傾向のある主婦・子供・シルバー層の支持を取り付けて郵政民営化を強行しよう」というキャンペーンが行われ、竹中大臣の知人の会社が作成したとされる内部文書が明らかになったことが想起される。テレビと平仄を合わせるかのように、日経新聞も最近の社説で鳩山総務大臣の行動を「横やり」と断じた。再びこの手の巻き返しが横行し始めていることは要注意である。

Perseverence 17

臥薪嘗胆のコラムより。

前島密の決意                 2009.04.03

 新潟県上越市にある前島密の記念館が、3月7日にリニューアル・オープンし、417日には改装展示が行われた。地元郵便局長が提唱し募金によって昭和6年完成、後に国に寄贈されたものだが、現在は、日本郵政株式会社郵政資料館分館前島記念館が正式名称となっている。

前島密は、1835年1月7日生まれ、1919年4月2784歳で没。逓信博物館のホーム・ページなどに業績が詳しく紹介されているが、それによると、1870(明治3)年渡英し、郵便、郵便為替、郵便貯金郵便保険の業務を学んで帰国した。その後駅逓頭に就任し、すでに欧米では一般的な公共通信手段となっていた、切手による料金前納と均一料金制による近代郵便制度を1871年東京京都大阪間に最初に導入した。また、1875年には郵便為替および郵便貯金の取扱いを始めた。諸準備が必要であった簡易保険は1916(大正5)年、郵便年金は1926年に開始されている。まさに郵政事業の祖というにふさわしい。

前島の思想の原点は、ペリーの黒船来航やロシア軍艦の対馬寄港を契機として醸成された、外国に負けない強い日本を作るという激しい思いであった。外国郵便の取扱いについても、わが国にあった外国郵便局を明治13年までにすべて撤去させ、郵便主権の回復をはかっている。

前島の功績は郵政事業以外にも、電信・電話、国字の改良、海運、鉄道、教育、保険など多岐にわたる。大久保利通の大阪遷都論に対抗し、江戸遷都を建言したり、新聞雑誌の低料金取扱いを実現させている。国営独占郵便事業に強く反対していた定飛脚問屋を説得したのも彼だが、これが後の日本通運株式会社となっている。この4月以降、郵便事業会社と日通の両者の宅配便事業を統合するのも何かの因縁であろう。

「縁の下の力持ちになることを厭うな。人のためによかれと願う心を常に持てよ」というのが前島の信条であった。この思いは、はたして現在の郵政人にも十分引き継がれているであろうか。晩年は現在の神奈川県横須賀市に隠居所「如々山荘」を設け、終生をここで過ごした。夫妻の墓は山荘に隣接する浄楽寺にある。後世この地を選挙地盤とする政治家が、自分の決意を蹂躙するようなことをするとは夢にも思わなかったことであろう。

Perseverence 16

臥薪嘗胆のコラムの転載。

民営化いろいろ          2009.2.18

 国鉄、電電公社の民営化は概ね成功と評価されている。これを引き合いにして、郵政民営化も同様に必要だとする議論が見受けられる。国鉄やNTTと同じく、民営化で郵便局が無くなることはないし、サービスも良くなる云々である。はたして、こうした単純一律論は成り立つものかどうか。

先ず国鉄の場合、累積赤字が37兆円にも達し、国が金を失うと書いて国鉄だと云われたほどだったが、民営化という形を取ることで巨額債務を切り離し、サービスも確かに向上した。但し、一部路線の廃止や福知山線脱線事故など民営化の歪みを指摘する声もある。また、北海道四国九州の各社に対する経営安定基金(「三島基金」)が設けられている。

郵政と国鉄との関係は浅くない。国鉄債務処理のために、9802年度に計1兆円が郵貯特会から国の一般会計に繰り入れられたが、まだ返されていない。また、退職職員の雇用や、ぱるるプラザのように国鉄跡地の購入にも協力した。高祖氏の辞職による繰り上げ当選者はJRの元常務だったという落ちまでついている。

一方電電公社は、全国電話普及を完遂するため独占事業体だったが、その使命は1978年度に達成された。そして一層の技術革新を促進することが米英始め世界的な課題となり、その結果競争体制が導入され、競争しやすいよう民営化がなされた。NTTには電話の全国あまねくサービス提供義務があり、電話会社が加入者から徴収して納めるユニバーサルサービス基金からの補填を受けている。

郵便の場合、電話に比し技術発展産業でないことが決定的に異なる。アメリカは電話では徹底した競争を入れながらも、受け箱設置は郵政公社しか認めないなど断固として国営独占郵便を守り続けている。日本の郵便の場合、他社のおいしいとこ取りを実質上容認しているが、競争範囲を合理的かつ厳格に規制しないと経営的には苦しくなるばかりだろう。

このように、同じ手段としての民営化でも、背景は大きく相違する。国鉄の場合は「マイナスからの脱却」、NTTの場合は「技術革新への挑戦」という国家政策理念があった。産業構造の違いを無視した一律民営化礼賛論は成り立たない。郵政民営化には、一体どのような国家政策理念があるというのだろうか。

Perseverence 15

臥薪嘗胆のコラム(通信文化新報)の転載。

麻生発言          2009.2.8

 麻生総理の郵政問題発言で自民党は揺れている。実は郵政民営化には反対であったとか、4分社化を見直すべきだとか、正直な麻生発言に対して、既に引退を表明している小泉氏までが批判に乗り出した。

 麻生氏の発言は、経過を辿れば、昨年末の郵政会社の株売却凍結、施政方針演説での小泉路線への訣別、側近の鳩山総務大臣のかんぽの宿問題の追求など、実はそれなりに一貫している。総務大臣時代の未消化の思いを引きずっているようにみえる。

しかしながら、今の自民党には、総理大臣発言の重みをしっかり捉えてこれを一体として支える雰囲気がない。場合によってこうした大きな転換をもなしうる柔軟な党であることを示すのが、サプライズを欲する国民の期待なのだということが全く分かっていないようにみえる。「郵政研究会」(山口俊一代表)こそ、積極的な4分社化見直し案を提示したものの、「郵政民営化PT(中谷元座長)は、4分社体制を当面維持する「見解」を示した。その中にある、郵貯の限度額撤廃や企業向け融資の解禁案は、完全に民間と同列にして後戻りできなくさせる毒饅頭だという声もある。

国民も興味深く自民党内の争いを見守っている。かんぽの宿問題などで民営化自体の胡散臭さを感じ始めているからだ。折角の郵政麻生発言によって芽生えかけた自民党への国民の声援も、相次ぐ党内の反発で、やはり自民党は所詮その程度の党にしかすぎないとして、かき消されようとしている。3分の2の議席を獲得したものの、得票総数は有権者の3分の1にしか過ぎなかったのが4年前の郵政選挙だったことを想起する必要がある。

 

一方、追求する民主党など野党の対応もどうか。麻生氏の行動様式は総理の座にあるものとして追及の対象足りうるとしても、4分社化見直しの見解などは、大いに称えて国民に訴える材料にするほうがよいのではないか。その意味で野党の追求にも正直若干のイライラ感がある。

 かくして来るべき総選挙は、やはり再び郵政選挙の様相を呈することになるのであるが、民主党は本当に大丈夫か。4年前の郵政選挙の際の行動を総括反省し、打つ手を誤らないようにしてほしいものだ。

Perseverence 14

臥薪嘗胆のコラムの転載である。

郵政力                       2009.2.09改訂版

 最近、「○○力」という言葉が流行っている。本の題名だけでも、例えば文化力、仕事力、とか、悩む力、外交の力、手紙の力など結構な数に上る。これにならって、「郵政力」といえば何があるか?

かつては、先ず親しみやすさ、お客様本位の姿勢、地域密着性であり、次に郵便配達の正確さ、郵貯・簡保の簡便性、国営事業としての生真面目さであり、つまるところ、安心・安全・交流の公的拠点ということであった。国民力そのものともいえる。民営化論議の際、多くの在日外国人識者が、どうしてわざわざ日本の伝統ある良いシステムを壊してしまうのかと訝かしんだほど。民営化でこれらのうちいくつかは喪失されてしまうことになる。

 もう一つ忘れてならないのは、人材の豊富さである。郵政事業はまさに人で成り立っている。全国30万人の職員は多士済々。特定局長は昔から地域の名士、素封家が多く、明治時代には局舎の建設や電柱の敷設にまで私財を投じたといわれる。郵便局員は地域での奉仕活動に率先して取り組む人も多い。有名運動選手を子女に持つ局員家庭の話も聞く。組合も官公労働運動を牽引した。OBとして俳人などの文化人や政治家も多くいた。

 いろいろ有名な方々の例を仄聞するが、今最もホットな三名の方々を取り上げる。公務員制度改革論議の渦中にある谷公士人事院総裁は、元郵政事務次官。現職への就任は、本人の能力もさることながら、信賞必罰を厳格に実施するなど国家公務員行政の手本を示してきた郵政人事行政への高い評価の反映でもあろう。人事院は、再就職承認や級別定数管理などで各省から煙たがられる存在だが、独立性の高い機関の総裁として、ここは一本筋を通されることであろう。

 

岡山県倉敷市長の伊東かおり氏は、勤務経験地からの熱烈な要請に応え総務省室長の職を投げ打って立候補し、昨年見事激戦を制した。元日光郵便局長。若さと郵政力を生かした明るい市政が評判を呼んでいる。市政でもう一人、64歳ながら来る4月の福島県郡山市長選挙に出馬するのが品川まさと氏。平成12年に郵政審議官で退官。故郷への熱き思いからの挑戦だが、是非とも当選を果たして郵政力を発揮してもらいたいものだ。

Perseverence 13

臥薪嘗胆のコラムである。初めて、かんぽの宿の問題に言及している。

自民党良識派の逆襲                 2009.1.30

簡保施設の一括売却問題では、経過の不透明さもあって鳩山総務大臣が待ったをかけた。これに対して国の横槍ではないかとの一部マスコミ論調もあるが、徐々に世論の支持は大臣側についた。確かに70余の施設の建設費が200億円を越えるのに、売価が109億円では国民感情は許さないだろう。

民間企業というのはこうしたことを平気で実施できるのが強みであり、入札手続き自体も法的には問題が無いように見える。しかし、国が100%株を持ち、総務大臣が資産処理の認可権を持っているならば、筋は通さねばならない。

注目すべきは、国民新党のような民営化反対勢力が売却阻止を主張するのは首尾一貫しているが、今回は、民営化を無理やり推進した当の自民党自身が待ったをかけた点であり、そこに政治的意味あいがある。鳩山大臣だけの判断ではなく、後ろに自民党の中の民営化反対派、良識派の後押しがあって、選挙目当てに麻生支持率アップに動き始めたのではないか、と勘繰りたくなる。軌を一にするように、麻生総理は128日の施政方針演説で、「官から民」、「小さな政府」といった小泉路線の発想に疑問を呈した。さらに同日付けで、郵便事業会社社長の團宏明氏が持ち株会社の副社長に任命された。

これらは一見思い切ったことのように思えるが、いずれも中途半端さは否めない。簡保問題に関しては、殆どの不採算施設を売価1万円のものを含めて民営化前に売却したにもかかわらず、なおも40億円もの赤字があるとすれば、その経営責任が問われるべきとの指摘もある。また、小泉路線と決別するならば、いっそ復党派議員の誓約書を一斉破棄するなり、離党派議員を三顧の礼をもって迎えるなりといった大胆さがなければなかなか信用されない。さらに、役員人事にしても、元々旧郵政省出身者が含まれていないことについては与野党双方から大きな批判があった。それが正されただけの話で、首のすげ替えはまだ行われていない。

しかし、これらを含む今後の政府与党の動きが、真に土性骨が入るようなものになっていくならば、結構自民党も盛り返して世論の支持をつかんでいくかもしれない。

Perseverence 12

臥薪嘗胆のコラム(通信文化新報)の転載である。

政治家との付き合い方                     2009.1.21

 今年九月までに必ず行われる次期衆議院議員選挙の当落予測が週刊誌をにぎわせ始めた。その昔政治家大野伴睦は、「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人」という名文句を残した。それだけに彼らは、いかにして選挙に当選するかに日夜腐心する。

 問題は、こうして選挙に勝ち抜いてきた政治家が、立法機関の一員として、日本の将来の命運を握る立場に立つことであり、是非とも国民の代表として、巾広い視野を持って過たない言動をとってもらわなければならない。

 危惧されるのは、理念、信念の人がどれほどいるかということである。国会議員といえども人の子、とかく八方美人になりがち。地元と東京で言動が一貫しない場合も多い。必ず勝ち馬に乗ろうとする調子のよい人もいる。大臣病にかかりやすく、最近は人気取りの有力手段としてテレビ出演に余念がない方々もいる。しかし、これではただの人と何等変わらない。

 国民側の自衛策としては、決して政治家に頼りすぎないことだ。そうでないとまた裏切られることになる。言動の一致する、ぶれない人だけを応援すべきだ。日本が今抱えるすべての病理の根底に郵政民営化問題がある、という基本的認識を候補者が持っているかどうかが選別の際の重要な基準となるといっても過言ではない。なお郵便局現場の場合、野党候補者を応援すると特別考査の対象局として狙い撃ちされるという話も聞くので要注意。

 真面目に勉強したが故に4年前の選挙で惜しくも落選した郵政民営化反対の候補者が、リベンジを果たせるかどうか注目される。また、旧郵政省系総務省出身候補者も多数いると聞く。小泉チルドレンである福岡一区の遠藤宣彦氏は論外として、民主党から立つ千葉九区の奥野総一郎、群馬二区の石関貴史、岐阜五区の阿知波吉信、岡山一区の高井崇志の四氏が見事当選した暁には、郵政事業の健全性を取り戻すために他の同志と共に懸命に戦う姿が見られるかどうか期待が大きい。

 いよいよ決戦のとき。日本の社会の健全性を裏方としてしっかりと支えてきた多くの勢力の有力な一員である郵政人は、断固たる決意で大きな歴史的転換を果たさなければならない。

Perseverence 11

臥薪嘗胆のコラムの転載である。

民営化のメリット                   2009.1.14

一体全体、郵政民営化のメリットはどこにあるのか?3年ごとの見直し時期を迎え、改めて考えてみた。

法律制定当時政府は、民営化のメリットとして要旨次のように説明していた。①公的部門に流れていた資金が民間部門に流れ、経済の活性化が可能。②職員が国家公務員でなくなり、小さな政府の実現に貢献。③事業の創造性や効率性が高まり、顧客本意の良質で多様なサービスの提供が柔軟に行われる。(政府広報オンラインより)

日本郵政グループのホーム・ページも、民営化の目的を、「経営の自主性、創造性、効率性を高めるため」とし、「民営化によって新たな商品・サービスが提供可能になり、利用者の利便性が向上しました。また、郵便局に預けられた資金などもより自由な運用が可能になるため、経済の活性化にも貢献できます。」と堂々謳っている。

これらは、はたして本当か?この点で、民営化スタート直後に書かれたものでネット上にも公開されているが、テレビなどでおなじみの経済アナリスト森永卓郎氏の論文「郵政民営化の先にある恐怖のシナリオ」は大いに示唆的で分かりやすい。

氏は、先ず政府が主張する三つの郵政民営化のメリット、すなわち、利便性の向上(上記③)、財政再建への貢献(上記②)、特殊法人の合理化(上記①)のそれぞれについて検証し疑問を呈する。手数料の値上げ、集配局の大幅集約、配達日数の増加、時間外窓口の閉鎖などをサービス低下の例として挙げる。さらに、地方金融窓口閉鎖のリスク、株式売却による外資経営参画に伴うリスクという中長期的デメリットの問題を指摘し、この問題について政府が国民に対して一言も説明していないことを批判している。そして、民営化は「国民にとってメリットよりもデメリットの方がはるかに大きい」と断じている。

見直しに当たって、郵政民営化委員会や政府がどのような見解を表明するか注視する必要がある。①,②の問題は、元々無理筋の乱暴な議論であるが、メリットと言ったからには、数字的分析結果を出してもらいたいものだし、国民にとって最重要の③の利便性の問題についても、現場の視点や国民の目線が確保されるような議論展開がなされる必要がある。

Perseverence 10

臥薪嘗胆のコラムの転載。

民営化一年の評価                  2009.1.21

逓信協会雑誌一月号の新春対談「一年経った郵政事業の民営・分割化」は、東京経済大学経済部長の田尻嗣夫氏と東洋大学経営学部教授の石井晴夫氏によるものであるが、郵政事業が国営の時代からの専門家だけに、紳士らしく控えめながら洞察は深く舌鋒は鋭い。

まず民営化のメリットとして、「明るくなった職場、接客の向上、コンプライアンスの向上、業務運営の効率化、民営化直前に1兆円を国庫納付、資金運用リスク管理の進展、ファミリー企業の整理」などを挙げているが、かなり苦しいリップサービスという感じがする。

次に問題点については、郵便局会社の収入の懸念など具体的指摘も多いが、基本姿勢についての指弾は、説得的であり傾聴に値する。例えば、経営方針に関しては、「会社の道しるべが明らかでなく、サービスのビジネスモデル、イメージ、設計図がはっきりしないため、現場では頑張っている割に不安感がだんだん高まっている」、「一片の法律の中で決められた国有・民営方式の特殊会社にすぎないのに、情報公開と説明責任の範囲を狭め、地域格差を生じさせるなど、民間企業の論理を振り回すのは国民感情として許し難い」と叱正する。

国や政治に対しても、「郵政民営化法を作っただけで、お国は日本郵政グループに丸投げ状態」、「日本郵政グループをどう方向付けていくのか考えている行政組織は存在しない」、「国家というものの使命感の劣化をみる」、「総務省はいつ郵便行政省になったのか。個人小口の金融機会を提供する郵貯、簡保に対する国の責任は、もう放棄したのか」と手厳しい。

株式売却については更に激しい。「市場の論理と公益性の調整、市場の株式消化可能性、外資規制など肝心な課題について何もガイドラインが無い」、「三百兆円近い国民の小口金融の財産を外資やハゲタカファンドにさらしていいのか」、「民営化の是非を超えて、こんな状況で上場させてはならない、ストップをかけなければならない」、「今のまま国家も日本郵政グループも無防備でいわば裸のまま資本市場へ飛び込めば、マネーゲームのおもちゃになるだけ」として売り急ぎを一大批判する。

こうした問題点の背景には、「元々、民営化・分社化の是非の問題がある」というのが、両者が真にかつ究極的に主張したい点であると読み取った。

Perseverence 9

臥薪嘗胆のコラム。

付帯決議の重さ                   2009.1.8

 新聞報道によれば、日本郵政グループは情報公開を廃止し、情報公開法の適用下にあった公社時代の資料も非公開としたとのこと。民営化で情報公開法の縛りから外れたので民間にならったというのがその理由。民営化してもサービス低下をしないという約束がなされたはずだが、はたして情報の公開はサービスにはあたらないのか。

もう一つ、郵便局長の方と名刺交換したら、〒のマークがついていない。聞くと、上から使うなと言われたからとのこと。〒マークを使わないのは国会付帯決議違反との新聞報道があったことを思い出したが、一体どう解すればよいのか。

郵政民営化関係法案の採決に当たって、二〇〇五年十月十四日参議院郵政民営化に関する特別委員会が行った十五項目の付帯決議を見てみると、その第一項は、「国民の貴重な財産であり、国民共有の生活インフラ、セーフティネットである郵便局ネットワークが維持されるとともに、郵便局において郵便の他、貯金、保険のサービスが確実に提供されるよう、関係法令の適切かつ確実な運用を図り、現行水準が維持され、万が一にも国民の利便に支障が生じないよう、万全を期すること。簡易郵便局についても郵便局ネットワークの重要な一翼を構成するものであり、同様の考え方の下で万全の対応をすること。」とある。

また、第五項は、「民営化後の各会社については、ロゴマークの統一、活発な人事交流等により、郵政グループとしての一体感の醸成を図り、職員のモラールの維持・向上に万全を期すること。特にロゴマークについては、国営、公社の時代を通じて長年国民に親しまれてきた貴重な財産であり、引き続き使用する。」としている。

文章を素直に読む限り、どう考えても、この二つの事例は付帯決議違反としか思えない。決議は法律ではなく、政府が行うべき特段の配慮であるが、実質的には法律と同様な重みを持つと解される。約束は破られるためにあるのだとしたら、何を信じればいいのか。これらは氷山の一角ではないか、他の決議項目は大丈夫かと心配になる。国民のものであった郵便局が、株も売られていないのに早くも国民のものでなくなろうとしている。もっとも、公社化の際の、今後「民営化等のための見直しは行わないものとする」との法律条文ですら強引に破られる国だから、この程度ではたいしたことではないのかもしれないが。


Perseverence 8

臥薪嘗胆のコラムの転載。

世界の郵政民営化                   2008.12.25

 一時期大いに取り上げられた世界の郵政民営化論議は、概ね成功という図式のものが多かったように記憶するが、最近あまり聞かない。ネットで調べてみた。

 わが国政府作成のものとしては、総務省が200811月に郵政民営化委員会に提出した「諸外国の郵政事業の状況」と題する資料が公開されている。それによれば、イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、ニュージーランドの事例が紹介されている。

 より分かりやすいのは、2005828日付けの赤旗の記事。「世界で失敗 郵政民営化」という書き出しで始まっているが、12の国について事実を紹介している部分は明解である。

 この中から主な国の事例を紹介すると、ドイツでは、29000あった局が13000に減少し、ポストバンクもドイツポストに併合された。スウェーデンでは、10年間で局は5分の1、郵便料金は倍になった。イギリスでは、9000の局の内、都市部中心に3000局を閉鎖する方針が出されている。ニュージーランドでは、2002年郵貯が復活、郵便事業参入者の撤退が相次いだ。スペイン、フランス、オーストリアでも郵貯と郵便局業務が再合体する傾向にある。1997年に民営化したアルゼンチンでは、6000の局が3分の1に減り、郵便料金が4倍になり、ついに2003年に国営に戻った。アメリカでは、大統領の設置した委員会が民営化を退ける報告を提出した。カナダ、韓国も郵便事業の公営を守っている、など。

 郵便局の閉鎖、郵貯の復活、郵便料金の値上げが、これほどの凄さとは。アルゼンチンのように堂々と国営に戻した国さえあり、まさに世界は広い。我が国の郵政事業の見直しにあたって、「民営化そのものは止むを得ないにしても」という発想を持つこと自体が大甘であることが良く分かる。

 ここで気になるのは、総務省資料の紹介国数の少なさである。委員会からの要望に答えてのものかどうかは不明だが、まさか談合はないだろうけれども、諸外国の状況と銘打つには少なすぎる。諸外国での失敗事例をあまり大っぴらにしたくないという深慮遠謀が働いたのか、政権与党へのおもねりか、はたまた調査意欲がないのか、そもそも調査能力がないのか。主要紙が世界の状況を報じないのは、民営化をあおりにあおったことに恥じ入ってのことだろうが、いずれにしろ、知らされない日本国民が一番の被害者であることだけは確かである。

Perseverebce 7

臥薪嘗胆のコラム。転向した経済学者中谷巌を氏を厳しく批判している。

ある経済学者の懺悔                     2009.01.04

 『資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言』(中谷巌著、集英社刊)は、「アメリカ流構造改革の急先鋒」であり、「小泉構造改革の片棒を担いだ男」であり、「アメリカかぶれ」であった一流経済学者本人の、「転向」「懺悔の書」である。(「」内は著書からの引用。以下同じ)

主な主張を紹介すると、「グローバル資本主義」(行き過ぎたアメリカ型資本主義)と「新自由主義」(あらゆる活動をマーケット・メカニズムの調整、アダム・スミスの見えざる手に委ねることが経済効率の向上とダイナミズムをもたらすという考え方)は、「危険思想」であり、「悪魔のシステム」であり、「モンスター」である。これらによって、「世界経済の不安定化」、「所得格差の拡大」、「地球環境破壊」といった自由競争の副作用がもたらされた。日本においても、格差社会の拡大、救急医療難民の増加、後期高齢者医療制度、地方経済の惨状、食品汚染、モラルの崩壊、人心の荒廃、安心・安全の喪失、世界ワースト2位の貧困率などの問題が発生した。

転向の理由と共に、こうした問題点について具体例を挙げながら述べ、最後に日本再生のための提言として、消費税制度の改革、地方分権の推進、自然との共生、環境立国化などを訴えている。

郵政民営化についても次のように述べる。「小泉内閣の最大の課題であった郵政民営化は曲がりなりにも実現したが、最大の成果は、郵便貯金や簡易保険で集められる資金が自動的に財政投融資となって不要不急の公共事業に流れていくという仕組みにくさびが打ち込まれた点にあった。この功績はこれからも語り継がれることになるだろう。しかし、田舎にあった小さくて便利な、村の人たちに愛された郵便局が民営化され、採算が合わないという理由で次々に廃業していくことにどれだけの意味があったのだろうか。さぞかし、日本の昔懐かしい風景がひとつ消えて、さびしい思いをした人たちが大勢いたことだろう。」

財政投融資への郵貯預託は、既に20014月以降廃止されているので、前半は理解不足と思われるが、後半は民営化批判として真っ当である。世界的経済破綻でこうした書は今後相次ぐであろうが、庶民の感覚からすれば、懺悔するのは立派だけど、もう10年早く気が付いてほしかった、我々は既に肌身で知っていたのに、というのが正直な感想であろう。

Perseverence 6

臥薪嘗胆のコラムの転載である。「民営化という設計図自体にそもそも欠陥があって、ベテランや移籍組の大工さんがどれだけ一生懸命設計図どおり作業をしても、所詮人が住む家にはなりえないということでは何をかいわんやであるが」と辛辣に書いている。

トヨタ ショック                       2008.12.25

 トヨタ自動車の決算については、昨年11月の中間決算発表(最終利益を前期比68%減の5500億円に下方修正など)の後、12月にはさらに、急激な円高などで20093月期の連結営業損益が赤字に転落する見込みと報じられた。

 その他の国内自動車メーカーも不調であり、米国でも3大自動車メーカーの救済が大きな問題となっている。サブプライムローン問題が発端で、住宅ローンを担保にして車を買うといった従来の購買行動が出来なくなったためといわれている。

 このトヨタショックで、愛知万博以来日本一活気のあった東海地方の経済も、トヨタの下請け企業が数多くあるため今や元気がなく、宴会や接待自粛で名古屋の繁華街も沈み気味とのこと。全国的な不況のあおりで、いろいろな業界で採用内定取り消し、派遣社員の契約破棄が相次いだが、あおりで郵便局の年賀アルバイト要員の確保が好調だったというのも、はたして手放しで喜んでいいものかどうか。

 トヨタといえば、カンバン方式、改善活動などで生産性の向上のモデルとなっている日本一の超優良企業である。トップが、マスコミの発言はけしからん、広告停止で締め上げるといえば、マスコミは震え上がるほどである。また幹部級の人材を各方面の業界にも派遣している。

 民営化で、郵政事業にも多くの民間企業から人が移籍してきた。土足で上がりこんで、食い散らかして去っていくことだけはあってはならないが、この際、こうした民間企業人の儲け最優先の優れた論理や行動を良く勉強し、それらが郵政事業に当てはまる場合と、そうでない場合をじっくり検証吟味するのも、立派な郵政見直しであろう。利用者利便を忘れた魂の入っていない施策になっていないか、朝令暮改の単なる思い付きか、真にムダの排除になっているか、など。例えば、カンバン方式は、言葉は悪いが下請けいじめの構造であり、下請け企業がいて初めて成り立つ。そうした構造を持たない郵政事業にそのまま当てはまるわけはない。

もっとも、民営化という設計図自体にそもそも欠陥があって、ベテランや移籍組の大工さんがどれだけ一生懸命設計図どおり作業をしても、所詮人が住む家にはなりえないということでは何をかいわんやであるが。

Perseverence 5

臥薪嘗胆のコラムがつづく。新年早々に掲載された新年号の記事である。

郵政事業の見直し                    2008.12.17

 平成二十一年が明けた。今年はなんと言っても衆議院議員総選挙の年、また郵政事業にとっては初めての三年見直しの年であり、極めて重要な年となる。そして、この二つは大きく絡むことになる。

 

 衆議院選挙については、昨年の麻生総理の先のばし作戦は完全に裏目に出た。発言のブレや失言、漢字の読み方の問題などもあって、支持率は大きく下がった。

 国会議員のホームページやネット上の発言を読んでいると面白い。郵政造反議員として気概を示しながらも、その後、始末書を書かされて、今や郵政問題に一切触れることができない人もいる。投票直前に賛成へと寝返った人の中には、その言い訳と同時に郵便局関係者がいまだに関係修復をしてくれないことを嘆く人もいる。

 こうした中、出色のものもある。例えば、綿貫民輔氏の比例区北信越ブロックからの出馬宣言「私の決意」は読む者の心を打つ。自見庄三郎氏の「理念なき郵政民営化に反対する10の理由」は、今読んでも簡にして要を得た分かりやすい内容となっている。

もう一方の、三年見直しは、郵政民営化法第十九条の規定に基づく。郵政民営化委員会は、三年ごとに、承継会社の経営状況及び国際金融市場の動向その他内外の社会経済情勢の変化を勘案しつつ、郵政民営化の進捗状況について総合的な見直しを行い、その結果に基づき、本部長に意見を述べること。」とされている。この見直しは、経営形態のあり方を含む全ての事象を対象とするものであることは、当時の小泉総理大臣国会答弁でも明らかとなっている。

このため、今年の三月を目途にその作業が進められているが、例えば、民営化委員会が行う「有識者」インタヴューなどの対象者に一般の国民が含まれているのかどうか。総選挙の時期と結果次第で、委員の更迭は当然あるだろうが、それでも政治的な誘導や妥協が行われないよう、しっかりと監視していくことが必要と思われる。

自民党内でも、郵政見直し検討の場があるようだが、一方では、引き締めのための議員の会も開かれている。新聞紙上に出る参加議員の名前をよく記録しておくことは重要だろう。国民新党も昨年末、郵政見直し法案の衆議院本会議採決の際の記名投票を求めた。当然の要求である。かくして、来るべき衆議院総選挙は、再び郵政選挙としての色彩を実質的には帯びてくるのである。

Perseverence 4

臥薪嘗胆のコラムの転載である。タイトルは、Perseverence としている。

郵貯と全銀システムの接続                   2008.12.04

来年1月5日から、郵貯と銀行のネットが繋がり相互に振込みが出来るようになるらしい。顧客便利向上の点から歓迎すべきことである。

これについて、郵貯銀行のホームページは次のように述べている。

「ゆうちょ銀行では、平成21年1月5日(月)に、全国銀行データ通信システム(全銀システム)に接続することにより、全銀システムに接続している金融機関(約1,500行)とのあいだで振込ができるようになります。
 開始時期は延期される場合があります。また、現在提供している相互送金サービス(ゆうちょ銀行と一部の提携金融機関の口座間で、口座内のお金を相互に送金するサービス)は、平成20年12月30日(火)をもって終了させていただくことになります。」

文中の「振込」と「相互送金」がどう違うのか、専門家でないと分かりずづらいが、逐次の個別接続から、全銀システム全体との接続へと一挙に拡充発展するということらしい。

問題は、こうした単純なことが何故今まで実現できなかったのか、ということだ。発展著しい分野であり、多くの銀行が既に繋がっているのだから、まさか技術的問題ではないはずだ。誰が、または、何が、これを阻んできたのか、そしてその阻害要因はどのようにして取り除かれたのか、さらに、この遅延の責任は誰が負うのか、こういったことが明らかにされる必要がある。

全国銀行協会が反対していたからなのか、それを応援する金融庁が阻止してきたからなのか、しかし民営化され金融庁の傘下に入ったのでようやく実現したのか、あるいはこれまで郵貯側にその気が無かったからなのか、などなど。

郵貯・銀行百年戦争が華やかだった頃、我々と銀行は一体であり夫婦のようなものである、たとえどんなに国民にとって便利であっても、銀行の敵である郵貯の利益になることは阻止しなければならない、銀行の利益を守るのが我々の仕事である、などと豪語した大蔵官僚がいたそうだが、そういった思想が基本的に踏襲されているとすれば、郵貯民営化がはたして国民の利益最優先で行われたものかどうか、大いに疑問が残るところである。

Perseverence 3

臥薪嘗胆のコラムの転載である。

元次官襲撃事件                        2008.12.04

厚生労働省の元次官やその夫人が襲われ、落命する事件が起きた。まことに痛ましいことである。報じられた犯人の動機からしても不可解な事件である。

さらに恐るべきは、インターネット上の書き込みの中に、高級官僚への攻撃、殺傷を当然視する意見が少なからず見られたことである。昨今の官僚の不祥事に対する怒り、特に年金問題への怒りがその背景にあると見られるが、それにしても人名軽視、暴力礼賛の意見には、聞く耳、見る目を疑う。日本は、なんと情けない国に成り果ててしまったことか。

かつて、経済的効率性を追及する観点から、官から民へ、とか、民で出来ることは民で、といったフレーズが一人歩きした時代があった。これに、年金不適正処理や居酒屋タクシー問題や防衛省次官汚職事件などの官僚不祥事や天下り問題などが加わって、いつの間にか、「官は悪」という単純図式が出来てしまった。こうした風潮が今回のような殺人鬼や官僚殺人礼賛者を生みだしたとしたら、その罪は大きい。

官と民とは、その組織目的、社会に果たす役割が異なる。一般的には、税金を払っているか、税金で賄ってもらっているか(この点郵政事業は異なった)、さらに、儲けを第一に考えるか、公の福利厚生を考えるか、が異なる。であるが故に、すなわち、官は公であるが故に善であることへの期待が大きいのは事実である。しかし、ここから「官は悪」というのは出てこない。

むしろ、アメリカのサブプライム問題に端を発した今回の世界大不況で明らかになったことは、アメリカが世界に輸出した、弱肉強食主義と小さな政府主義は、少なからず修正を要するということであった。民の失敗の反省である。そのアメリカですら、郵便事業の国営を堅持している。日本の郵政事業も、まさか幹部職員の安泰をはかるために公的任務を放擲し民営化に走ったわけではあるまいが、まだ今なら公的役割の復活に十分間に合う。

Perseverence 2

臥薪嘗胆のコラム(通信文化新報掲載、11月25日執筆)を掲載する。

人は何故年賀状を書かないか?

今年も、10月30日から年賀状の発売が開始されたが、近年の販売発行枚数は往時よりも落ちている。はたして、年賀状はもはや日本の醇風美俗ではなくなりつつあるのか?誰しももらえば嬉しいし、近況を知らせあうのに最適だし、宛名書きや図案もパソコンがやってくれるのに。その原因は何か、年賀状を書かなくなった原因は?

よく言われるのは、若い世代を中心にインターネットが代用してしまっている、特に携帯メールで代替されている、パソコンの普及で字を書くのが億劫になってしまいそもそも日常的に手紙、葉書を書かなくなってしまった、不況で企業の虚礼廃止が進んだ、団塊の世代が退職し必要枚数が減った、お年玉の商品がダサくて飽きられた、などなどである。

果たしてそれだけか。もう一つ指摘すべき肝心なことがある。それは、公社化した直後の数年間、全然元日に到達しないことがあったし、事故処理年賀も、遅い場合お年玉抽選日の前日にようやく戻ってきたり(これでは出し直せない)、正月2日を配達日にしても、殆ど配られなかったり、といったイライラ年賀が相次いだからではないか。筆者の近辺にも、これらが原因で年賀状を止めましたということを明言する人が少なからずいる。

これらの更なる原因は何か、ということがもっと追究され公開されるべきだったろう。無理やり黒字の結果を出すために、経費節減でアルバイト採用を大幅にケチったとか、手間のかかる事故処理は後回しにしろという指示でも出されたとか、ということははたしてなかったか?年末の曜日の関係で差出しの遅れがあったというような、あたかも顧客の側に責任があるかのような言い訳がなされなかったか?

重要なことは、一度無くした信用は、相当の努力をしないとなかなか回復しないということである。人間は環境とか、方法の変化にかなり順応しやすい。信書ではないかと思われるような重要書類が宅配便で届いたり、重いダンボール箱の荷物が郵便局から届いたりすると、その風景に慣れてしまう。年賀状が無くても年は越せる、となったら縮小の一途を辿るのみであろう。

Perseverence 1

臥薪嘗胆という筆名による単刀直入と題するコラムが人気である。。ペンネームであるから、筆者はどなたかは秘匿されているが、なかなかの文才である。通信文化新報と言う、いわゆる業界紙で、郵便局の関係者の間で読まれている週刊新聞で、的確な時事評論で話題になっている。了解を得て、当ブログに転載するので、同新聞を購読していない読者にも広く紹介することとした。まず、昨年11月25日に執筆のコラムから。

郵政造反組                                

麻生政権が誕生して既に3ヶ月近く立つが、だいぶもたつきが目立つようだ。ところで、政権が誕生した際の気になる新聞論調は、郵政造反組の議員が新内閣や自民党で重用されたことは改革の後退を意味する、と極めて単純に決め付けている点だ。
 
 しかし、民営化反対派の人々からすれば、改革の後退とは何事か、ということになる。郵政民営化で生活は不便になった、従ってその見直しが必要、そもそも小泉改革は間違いだった、即ち、それは改革ではなく破壊だった、もっと自民党やマスコミは反省すべき、ということになる。

 そこまでいかなくても、中立の立場の人から見ても、民営化は過去の話で内閣や党の人事とは無関係なはず、彼らは立派に当選しかつ正規に自民党に復党もしている、有能な人材を登用しないことこそ国民的損失である、新聞はよほど民営化に自信が持てないらしい、ということになる。

 冷静に20059月11日の衆議院選挙、いわゆる郵政選挙を振り返ってみると、議席数こそ与党が圧倒的多数だった(29631327定数 480)が、その得票総数は5割にも満たなかった(小選挙区で49.22%)。投票率が67%だったので、「反対か賛成か国民の声を聞いてみたい」の結果は、国民からの積極的民営化賛成は実は3割そこそこしかなかったのだ。

 この議席数と総得票数の矛盾が今表れている。むしろ、地方と都市や貧富の格差問題の形で一層増幅されている。客観的に見て、自民党としては起死回生、例えば小泉氏を自民党から除名する形で国民に反省を示すこと以外、次回選挙で勝つ見込みは無いだろう。そこまで流れはできあがっているように見える。そして、この矛盾を基軸にして、今後の政界再編成が進むのではないか。

 この観点からすれば、本来中立客観報道を旨とすべき新聞論調は、2重の誤りを犯していることになる。民営化が100%正しいと決め付けている点、及び、熱心に勉強したが故に反対票を投じた議員の登用を正しくないと決め付けている点で。

Hatoyama Ousted 2

長谷川憲正参議院議員のメールマガジンから。ご参考まで。

「12日、日本郵政社長人事に関し、西川社長の続投を認めないと勇気ある発言を繰り返してきた鳩山総務大臣が、辞任に追い込まれました。
報道によれば、麻生総理が鳩山大臣に対し西川社長の続投を認めるよう求め、鳩山総務大臣がこれを拒否した結果、事実上の解任となったようです。
皆さん、かんぽの宿をたたき売るなど悪いことをしたのは西川社長なんですよ。それを指摘した鳩山さんが、なんで首を切られるんでしょうか? 答えは簡単です。麻生総理は小泉元総理が怖いんです
。小泉元総理の意向で西川氏の続投を認めざるを得ない以上、続投に反対する総務大臣は、たとえ自分の片腕であっても切って捨てる以外に手は無かったのでしょう。麻生総理は小泉元総理の傀儡(かいらい)にすぎないということです。正義を捨てて身を守る。3年9ヵ月前に見たことがまた繰り返されたわけです。
今、民営化によって郵便局もすっかりおかしくなりましたが、それだけではなく、自民党は弱い者をいじめ、地方をいじめ、格差がどんどん拡がっています。これは自民党政治が「正義」に基づかないからです。皆さん、怒りましょう! 心の底から怒りましょう! 来るべき衆議院の総選挙で国民の怒りをぶつけ政権交代を実現しましょう。」

Hatoyama Ousted

時事通信が昨年末からの、かんぽの宿をめぐる鳩山前総務大臣の軌跡について、まとめている。http://www.jiji.com/jc/v2?id=20090612hatoyama_koutetsu&rel=j&g=phl

Corrupt Postal Privatization 107

下記は、9日深夜に配信された長谷川憲正参議院議員のメールマガジンの全文である。

ご参考まで。

[西川社長の続投問題が、政局になってきそうなところです。鳩山総務大臣は、断固として正義を主張されており、これはまさに正しく当然のことだと思っております。昨日(8日)、日本郵政の横山専務執行役、伊藤執行役を東京地検に西川社長との共謀に基づく特別背任未遂罪等で刑事告発しました
が、その際も鳩山総務大臣に対し、「改めて主務大臣としての毅然たる対応を示され、疑惑の全容解明に全力を尽くされますよう強く要請いたします」と告発人12名連名の書面を手渡したところです。
 また、本日(9日)は、13:00から参議院総務委員会で最近の郵政問題に対する集中審議が開かれ、私長谷川憲正がトップバッターで70分、日本郵政西川社長の経営姿勢を厳しく糺しました。また、西川社長を後継指名した日本郵政の指名委員会の牛尾委員長、不動産売却に関する第三者検討委員会の川端委員長についても、参考人要請をしましたが二人とも出て来ませんでした。
 西川社長には、130余年続いている郵政事業がいかに公的な使命を持っているかの認識に欠けるのではないかなど、本人の経営姿勢を厳しく糺しました。
かんぽの宿関係では、最初は「競争入札で公正に行っております」と言っていたのに、追求してみると各社から企画案を出させその中のいいものを選ぶ企画コンペ方式で決定しており、これは競争入札というものではなく、よいところと契約する随意契約であり、問題が表面化した後も修正も訂正もしなかったことを指摘しました。また、世田谷レクセンターが途中で売却対象から外れた件についても、担当部門の責任者は「決定前に社長に報告した」と言っているのに、西川社長は「ずいぶん後から聞いた」と答弁しており、どちらが本当なのか迫りました。
 西川社長は「反省すべきは反省する。改善の方向についてのお答を申し上げる」「(民営化の)土台をしっかりすることが私の責務と考えている」という趣旨の答弁につきました。
 鳩山総務大臣は「国民共有の財産をかすめ取り、誰かが不当な儲けを得ている。経営の在り方について認められない。」と答弁されました。
今日は、社民党の又市征治先生、共産党の山下芳生先生も、西川社長は辞任すべきではないかと厳しく迫られました。また、自民党の河合常則先生も最近の低料三種郵便の悪用事件などをめぐり西川社長の経営責任を追及されました。

 6月29日には日本郵政の株主総会が開かれる予定です。人事もそれまでには決着となるでしょうが、郵政事業が、130余年、日本全国津々浦々で地域生活のインフラとして使命を果たしてきた大きな公共性のある事業だということをよく理解した方に経営を行ってもらわないと今度のようなことになるのではと思います。」

Corrupt Postal Privatization 106

6月9日、参議院総務委員会における郵政問題についての集中審議の模様。参議院テレビの動画像。リンクを貼る。http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/reference.php?page=1&cd=3281&tx_mode=consider&sel_kaigi_code=0&dt_singi_date_s=2009-01-05&dt_singi_date_e=2009-06-10&tx_speaker=&sel_speaker_join=AND&tx_anken=&s

Corrupt Postal Privatization 105

労使協調路線はともかく、次のような記事も報道されているのでご参考まで。

「<日本郵便>郵便配達員、悲鳴「4月以降、一方的賃下げ」
非正規、時給100円以上減も
              5月30日13時25分配信 毎日新聞
 
 全国で16万人以上いるとされる郵便事業会社(日本郵便)の非正規労働者の間で、今年4月以降、一方的に時給を下げられるケースが相次いでいる。
 郵便配達などを主に担う非正規社員は契約更新前の人事評価で時給が決定。組合側は、会社側が人件費を削減するため、この評価を厳しくしたとみている。
 100円以上も時給が下がった労働者もおり、「あまりに一方的すぎる」と怒りを募らせる。

 非正規労働者も加入する日本郵政グループ労働組合(JP労組)近畿地方本部には今年2月以降、「4月から時給を一方的に下げられる」という苦情が集まり始めた。非正規の「期間雇用社員」は6カ月契約。契約更新前に「スキル認定」と呼ばれる人事評価を受けて時給が決まるが、この際に時給が下がっているという。

 同社は09年3月期決算で業績が低迷。関係者によると、今年2月には人件費削減を求める趣旨の文書が本社から各支店に送られたという。組合側は「賃金引き下げを目的に、意図的にスキル認定の評価基準を厳しくしている」と、会社側に撤回を要求。会社側は「スキル認定の基準は変わっていない」と主張し、議論は平行線をたどっている。

 神戸市内の支店で約4年間働く40代男性は、4月から時給が110円下がり、手取り20万円ほどの月収が十数万円にまで減った。
「今までに評価が下がったことはなく、技術が落ちたわけでもない。これでは生活できない」と不信感を募らせる。

 別の支店で約5年間働く40代男性も110円下がった。
「郵便配達に使うバイクの破損と郵便物の紛失」が理由だが、バイクはミラーが折れただけ。紛失したとされる郵便物も支店内で数分後に発見されており実害はない。
 この他にも、ささいな理由で時給を大幅に下げられた同僚が多いといい、男性は「業績が悪化したツケを弱い立場の我々にだけ押しつけているとしか思えない」と憤る。

 毎日新聞の取材に同社は「当社の経営の基本に関する問題であり、外部に話すことは適当ではない」としている。」

Corrupt Postal Privatization 104

 日刊工業新聞は、「「ユニオンショップ制」日本郵政と合意ーJP労組」という特ダネ記事を報道した。

同新聞のネット版では、本誌紙面の一部が掲載されている。

「日本郵政と国内最大の単一労組である日本郵政グループ労働組合(JP労組、組合員約22万人、山口義和委員長)は、「ユニオンショップ制」(用語参照)を締結することで基本合意した。JP労組執行部は17日から3日間、仙台市で開かれる第2回定期全国大会で報告。年内をめどに協定を結ぶ予定だ。
 ユニオンショップ制は公務員には適用されないが、日本郵政グループの社員は07年10月の民営・分社化で民間人になっている。ただ、NTTグループやJR各社はオープンショップ制を採用しており、20万人を超える単組がユニオンショップ制を結ぶのは初めて。
 07年10月に旧日本郵政公社労働組合(JPU)と旧全日本郵政労働組
 合(全郵政)が統合して発足したJP労組は、統合を機に日本郵政側と「労使検討チーム」を設置するなど労使協調路線に転換。雇用安定と09年度内の30万組織の達成に向けて協定締結を目指す。
(掲載日 2009年06月10日)」

日刊工業新聞の6月10日の本紙面では、上記の後に続けて、協定の発効には、労働者の過半数を代表することが必要であり、非正規社員の含む数であり、非正規社員の組織化で、組織率過半数を超える事業場比率8割達成を急いでいると追記している。

さらに、用語解説を行っており、「ユニオンショップ制=会社に雇用されたbが会い、一定期間内に一定の労働組合に加入しなければならない‥また、加入した労働組合から除名または脱退した場合には解雇されるという労働協約上の条件(労働組合法第7条第一項)がある。ユニオンショップ制は組合の統制力の推進や労使協調路線の象徴として、トヨタ自動車、日立製作所、NEC、パナソニックなど大手製造業が採用」という解説記事を掲載している。

なお、同新聞は、中小企業の関係記事を詳細に報道する専門新聞であるために、いわゆる一般紙ではないが、5月20日付で、JP労組委員長を顧問に、郵便局会社監査役も兼務ーー日本郵政という、記事を報道している。

 要旨紹介しておく。「日本郵政は、日本郵政労働組合の山口委員長を顧問に招請する人事を固めたことがわかった。株主総会にていしゅつされるが、労組トップ経験者が経営に参画するのはきわめて異例。山口氏は、全郵政出身で、統合して発足した日本郵政労働記見合いの初代委員長。6月17日からの全国大会で退任。郵便局会社の監査役も兼務する。全国の郵便局長会は、経営形態の見直しをめぐって会社側と激しく対立しているが、労働組合は、統合を機に労使協調路線に転換。日本郵政側と「労使検討チーム」を設置するなど西川体制と「蜜月関係にある」(関係者)。ただ、旧JPU出身者や地方組織で経営見直しを求める声もあり、山口氏の起用は労組との関係を強化する狙いもある。」との報道である。この内容については、会員制雑誌のテーミス6月号においても、労組委員長の経営者側への参加についての記事が既に掲載されていたところであるが、いわゆる一般紙においては、報道が行われていないので、当ブログは、報道記事の要旨を、論評を加えずに、記載しておくことにした。

Market Fundamentalism is Dead 19

閑話休題。藤山一郎の東京ラプソディーが流行したのは、昭和11年である。2.26事件があった。戦争に向かって、日本が偏狭なナショナリズムで坂を下り出す。国体の本義が出版されるのは、昭和12年である。既に紹介したように、国体の本義は、偏狭な排外主義を戒めている。ナチスとファシズムについても、共産主義やその他の政治思想同様に、日本の国の文化や伝統に醇化しようとしない外来の思想であると指摘している。市場原理主義も同様である。昭和12年は、そうした日本の伝統や文化を守ろうとした勢力と、排外主義の唯我独尊の、つまり、寛容で多元的な日本の本質から離れた政治・経済で戦争に突入省とする勢力とが拮抗する分岐点であったように思う。東京ラプソディーは、そんな時代の挽歌のように聞こえる。(幸いにして、市場原理主義の虚妄は、自ら破綻したことであるが、なお、その亡霊がこの国にもさまよっているから、挑発にのってはならない。)

Corrupt Postal Privatization 103

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-182e.html

のサイトが、今日の参議院での日本郵政の問題についての集中審議の本質をわかりやすく解説している。ご参考まで。総務大臣と税務大臣の権限の切り分けなどについても触れている。それにしても、参考人招致で、色々理由を付けて、出席しない関係者が多すぎる印象があるが、鼎の軽重を問いながら、そろそろ、証人喚問をする時期かも知れない。当ブログごときが考えることではなくて、総務委員会の委員の皆様方が考えるべきことではあるが、手ぬるい印象が残る。

Corrupt Postal Privatization 102

当ブログは、読者から興味深い情報の提供を受けた。

「6月初旬に、ある地方都市で、関係者の会合があり、宅配便の日本通運と郵便事業会社が合弁事業を作る話などを話題にしていたが、旧郵政公社の生田元総裁が、野党の幹部に「日本郵政の西川社長を辞めさせてくれ」と電話をしてきたという話を聞いた。その話に聞き耳を立てながら、生田元総裁が電話をする人は違うのではないのか、あれだけ、小泉・竹中政治に加わって、公社総裁でありながら、民営化を推進したのであるから、小泉元首相や、竹中元大臣に電話をするか、あるいは、経済同友会などを通じて、一貫してお仲間と言われてきた、オリックスの宮内会長あたりに電話をすると思うのが普通であるが、よりによって、与党でもない政党の幹部に、西川社長を辞めさせてほしいとの電話要請をするのは、どんな背景があるのだろうか。」という、貴重な情報である。

市場原理主義の郵政民営化や、規制緩和などの政策に追従した連中が仲間割れを起こしているのかも知れない。民営郵政の社長に西川氏が就任したとき既に、ある種の対立が生じていたことが予想されるが、うがった見方をすれば、西川社長を早く更迭することによって、公社時代の不動産の売却問題が、生田元総裁自身に波及することを阻止することになるからとの見方も成立しうる。トカゲの尻尾切りを早くしてほしいとの見方も成り立つが、単なる想像に過ぎない。郵政民営化の闇は深い。宮内氏も、竹中氏も参考人招致にも応じない。政治が劣化して、情報調査能力が低下してはいるが、公開情報をつなぎ合わせて仔細に監察していると背後の関係が、次第に見えてくる。国民のネットワークの力が発揮されるのは、拓かれた民主主義の世界だからである。

いずれにしても、貴重な情報の提供に感謝する。関係者の中で、また貴重な情報の入手があれば提供願えれば幸いである。

Corrupt Postal Privatization 101

[2005年10月14日、郵政民営化法が成立して、すぐのまだ旧郵政公社生田総裁の時から、郵政資産の格安私物化は始まっていたということだ。]との書き出しで、旧郵政公社時代から、土地転がしや、不動産の大安売りが始まっている。

http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-9522.html

西川社長を解任するばかりではなく、郵政公社の時代の生田総裁の時の資産売却についても検証する必要がある。

Corrupt Postal Privatization 100

保守の新聞であった、産経新聞が、正論と題する有名なコラムに竹中平蔵氏執筆の記事を掲載している。少なくとも正論ではない。政治宣伝のかと紛らわしき文章を平然と掲載している。産経新聞はおかしくなったのか。事実に反する内容を検証もせず、議会の参考人招致にも応じない脱税の市場原理主義者の学者もどきの虚妄の主張を掲載するのは、何か産経新聞に魔物がとりついたかのようである。市場原理主義は、左翼全体主義の破壊と更地にして私益の最大化を図るという手法に近似しており、保守主義とは相容れないものである。

Corrupt Postal Privatiztion 99

http://nishimura-voice.seesaa.net/article/115219368.html#more

Photo_2 ご参考まで。

Shift 2

http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-by-the-President-at-Cairo-University-6-04-09/ 演説の文章である。カイロの名門の大学、アズハリ大学での演説である。ちなみに、イラクのサダム大統領は、アズハリ大学の主審であったことはご参考まで。アラブのエリートは、イスラム世界に広く散らばっている。

PRESIDENT OBAMA:  Thank you very much.  Good afternoon.  I am honored to be in the timeless city of Cairo, and to be hosted by two remarkable institutions.  For over a thousand years, Al-Azhar has stood as a beacon of Islamic learning; and for over a century, Cairo University has been a source of Egypt's advancement.  And together, you represent the harmony between tradition and progress.  I'm grateful for your hospitality, and the hospitality of the people of Egypt.  And I'm also proud to carry with me the goodwill of the American people, and a greeting of peace from Muslim communities in my country:  Assalaamu alaykum. (Applause.)

We meet at a time of great tension between the United States and Muslims around the world -- tension rooted in historical forces that go beyond any current policy debate.  The relationship between Islam and the West includes centuries of coexistence and cooperation, but also conflict and religious wars.  More recently, tension has been fed by colonialism that denied rights and opportunities to many Muslims, and a Cold War in which Muslim-majority countries were too often treated as proxies without regard to their own aspirations.  Moreover, the sweeping change brought by modernity and globalization led many Muslims to view the West as hostile to the traditions of Islam.

Violent extremists have exploited these tensions in a small but potent minority of Muslims.  The attacks of September 11, 2001 and the continued efforts of these extremists to engage in violence against civilians has led some in my country to view Islam as inevitably hostile not only to America and Western countries, but also to human rights.  All this has bred more fear and more mistrust.

So long as our relationship is defined by our differences, we will empower those who sow hatred rather than peace, those who promote conflict rather than the cooperation that can help all of our people achieve justice and prosperity.  And this cycle of suspicion and discord must end.

I've come here to Cairo to seek a new beginning between the United States and Muslims around the world, one based on mutual interest and mutual respect, and one based upon the truth that America and Islam are not exclusive and need not be in competition.  Instead, they overlap, and share common principles -- principles of justice and progress; tolerance and the dignity of all human beings.

I do so recognizing that change cannot happen overnight.  I know there's been a lot of publicity about this speech, but no single speech can eradicate years of mistrust, nor can I answer in the time that I have this afternoon all the complex questions that brought us to this point.  But I am convinced that in order to move forward, we must say openly to each other the things we hold in our hearts and that too often are said only behind closed doors.  There must be a sustained effort to listen to each other; to learn from each other; to respect one another; and to seek common ground.  As the Holy Koran tells us, "Be conscious of God and speak always the truth."  (Applause.)  That is what I will try to do today -- to speak the truth as best I can, humbled by the task before us, and firm in my belief that the interests we share as human beings are far more powerful than the forces that drive us apart.

Now part of this conviction is rooted in my own experience. I'm a Christian, but my father came from a Kenyan family that includes generations of Muslims.  As a boy, I spent several years in Indonesia and heard the call of the azaan at the break of dawn and at the fall of dusk.  As a young man, I worked in Chicago communities where many found dignity and peace in their Muslim faith.

As a student of history, I also know civilization's debt to Islam.  It was Islam -- at places like Al-Azhar -- that carried the light of learning through so many centuries, paving the way for Europe's Renaissance and Enlightenment.  It was innovation in Muslim communities -- (applause) -- it was innovation in Muslim communities that developed the order of algebra; our magnetic compass and tools of navigation; our mastery of pens and printing; our understanding of how disease spreads and how it can be healed.  Islamic culture has given us majestic arches and soaring spires; timeless poetry and cherished music; elegant calligraphy and places of peaceful contemplation.  And throughout history, Islam has demonstrated through words and deeds the possibilities of religious tolerance and racial equality.  (Applause.)

I also know that Islam has always been a part of America's story.  The first nation to recognize my country was Morocco.  In signing the Treaty of Tripoli in 1796, our second President, John Adams, wrote, "The United States has in itself no character of enmity against the laws, religion or tranquility of Muslims."  And since our founding, American Muslims have enriched the United States.  They have fought in our wars, they have served in our government, they have stood for civil rights, they have started businesses, they have taught at our universities, they've excelled in our sports arenas, they've won Nobel Prizes, built our tallest building, and lit the Olympic Torch.  And when the first Muslim American was recently elected to Congress, he took the oath to defend our Constitution using the same Holy Koran that one of our Founding Fathers -- Thomas Jefferson -- kept in his personal library.  (Applause.)

So I have known Islam on three continents before coming to the region where it was first revealed.  That experience guides my conviction that partnership between America and Islam must be based on what Islam is, not what it isn't.  And I consider it part of my responsibility as President of the United States to fight against negative stereotypes of Islam wherever they appear. (Applause.)

But that same principle must apply to Muslim perceptions of America.  (Applause.)  Just as Muslims do not fit a crude stereotype, America is not the crude stereotype of a self-interested empire.  The United States has been one of the greatest sources of progress that the world has ever known.  We were born out of revolution against an empire.  We were founded upon the ideal that all are created equal, and we have shed blood and struggled for centuries to give meaning to those words -- within our borders, and around the world.  We are shaped by every culture, drawn from every end of the Earth, and dedicated to a simple concept:  E pluribus unum -- "Out of many, one." 

Now, much has been made of the fact that an African American with the name Barack Hussein Obama could be elected President.  (Applause.)  But my personal story is not so unique.  The dream of opportunity for all people has not come true for everyone in America, but its promise exists for all who come to our shores -- and that includes nearly 7 million American Muslims in our country today who, by the way, enjoy incomes and educational levels that are higher than the American average.  (Applause.)

Moreover, freedom in America is indivisible from the freedom to practice one's religion.  That is why there is a mosque in every state in our union, and over 1,200 mosques within our borders.  That's why the United States government has gone to court to protect the right of women and girls to wear the hijab and to punish those who would deny it.  (Applause.)

So let there be no doubt:  Islam is a part of America.  And I believe that America holds within her the truth that regardless of race, religion, or station in life, all of us share common aspirations -- to live in peace and security; to get an education and to work with dignity; to love our families, our communities, and our God.  These things we share.  This is the hope of all humanity.

Of course, recognizing our common humanity is only the beginning of our task.  Words alone cannot meet the needs of our people.  These needs will be met only if we act boldly in the years ahead; and if we understand that the challenges we face are shared, and our failure to meet them will hurt us all.

For we have learned from recent experience that when a financial system weakens in one country, prosperity is hurt everywhere.  When a new flu infects one human being, all are at risk.  When one nation pursues a nuclear weapon, the risk of nuclear attack rises for all nations.  When violent extremists operate in one stretch of mountains, people are endangered across an ocean.  When innocents in Bosnia and Darfur are slaughtered, that is a stain on our collective conscience.  (Applause.)  That is what it means to share this world in the 21st century.  That is the responsibility we have to one another as human beings.

And this is a difficult responsibility to embrace.  For human history has often been a record of nations and tribes -- and, yes, religions -- subjugating one another in pursuit of their own interests.  Yet in this new age, such attitudes are self-defeating.  Given our interdependence, any world order that elevates one nation or group of people over another will inevitably fail.  So whatever we think of the past, we must not be prisoners to it.  Our problems must be dealt with through partnership; our progress must be shared.  (Applause.)

Now, that does not mean we should ignore sources of tension. Indeed, it suggests the opposite:  We must face these tensions squarely.  And so in that spirit, let me speak as clearly and as plainly as I can about some specific issues that I believe we must finally confront together.

The first issue that we have to confront is violent extremism in all of its forms.

In Ankara, I made clear that America is not -- and never will be -- at war with Islam.  (Applause.)  We will, however, relentlessly confront violent extremists who pose a grave threat to our security -- because we reject the same thing that people of all faiths reject:  the killing of innocent men, women, and children.  And it is my first duty as President to protect the American people.

The situation in Afghanistan demonstrates America's goals, and our need to work together.  Over seven years ago, the United States pursued al Qaeda and the Taliban with broad international support.  We did not go by choice; we went because of necessity. I'm aware that there's still some who would question or even justify the events of 9/11.  But let us be clear:  Al Qaeda killed nearly 3,000 people on that day.  The victims were innocent men, women and children from America and many other nations who had done nothing to harm anybody.  And yet al Qaeda chose to ruthlessly murder these people, claimed credit for the attack, and even now states their determination to kill on a massive scale.  They have affiliates in many countries and are trying to expand their reach.  These are not opinions to be debated; these are facts to be dealt with.

Now, make no mistake:  We do not want to keep our troops in Afghanistan.  We see no military -- we seek no military bases there.  It is agonizing for America to lose our young men and women.  It is costly and politically difficult to continue this conflict.  We would gladly bring every single one of our troops home if we could be confident that there were not violent extremists in Afghanistan and now Pakistan determined to kill as many Americans as they possibly can.  But that is not yet the case.

And that's why we're partnering with a coalition of 46 countries.  And despite the costs involved, America's commitment will not weaken.  Indeed, none of us should tolerate these extremists.  They have killed in many countries.  They have killed people of different faiths -- but more than any other, they have killed Muslims.  Their actions are irreconcilable with the rights of human beings, the progress of nations, and with Islam.  The Holy Koran teaches that whoever kills an innocent is as -- it is as if he has killed all mankind.  (Applause.)  And the Holy Koran also says whoever saves a person, it is as if he has saved all mankind.  (Applause.)  The enduring faith of over a billion people is so much bigger than the narrow hatred of a few. Islam is not part of the problem in combating violent extremism -- it is an important part of promoting peace.

Now, we also know that military power alone is not going to solve the problems in Afghanistan and Pakistan.  That's why we plan to invest $1.5 billion each year over the next five years to partner with Pakistanis to build schools and hospitals, roads and businesses, and hundreds of millions to help those who've been displaced.  That's why we are providing more than $2.8 billion to help Afghans develop their economy and deliver services that people depend on.

Let me also address the issue of Iraq.  Unlike Afghanistan, Iraq was a war of choice that provoked strong differences in my country and around the world.  Although I believe that the Iraqi people are ultimately better off without the tyranny of Saddam Hussein, I also believe that events in Iraq have reminded America of the need to use diplomacy and build international consensus to resolve our problems whenever possible.  (Applause.)  Indeed, we can recall the words of Thomas Jefferson, who said:  "I hope that our wisdom will grow with our power, and teach us that the less we use our power the greater it will be."

Today, America has a dual responsibility:  to help Iraq forge a better future -- and to leave Iraq to Iraqis.  And I have made it clear to the Iraqi people -- (applause) -- I have made it clear to the Iraqi people that we pursue no bases, and no claim on their territory or resources.  Iraq's sovereignty is its own. And that's why I ordered the removal of our combat brigades by next August.  That is why we will honor our agreement with Iraq's democratically elected government to remove combat troops from Iraqi cities by July, and to remove all of our troops from Iraq by 2012.  (Applause.)  We will help Iraq train its security forces and develop its economy.  But we will support a secure and united Iraq as a partner, and never as a patron.

And finally, just as America can never tolerate violence by extremists, we must never alter or forget our principles.  Nine-eleven was an enormous trauma to our country.  The fear and anger that it provoked was understandable, but in some cases, it led us to act contrary to our traditions and our ideals.  We are taking concrete actions to change course.  I have unequivocally prohibited the use of torture by the United States, and I have ordered the prison at Guantanamo Bay closed by early next year.  (Applause.)

So America will defend itself, respectful of the sovereignty of nations and the rule of law.  And we will do so in partnership with Muslim communities which are also threatened.  The sooner the extremists are isolated and unwelcome in Muslim communities, the sooner we will all be safer.

The second major source of tension that we need to discuss is the situation between Israelis, Palestinians and the Arab world.

America's strong bonds with Israel are well known.  This bond is unbreakable.  It is based upon cultural and historical ties, and the recognition that the aspiration for a Jewish homeland is rooted in a tragic history that cannot be denied.

Around the world, the Jewish people were persecuted for centuries, and anti-Semitism in Europe culminated in an unprecedented Holocaust.  Tomorrow, I will visit Buchenwald, which was part of a network of camps where Jews were enslaved, tortured, shot and gassed to death by the Third Reich.  Six million Jews were killed -- more than the entire Jewish population of Israel today.  Denying that fact is baseless, it is ignorant, and it is hateful.  Threatening Israel with destruction -- or repeating vile stereotypes about Jews -- is deeply wrong, and only serves to evoke in the minds of Israelis this most painful of memories while preventing the peace that the people of this region deserve.

On the other hand, it is also undeniable that the Palestinian people -- Muslims and Christians -- have suffered in pursuit of a homeland.  For more than 60 years they've endured the pain of dislocation.  Many wait in refugee camps in the West Bank, Gaza, and neighboring lands for a life of peace and security that they have never been able to lead.  They endure the daily humiliations -- large and small -- that come with occupation.  So let there be no doubt:  The situation for the Palestinian people is intolerable.  And America will not turn our backs on the legitimate Palestinian aspiration for dignity, opportunity, and a state of their own.  (Applause.)

For decades then, there has been a stalemate:  two peoples with legitimate aspirations, each with a painful history that makes compromise elusive.  It's easy to point fingers -- for Palestinians to point to the displacement brought about by Israel's founding, and for Israelis to point to the constant hostility and attacks throughout its history from within its borders as well as beyond.  But if we see this conflict only from one side or the other, then we will be blind to the truth:  The only resolution is for the aspirations of both sides to be met through two states, where Israelis and Palestinians each live in peace and security.  (Applause.)

That is in Israel's interest, Palestine's interest, America's interest, and the world's interest.  And that is why I intend to personally pursue this outcome with all the patience and dedication that the task requires.  (Applause.)  The obligations -- the obligations that the parties have agreed to under the road map are clear.  For peace to come, it is time for them -- and all of us -- to live up to our responsibilities.

Palestinians must abandon violence.  Resistance through violence and killing is wrong and it does not succeed.  For centuries, black people in America suffered the lash of the whip as slaves and the humiliation of segregation.  But it was not violence that won full and equal rights.  It was a peaceful and determined insistence upon the ideals at the center of America's founding.  This same story can be told by people from South Africa to South Asia; from Eastern Europe to Indonesia.  It's a story with a simple truth:  that violence is a dead end.  It is a sign neither of courage nor power to shoot rockets at sleeping children, or to blow up old women on a bus.  That's not how moral authority is claimed; that's how it is surrendered.

Now is the time for Palestinians to focus on what they can build.  The Palestinian Authority must develop its capacity to govern, with institutions that serve the needs of its people. Hamas does have support among some Palestinians, but they also have to recognize they have responsibilities.  To play a role in fulfilling Palestinian aspirations, to unify the Palestinian people, Hamas must put an end to violence, recognize past agreements, recognize Israel's right to exist.

At the same time, Israelis must acknowledge that just as Israel's right to exist cannot be denied, neither can Palestine's.  The United States does not accept the legitimacy of continued Israeli settlements.  (Applause.)  This construction violates previous agreements and undermines efforts to achieve peace.  It is time for these settlements to stop.  (Applause.)

And Israel must also live up to its obligation to ensure that Palestinians can live and work and develop their society.  Just as it devastates Palestinian families, the continuing humanitarian crisis in Gaza does not serve Israel's security; neither does the continuing lack of opportunity in the West Bank. Progress in the daily lives of the Palestinian people must be a critical part of a road to peace, and Israel must take concrete steps to enable such progress.

And finally, the Arab states must recognize that the Arab Peace Initiative was an important beginning, but not the end of their responsibilities.  The Arab-Israeli conflict should no longer be used to distract the people of Arab nations from other problems.  Instead, it must be a cause for action to help the Palestinian people develop the institutions that will sustain their state, to recognize Israel's legitimacy, and to choose progress over a self-defeating focus on the past.

America will align our policies with those who pursue peace, and we will say in public what we say in private to Israelis and Palestinians and Arabs.  (Applause.)  We cannot impose peace.  But privately, many Muslims recognize that Israel will not go away.  Likewise, many Israelis recognize the need for a Palestinian state.  It is time for us to act on what everyone knows to be true.

Too many tears have been shed.  Too much blood has been shed.  All of us have a responsibility to work for the day when the mothers of Israelis and Palestinians can see their children grow up without fear; when the Holy Land of the three great faiths is the place of peace that God intended it to be; when Jerusalem is a secure and lasting home for Jews and Christians and Muslims, and a place for all of the children of Abraham to mingle peacefully together as in the story of Isra -- (applause) -- as in the story of Isra, when Moses, Jesus, and Mohammed, peace be upon them, joined in prayer.  (Applause.)

The third source of tension is our shared interest in the rights and responsibilities of nations on nuclear weapons.

This issue has been a source of tension between the United States and the Islamic Republic of Iran.  For many years, Iran has defined itself in part by its opposition to my country, and there is in fact a tumultuous history between us.  In the middle of the Cold War, the United States played a role in the overthrow of a democratically elected Iranian government.  Since the Islamic Revolution, Iran has played a role in acts of hostage-taking and violence against U.S. troops and civilians.  This history is well known.  Rather than remain trapped in the past, I've made it clear to Iran's leaders and people that my country is prepared to move forward.  The question now is not what Iran is against, but rather what future it wants to build.

I recognize it will be hard to overcome decades of mistrust, but we will proceed with courage, rectitude, and resolve.  There will be many issues to discuss between our two countries, and we are willing to move forward without preconditions on the basis of mutual respect.  But it is clear to all concerned that when it comes to nuclear weapons, we have reached a decisive point.  This is not simply about America's interests.  It's about preventing a nuclear arms race in the Middle East that could lead this region and the world down a hugely dangerous path.

I understand those who protest that some countries have weapons that others do not.  No single nation should pick and choose which nation holds nuclear weapons.  And that's why I strongly reaffirmed America's commitment to seek a world in which no nations hold nuclear weapons.  (Applause.)  And any nation -- including Iran -- should have the right to access peaceful nuclear power if it complies with its responsibilities under the nuclear Non-Proliferation Treaty.  That commitment is at the core of the treaty, and it must be kept for all who fully abide by it. And I'm hopeful that all countries in the region can share in this goal.

The fourth issue that I will address is democracy.  (Applause.)

I know -- I know there has been controversy about the promotion of democracy in recent years, and much of this controversy is connected to the war in Iraq.  So let me be clear: No system of government can or should be imposed by one nation by any other.
 
That does not lessen my commitment, however, to governments that reflect the will of the people.  Each nation gives life to this principle in its own way, grounded in the traditions of its own people.  America does not presume to know what is best for everyone, just as we would not presume to pick the outcome of a peaceful election.  But I do have an unyielding belief that all people yearn for certain things:  the ability to speak your mind and have a say in how you are governed; confidence in the rule of law and the equal administration of justice; government that is transparent and doesn't steal from the people; the freedom to live as you choose.  These are not just American ideas; they are human rights.  And that is why we will support them everywhere.  (Applause.)

Now, there is no straight line to realize this promise.  But this much is clear:  Governments that protect these rights are ultimately more stable, successful and secure.  Suppressing ideas never succeeds in making them go away.  America respects the right of all peaceful and law-abiding voices to be heard around the world, even if we disagree with them.  And we will welcome all elected, peaceful governments -- provided they govern with respect for all their people.

This last point is important because there are some who advocate for democracy only when they're out of power; once in power, they are ruthless in suppressing the rights of others.  (Applause.)  So no matter where it takes hold, government of the people and by the people sets a single standard for all who would hold power:  You must maintain your power through consent, not coercion; you must respect the rights of minorities, and participate with a spirit of tolerance and compromise; you must place the interests of your people and the legitimate workings of the political process above your party.  Without these ingredients, elections alone do not make true democracy.

AUDIENCE MEMBER:  Barack Obama, we love you!

PRESIDENT OBAMA:  Thank you.  (Applause.)  The fifth issue that we must address together is religious freedom.

Islam has a proud tradition of tolerance.  We see it in the history of Andalusia and Cordoba during the Inquisition.  I saw it firsthand as a child in Indonesia, where devout Christians worshiped freely in an overwhelmingly Muslim country.  That is the spirit we need today.  People in every country should be free to choose and live their faith based upon the persuasion of the mind and the heart and the soul.  This tolerance is essential for religion to thrive, but it's being challenged in many different ways.

Among some Muslims, there's a disturbing tendency to measure one's own faith by the rejection of somebody else's faith.  The richness of religious diversity must be upheld -- whether it is for Maronites in Lebanon or the Copts in Egypt.  (Applause.)  And if we are being honest, fault lines must be closed among Muslims, as well, as the divisions between Sunni and Shia have led to tragic violence, particularly in Iraq.

Freedom of religion is central to the ability of peoples to live together.  We must always examine the ways in which we protect it.  For instance, in the United States, rules on charitable giving have made it harder for Muslims to fulfill their religious obligation.  That's why I'm committed to working with American Muslims to ensure that they can fulfill zakat.

Likewise, it is important for Western countries to avoid impeding Muslim citizens from practicing religion as they see fit -- for instance, by dictating what clothes a Muslim woman should wear.  We can't disguise hostility towards any religion behind the pretence of liberalism.
 
In fact, faith should bring us together.  And that's why we're forging service projects in America to bring together Christians, Muslims, and Jews.  That's why we welcome efforts like Saudi Arabian King Abdullah's interfaith dialogue and Turkey's leadership in the Alliance of Civilizations.  Around the world, we can turn dialogue into interfaith service, so bridges between peoples lead to action -- whether it is combating malaria in Africa, or providing relief after a natural disaster.

The sixth issue -- the sixth issue that I want to address is women's rights.  (Applause.)  I know –- I know -- and you can tell from this audience, that there is a healthy debate about this issue.  I reject the view of some in the West that a woman who chooses to cover her hair is somehow less equal, but I do believe that a woman who is denied an education is denied equality.  (Applause.)  And it is no coincidence that countries where women are well educated are far more likely to be prosperous.

Now, let me be clear:  Issues of women's equality are by no means simply an issue for Islam.  In Turkey, Pakistan, Bangladesh, Indonesia, we've seen Muslim-majority countries elect a woman to lead.  Meanwhile, the struggle for women's equality continues in many aspects of American life, and in countries around the world.

I am convinced that our daughters can contribute just as much to society as our sons.  (Applause.)  Our common prosperity will be advanced by allowing all humanity -- men and women -- to reach their full potential.  I do not believe that women must make the same choices as men in order to be equal, and I respect those women who choose to live their lives in traditional roles. But it should be their choice.  And that is why the United States will partner with any Muslim-majority country to support expanded literacy for girls, and to help young women pursue employment through micro-financing that helps people live their dreams.  (Applause.)

Finally, I want to discuss economic development and opportunity.

I know that for many, the face of globalization is contradictory.  The Internet and television can bring knowledge and information, but also offensive sexuality and mindless violence into the home.  Trade can bring new wealth and opportunities, but also huge disruptions and change in communities.  In all nations -- including America -- this change can bring fear.  Fear that because of modernity we lose control over our economic choices, our politics, and most importantly our identities -- those things we most cherish about our communities, our families, our traditions, and our faith.

But I also know that human progress cannot be denied.  There need not be contradictions between development and tradition. Countries like Japan and South Korea grew their economies enormously while maintaining distinct cultures.  The same is true for the astonishing progress within Muslim-majority countries from Kuala Lumpur to Dubai.  In ancient times and in our times, Muslim communities have been at the forefront of innovation and education.

And this is important because no development strategy can be based only upon what comes out of the ground, nor can it be sustained while young people are out of work.  Many Gulf states have enjoyed great wealth as a consequence of oil, and some are beginning to focus it on broader development.  But all of us must recognize that education and innovation will be the currency of the 21st century -- (applause) -- and in too many Muslim communities, there remains underinvestment in these areas.  I'm emphasizing such investment within my own country.  And while America in the past has focused on oil and gas when it comes to this part of the world, we now seek a broader engagement.

On education, we will expand exchange programs, and increase scholarships, like the one that brought my father to America.  (Applause.)  At the same time, we will encourage more Americans to study in Muslim communities.  And we will match promising Muslim students with internships in America; invest in online learning for teachers and children around the world; and create a new online network, so a young person in Kansas can communicate instantly with a young person in Cairo.

On economic development, we will create a new corps of business volunteers to partner with counterparts in Muslim-majority countries.  And I will host a Summit on Entrepreneurship this year to identify how we can deepen ties between business leaders, foundations and social entrepreneurs in the United States and Muslim communities around the world.

On science and technology, we will launch a new fund to support technological development in Muslim-majority countries, and to help transfer ideas to the marketplace so they can create more jobs.  We'll open centers of scientific excellence in Africa, the Middle East and Southeast Asia, and appoint new science envoys to collaborate on programs that develop new sources of energy, create green jobs, digitize records, clean water, grow new crops.  Today I'm announcing a new global effort with the Organization of the Islamic Conference to eradicate polio.  And we will also expand partnerships with Muslim communities to promote child and maternal health.

All these things must be done in partnership.  Americans are ready to join with citizens and governments; community organizations, religious leaders, and businesses in Muslim communities around the world to help our people pursue a better life.

The issues that I have described will not be easy to address.  But we have a responsibility to join together on behalf of the world that we seek -- a world where extremists no longer threaten our people, and American troops have come home; a world where Israelis and Palestinians are each secure in a state of their own, and nuclear energy is used for peaceful purposes; a world where governments serve their citizens, and the rights of all God's children are respected.  Those are mutual interests.  That is the world we seek.  But we can only achieve it together.

I know there are many -- Muslim and non-Muslim -- who question whether we can forge this new beginning.  Some are eager to stoke the flames of division, and to stand in the way of progress.  Some suggest that it isn't worth the effort -- that we are fated to disagree, and civilizations are doomed to clash. Many more are simply skeptical that real change can occur.  There's so much fear, so much mistrust that has built up over the years.  But if we choose to be bound by the past, we will never move forward.  And I want to particularly say this to young people of every faith, in every country -- you, more than anyone, have the ability to reimagine the world, to remake this world.

All of us share this world for but a brief moment in time. The question is whether we spend that time focused on what pushes us apart, or whether we commit ourselves to an effort -- a sustained effort -- to find common ground, to focus on the future we seek for our children, and to respect the dignity of all human beings.

It's easier to start wars than to end them.  It's easier to blame others than to look inward.  It's easier to see what is different about someone than to find the things we share.  But we should choose the right path, not just the easy path.  There's one rule that lies at the heart of every religion -- that we do unto others as we would have them do unto us.  (Applause.)  This truth transcends nations and peoples -- a belief that isn't new; that isn't black or white or brown; that isn't Christian or Muslim or Jew.  It's a belief that pulsed in the cradle of civilization, and that still beats in the hearts of billions around the world.  It's a faith in other people, and it's what brought me here today.

We have the power to make the world we seek, but only if we have the courage to make a new beginning, keeping in mind what has been written.

The Holy Koran tells us:  "O mankind!  We have created you male and a female; and we have made you into nations and tribes so that you may know one another."

The Talmud tells us:  "The whole of the Torah is for the purpose of promoting peace."

The Holy Bible tells us:  "Blessed are the peacemakers, for they shall be called sons of God."  (Applause.)

The people of the world can live together in peace.  We know that is God's vision.  Now that must be our work here on Earth.

Thank you.  And may God's peace be upon you.  Thank you very much.  Thank you.  (Applause.)

END       
2:05 P.M. (Local)

Shift

オバマ米国大統領のカイロ演説。世界の流れが変わりつつある。市場原理主義の破壊が終わりつつある。この国では、依然として、市場原理主義の残党が跋扈している。市場原理主義の三大虚妄、民営化、規制緩和、公共の破壊から、1日でも早く脱却しなければならない。郵政民営化をめぐる対立が依然として続いているが、グローバルな動きの中では、民営郵政を公に奉還することが必要であることがわかる。激しい政治経済の対立を意図的に生み出して、漁夫の利をしめる、新自由主義の動きを、この国からも排除しなければならない。上げ潮派などの策動に、屈してはならない。市場原理主義で破壊された世界を、当事者の米国で変革が起きてから、ほぼ半年である。国力を激しく消耗した米国の新大統領の和解を求める演説である。一字一句を読みとり、分析する必要がある。この国日本は、新自由主義の惨害にうちひしがれていたが、最早破綻したことをはっきりと認識して、日本再興の起点としなければならない。

Corrupt Postal Privatization 98

リンク: “日本郵政”西川続投を勝手に決めた - 速報:@niftyニュース.

Market Fundamentalism is Dead 18

以下は、昨年10月に書いた小論であるが、残念なことに未だこの国では適用できるようである。郵政民営化問題で、拝金の老バンカーが続投を決め込み、共生を唱えて結果的に新自由主義を批判する閣僚がひとり正義を咆哮して、多数の政治が黙りを決め込む異常が発生している。新自由主義は世界的には完全に破綻したことは、ご承知の通りであるが、市場原理主義者の政治・経済の破壊手法についてご関心の向きは、再度、ご一読をたまわりたい。

★歴史や公共性を崩壊させる新自由主義

 日本の国力は急激に低下しつつある。我が国経済が全体的に収縮し、国民一人ひとりへの配分自体が減少し、未曾有の格差社会を増殖させている。
 世界情勢においては、偶然は存在しない。特に経済政策は、一見経済理論と現実には隔たりが見えるようでありながらも、必ず因果関係がある。確かに、自然災害など、偶然が経済に干渉することはある。だが、強力な経済理論はそうした偶然さえ必然として絡め取ってしまう。

 私がここで念頭に置いているのは、今世界を席巻している新自由主義、あるいは市場原理主義という経済理論だ。新自由主義の三本柱は「規制緩和・民営化・公共予算の削減」である。新自由主義はその三本柱によって、国家の市場への介入を最小化し、市場に任せておけば経済はうまく回るという、「レッセ・フェール」(市場放任)の立場をとっている。
 しかし、それが現実政治に適用されるとき、アダム・スミス流のレッセ・フェールとは、似ても似つかぬ新自由主義のカルト性が姿を現すのだ。

 ここに一冊の本がある。カナダのジャーナリストであるナオミ・クライン女史が書いた『The Shock Doctrine』である。同書は、ニユーヨーク・タイムズのベストセラー欄の上位を長らく独占していた。日本ではまだ翻訳は出ていないが、アメリカ本国でこの衝撃的な「新自由主義の本質」に鋭く迫った本が出版され、しかもベストセラーになっているというのは、一つの時代の転機といえるだろう。

 彼女によれば、新自由主義とは結局、破壊と衝撃を与えることによって歴史性や公共性を崩壊させ、強引に更地(さらち)にして全てを私物化していく手法だ。
 
 フリードマンという教祖 

  この新自由主義の教祖はミルトン・フリードマンである。彼が教鞭を執ったシカゴ大学経済学部の入り口には「経済とは測定だ」と、銅版に記してある。ここからも、このシカゴ学派が工学的発想に基づいた、人為によって社会を構築できるという思想を蔵していることがわかるだろう。
 フリードマンは、1912年生まれのハンガリー系ユダヤ人移民の子供である。彼は、新自由主義こそが完璧なシステムであり、市場を政府の介入から救い、汚染されていない資本主義へ回帰することによって、ユートピアを実現できると考えた。
 彼の提唱した新自由主義とは、政府のあらゆる規制を撤廃し、政府財産を全て売却し、社会政策の予算を大幅に削減し、税率も最小限かつ貧富の格差に関係なく一律とすることである。ここにおいては、全ての価格は賃金も含めて市場が決めるのであり、医療保険、郵便局、教育、年金といった公共の福祉に関するものもすべて民営化すべきだ、と説いた。

 フリードマンによると、政府が持つのは警察と軍隊で十分ということになるのだ。
 では、この理論は現実にどのように適用されたのだろうか。 一番良い例が、2005年にルイジアナ州を直撃したハリケーン「カトリーナ」の災害復興だ。当時93歳のフリードマンは、いわば人生最後の政策提言として、『ウォールストリート・ジャーナル』に寄稿している。 それによると、ニュー・オーリンズの学校が破壊されたことは悲劇ではあるが、これは教育制度をラディカルに改革する機会である。公共の学校を復興するのでなく、この災害を奇禍として、バウチャー(引換券)を各家庭に配布し、私立の教育機関(チャータースクール)を設立し、このバウチャーを活用することによって教育の民営化を促すべきだとした。

 このフリードマンの提言を受けて、ブッシュ政権は学校を民営化するための資金を数千万ドルにわたって投入した。 ところが、現在アメリカにおいてはチャータースクールによって教育が二極分化しており、教育の低下が社会階層の固定化に結びつき、かつて公民権運動で勝ち取られた成果が無に帰しつつある。ニュー・オーリンズではカトリーナ前に123校あった公立学校はわずが4つになり、7つしかながった私立学校が31にまで増えた。こうしてニュー・オーリンズは私立教育機関設置の実験場とされた。「公共」の制度を潰して、「私」の制度に置き換えていったのだ。

 これは日本にとって対岸の火事ではない。 途中で潰えたものの、昨年の安倍政権がやはり教育バウチャー制度を導入しようとしたことを思い出すべきだ。起訴休職外務事務官・佐藤優氏が、保守主義と新自由主義の間で股裂きになったのが安倍政権の自壊という現象だ、と指摘したが、まさに現下の日本の格差社会・貧困社会化には新自由主義の影響がある。こうした事態に対して無自覚であることは、政治家にとっては許されない怠慢であ
る。
 ここで、急激な民営化に「カトリーナ」という災害が巧妙に利用されたことに注目して、クライン女史はこれを“Disaster Capitalism”、すなわち「災害資本主義」と名づけている。
 
 ★新自由主義は共同体を根こそぎ壊滅させる危険思想 

 フリードマンは「危機のみが真の変化をもたらす。危機が起きれば、現在ある政策の肩代わりを提案して、政治的に不可能であったことを、政治的に不可避なことにしてしまう」と述べている。 いわば、災害に備えて缶詰や水を備蓄しておくのと同様に、災害に備えて新自由主義政策を一気に進めるべく、政策を準備しておくというのだ。 このような発案の元には、フリードマン自身の経験が影響していると見られる。

70年代中ごろに彼はチリの独裁者ピノチェト政権の顧問をしていた。ピノチェト政権にはシカゴ大学経済学部の出身者が大量に登用されており、「シカゴ学派の革命」とも呼ばれた。事実、ピノチェト政権においては減税、自由貿易、民営化、社会政策予算の削減、規制緩和が、急激に行われたのである。これらは、スピードが大事であるとして、1度に全てを変えてしまうという方法が採用された。

 ここから、”ショック療法”という概念が、新自由主義に滑り込んできたのである。独裁政権下においては、それは経済的ショックと同時に、拷問という肉体的ショックとも併用されて新自由主義改革が進められた。
 「敵の意思、考え方、あるいは理解力を制御して、敵を文字通りに、行動あるいは対応する能力を失わせる」という”ショック・ドクトリン”が、生まれたのである。

 クライン女史は実証的に、新自由主義がこの”ショック・ドクトリン”によって推進されてきたことを明らかにしている。たとえば、スリランカにおけるスマトラ沖地震による津波被害の復興である
。そこでは、被災者をパニック状態に落とし込む一方で、海岸線をリゾート化する計画が進められていた。ニュー・オーリンズでもやはり、住民の土地・家屋を修復することもなく、ただ更地にすることだけが進められたのである。

 新自由主義にとって邪魔なのは、市場原理主義に反するような非資本主義的行動や集団である。そうした非資本主義的集団として、地域共同体や、歴史や伝統に根ざした「共同体」が存在するが、新自由主義はこうした集団を徹底的に除去する。災害復興の名目で公共性、共同体を奪い、被災者が自らを組織して主張を始める前に、一気に私有化を進めるのである。

 これは、日本で行われた新自由主義改革とも一致している。
 郵政民営化は公共財産である郵政事業を民営化するという、典型的な新自由主義政策であった。民営化後、郵便局にはテレビカメラが取り付けられ、『郵政百年史』といったような郵政の歴史と文化を記した本も撤去している。 ショージ・オーウェルが『1984年』で書いたような、極めて不自然で、歴史性を欠いた組織に一気に改変されている。オーウェルは「我々はあなたを完全に空っぽにし、その体に我々を注入する」と不気味な予言をしている。

  
“ショック・ドクトリン”から見えてくる世界 

 衝撃を与え、一気に新自由主義改革を進めるという”ショック・ドクトリン”から世界を見ると、世界は今までとは異なる姿で立ち現れてくる。「改革」のために、平然と人権侵害が行われてきたことに気づくのだ。アルゼンチンでは3万人を抹殺して、シカゴ学派の提唱する政策を実現した。1993年にはエリツィン政権下のロシアで国会放火事件が起き、その後、国有資産は投売りされ、「オリガルヒア」という新興の超資本家が生まれた。
 1982年のフォークランド紛争も、炭鉱労働者のストライキを破壊して、西洋で最初の民営化を強行する結果になった。1999年のNATOによるベオグラード空爆も、結局旧ユーゴでの民営化に結びついたのである。アジアでは1998年にアジア通貨危機が仕掛けられたが、これによってIMFが介入し、民営化するか、さもなくは国家破綻か、が迫られた。

 その結果、国民の意思ではなく、日本の経済財政諮問会議のような1部の「経済専門家」と称する新自由主義者によって、国の政策が支配されることになったのである。
 また、天安門事件の大虐殺も”ショック・ドクトリン”の一環と見ることもできる。事件の前年9月、フリードマンが北京と上海を訪問している。中国が中国流の”ショック・ドクトリン”を利用して、開放路線を発動したと考えられるのだ。今年の四川大地震では、現地は復興特需に経済が活発化しているという話も聞こえてくるのだが、中国版災害資本主義が発動されている可能性は高い。 かつて、アイゼンハワー時代には、アメリカ国内ではこの”ショック・ドクトリン”は適用されていなかった。おそらく、軍産複合体の行き過ぎを懸念したのである。しかし、レーガノミックスを経た95年ごろから、ネオコンが中心になってショック療法型の経済政策が本格化する。

 そして、「9・11」のとき、大統領府はフリードマンの弟子たちで埋め尽くされる。ラムズフェ
ルド国防長官(当時)はフリードマンの親友である。「テロとの戦い」が叫ばれ、恐怖が煽られた。そして何が変わったか。軍隊の民営化、戦争の私有化である。戦地を含む治安維持関連の民間外注が2003年には3512件、2006年には11万5000件にまで増えた。
 現代の新自由主義下においては、戦争の経済的役割が全く違ったものになった。かつては、戦争によって門戸を関放し、その後の平和な時代に経済的に干渉するという手法であったが、いまや、戦争自体が民営化され、市場化されているのである。だから、確実に儲かる。

 クライン女史によると、現にイラクではPMC(プライベート・ミリタリー・カンパニー)が米正規軍13万人に対して40万人を派遣しており、ハリバートン社は2007年には200億ドルの売り上げをあげ、アメリカ資本のみならずイギリスやカナダ資本も戦争ビジネスで潤っているという。カナダのある会社は、プレハブを戦場に売ることで儲け、危険な戦場で働く人のために保険会社が莫大な売り上げをあげているとのことである。

 このように見てきたとおり、新自由主義は、その「リベラル」で柔らかいイメージとは裏腹に、政治的自由とは一切関係なく、それどころか、災害がないならば災害を起こせばよい、ショックを与えて一気に改革を進め、共同体も歴史性も破壊し、市場原理主義というのっぺりとした原則だけで動く世界を構築しようという危険な思想である。

 新自由主義者にとっては、そのような共同体も歴史も存在せず、無機質で根無し草的な、ただ市場原理だけで説明ができる世界というのは、ユートピアに見えているのかもしれない。だが、人間はそのように合理性だけで生きている存在ではない。非合理的感情や共同体意識、歴史性があってこそ人間であり、そうした矛盾も非合理も抱え込んだ人間存在の幸福を図るのが「政道」である。 

 新自由主義という名のカルト的危険思想 

 新自由主義が達成する世界観は、脳に電気刺激を与える人体実験の思想に酷似している。1950年代に、CIAがカナダのモントリオールの精神科医とともに人体実験を行ったことが情報開示によって明らかになった。人間の心を人為的に制御することができるかという実験を行っていたのである。1988年には9人の元患者から提訴され、アメリカ政府は75万ドルの賠償金を支払い、カナダ政府は1人10万ドルの賠償を行った。
 1940年代、ヨーロッパと北アメリカでは脳に電気刺激を与えるという療法が流行した。脳の切除を行うロボトミー手術よりも永久的なダメージが少ないとされたが、このショック療法においては記憶喪失が起こり、幼児に戻るような後退現象が見られた。この後退現象にCIAが目をつけ、1953年には2500万ドルの予算で人体実験を行った。

 これこそが新自由主義のアレゴリーである。記憶を抹消し、まっさらなところに新しい記憶を与えること、これこそが新自由主義の本質であり、危険なのである。

新自由主義は支出を削減し、あらゆる部門を民営化し、意図的に景気後退を生み出す。こうしてショックを与え、さらに新自由主義改革を推し進め、共同体、公共圈を破壊する。そして、歴史性も共同体も失われたところに、市場原理主義を植えつけていく。
 こうした新自由主義十字軍ともいうべきカルト的危険思想に、遅まきながらも、世界はようやく気づきだした。ピノチェトですら、政権後期にはシカゴ学派の言うことを聞かなくなった。民営化した鉱山会社はアメリカ資本の傘下に置かれ、国の収入源は民営化しなかった銅山会社だけになってしまい、国民の45%が貧困層になったからである。現代の中南米は明らかに、新自由主義と決別する方向に動いている。
 
 今こそ新自由主義に抵抗する救国勢力の結束を! 

 こうした一連の新自由主義の動きは、ここまで過激ではないにしろ、着実に日本の中でも起きている。確かに、「9・11」や拷問といったような過激な手段は、未だとられてはいない。しかし、新自由主義に反対する政治家が国策捜査によって政治から追放され、刺客選挙が行われ、郵政民営化をはじめとする、小泉・竹中による新自由主義改革によって我が国経済・社会は着実に後退した。幸い、日本は中間層が厚く、一気に貧困社会となることはなかったが、非正規雇用、ニートといった潜在的失業率はかつてないほど高まっている。中産階級は劣化し、地方と東京都の格差は拡大の一途をたどっている。

 もはや限界は明らかだ。「過ちを改めざるを過ち」と言う。信念の人であれば思い改めることも可能であろうが、カルト相手には、決然と戦いを挑まねばならない。新自由主義は将来の発展のために「今は痛みに耐えよ」と言う。だが、その将来とはいつなのか。その間に、我が国の共同体、同胞意識は次々に破壊されていく。このままでは、もはや回復不能なまでに破壊されるだろう。

 新自由主義に反対の声をあげる者は、旧態依然の「抵抗勢力」と呼ばれる。 だが、市場が原理主義である必然性などない。公共の学校があっても良いではないか。国営の石油会社が存在して、エネルギーを安定供給することは悪いことなのか。郵便局が国営で何か悪いのか。世の中には自らの責任ならずとも不遇の立場に置かれている人もいる。それらをすべて自己責任であると切って捨てるのが政道なのか。経済的な不平等を解消するために税を徴収し、再配分することは許しがたいことなのか。

 我々は今こそ、新自由主義に対して決然と、「否」、を突きつけるべきである。我々は記憶を抹消され、ロボトミー化されて、市場原理主義しか考えられないような存在となることを望まないからである。新自由主義に対する戦いは、人間らしい生存を回復する戦いである。我々は抵抗しなければならない。

 「抵抗勢力と呼ばば呼べ」。我々は人間性を抑圧する市場原理主義にあくまで抵抗するのである。 来るべき政界再編は、自民党か民主党かなどというレベルのものであってはならない。それは、新自由主義に抵抗する救国勢力の結束による政界再編でなければならないのだ。

Corrupt Postal Privatization 97

リンク: “西川日本郵政社長留任で”暗躍する中心人物 小泉純一郎の恥部 - 速報:@niftyニュース.

Cardinal Principles

奈良の吉野で、国体の本義の読みながらの二泊三日の勉強会に参加した。当ブログの読者から、数日間、ブログへの投稿を休んでいたので、どうしていたのかとのご心配もいただいた。吉野の山は、新緑の若葉に包まれていた。帰り際には、小雨も降ったが、朝の蔵王堂での、勤行にも参加できた。座りなれないために、足が麻痺するほどであったが。後醍醐天皇の陵や神皇正統記の北畠親房の墳墓も訪れることができた。吉野は修験道の聖地であり、この国の行く末について大上段の議論をしながら、再起を図るための思索にふけるにはふさわしい土地柄である。

国体の本義の文章は、ネット上でも入手できる。例えば、http://satwa.hp.infoseek.co.jp/KOKUTAI/index.html

である。わかりやすい本であるので、当ブログの読者には一読を勧める。国体の本義は、昭和12年に出版されているが、極端な排外主義の色彩は全くない。日本という国の本質について、わかりやすく書かれている本である。混乱する時代の中で、日本の国とは何かを考えなければならないという点では、現代と昭和の12年とは、同じ問題意識があるのかも知れないと想像している。昭和の時代は、国体の本義の文章とは逆に、軍国主義と偏狭な島国根性がはびこり、戦争に突入していくこととなる。市場原理主義は、幸いにして、世界的に自滅しつつあるが、この日本には、まだ残党が多数残って跋扈しており、国体の本義などを読んで、自らを鼓舞する必要があると考えるのは、この筆者ばかりだろうか。決してそうではない。

Corrupt Postal Privatization 96

http://www.tribunemagazine.co.uk/2009/05/28/post-privatisation-doesn%E2%80%99t-work-says-global-report/

[Post privatization doesn't work, says Global report.

by René Lavanchy

THE worldwide privatisation of postal services is leading to job losses and pay cuts for postal workers without any significant increase in competition, according to a union-sponsored report published this week.

UNI Global Network, a global umbrella body for service unions, said new competitors have not taken more than 10 per cent market share of the letter delivery business in any of the 12 countries surveyed.

It also found that Dutch postal operator TNT – the Government’s preferred bidder for buying a stake in Royal Mail – has cut 16,000 jobs in the Netherlands during the liberalisation of the postal market, and it “practically does not hire full-time employees any more”.

The report comes as the House of Commons prepares to debate the bill that will part-privatise Royal Mail early next month.

Neil Anderson, UNI’s head of post and logistics, said: “What we have been seeing in Germany and the Netherlands recently – postal companies demanding lower wages and announcing big job cuts – is the inevitable disastrous conclusion of a failed liberalisation policy.”]

オランダの郵便市場の自由化の結果、正規職員がいなくなった、ドイツとオランダでは賃金の低下と首切りがおきた。新自由主義の政策を導入すれば、そうした破壊的な結果が生じることは、避けることができない。

Corrupt Postal Privatization 95

http://www.nader.org/index.php?/archives/182-Letter-on-Japanese-Postal-Privatization.html

2005年8月9日付で、米国の著名な消費者運動家である、ラルフ・ネイダー氏が、当時の郵政公社の生田総裁宛に発出された書簡が、ネットに残っている。当時、こうした書簡があったことや、アメリカからの書簡到来についての、報道は全くなかったものと記憶している。

Mr. Masaharu Ikuta
Japan Post
1-3-2 Kasumigaseki, Chiyoda-ku
Tokyo 100-8798
Japan

Dear Mr. Masaharu Ikuta:

For many years I have been aware of the high level of mail and financial services provided by the Japanese post office. Mail service is accurate and efficient, and post offices are located in even the smallest towns.


It should be remembered that Japan’s postal savings system is not only a convenience; it has helped extend financial services broadly and assisted efforts to stabilize and stimulate the economy for years through public works projects. Additionally, postal employees are well known for looking after their communities, the International Herald Tribune has rightly reported that Japanese postmasters are “pillars of the community.”

However, despite its record of success, Prime Minister Junichiro Koizumi has continually insisted on pushing for postal privatization. As a citizen of the United States I find it troubling that he is supported by the U.S. Trade Representative and the U.S. Chamber of Commerce, organizations that want privatization for an obvious combination of ideological and self-interested commercial motivations. Koizumi’s demands are only supported by 24 percent of the Japanese people. The Japanese public understands that privatization would lead to a reduction in postal services, and possibly disenfranchisement. Elimination of the postal monopoly in such nations as Sweden and New Zealand has led to the closure of half of these nation’s post offices, and Argentina’s venture into postal privatization was such an abject failure that it was recently renationalized.

Instead of pushing ill-advised privatization schemes, U.S. policy makers should be looking to Japan for pointers on successfully running a postal service, including establishing a postal savings program for millions of Americans who cannot afford or are denied banking services.

Sincerely,


Ralph Nader

Cc: Prime Minister Junichiro Koizumi
翻訳は次の通り。
生田正治氏
日本郵政公社
霞ヶ関1-3-2 、千代田区
東京都100-8798
日本

:親愛なる生田正治氏:

For many years I have been aware of the high level of mail and financial services provided by the Japanese post office.長年にわたり、私は、日本の郵便局が提供する郵便や金融サービスが、高いレベルにあることを承知しております。 Mail service is accurate and efficient, and post offices are located in even the smallest towns.郵便サービスは、正確かつ効率的であり、郵便局は、最も小さな町や村にも配置されています。

It should be remembered that Japan's postal savings system is not only a convenience; it has helped extend financial services broadly and assisted efforts to stabilize and stimulate the economy for years through public works projects.日本の郵便貯金制度は、利便であるばかりでなく、それを安定させる努力を広く支援し、長年の公共的な事業計画を通じて、金融サービスを広汎に提供して、経済を活性化させに貢献している金融サービスを拡張。 Additionally, postal employees a長年の公共的な事業計画を通して経済を活性化させるとともに安定させる努力を支援してきました。Additionally postal employees are well known for looking after their communities, the International Herald Tribune has rightly reported that Japanese postmasters are “pillars of the community.”また、郵便局の従業員も地域社会の世話世話をしていることでよく知られていますが、いみじくもインターナショナルヘラルドトリビューン紙は、郵便局長が "地域共同体の柱”になっていると的確に報道していました。

However, despite its record of success, Prime Minister Junichiro Koizumi has continually insisted on pushing for postal privatization.しかし、その成功の記録にもかかわらず、小泉純一郎首相が郵政民営化を進め、継続的に強行している。 As a citizen of the United States I find it troubling that he is supported by the US Trade Representative and the US Chamber of Commerce, organizations that want privatization for an obvious combination of ideological and self-interested commercial motivations.米国市民としては、小泉首相が、米国通商代表部と米国商工会議所と言う、郵政民営化を支持する組織によって、イデオロギー的、自己本位だけの商業動機が、明らかに組み合わされて、支援されていることを、遺憾に思っております。 Koizumi's demands are only supported by 24 percent of the Japanese people.小泉首相の要求は、日本国民のたった24 %が支持しているに過ぎません。 The Japanese public understands that privatization would lead to a reduction in postal services, and possibly disenfranchisement.は、日本国民は、民営化によって、郵政事業のサービス低下が起こり、郵便局のネットワーク網が破壊される可能性があることを理解しています。 Elimination of the postal monopoly in such nations as Sweden and New Zealand has led to the closure of half of these nation's post offices, and Argentina's venture into postal privatization was such an abject failure that it was recently renationalized.スウェーデン、ニュージーランドなどの国では、郵便の独占の廃止によって、これらの国の郵便局の半分を閉鎖されましたし、アルゼンチンの郵政民営化は完全な失敗で、最近また国有化されました。

Instead of pushing ill-advised privatization schemes, US policy makers should be looking to Japan for pointers on successfully running a postal service, including establishing a postal savings program for millions of Americans who cannot afford or are denied banking services.無分別な民営化を推進する代わりに、米国の政策立案者は、日本を見習って、どうすれば郵便事業を成功裏に運営するのか、金融サービスの恩恵にあ付かれない数百万人のアメリカ人の為にどうすれば郵便貯金事業を行うことができるかなどを検討すべきです。

Sincerely,敬具


Ralph Naderラルフネーダー

Cc: Prime Minister Junichiro Koizumi 写し :小泉純一郎首相

Corrupt Postal Privatization 94

http://www.findstar.co.jp/news/syosai.php?s=1244014244

麻生内閣は、鳩山大臣が西川社長続投人事の認可を拒否するばかりではなく、早急に西川社長を解任すべきではないのか。郵便不正事件を見るだけで、解任に値するのではないのか。鳩山大臣の閣議後の記者会見記録の概要が、次のサイトに掲載されているので、ご参考まで。

http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/02koho01_000016.html

「平成21年6月2日、鳩山総務大臣は閣議後の記者会見で低料第三種郵便物不適正利用について以下のように語った。


-責任代理店制度について

 今までもお話をしておりますが、日本郵政グループの広報に関して、責任代理店制度というのを設けているのです。
責任代理店制度というのは、日本郵政グループのどの会社が広告を行う場合も、日本郵政が一元的に責任代理店に発注を行い、その後、各社が随意契約を結ぶというやり方でございます。

-責任代理店制度の経緯
 そもそも、民営化前に日本郵政という準備会社ができていて、郵政民営化のピーアールをどこにやらせるかというので、個別案件で個別に頼むのではなくて、博報堂に一括して頼んだわけです。つまり、郵政省時代、あるいは郵政事業庁時代、公社時代、広告に関する契約は、個別の案件ごとに広告代理店に、入札その他で仕事を与えていたと。
ところが、平成19年1月に日本郵政株式会社、当時は、いわば準備企画会社ですね。
コミュニケーション・プロジェクト・チームというCPT、ほとんど住友関係の人ばかりでできているという、例の出来レースのもととなる、出来レースのもとに、いつも出来レース人間を集めるというやり方ですね、得意なやつ。で、この出来レース人間を集めて、コミュニケーション・プロジェクト・チームというのを作って、民営化に関するピーアールは広告代理店を1社に絞る。民営化後は、責任代理店制度を導入するということを決めているわけですよ、平成19年の1月に。 それで、平成19年3月8日に、民営化に関するピーアールは、これは博報堂に決定をしております。 大手3社の企画競争だったということでございまして、審査したのはそのCPTメンバーズという、出来レースが得意のメンバーたちですね。
CPTメンバー、これで博報堂に決める。その年の10月1日に郵政民営化が行われまして、そうしますと責任代理店制度ができ上がるわけです。つまり日本郵政グループが契約する広告代理店を一元管理しまして、持株会社が。それで日本郵政グループの広告全般に関する責任代理店に係る公募をします。 電通、博報堂、ADK、I&S BBDOが企画書を提出しまして審査体制は、横山専務、小野寺部長、奥村次長、茅根担当部長、この人も三井住友の人ですね。それで博報堂に決定すると。

-鳩山氏が問題視している点について
 問題はですね、昨年の秋に博報堂エルグ、100%子会社の、低料第三種郵便物不適正利用が発覚をする。博報堂エルグの執行役員らが起訴されている。
で、日本郵政グループ内において、博報堂との契約をどうするかということが議論されています。博報堂エルグで逮捕者が出た。責任代理店制度で博報堂と契約している。当然見直しがなされなければいけないところですね、日本郵政グループは宣伝会議において横山専務執行役の指示によって、不適正利用にかかわったのは、子会社であるから、博報堂本体ではない。だから、責任代理店は博報堂から変更する意向がないということを各事業会社に口頭伝達をしております。指示しております。 ここが問題なのですね。郵便事業会社は、この5月22日、博報堂が契約手続規定、内規でですね、入札停止条件である、会社に損害を与えたものに該当するのではないかという異議申立てをしております。これは日本郵政に対して。 日本郵政と博報堂は立派な会社だけれど、この日本郵政の博報堂に対する態度は典型的な癒着としか言い様がない。こういうことはガバナンスの問題です。これね、博報堂は立派な会社だと思うけれども、博報堂エルグが逮捕者を出し、しかも入金だか送金だかの関係では博報堂本体も絡む、かかわっているのですよ。今回の低料第三種郵便のあの大不正事件ですよね。博報堂の抱えている博報堂エルグのみならず博報堂本体の九州支社が関与していた。博報堂本体自体が、九州支社ということですが、関与していたにもかかわらず、逮捕起訴されているのは子会社であるから、博報堂をこれからも使い続けるということを横山専務は各事業会社に通達をしていると。これは極めて遺憾、不正義であると断じたいということでございます。」

Market Fundamentalism is Dead 17

道路公団の民営化も本当は、失敗です。最近、土日の高速道路の走行が1000円になって話題になっていますが、本質的には、原則無料にする話です。民営化したあげくに、値下げしては、論理が矛盾しています。アメリカなどのように、国有化して、無料にするのが、公共財としての道路の本質です。物流などの経済は、大いに活性化することになるでしょう。

山崎養世氏の論説にもう一度リンクを貼ります。

ご覧ください。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071105/139593/

Corrupt Postal Privatization 93

http://blog.goo.ne.jp/thinklive/e/4684e61765f77b5cb83355936981b776

ご参考まで。

一部を引用する。全体は、上記のリンクをご覧ください。

「郵政民営化の勢力は民営化を絶対に諦めない、諦める筈がない、ワタベメルパルクはその努力の成功の証明である、、
鳩山総務相の本日の答弁は彼らへの答弁であり、この世の中に公平さの存在を証明するものだ、

ワタベメルパルクの出現、この1つだけでも西川郵政会長は背任の可能性大だ

メルパルク 日本郵政が施設を保有し、メルパルク株が運営するホテルなどの総称である、とWikipediaではなっている、
ゆうちょ財団の名称で運営されるワタベウエディング100%株式所有のメルパルク株、あこぎではありませんか、それとも損しているメルパルクよりも、儲かっているメルパルクの方がいいのではありません?

収益還元法によれば過去業績が赤字であれば、タダ、あるいは熨斗を付けなければならないか、業績を立て直すという可能性は一応棚上げされて、その価値を決定することが出来る、
だからタダで譲渡することモあり得る、別に当たり前のことだ、ということになる、
メルパルクの改装には2.4億円が投資されたと、毎日の記事は報じているが、1/12施設の投資額は2000万円ということになる、
サイトで見る12施設は鉄筋建ての威風があたりを払う感じの堂々たるホテル作り、
例えば東京、横浜の立地をグーグルの地図で検索してください、横浜はニューグランドホテル、東京は東京プリンスクラスの立地ですよ、
この立地で今まで赤字だったとうのは、それこそ官僚経営の硬直的経営手法で、アットいうまに、ワタベウエディングが黒字にできたのも当然と言う気がします、
それでも無償で貰っていただけるだけで有難い、ということになったのだろうか、
これは簡保の宿よりもひどい話だと思われます、」

Bulletin-UK Posatl Privatization rejected

http://u.tv/News/Assembly-rejects-postal-privatisation/a6dfc4f5-28c9-413c-b699-0c1f77968ac1

イギリスの郵政民営化が、北アイルランド議会で、全党一致で否決された。速報である。

ご存じの通り、イギリスは、連合王国であるから、北アイルランド議会の否決は、重い。

Bulletin-UKPosatl Privatization rejected

Cheating Media

5月29日号のニューヨークタイムス紙は、東京発の記者メモと題して、
[政治スキャンダル報道において、日本のメディアは、言われるがままと批判されている」との記事を配信した。http://www.nytimes.com/2009/05/29/world/asia/29japan.html?_r=2 ご参考まで。
Memo From Tokyo
In Reporting a Scandal, the Media Are Accused of Just Listening
By MARTIN FACKLER
TOKYO — When Tokyo prosecutors arrested an aide to a prominent opposition political leader in March, they touched off a damaging scandal just as the entrenched Liberal Democratic Party seemed to face defeat in coming elections. Many Japanese cried foul, but you would not know that from the coverage by Japan’s big newspapers and television networks.
Instead, they mostly reported at face value a stream of anonymous allegations, some of them thinly veiled leaks from within the investigation, of illegal campaign donations from a construction company to the opposition leader, Ichiro Ozawa. This month, after weeks of such negative publicity, Mr. Ozawa resigned as head of the opposition Democratic Party.
The resignation, too, provoked a rare outpouring of criticism aimed at the powerful prosecutors by Japanese across the political spectrum, and even from some former prosecutors, who seldom criticize their own in public. The complaints range from accusations of political meddling to concerns that the prosecutors may have simply been insensitive to the arrest’s timing.
But just as alarming, say scholars and former prosecutors, has been the failure of the news media to press the prosecutors for answers, particularly at a crucial moment in Japan’s democracy, when the nation may be on the verge of replacing a half-century of Liberal Democratic rule with more competitive two-party politics.
“The mass media are failing to tell the people what is at stake,” said Terumasa Nakanishi, a conservative scholar who teaches international politics at Kyoto University. “Japan could be about to lose its best chance to change governments and break its political paralysis, and the people don’t even know it.”
The arrest seemed to confirm fears among voters that Mr. Ozawa, a veteran political boss, was no cleaner than the Liberal Democrats he was seeking to replace. It also seemed to at least temporarily derail the opposition Democrats ahead of the elections, which must be called by early September. The party’s lead in opinion polls was eroded, though its ratings rebounded slightly after the selection this month of a new leader, Yukio Hatoyama, a Stanford-educated engineer.
Japanese journalists acknowledge that their coverage so far has been harsh on Mr. Ozawa and generally positive toward the investigation, though newspapers have run opinion pieces criticizing the prosecutors. But they bridle at the suggestion that they are just following the prosecutors’ lead, or just repeating information leaked to them.
“The Asahi Shimbun has never run an article based solely on a leak from prosecutors,” the newspaper, one of Japan’s biggest dailies, said in a written reply to questions from The New York Times.
Still, journalists admit that their coverage could raise questions about the Japanese news media’s independence, and not for the first time. Big news organizations here have long been accused of being too cozy with centers of power.
Indeed, scholars say coverage of the Ozawa affair echoes the positive coverage given to earlier arrests of others who dared to challenge the establishment, like the iconoclastic Internet entrepreneur Takafumi Horie.
“The news media should be watchdogs on authority,” said Yasuhiko Tajima, a journalism professor at Sophia University in Tokyo, “but they act more like authority’s guard dogs.”
While news media in the United States and elsewhere face similar criticisms of being too close to government, the problem is more entrenched here. Cozy ties with government agencies are institutionalized in Japan’s so-called press clubs, cartel-like arrangements that give exclusive access to members, usually large domestic news outlets.
Critics have long said this system leads to bland reporting that adheres to the official line. Journalists say they maintain their independence despite the press clubs. But they also say government officials sometimes try to force them to toe the line with threats of losing access to information.
Last month, the Tokyo Shimbun, a smaller daily known for coverage that is often feistier than that in Japan’s large national newspapers, was banned from talking with Tokyo prosecutors for three weeks after printing an investigative story about a governing-party lawmaker who had received donations from the same company linked to Mr. Ozawa.
The newspaper said it was punished simply for reporting something the prosecutors did not want made public. “Crossing the prosecutors is one of the last media taboos,” said Haruyoshi Seguchi, the paper’s chief reporter in the Tokyo prosecutors’ press club.
The news media’s failure to act as a check has allowed prosecutors to act freely without explaining themselves to the public, said Nobuto Hosaka, a member of Parliament for the opposition Social Democratic Party, who has written extensively about the investigation on his blog.
He said he believed Mr. Ozawa was singled out because of the Democratic Party’s campaign pledges to curtail Japan’s powerful bureaucrats, including the prosecutors. (The Tokyo prosecutors office turned down an interview request for this story because The Times is not in its press club.)
Japanese journalists defended their focus on the allegations against Mr. Ozawa, arguing that the public needed to know about a man who at the time was likely to become Japan’s next prime minister. They also say they have written more about Mr. Ozawa because of a pack-like charge among reporters to get scoops on those who are the focus of an investigation.
“There’s a competitive rush to write as much as we can about a scandal,” said Takashi Ichida, who covers the Tokyo prosecutors office for the Asahi Shimbun. But that does not explain why in this case so few Japanese reporters delved deeply into allegations that the company also sent money to Liberal Democratic lawmakers.
The answer, as most Japanese reporters will acknowledge, is that following the prosecutors’ lead was easier than risking their wrath by doing original reporting.
The news media can seem so unrelentingly supportive in their reporting on investigations like that into Mr. Ozawa that even some former prosecutors, who once benefited from such favorable coverage, have begun criticizing them.
“It felt great when I was a prosecutor,” said Norio Munakata, a retired, 36-year veteran Tokyo prosecutor. “But now as a private citizen, I have to say that I feel cheated.”

Kuroshio 8

尖閣諸島の一つに、久(く)場(ば)島がある。「クバの木の生える島」の意味である。座間味の島の沖にも久場島があって、クバの木の林があり、姫ハブがすんでいるという。島の山の頂上にも沖縄の神社に当たる拝所の御獄(うたき)があるという。かつて先帝陛下は「尖閣諸島には蘇鉄があるか」とご下問になったと聞く。上空を飛行機で通り過ぎたときに気にかけたが、蘇鉄があるかどうかはわからなかったが、クバの叢林は見ている。遊牧由来の山羊は退治すべきだと痛感したが、クバを見ただけで、もう、尖閣は黒潮文明の流れの中に入り込んでいることが確信できて、安心した。
 与那国島の度数の高い焼酎の由来については先述したが、その瓶をクバの葉で巻いているのはゆかしい。久場という姓の家族も沖縄にはいっぱいある。クバの木は学名がビロウである。漢字で、蒲葵、枇榔、檳榔と書いているが、倭言葉では阿遅摩佐(あじまさ)と言う。台湾などでクチャクチャと嚼んで吐き出す軽い興奮・酩酊を感じさせるビンロウとはビロウは異なる植物であるがよく混同される。古事記や日本書紀で、枇榔とは書かずに、むしろ檳榔の字を用いているからややこしい。檳榔長穂宮は、あぢまさのながほのみや、狭井連檳榔は、さいのむらじあぢまさと訓む。
 ビロウの島は沖縄や奄美の島ばかりではなく、九州の沿岸にも点々と残る。枇榔島は日向の門川や大隅の志布志湾に浮かぶ島の名前としても残る。門川の枇榔島は日本近海にのみ住む海鳥で天然記念物の「かんむりウミスズメ」の最大の繁殖地である。高知の宿毛の沖には、蒲葵島がある。
 クバの葉は掌状に広がるから、今でも沖縄の漁民のかぶる日よけは、クバ笠が一番であるし、その昔は、蓑笠に至るまでクバの製品であったし、若芽を食用にしたり、餅をクバの葉で巻けば、クバ餅といった具合である。
 クバの北限は福岡県宗像の沖ノ島であるという。沖ノ島には、いうまでもなく「宗像大社」の沖津宮があり、海上の道の要路にある。仁徳天皇の御製、
おしてるや難波の崎よ出で立ちて 我が国みれば 淡島 自擬島(おのころしま) 檳榔(あぢまさ)の島もみゆ 放(さけ)つ島みゆ 
の歌は、淡路島近くではなく、博多湾から、沖ノ島、つまりビロウの生えるあじまさの島を読んでいるとの説もありうる。沖津宮は現在でも女人禁制であり、男性も上陸前には禊を行なう。古代の祭祀遺物が発見されており、「海の正倉院」とも言われている。
 ビロウの島で有名なのは宮崎の青島である。黒潮に洗われる、鬼の洗濯板と呼ばれる日南海岸への入口で、樹齢数百年を超えるようなビロウの自然木約四三〇〇本の群落がある。青島神社の祭神は、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)である。火のことをマチという言葉が南島に残ることは先に書いたが、豊饒の火を重ねて「ほほ」と訓ませるのも意味深である。ビロウの幹に性の息吹を感じる向きもある。
 中世の流行であるが、檳榔毛(びろうげ)は公卿らの牛車の屋根材に用いられている。どう考えても都にクバの木はなかっただろうから、遙々遠方から運んできた珍しい建材であったに違いない。阿蘇や天草から瀬戸内海を通りピンク色の珍しい石材をわざわざ近畿に運んで古墳の石棺とした例もあるほどだから、それほど困難ではなかったのかも知れない。また、北方の朝鮮半島や、それ以北の渤海の国などとの交易品となっていたかも知れず、大儀なことではなかったのかも知れない。
 即位大嘗祭でも、天皇が禊を行なう百子帳(ひゃくしちょう)の屋根を葺くのに用いられている。そもそも百子長とはビンロウの別名であるという。柳田國男は、青島を二度目に訪れた際に、「あぢまさの蔭うつくしき青島を波たちかえりまた見つるかも」と詠んでいる。その歌意は、単に渡り鳥がビロウの種を啄んで運んだという話などではなく、その昔の文化と伝承を大事にしてこれを守ろうとする人々の、クバの葉や種を携えての黒潮の海の往来を偲ぶものである。
 さて、日本の神社の御神木の大半は松や杉、楠の大木である。だが、南西諸島の島々の神社である御嶽(うたき)の御神木は、今もクバである。沖縄の斎場(さいは)御嶽は、琉球王朝では伊勢神宮に相当する聖所であり、かつては大きなクバの木が岩山の上にあったそうであるし、久高島はもとより伊平屋島やあちこちの御嶽の御神木も、クバの木である。
 ところが、そのクバの木が御神木となっているのは沖縄ばかりではない。熱田神宮の社頭にもビロウの木が二本屹立している(縁起絵巻に描かれている)。若狭の一宮である若狭彦神社の蔵する古い絵図には蒲葵が神木として描かれているという。吉野の吉水院の後醍醐天皇の玉座の後の壁画にも、二本のビロウと蘇鉄が描かれている。
 ビロウの木が男根の象徴で、坐女を媒介として御嶽の庭で交合があり、神が顕現する形が、日本の祭の根源であろうか。名著『扇』のテーマは、ビロウの葉が祭りの扇に変化して行く謎解きである。民族の水平線と視野を拓き、再生の祭儀を解説する快著であると感心していたが、『吉野裕子全集』第一巻(人文書院刊)に収められたので、本稿の参考とした。(つづく)

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